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タイトル名 |
恋愛小説家 |
レビュワー |
337さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2004-01-26 20:43:26 |
変更日時 |
2004-01-26 20:43:26 |
レビュー内容 |
ニコルソン演じる小説家メルビンは売れっ子で、いつも甘ったるい恋愛小説を書いている。 彼は女がどんな言葉で喜ぶのかよくわかっているし、それを生業にしているはずなのだが、 異常な潔癖症のせいだろうか、飾った台詞を口にすることができない。 言葉で相手を喜ばせるのは、なにより簡単なこと。使いこなせば代価なしに報酬を得ることも できてしまう。舌先三寸とはよく言ったものだ。メルビンにとってそれはビジネスの枠内に限られた ことであり、私生活の中には一切持ち込みたくない類のものなのだ。 そんなメルビンにキャロルは「お世辞のひとつも言ってみせて」とせまった。苦悩するメルビンが 吐き出した言葉は、キャロルを褒める言葉ではなかった。メルビンの言葉は ともすれば聞き流されてしまうほど何気ないけれど、それはその場だけで消えてしまう幻ではなく、 彼の行動を伴うリアルな言葉だった。 「時間をかけて見ていると、その人の人間性がみえてくるんだ」隣人でゲイの画家サイモンが モデルにかけた言葉だけど、この映画が私に伝えたのは、そういうことでした。 背中にファスナーが付いてるんじゃないかと思える小犬の演技は、主演の二人を凌駕しました。
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