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タイトル名 |
或る夜の出来事 |
レビュワー |
すかあふえいすさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2014-01-04 22:02:37 |
変更日時 |
2015-06-18 10:39:25 |
レビュー内容 |
スクリュー・ボール・コメディの皮を被った素敵な恋愛映画。 後の「ローマの休日」を思わせる場面の数々。 冒頭から監禁状態の領域から逃げ出すヒロイン、ジャーナリストとの出会い、喧嘩を通して徐々に接近する二人、しかし運命は・・・という流れ。 決定的な違いは身分の“壁”の有無・ラストシーンにおけるヒロインの疾走!キートンの「恋愛三代記」もマイク・ニコルズの「卒業」もビックリなクライマックスだろうねー。
海を思わせる“水”のイメージのオープニング、船、会話をする船員たち、父親と口論を交える令嬢。初っ端から言葉で殴り合うような面白さ。男も女も互いに振り回し合う。 令嬢がプッツンして机をひっくり返せば父親がビンタし、その次は令嬢がドアをブチ開け船の上から脱走!父親は船を出して追おうとするがまんまと逃げられてしまう。どんだけ速いスピードで泳いだんだよ・・・w 一方、町の公衆電話では受話器の向うの仕事場の上司と揉めるジャーナリスト。そのジャーナリストが邪魔な新聞紙を窓から投げ捨てるし、そんでドライバーと喋っている内に冒頭の女性が新聞をどけた場所に座っちゃう。ここまでまだ7分も経っていないんだから驚き。
綺麗な脚を使った粋なヒッチハイクにも爆笑。
バスの中では座席を隔てて、ホテルでは一枚のカーテンが隔てるだけ。
愛していた筈の男との接吻はどこか迷いを見せる。式場での思わぬ再会、好きだからこそ別の男に“譲ってしまう”男心、車、カーテンと灯りの落ちた家が静かに物語る結末・・・。
この後にロードムービー・恋愛・コメディの要素を持った作品は「サリヴァンの旅」といった作品が撮られる。後続の名作たちと見比べるのもとっても楽しい映画です。 |
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