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乱れ雲 - 鱗歌さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 乱れ雲
レビュワー 鱗歌さん
点数 7点
投稿日時 2005-10-23 22:55:55
変更日時 2005-10-24 23:26:29
レビュー内容
いかにもメロドラマらしいメロドラマで、確かに引き込まれはするのですが・・・なんとなく物足りない! 成瀬作品って(まだ大した数観たワケでもないんだけど)、刻一刻、次のカットが予想できないような、何か屈折した感覚があるように思ってたのですが、どうもこの作品、流れがスムーズすぎて・・・(でもやはり、ところどころは「アレッ」と思うカットが挿入されて、何だかウレしくなる)。まあ、作品がカラーである時点で、雰囲気がモノクロよりも日常に近づく分、場合によっては、映画の「神秘性」が薄らぐ原因となったりもするのでしょうが。それにしても加山雄三の笑顔がインチキ臭い。メロドラマなのに、二人が結ばれることを期待するどころか、「ああ、こんな胡散臭い男にだまされるなぁ」「くそーまた偶然を装ってバッタリ出会いやがる。ストーカーの手口だ」「熱出たくらいで甘えやがって。母親の話と違うではないか」「あっ今のは絶対セクハラだっ」こういう邪念が湧いてしまうのは、私が悪いのか、映画が悪いのか。←こういう事ばかり書いているのは、結構気に入ってる証拠だったりするわけですけどね、ははは(随所に流れる武満サウンドがグー)。でも、ラストはもう少しなんとかならなかったんですかね。この断ち切るような終わり方、鋭いようでいて実は無難なラスト、これは少々日寄っている気がしました。この重いテーマに相応しい処理の仕方だったどうか・・・。
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