|
タイトル名 |
スリング・ブレイド |
レビュワー |
鱗歌さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2021-03-31 22:45:55 |
変更日時 |
2021-03-31 22:45:55 |
レビュー内容 |
子供の頃に殺人を犯し、以来、精神病院で半生を送ってきた男。故郷に戻った彼が、幾人かの人々と交流する姿が描かれますが、彼には感情があるのか無いのか、表情からは読みとることが出来ません。しかしその無表情と、訥々とした語りが、ある種の真実を感じさせたりもします。 そして、その姿をしばしば、引いたカメラが我慢強い長回しで描く。それがまた何か、真実を感じさせたり。 彼自身がマイノリティであるとともに、彼の知り合う人々も、母子家庭であったり、同性愛者であったり、何らかの少数者的な要素を抱えていて。あの酒癖の悪い迷惑男ですら、考えようによってはその一員と言えるかもしれない。 ある意味、予想通りのストレートな顛末で映画は幕を閉じるけれど、それぞれの登場人物がそれぞれの弱さを持っているだけで、誰も本当には悪くないんだろう、と思うと、切ないものがあります。 少年がしばしば足を運ぶ池のほとり、その背景の森の緑が、印象に残りました。 |
|
鱗歌 さんの 最近のクチコミ・感想
スリング・ブレイドのレビュー一覧を見る
|