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イン・ザ・カット - ザ・チャンバラさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 イン・ザ・カット
レビュワー ザ・チャンバラさん
点数 4点
投稿日時 2015-08-30 01:58:16
変更日時 2015-08-30 01:58:16
レビュー内容
これは女性の性の開放を描いたフェミニズム映画ですよね。主人公姉妹が対になっていて、妹は結婚願望・愛されたい願望の塊で、既婚男性に騙されたのに相手への思いを断ち切れず、ストーカーになってしまいます。女性から見たバカ女ですね。一方、姉は異性との付き合いなんて厄介事が増えるだけだし、基本オナニー、時々セックスで欲求が満たされれば充分と考えています。そのため、愛を求めてくるケビン・ベーコンは捨てられ、セックスだけのマーク・ラファロは残されました。また、女性に対する暴力に対して、男への精神依存度の強い妹は負けましたが、自立した女性である姉は勝った。本作では随所に対立構造があり、それらによってテーマがわかりやすくなっています。そういえば、本来はJJリーが姉役でメグが妹役だと思うのですが、あえてその逆をいった配役も面白いですね。
この映画になぜメグ・ライアンという意見もあるようですが、私はメグの出演は必然だったと思います。
90年代のメグはロマコメ(死語)の女王だったし、落ち目だった頃のデニス・クエイドに寄り添い、彼をヤク中から立ち直らせた良妻としても評判でした。しかし、『プルーフ・オブ・ライフ』の現場でラッセル・クロウと不倫したことで、そのパブリックイメージは崩壊。それまでの陽のイメージが強かった分だけ不倫の反動は強く、ビジネス的にはもうロマコメをやれなくなったのですが、一方で個人的には「10年も良妻をやってきたのに、たった一度の不倫でここまで叩かれるの」という思いもあったことでしょう。そこに、女性の性の開放を訴える本作がやってきたわけです。これはニコール・キッドマンが95年から温めてきた企画であり、彼女の初プロデュース作でもあります。そんな大事な企画でありながらも、今のメグが演じるべきとして気前良く譲ったニコールの男前っぷりには感心します。
問題は、映画として全然面白くなかったこと。猟奇殺人事件とそれに絡む犯人探しがどうでもいい上に、主題にもうまく馴染んでおらず、さらにはドンデン返しにも大したサプライズがなくて、メグが脱ぐシーン以外では眠くて仕方ありませんでした。隠語を吐き、全世界に裸をさらした挙句に「痛々しい」だの「乳が垂れてる」だの言われたメグはお気の毒でしたが、人生、ダメな時はそんなもの。一方、7年も企画に携わりながらギリギリでイグジットした当時のニコールの強運には驚かされます。
ザ・チャンバラ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2018-07-30IT イット “それ”が見えたら、終わり。55.60点
2018-07-17オールウェイズ46.46点
2018-07-09黒い家(1999)74.31点
2018-07-09ストリート・オブ・ファイヤー47.43点
2018-07-04復讐するは我にあり76.67点
2018-06-26愛と死の間で34.85点
2018-06-26スイッチバック46.00点
2018-06-22ゴースト/ニューヨークの幻87.02点
2018-06-22ビバリーヒルズ・コップ266.23点
2018-06-18危険な情事76.47点
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