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タイトル名 |
炎のランナー |
レビュワー |
アングロファイルさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2012-08-30 20:35:09 |
変更日時 |
2014-02-05 19:35:41 |
レビュー内容 |
はっきり言って日本人向きではないでしょう。スポーツものとはいえ、「根性」の要素は薄く、もちろん練習の場面はありますが、あくまで一部でしかありません。肝心なのは、なぜ走るのか。ハロルドにとっては、ユダヤ人である自分をイギリス人として認めさせるためのもの。彼を取り巻くアイテムに、きわめてイギリス的なケンブリッジ大学やサヴォイ・オペラが配されているところがうまい。一方のエリックは、信仰表明として走る。あくまで神のために走るから、安息日には走れないというのがいいです。世俗の名誉を越えた大きなもののために走っているわけで、このあたりが現代日本人にはピンとこないところでしょうか。 オリンピック終了後の、2人の違いが本作のポイントでしょう。ハロルドの方にあまりたいしたものが残らなかったというのは、やはりキリスト教思想が根幹にあるヨーロッパの価値観が原因でしょうか。イギリスにおける異邦人の扱われ方、アマチュアリズムなど、いろいろと考察できそうです。とはいえ、私にとってはイギリス的な風景・雰囲気・音楽が堪能できただけでも嬉しい作です。 (レビュー400本目・ブルーレイ初鑑賞) |
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