|
タイトル名 |
鉄道員(ぽっぽや)(1999) |
レビュワー |
オオカミさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2003-12-10 11:07:59 |
変更日時 |
2003-12-11 02:00:04 |
レビュー内容 |
あざといとか、泣かせるために作ったからこそ泣けないとか、様々な意見はあるでしょうが、こういう映画はある程度、世代を選ぶと思うのです。すべての年代に受け入れられる作品など皆無です。必ず、理解できない、納得できない部分があるから。私の場合、父親の背中を見ていて、かなりの部分この映画の主人公健さんと重なるモノを感じています。太平洋戦争の敗戦後、どん底だった日本の世の中を立て直すために働いた人達がいたから、今の日本があるわけですし、それは正当に評価しなければいけないと思うのです。高度経済成長時代、誰もが仕事に精を出し家庭を顧みないで、自分の果たすべき役割に専念した人は多かったでしょう。その影でつらい思いをした家族は可哀想ですし、家庭人としての健さんは、その事に対して責任があるでしょう。しかし、実際のところ、そうやって自分を犠牲にしてまで世の中のために働いてきた人がいたからこそ、私たちは何らかの恩恵を被ることができたとを忘れてはいけません。不器用な男の人生を、笑ったり否定したりするのは簡単でしょう。しかし、その背景にある崇高な精神や、自己犠牲の気持ちを踏みにじるようなことは、人としてどうかなと感じます。この映画で健さんは、社会的に自分の果たすべき役割を立派に果たしたが、家庭的には役割を果たせなかった。それを非難するのではなく、許すために広末は出てきたのでしょう。いわば天使のような役割でしょうね。あれで健さんの心にわだかまっていたモノがなくなり、解放されたのを見て、私は安堵と感動を禁じ得ません。 |
|
オオカミ さんの 最近のクチコミ・感想
鉄道員(ぽっぽや)(1999)のレビュー一覧を見る
|