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フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ - マーク・レスターさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ
レビュワー マーク・レスターさん
点数 9点
投稿日時 2005-01-16 00:20:51
変更日時 2005-05-11 22:53:16
レビュー内容
デカダンスの香り高き、実に上質なSF映画でした!。■最も興味深かかったのは“悪”のありかたで、従来は建造物の“破壊”とそれによる人的被害が怪獣による“悪”の表現でしたが、今作に持たされるものは“食べられる”という“破壊”の恐怖を超えた、生物であるが為の否定し難い、根源的な恐怖なのです。“異形”ゆえに持つ人類との“差別と疎外感”どころではない、捕食者と被捕食者という、両者の間には共存の妥協点などありようもない、揺るがし難い関係が構築されるのです。生きるために他者を殺し“食べる”という、自己存続のための“悪”に対し、人類(自衛隊)は異形の者(ガイラ)へ“メーサー殺獣光線車!”を駆使し、存続をかけた戦闘を仕掛けます。しかしその“悪”は生物の端くれである人類自体も背負っている宿命、どうしょうもない行為ではあるのです....。ガイラが殲滅される直前に、突如として善玉サンダが助けに入ります。今作は「“サンダ”善玉 ⇔ “ガイラ”悪玉」という対比の2体を
用意し、人類 対 異形の者 という単調な図式からの脱却を図っています。善玉のサンダは山岳地に息を潜め、「もののけ姫」「平成狸合戦ぽんぽこ」等のジブリ映画に見られる、人間社会に追いやられる“封印された生命体”という役回りを演じています。
人類に対する同化願望・従順性・ヒロイズム。それと並行する人類に対する疎外感・哀しみ。サンダとガイラの細胞レベルの結びつき等、様々な関係・感情がサンダの登場で生まれ、それらが絡み合いながらあの不条理なラストに突入していくのです。結局のところサンダは、ガイラによる根源的な“悪”と“異形である自分達”の存在を完全に封印するために、(彼らには予知できていた)海底火山での2体同時消滅という決着を望んだのかもしれません(涙...)。そしてガイラが、サンダや人類によって命を奪われたのではなく、海底火山という寓話性によったところに、ある法話を思い出しました。ガイラが“捕食”という、生を持つ者全てに備わっている醜悪さを一身に背負っているとすれば、そんな彼を無為に消滅させられるのは(裁くのは)同じ宿命を持つ“生物”であってはならないのです。何故なら、【他の生物に対して行われる行為の中で、唯一許されるのは“食べる”ことしかない。】からなのです。



マーク・レスター さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2013-07-27ディア・ドクター87.05点
2013-04-03ハート・ロッカー96.23点
2013-04-03ゴッドファーザー PART Ⅱ98.35点
2011-05-14サマーウォーズ76.38点
2010-08-08洲崎パラダイス 赤信号98.16点
2010-04-30スラムドッグ$ミリオネア77.09点
2010-02-13ベンジャミン・バトン/数奇な人生86.50点
2009-12-27見知らぬ乗客76.85点
2009-10-20おくりびと87.03点
2009-08-19ウォーターボーイズ77.00点
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