|
タイトル名 |
ルートヴィヒ(1972) |
レビュワー |
koshiさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2002-01-18 22:17:37 |
変更日時 |
2002-01-18 22:17:37 |
レビュー内容 |
異才ルキーノ・ヴィスコンティの遺作(確か?)。「ベニスに死す」を絶賛し,ほとんどマーラーそのもののような性格の主人公に共感し,感情移入してきた人たちにとって,柄がでかいぶん散漫な印象を与えたであろうことが,容易に想像できる。しかし,ドイツ統一という時代の大波に翻弄されつつも,自我を通し悲惨な末路をたどるバイエルン王ルートヴィヒ2世の生涯は,当時既に時代遅れであった絢爛たる様式美に溢れている。中世への憧憬と決して満たされることのない心の空洞と。豪華絢爛たる時代錯誤的19世紀末南独逸王侯物語。大河のうねりのように息の長いワーグナーの楽曲が,ヴィスコンティとルートヴィヒの人生の黄昏を鮮やかに彩っている。 |
|
koshi さんの 最近のクチコミ・感想
ルートヴィヒ(1972)のレビュー一覧を見る
|