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タイトル名 |
ベティ・ブルー/インテグラル<完全版> |
レビュワー |
ただすけさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2006-05-01 01:06:10 |
変更日時 |
2006-05-01 01:07:39 |
レビュー内容 |
映画的というより絵画的、文学的ですね。音楽的でもあります。アートといってもいいかもしれません。映画的手法はいたってオーソドックスです。物語は時間の流れに沿ってそのまま構成されていますし、視点はゾーグに張り付いたきりです。凝ったカットワークもありません。それで3時間ずーっと引き込まれるというのはすごいことです。ひとつには「熱い」ということ。主演のベティーちゃんとゾーグ君はものすごく熱いですが、ピザ屋のストロンボリ氏、肉屋の奥さん、作家くずれの署長さんなど周囲の登場人物も負けずに熱い。題名どおり37.2℃はありそうです。なによりこの映画のスタッフが「熱い」思いで撮影に臨んでいるのがびしびし伝わってきます。監督の情熱がこのまれなる傑作の原動力になったのは明らかです。いまひとつは、「熱さ」と対局にある怜悧な映像。ほれぼれするような冷気に包まれ呆然と画面を眺めるしかない、そんな映像がベティーちゃんとゾーグ君の物語を塗り込めることによって、単純なストーリー展開にものすごい起伏を与えています。作者のなみなみならぬセンスを感じます。忘れるところでした。音楽も涙出ます。 |
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