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タイトル名 |
パッション・ベアトリス |
レビュワー |
なんのかんのさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2013-04-12 10:09:09 |
変更日時 |
2013-04-12 10:09:09 |
レビュー内容 |
まだ食事でフォークを使わない、バリバリと肉を手づかみで食べる。そういう時代の、家を巡る悲劇。娘ベアトリスは、父が帰ってくるので初めて頬紅をつける。家長の役を降りて、ただの娘に戻れるという安堵感。しかし父は昔の父ならず、すさんじゃってるの。「わしより後まで食べるな!」 この食事のシーンは、カメラがあっちこっちと回って、父の変貌を観察してるよう。そして、この父は家長の器ではない、となる。高い理想に輝く完全無欠の「家長」のイメージが、この家を圧迫していく。ベアトリスの頬紅は落ちていく。一つの家に複数の家長。悲劇の設定が整った。そして物語の果てに家長はベアトリス一人になれるのだが、その家は何と荒涼とした場所になってしまったことか。マリア像に頬紅をつけるように、父の血をなすりつける。前作がジャズ映画『ラウンド・ミッドナイト』(デクスター・ゴードンのたたずまいが絶品)だった監督、本作では音楽がロン・カーターだが、印象に残っていない。ごめん。 |
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