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うる星やつら 完結篇 - イニシャルKさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 うる星やつら 完結篇
レビュワー イニシャルKさん
点数 7点
投稿日時 2011-11-17 14:53:26
変更日時 2011-12-12 21:57:37
レビュー内容
原作の最終エピソードを描いた劇場版第5作。テレビシリーズが原作の終了を待たずに終わってしまい、ファンの要望に応えるかたちで作られた作品だそうだが、ほかの劇場版と違って原作となるエピソードが存在するためか、多少詰め込みすぎな印象があるものの、それでもこのシリーズに少しでも思い入れがあればじゅうぶんに楽しめる内容になっている。地球の存亡のためにあたるがラムと鬼ごっこをするという展開は完全に第一話と対になっていて、最後にきて改めて「うる星やつら」という作品の肝はあたるとラムの鬼ごっこにあるのだなと感じさせてくれる。それに加えて記憶喪失装置の作動によってあたるがラムの角をつかまなければ記憶が消されるという展開もドラマを生んでいて、寝ているあたるにテンが泣きながら「お前のこと、忘れられてせいせいするわい。」と悪態をつくシーンや、いよいよリミットが近づいたときにサクラが弁天たちにかける言葉が感動的。この後の鬼ごっこの結末にも思わず感動した。「うる星やつら」の幕引きとしては最高の終わり方ではないだろうか。作風的にはあまり劇場版という感じはしないのだが、丁寧に作られていて、ファンの期待を裏切らない作りなのが好感が持てる。声優陣の演技も気合いが入っていて、これが最後という雰囲気がよく出ている。中でもかつてラン役だった井上瑶をカルラ役で起用しているのは偶然ではなく、最後のお祭りにどうしても彼女を参加させたかったというテレビシリーズからの関係者の思いがあったのではないかと、ついそんなことを考えてしまうキャスティングでこのアニメの制作メンバーの絆の深さも感じられた。ただ、本当にこれで終わっていれば潔かったのになという思いもあって、本作を見たあとで先週見た(この映画の次作である)「いつだって・マイ・ダーリン」を見ていたら、「いつだって・マイ・ダーリン」の感想はボロボロだったかもしれない。
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