4.まさに「スクリーン所狭し」と繰り広げられる、タイファイターとXウィングのドッグファイト。かつてアクション映画のショットは一体どこまで細切れになっていくのか?なんて思ったこともあるけれど、最近は落ち着きを取り戻してきて、時にはやや長めのショットを織り交ぜつつ、それをうまくCGで彩ったり。
と、迫力の映像に、畳みかけるストーリー、とりあえずは我々をたっぷり楽しませてはくれるのですが・・・。
それにしても、この「旧3部作」に対する、リスペクトというよりはむしろ、過度の気遣い。なんだかなあ。
旧3部作を否定しかねないような要素は微塵も含むまい。なにせあれらの作品は不可侵の殿堂入り。敵も味方も、概ね似たような設定で、デススターそっくりの敵の基地へ、レッド中隊ブルー中隊が攻撃を仕掛ける。特撮技術は当然のことながらはるかに進んでいるけれど、40年近く前の作品のローテクをそのまま本作に取り入れた部分も残してみたり。今回から登場する若い面々は、さすがに元気なところを見せ、いかにもリニューアルされた感じを出す一方で、お馴染みのソロやレイアもたっぷり幅を利かせて、さあ旧作ファンも満足してください、と。
特に、今回は新しい物語の序章に相当するためなのかも知れませんが、敵役がイマイチ貫録無いというか、魅力に乏しくって。いかにも「ダースベイダーほどすごくはありません。やっぱりダースベイダーはすごかった」という感じ。
エピソード1~3は、4~6に縛られることなくルーカスが想像を膨らませていって(例えばエピソード2での都会の描写なんて、本シリーズの中で新鮮でした)、それが行き過ぎて正直、我々がついていけなくなった面があり、またこれらの映画はいささかその空想を「設定」として語り過ぎたキライもあると思うのですが・・・それに比べると、本作、冒険することなく、「ファンの皆さま、ディズニー版ですが違和感なくご覧いただけるように作ってみました」とばかり、ちゃっかりと小さくまとめちゃったようにも感じられて。
本作、確かに面白い。けれどその分、ちょっと、ルーカスが、気の毒にも思えてきたのでした。