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グリニッチ・ビレッジの青春 - とらやさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 グリニッチ・ビレッジの青春
レビュワー とらやさん
点数 8点
投稿日時 2012-02-10 20:15:39
変更日時 2012-02-10 20:15:39
レビュー内容
俳優として成功する事を夢見て、家を出てグリニッチ・ビレッジにやってきた一人の青年の、様々な出会いを通しての成長を描いた50年代を舞台にした青春群像。

主人公の青年以外の脇役も実にいい。まだまだキャリアがスタートしたばかり。「ディア・ハンター」の2年前。クリストファー・ウォーケンもその中の一人。演じる役は15歳で家を飛び出し、人を愛した事が無いという孤独な作家志望の男。もう既にウォーケンらしさがとてもよく出ています。

そして子離れできないママというどこか悲しい役をコミカルに力強く演じたシェリー・ウィンタースも素晴らしい存在感。

作品は主人公の青年が実家を出て行くところで始まり、実家を出て行くところで終わる。冒頭で家を出ていく時は母はヒステリーを起していたが、ラストは「クラーク・ゲーブルに会ったら母がファンだと伝えて。いい役者になってね」と気持ち良く息子の門出を祝福した。青年の成長と同時に、最後は家族の成長も気持ちよく描いた佳作。

1976年製作。アメリカン・ニューシネマ後期にあたる頃。グリニッチの仲間の自殺なども描かれるだけに、主人公の男は夢に敗れるのか否か。途中はどちらに転んでもおかしくない人間模様でもありましたが、最後はバイト先の夫婦にも両親にも祝福され夢への一歩を歩みだす。清々しさのあるいいラストでした。
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