にっぽん昆虫記 - にじばぶさんのレビュー

レビュー内容
タイトル名	にっぽん昆虫記
レビュワー	にじばぶさん
点数	7点
投稿日時	2008-01-27 11:48:47
変更日時	2008-01-27 11:48:47
内田吐夢監督の『飢餓海峡』と負けず劣らず左幸子の演技が凄まじい。彼女の熱演なしには、本作のパワーは生まれなかったであろうことは相違ない。男と女が情欲に流されるまま、まるで昆虫の様に生きる姿をリアリティに演出した今村監督。『赤い殺意』と非常に似たテイストの作品だが、本作の方がパワー・リアリティ・性的描写の全てにおいて上であろう。宗教、父娘の親密過ぎる間柄、母娘丼、売春、他人の子を身篭り「あなたの子」と騙す、チクリ、金への執着、強姦、、などなど、際どいテーマてんこ盛り。それらを下手に飾ることなく、リアリズムに徹して描いた今村監督。「調査魔」と呼ばれた今村監督だからこそ、リアリティを欠くことなく描くことが出来たのではないだろうか。

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