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タイトル名 |
夏の嵐(1954) |
レビュワー |
かわまりさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2013-10-27 08:07:56 |
変更日時 |
2013-10-27 08:13:27 |
レビュー内容 |
ヴィスコンティ監督の作品の中では未熟という意見もありますが、なんのなんの、荘厳なBGM、貴族の邸宅の内部、ヴェニスの風景、戦闘シーンなど全て秀逸です。憎みあう敵味方の間に生まれた愛情というのはシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」以来、何度も文学や演劇の作品で表現されてきましたが、この作品では中盤頃からアップになるリヴィアの表情、特に眉間に深い皺が刻まれたハイミスの彼女の年輪とオーストリア軍人フランツの小悪魔的な童顔が何か単なる敵味方ではない、新旧勢力の象徴のように描かれている気がします。とろけるような官能を描き切ったこの作品は新旧交代をよりリアルかつ重厚に描き切った後年の「山猫」の布石になっていると思います。 く知られているようにシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」では愛し合う二人の恋は死によって完結しますが、本作品の似て非なる結末も新旧対立という観点からいろんなことを考えさせます。 |
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