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シアター・プノンペン - かっぱ堰さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 シアター・プノンペン
レビュワー かっぱ堰さん
点数 7点
投稿日時 2024-03-16 10:00:43
変更日時 2024-03-16 10:00:43
レビュー内容
カンボジアのポル・ポト政権時代(1975-79)を振り返った上で未来に向かおうとする映画である。制作時点から40年近く前のことなので、当時を知る人々と若い世代が認識を共有できるように作ったかも知れない。また映画を扱った映画として、かつてカンボジアに豊かな映画文化が存在していたことも伝えている。ラストに「追悼」として、悲惨な時代に生命を落とした映画関係者などが紹介されていた。
映画紹介を見ると単純にわかりやすい話かと思えばそうでもなく、けっこう複雑に展開して意外な結末を迎えることになる。物語上の難点として、映画館の親爺の企みとか何度も都合よく撮影ができたこと、また最後の映画公開に現実味がなく、特にこんな結末で観客が満足できたのか(:娯楽映画の延長として受け取るのは難しい)といったことはあるが、最後の主人公の言葉に真実があったのでよかったことにする。

映画の主目的は革命勢力の非道を告発することではなく、当時の再現映像はあるが残酷な場面は限定的である。それより主に現在との関係を扱っているが、注意すべきなのは一般民衆全部が必ずしも一方的に被害者ではなかったことである。この映画でも、当初は革命勢力を歓迎した者や実際に革命勢力の一員として民衆弾圧に加わった者、さらには私怨が動機で密告により人を死なせてしまった者もいて、これは現在の社会の実情を反映していると思われる。
一方で若い世代の主人公は、いまだに女性を縛る社会への反発が映画撮影の原動力になったようだが、始めてみれば当初の想定とは事情が違い、また人も社会も単純に割り切れるものではないことがわかってきて、広がった視野のもとで新たなメッセージを込めた映画を完成させたようだった。主人公の主体性と行動力が自分と彼氏の未来を開拓し、また過去の記憶に縛られた人々も解放して和解させた形になっていて、若い世代が持つ力への期待が表現されている。極めて誠実で良心的な映画だった。

その他、主人公の彼氏は銃器に頼って虚勢を張るくだらない男だったが、他の人格を演じることを通じて視野が広がったのが更生を促したと思えばいいか? 演技を学ぶことは人格向上にも役立つという考え方が背景にあったかも知れない。
また、かつて人を死なせた男が悪事を悔いて、覚悟を決めて行った先がどこかと思ったら、なるほどと思わせる結末になっていて感心した。この近辺の国々ならではの決着のようだが日本でもできなくはないか。
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