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ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版 - やしきさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版
レビュワー やしきさん
点数 2点
投稿日時 2005-11-21 23:48:49
変更日時 2014-08-18 01:22:22
レビュー内容
こちら完全版を最初に見た方は、公開時のバージョンを後で見ても、追加シーンがないのはさほど気にならないか、もしくは物足りない気がするかも知れません。(そもそもヒトは削除より追加したほうが認識しやすいため)しかし公開時の作品を見た私にとって、追加シーンはまったくの蛇足。想像力で埋めた甘美で切ない物語が、木端微塵に吹き飛ぶエピソードでした。51分の追加シーンがなくても(ないほうが)作品にこめられたメッセージがある意味はっきりしていると痛感しました。大げさに言うなら、公開時の作品は映画ファンのための映画。この完全版はトトという男の物語。母親の「あなたの家に電話をするたびにいつも違った女性が出てくる。でもあなたのことを心から愛している人の声を今まで聴いたことがない…」という含みのある名台詞。この言葉も完全版では単にエレナを忘れないから、という未練たらたら男になってしまうのです。大人になった彼女に言い寄る姿は醜悪そのもの。監督はもともとそれを望んで構成しているかもしれませんが、それを知ってしまった私としては悲し過ぎる作品でした。観客はトトの醜態を見せずとも。心のどこかにエレナがいつまでも存在しているなんてことは百も承知。さらに、映画を見ている観客それぞれにも心の奥に必ずいる「誰か」を思い出したり、過ぎゆく時に身を任せながら若き日の傷を癒すものなのです。さらに言えば、ラストシーンも単に心の誰かを思い出すだけでなく、映画が好きだった頃の「情熱」に対し奮起させることもメッセージで描いているのですから、エレナだけに集約して欲しくないわけです。おそらく完全版を先に公開していたらここまで評価は高くなかったでしょう。当時を思い起こせば、悲恋系映画はそれなりにありましたが、ここまで映画を愛した人々をストレートに出した作品はまれだったのも大ヒットの要因でした。多くを語らない作品の大切さをこの映画で知りたくなかった… 。「観客」はすべてを見せなくても行間を埋められる想像力があることを忘れてはいけないと痛感しました。
やしき さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2021-08-21スカイ・ハイ(1975)65.00点
2021-03-30キャスト・アウェイ66.55点
2020-05-21チリ33人 希望の軌跡75.83点
2020-04-24Oh! ベルーシ絶対絶命77.00点
2020-01-04男はつらいよ お帰り 寅さん66.97点
2016-12-28シンデレラ(2015)96.82点
2016-02-21スラムドッグ$ミリオネア97.09点
2015-03-30イントゥ・ザ・ウッズ64.53点
2015-03-08テルマエ・ロマエ65.75点
2014-09-20雨に唄えば108.07点
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