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タイトル名 |
ゴールデンボーイ(1998) |
レビュワー |
エスねこさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2004-05-04 08:24:50 |
変更日時 |
2005-04-24 15:36:09 |
レビュー内容 |
キングの原作は、多分最初から映画化を念頭に置いて書かれていたと思う。超常現象とサイコサスペンス抜きで「心の闇」というテーマに正面からぶつかっている。かつてのナチ収容所長ドゥサンダーは原作と同じように虐殺の《職人》として描かれる。仕事でやってたんだから猟奇殺人者のように精神が蝕まれないかと、言うとそんな事は全くなくて、ちょっと機会があればナチの異常性を取り戻してしまう。キングが描いた物語を中盤まで忠実になぞったおかげで、映画版も「悪」「犯罪」という分けづらいモノの分離に成功しているようだ。惜しいのは画が季節感に乏しく、また実際に物語の最初から終わりまで、原作のように数年かかったわけではなさそうだという点。原作で、最初にドゥサンダーの元を訪れたトッドは14歳だからね(最終的に18歳で自滅)。この、子供の無邪気さが残る微妙な年齢設定を活かしてほしかった。クライマックス以降は予定調和なので、正直どうでもいい。むしろ原作版よりこちらの方が恐ろしかった。これから、ナチ将校から譲り受けた心の闇を抱えて生きていかにゃ~ならん! という重圧感が重く圧し掛かってくる(でもラストの画はもうちょっと何とかならんのかね)。ラストに大量殺人を持ってきてR指定になるのを避けたかった、というのが製作側の本音だろうけどねえ。もっとも昨今の映画はDVD化を当て込めるわけで「原作通りのラストも一応撮っておいて、特典に収録」みたいな技を使ってもよかったかも(足元には箱入りの弾薬。高速道路を遠目に見ながら、ライフルを掲げて「俺は世界の王様だぁ~っ!」と叫ぶトッドを後ろから撮って、後の展開は字幕で…エキストラなしの一発ロケ。安くて済むよ、シンガーさん)。 |
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