SCAT/くちずさむねこ(2007)

 

マン・オブ・スティール(2013年【米】)

ワイリーの『闘士』、40年代フライシャー版、そして50年代TV版までが正当と思っている自分としては、これが唯一観たかった映画版ってコトになるんじゃないかな。

んでも全編に漂うザック臭が強すぎるので、3点減点。
「ドラゴンボールみたいー」という評価が多いのは予想してました。でもよく考えてみよう(ていうかフライシャー版を観てみよう)。あの空中を行きつ戻りつの殴り合いは、1940年代のアニメ版スーパーマンで既に実現してたんだよ。ドラゴンボールの方がスーパーマンのリスペクトで、本作はそれをキチンと還流させてるんだよ。

実は予告を見た時点で、だいたい全体像は理解していました。予想から全く逸脱していなかった。この作品、スーパーマンであるコトすら超えて、その元ネタSF小説の『闘士』に決着をつけようとしてる。これは偉大なチャレンジだと思いました。そして、見終わった感想からすると、十分満足してます。70年代からず~っと自分の見たかったスーパーマンの姿って、冒頭からのヒゲ時代のアレだったんです。
そこへ手を差し伸べるのが「ピューリッツァーを取った」「敏腕記者」のロイス・レインだという素晴らしい掟破り。ここで『闘士』編はいったん決着し、アニメ版の世界へ入っていきます。この切り替えの鮮やかさと、オリジナルへの礼の尽くし方に一瞬身悶えした次第。

本作は、長い歴史を持ったスーパーマンから派生した表現や文化を、いったん全部ハラの中へ収めてやろうという意欲的な企画で、その意味では、オイラ的には「これさえあれば他はいらない唯一無二の映画版スーパーマン」ってコトになります(ほんと、ザック臭さえなければね…)。
ジョー・エルの絡み方がちょっと、『ブレードランナー3』(小説版)のパクリっぽい気もするけど、そこはまあいいか。
ザック・スナイダーは現在のハリウッド随一である小器用さを発揮して、雑多な要素をまとめあげたって点で許しますわ。今後も職人監督として生きてくれい。
評価:7点
鑑賞環境:DVD(吹替)
2014-05-31 01:18:09 | 実写作品 | コメント(0) | トラックバック(0)