《改行表示》59.エイリアンの造型、設定はもはやひとつの芸術で、これについてはもはや何も言うことがない。あの異形の、しかし魅力的な怪物は映画ファンの記憶にいつまでも留まり続けるだろう。 ストーリーはホラーの常套を踏んでいるようで、『ブレードランナー』のようなハードボイルド的な渋い演出が多い。登場人物が一人ずつ死んでいくのは確かだが、いたずらに派手な死に方をさせるのではなく、静かに、非情に殺されていく。息が詰まるような暗闇の閉塞感のなか、たった一人で怪物と向き合わなければならないあの緊張感には吐き気すら覚えた。 音楽と音響の使い方がまた超一流。怖い場面で派手で陳腐な音楽を流したりはしない。個性的でなおかつ映像とマッチする音楽もすごいが、ここぞという場面ではむしろ沈黙が神経に響く。呼吸、衣擦れ、機械の作動音、エアロックから漏れる空気の音、時計が秒を刻む音――普段はなんでもない音が大きく感じられ、神経は今にもぷちんと切れてしまいそうなほどに張り詰める。自分の心臓の音さえ聞こえてきそうな気がした。 ところで、エイリアンのデザインなど、性的な要素が盛り込まれていることも興味深い。かの『エクソシスト』が、ロウソクの燭台の影を男性器に似せたりして人間の潜在意識に強く訴えるようなイメージで恐怖を促したというが、こちらの方がずっとあからさまである。 【no one】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-10-05 17:12:13) (良:3票) |
58.公開当時はスターウォーズに代表されるように,折りしもSF映画ブームのど真ん中。「SFは痛快!」,「SFは未来!」といった享楽色に染められていた。そんな時に,一発ドカンと投下されたのが本作である。上映が始まってしばらくすると館内には絶叫と悲鳴が交錯しだし,「うるさいのー,まったく…」とぶつくさ言っていた私も,気がつけばパンフの端から恐る恐る覗き見る始末。劇場でこれほど恐怖した映画はなかった。孵化したエイリアンが乗組員を次々と襲っていくところは,とても怖ろしくて正視できない。H・R・ギーガーの異界の住人を思わせるエイリアンの造形が一役買っているのは今更言うまでもないが,煎じ詰めればリドリー・スコットのディテールに対する異常なまでのこだわりが,これら恐怖のすべての源泉ではないか。つまりそれはノストロモ号の重苦しいリアル感(航空機部品で造ったという)であり,スモークを効果的に使った光と影の演出であり,そして極限に追い込まれた人間の放つアドレナリンの臭い等である。実際,乗組員達の絶望がスクリーンから色濃く漂ってくるようで,息苦しくなる。聞くところによると,リドリー・スコットは撮影直前まで,俳優達にエイリアンがどのような姿なのか明かさなかったらしい。映像で観る彼らの恐怖はまぎれもなく本物であり,我々もまた期せずして監督の意図に乗せられてしまう。SF映画史の上位にランクされるべき傑作だ。 9点。 【Roxy】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-11-05 09:16:22) (良:2票) |
57.本作品で秀逸なのがエイリアンそのものだと思っています。卵→孵化したフェイスハガーが被寄生体に幼体を注入→ある程度大きくなった幼体(チェストバスター)が食い破りながら被寄生体外へ→脱皮しながら成体(エイリアン)へ。二十顎を持ち、内側の顎が舌の様に出し入れできるという構造に無理がないように後頭部を異様に大きくしたそうです。それがまた美しいまでにグロテスク!どうやったらこの様な生物を創造できるのであろうか。この後、この手の映画はたくさん出ていますが、エイリアンそのものに打ち勝たない限りこの映画を超えることはないと思っています。 【中岩無洋】さん 9点(2004-03-02 11:06:59) (良:2票) |
56.ともかく画で魅せるリドリースコットの真骨頂。宇宙船の内部、宇宙船、そしてエイリアン、全部がかっこいい。内容から見ればただのモンスターものだが、もっと味わうべきものがこの映画にはたくさん隠れていると思う。 【峠のわが家】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-12-17 21:18:21) (良:1票) |
