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わが谷は緑なりき - すかあふえいすさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 わが谷は緑なりき
レビュワー すかあふえいすさん
点数 9点
投稿日時 2014-01-21 23:57:55
変更日時 2015-04-22 09:22:25
レビュー内容
フォードの西部劇の最高傑作が「リバティ・バランスを射った男」「捜索者」だとすれば、人間ドラマの最高は「怒りの葡萄」「静かなる男」とこの「わが谷は緑なりき」!

炭鉱の街に生きる人々の家族愛と絆を描いていく。

炭鉱作業の描写は終盤まで挿入されない。

それはススだらけになった男たちの顔が物語るし、主人公が成長する過程で挿入される。

そう、本作の視点は子供の主人公の眼だ。

大家族の末っ子として生まれた主人公。

炭鉱でたくましく働く兄弟たちへの憧れ、様々な出会いと別れを、幼い眼に焼き付けていく。

ストライキ、孤独と戦う父、一喝する母親の強さ、一人また一人去っていく兄姉弟たち・・・主人公も勉学に励み、知る人間のいない学校で戦った。

殴られたら殴り返す。

大人が手を出したら大人が倍返しだ!

フォードの暖かい人間ドラマがここに詰まっている。

燃え盛る炭鉱に何のためらいもなく助けに向かう男たち。

「果てなき船路(果てなき航路)」でジョン・ウェインを助けに行く水夫たちに通じる熱い魂。

どんな逆境でも懸命に生きる男たちは、何時の時代もカッコイイ。

それを見守る母親、女性たち。

牧師も拳闘士も関係ない、みんな一人の人間だ。

ラストは悲しくもあり、温もりもある締めくくり。

家族の魂は主人公の心の中に生き続ける・・・そんな映画だ。
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