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タイトル名 |
ジョゼと虎と魚たち(2003) |
レビュワー |
こじ老さん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2004-01-16 00:45:27 |
変更日時 |
2004-01-18 14:46:06 |
レビュー内容 |
切ない、本当に切ない恋愛物語。ラブストーリーなんていう甘い言葉は似合わない。きれい事も一切ない。鑑賞後にズシンとのしかかる現実的重さ。だけどなんだろう、とても切なくて、やりきれない気持ちになるのに、二人の未来に希望が見えるエンディングだった。己の弱さを認めて道端で泣き崩れる恒夫、嫌いなはずだった車椅子に身を収めて一人街を行くジョゼ。一見対象的だけど、間違いなく二人は一回り強くなっている。もちろん、このエンディングには恋愛や離別の経験からいろいろな意見がつくだろうが、少なくとも二人にとっては忘れがたい思い出として永遠に脳裏に焼きつき、将来の糧となることを確信する。間違いなく、これまで見てきた邦画の中でもトップクラス。洋画を含めても、下の方も言ってますが、ここ数年の最高傑作。年末、この映画に出会えたのは本当に幸運だった。だけど、見終わった後は二度と見たくなくなる、そこまで切ない映画。こんな映画にしてしまった主演の池脇千鶴、妻夫木聡は、役者魂に火がついたようなハマリ役でさまざまなシーンで僕の鼓動も一緒に高鳴る迫真の演技を見せてくれた。台詞回しだけでなく、表情やしぐさや、果ては後姿でだって演技している。心底ため息が出る。それもそのはずで、脚本は二人の主演を決めてから、二人をイメージして作られている。何から何まで。本当に僕はジョゼのとりこだ。 |
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