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タイトル名 |
ビッグ |
レビュワー |
鱗歌さん |
点数 |
4点 |
投稿日時 |
2018-12-02 12:07:42 |
変更日時 |
2018-12-02 12:07:42 |
レビュー内容 |
外見が大人でも中身が子供のままだから、オモチャ会社で鋭い意見を吐いて成功するんだとか、少年の心を持っているから女性のハートを射止めるんだとか、そういったコトを「だって当然の帰結でしょ」と頭ごなしに我々に納得を求めてくるこの映画。どうも好きになれないのです。そういったコトに説得力を持たせるために、何を描いて見せてくれるか、それが我々の期待するところ。なのにこの映画は「そういう設定だから、当然そういう展開になるに決まってるよね」といきなり同意を求めてきて、そこには我々を納得させこの世界に引きずり込む、何のエピソードもない。 ただそこにあるのは、トム・ハンクスの「中身は少年です」と必死でアピールする演技だけ。一応は、彼の人懐っこそうな風貌とマッチして、それなりの効果はあげているのだろうけど、しかしそれとて、「大人が眉をひそめるような非常識な仕草」頼みの演技が中心で、そんなに面白味のあるものでもなし。 「元に戻りたい」気持ちくらいはせめてもう少し丁寧に描きそうなところを、むしろ新しい生活を順風満帆、楽しんでいる様子の方が、印象が強く、これだったらいっそ、最後まで元に戻れませんでした、という悲劇で締めくくればよかったに、とかいう事まで思ってしまうのですが、ハイ、それはさすがに無理ですね。そんな後味の悪いコメディ映画、絶対に人気出ません。 あの、やはり子供の心を残しているらしき社長との交流、これはもっと掘り下げてもよかったのではないか、とも思います。恋愛方向に話を持っていくより、ドラマが広がり、説得力も出たのでは、とか。そう思うと、『釣りバカ日誌』ってのは、社長とコドモ大人との交流を描き、そこには馴れ合いだけではなく両者の間の緊張感までも盛り込んでいて、本作より余程よく出来ていたような気がしてました。そういえばどちらも同じ1988年の映画なのでした。 |
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