55.文句のつけようのない映像効果・音響効果・役者演出で観る者を圧倒する一本。下手に小賢しい捻りを加えず、ストレートな話を完璧な演出で伝えることを目指したからこそ、SFホラーの金字塔になりえたのでしょう。 【j-hitch】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2009-01-16 20:01:47) (良:1票) |
《改行表示》54.あまりのオリジナリティの高さ故、映画界に「SFホラー」なる言葉を造らせてしまったとんでもない作品。 宇宙空間に漂う宇宙船という密室、決して外へ出ることが許されない閉塞した空間での「恐怖」との対峙というプロットを用いて、見事に観客を震え上がらせた、まさしくSFホラーの金字塔である。 宇宙船を汚らしく汚してリアルさをかもし出したのも、この作品からではなかっただろうか。 【あむ】さん 9点(2004-05-02 12:47:39) (良:1票) |
《改行表示》53.SFというよりホラーの名作ですよね。首だけになったときのアッシュの造型なんかを見ると思いっきり低予算なんでしょうけど。 とりあえず猫が無事でよかったよかった。 うちの妹、シガニーウィーバーに似てるんですよね。で従姉妹は 死んじゃう方のねーちゃんにそっくりだし。 私は、もろ日本人顔なんだけどうちの親戚っていったい.. 【渚の肺から心臓】さん 9点(2003-12-17 22:08:35) (笑:1票) |
52.好き好き、大好き。もー、語り出すと3日3晩かかっちゃうから、これ以上はコメントしない! 【たまねぎ君】さん 9点(2003-11-06 09:34:20) (笑:1票) |
《改行表示》51.この映画をまともに観るのは何年ぶりだろうか。 いや、実際は、かつて淀川長治氏の日曜洋画劇場で放映された吹替え版を何度が観た程度で、字幕版をしっかりと観るのはこれが初めてだったのかもしれない。(しかも今回はBlu-ray特典のディレクターズカット版) もちろん、エイリアンがどういう場面でどういう登場を見せるかということは把握しており、ストーリーの顛末も当然知っているのだが、それでも次の瞬間にもエイリアンが襲いくるというシーンでは、恐怖の余り目を背けがちになってしまった。 リドリー・スコットが生み出したこのSFモンスター映画の醍醐味は、何を置いてもやはりその「恐怖」だと思う。 宇宙船という完全に閉鎖された空間に突如として付加された恐怖。 それは、モンスターそのものに対する恐怖というよりは、それから逃げられないという恐怖の真髄だ。 そこにある思惑により隠された真意による不信感が巧みに混じり合い、映画史上かつてない恐怖感を生み出したのだと思う。 今回どうしてもこの映画を再見したかった最大の理由は、今作の前日譚として公開されたばかりの「プロメテウス」を観るため。 改めて今作を見返してみると、エイリアンそのものの出生をはじめ、その発端となるシーンのあらゆる「謎」が気になる。よくもまあリドリー・スコットは、このあからさまな「伏線」を30年も放っておいたなと思う。 そして、30年前の映画にも関わらず、映し出される映像世界のスタイリッシュさに舌を巻く。本編開始前の“20世紀フォックス”のタイトルロゴの古めかしさに「そんなに昔の映画なのか?」と違和感を感じるほどに。 P.S.あたり前だが、シガニー・ウィーバーが若い!終盤の“半ケツ”が、その瑞々しさを極めて分かりやすく表現している。 【鉄腕麗人】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2003-10-21 00:45:25) (笑:1票) |
50.性的倒錯の映画として読み解くと、また面白いんですよこれがw チョッパーがペニス形状だったり、フェイスハガーの裏側がが女性器まんまのまま、しかもそこから延びる突起を無理矢理お口に突っ込んじゃうとかw んでももって懐妊なさった後は内部からの強制帝王切開によるご出産だとか……。それを迎え撃つ人間代表が、中性的魅力爆発のシガニーなあたりがもう……(悶絶)。 【柿木坂 護】さん 9点(2003-09-28 16:41:06) (良:1票) |
