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愛と希望の街(1959) - なんのかんのさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 愛と希望の街(1959)
レビュワー なんのかんのさん
点数 7点
投稿日時 2012-05-02 12:23:26
変更日時 2012-05-02 12:23:26
レビュー内容
後半、観客を次第に苛立たせていくあたり、もう「大島」である。この苛立ちが社会に対する新しい発見なわけ。階級のどうしようもない差を、小さな犯罪を通して、またそれを巡る倫理観の違いを通して認識させてくれる。少年のほうも、鳩を逃がしたほうが悪いんだ、と自分に言い聞かせなけばならない疚しさを持っていた。渡辺文雄も疚しさを持っている。「親父の家でごろごろしているのが、今から考えるとおかしいんですが、何か罪悪のような気がしましてね」。この「今から考えると…」ってところが重要だろう。社会の構造に対する疑問は階級の差を越えて誰もが意識するときがある。がブルジョワに属しているものにとっては頭の中だけのことになりがちで、その構造の秩序に則った考えが「普段」になっていく。そしてわずかに残る疚しさが「今から考えると…」と言わせているのだ。どうして好意を素直に受け取れないのかしら、という少女の側の無邪気さも、けっして嫌味になっていない。それだからこそラストの鳩撃ちがいっそう悲痛なのだ。悪人らしき悪人が一人もいないのに、不幸や苦痛は充満しており、人々の間の相互理解は阻まれ続ける。お前はブルジョワじゃないのか、と問い返されて娘が「正義の味方月光仮面」と逃げて答えているのは、『少年』での宇宙人に対する願望を予告しているよう。ブルジョワの枠の中での正義は同情以上のものではありえない、そういう構造外の正義を、この月光仮面に期待しているのだろう。当時であれば、それは「革命」ってことで分かりやすい結論だったが、今現在はもっと深く問い詰めていかなければならないはずだ。
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