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49.見所満載。硫酸のようなエイリアンのよだれ。腹を食い破られた別の異星人巨大な死骸。卵から飛び出すカブトガニのような姿の幼虫。そしてリプリーの半ケツ。SFホラーの記念碑的な作品。 【くるみぱぱ】さん 9点(2003-07-06 06:18:02) (笑:1票) |
48.物語のテンポ、恐怖の盛り上げ、ビジュアル的視覚効果等、しびれるほど驚嘆した。新しいSF映画として歴史的作品。以後の作品と比べてもやはり第1作を推したい。この作品では、最後までエイリアンの全容をほとんど見せることなく押し切った。その手腕に9点。 【偏見マン】さん 9点(2002-12-03 15:24:18) (良:1票) |
《改行表示》47.怖さではシリーズダントツ! なんと言っても、腹を食い破って出てくるチェストバスターの衝撃! とにかく暗い船内の雰囲気が怖いし、得体のしれない生物が潜んでいるという怖さ。 また、CGが無い時代故にエイリアンは人間っぽい動きだが、逆にそこが愛らしくていい! 突然ばぁっ!と手を広げて脅かしてきたり、やっと居なくなったと思ったらなんか隙間に挟まってて手だけ出してやっほー!とか、今見直すと妙に笑えてしまう。 【ヴレア】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2017-09-16 19:56:01) |
《改行表示》46.SFホラーの原点にして頂点という感じの傑作。エイリアンが映るシーンは意外と僅かですが、そのわずかなシーンでの恐怖感が半端ないです。 最近のSFとは違い技術に制限がありますが、今の最新技術とは違い当時の技術でどこまで恐怖感を与えるかがよく出てた。 【ラスウェル】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2016-06-29 23:58:01) |
45.H・R・ギーガーの作品集を熱心に見たのはこの映画がきっかけ。性器の造形をモチーフにしているだけあって、彼の手がけたクリーチャーはなまめかしい。あのぬるぬる感が僕はたまらなく好きだ。 【kagrik】さん [地上波(字幕)] 9点(2011-06-12 10:38:51) |
44.チラッとだけしか映らない、なかなか死なないこのエイリアンがシリーズ中一番好きです。 【eureka】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-03-27 13:29:43) |
43.エイリアンシリーズではこの映画を一番最後に見ましたが、本当の怖さ、という点ではこれが一番ですね。最初にコレを見ればよかった!!と後悔しました。エイリアンが何か知らないで見てたら多分怖さも倍増したでしょうね。この作品ではなかなかエイリアンが姿を現さないので…。閉塞間のある場所で姿なき敵から逃げる、この手の映画の中ではだんとつに好きな作品です。ただ私は登場人物に感情移入してしまうので毎回犠牲者が出るたびに嘆いてます。 【CEDF】さん [ビデオ(吹替)] 9点(2008-02-08 20:54:34) |
42.肝心のエイリアンが最後の最後まで、どんな姿か解らずハラハラ、ドキドキでスリル満点でした。最高の演出でした! 【憲玉】さん [DVD(吹替)] 9点(2006-10-08 20:02:50) |
【ニコレット】さん [地上波(吹替)] 9点(2005-11-08 18:12:22) |
《改行表示》40.何度か劇場で観て、ビデオでなら今も観ている作品です。最初の劇場鑑賞はギーガーとシド・ミードのデザインを画面で味わいたいというのが第一動機でした。まだホラーに免疫がないときだったので、かなりつらい思いをしました。時期的には「シャイニング」や「遊星からの物体X」と近く、「エクソシスト」「オーメン」と領域を広げてきたホラー映画が更なる展開をしたエポック作品といえるでしょう。 2作目も高く評価しますが、どちらを先に観てもそれほど問題が無く、娯楽アクション嗜好の強いSFファンなら2作目、シリアスSFのファンなら1作目から楽しむことをお勧めします。 【昌兵衛】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-04-15 12:27:20) |