グラン・トリノのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。2ページ目

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グラン・トリノ

[グラントリノ]
Gran Torino
2008年上映時間:117分
平均点:7.88 / 10(Review 289人) (点数分布表示)
公開開始日(2009-04-25)
ドラマ犯罪もの
新規登録(2009-02-20)【すぺるま】さん
タイトル情報更新(2019-08-14)【Olias】さん
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監督クリント・イーストウッド
キャストクリント・イーストウッド(男優)ウォルト・コワルスキー
クリストファー・カーリー(男優)ヤノビッチ神父
ビー・ヴァン(男優)タオ・ロー
アーニー・ハー(女優)スー・ロー
ブライアン・ヘイリー(男優)ミッチ・コワルスキー
ジェラルディン・ヒューズ(女優)カレン・コワルスキー
ブライアン・ホウ(男優)スティーブ・コワルスキー
ジョン・キャロル・リンチ(男優)マーティン理髪師
ドゥア・モーア(男優)スパイダー
コリー・ハードリクト(男優)デューク
スコット・イーストウッド(男優)トレイ
ドリーマ・ウォーカー(女優)アシュリー・コワルスキー
滝田裕介ウォルト・コワルスキー(日本語吹き替え版)
川島得愛ヤノビッチ神父(日本語吹き替え版)
細谷佳正タオ・ロー(日本語吹き替え版)
山野井仁ミッチ・コワルスキー(日本語吹き替え版)
咲野俊介(日本語吹き替え版)
原作デイヴ・ヨハンソン(原案)
ニック・シェンク(原案)
脚本ニック・シェンク
音楽カイル・イーストウッド
レニー・ニーハウス(演奏指揮)
編曲レニー・ニーハウス
主題歌ジェイミー・カラム"Gran Torino"
クリント・イーストウッド"Gran Torino"
撮影トム・スターン〔撮影・照明〕
スティーヴン・S・カンパネリ(カメラ・オペレーター)
製作クリント・イーストウッド
ロバート・ロレンツ
ビル・ガーバー[製作]
ワーナー・ブラザース
製作総指揮ブルース・バーマン
配給ワーナー・ブラザース
美術ジェームズ・J・ムラカミ(プロダクション・デザイン)
衣装デボラ・ホッパー
編集ジョエル・コックス〔編集〕
ゲイリー・ローチ
字幕翻訳戸田奈津子
あらすじ
アメリカ自動車産業に身を捧げ、朝鮮戦争では祖国のために戦い抜いたウォルトは、妻に先立たれ、子どもたちとも離れて暮らす孤独な老人。隣人も移り変わり、外国人ばかりが目に付く。そんな彼の宝物は、庭の芝生と愛犬デイジー、そして何より72年製のフォード・グラン・トリノ。頑固一徹、人種差別を隠すこともない彼だったが、ある事を契機に隣家の東洋人青年タオとの交流が始まり、次第次第と心を開いて行く。しかし、平和は長くは続かなかった。運命の日はすぐ近くまで来ていたのだ。クリント・イーストウッド、俳優としての引退作品。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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269.《ネタバレ》 全般静かにストーリーは進んでいきます。最後に丸腰で悪党たちに立ち向かうあたりが、もの悲しい。
ゆっきーさん [DVD(字幕)] 6点(2018-04-28 13:33:41)
268.《ネタバレ》  良い映画というのはわかるのですが、ゆっくり淡々とした流れの前半が正直退屈。アクションやサスペンスを期待しているわけではありませんが、ドラマならではの面白みがもう少しほしい。
 また、序盤は可愛げのない孫達や、そんな子供に育てた息子夫婦に若干いらいら。それに、後半への布石とは言え、若い神父に対するウォルトの態度がなかなかひどい。なんか不愉快な気持ちにばかりさせられます。
 タオ一家との交流が始まってからは、しだいに温かい空気になっていきます。タオやスーとのふれあいによって、ウォルトの冷え切った心が少しずつほぐれていく様子は、ありふれているけど微笑ましい。
 その一方で、偏屈で偏見のかたまりだったウォルトが、隣人と打ち解けていく『これ』といったエピソードが足りない気はします。おばあさんの荷物を拾ってあげるタオや、親しげに話しかけてくるスーだからこそ打ち解けられたのかもしれないが、やはり説得力に欠ける気がしました。
 ラストの終わり方は意外でしたね。ドラマとしての深みが出ます。余韻も生まれます。それまでのストーリーとのバランスだってとれている気がします。ただですね、時代劇をいっぱい見て育った世代としては、「てめえら、いい加減にしやがれ。皆殺しじゃー。おらー。」ってな感じで、とにかくケタ違いの強さを見せ付けて悪党どもを粉々にして欲しかったのが正直な気持ち。周りからどんな批判を受けよーと、『目には目を』ってわかりやすいケリのつけ方が好きなんです。
 つまりは、この作品は『娯楽』ではない、だから性に合わない、ということですね。
 
 
たきたてさん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-02-24 04:25:53)
267.映画を観終わった後、すすり泣く声が聞こえたのは始めてかも。一言でエンディングは鑑賞に浸れた。味の有る人間ドラマに仕上げていただきました。
mighty guardさん [映画館(字幕)] 9点(2018-02-16 16:38:48)
266.《ネタバレ》 クリントイーストウッド最後の出演作として最高のラストでした。ハリーキャラハンなら問答無用で撃ち殺したろうけど、ある意味どんでん返しでした。こんな決着のつけ方があったのか。これなら復讐の連鎖も無いだろう。お見事としか言いようがない。
気だるそうなラストの音楽も最高です。
さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2018-02-04 01:10:23)
265.個人的には地味で暗めのヒューマンドラマは嫌いです。
実際、ここでもそのタイプの映画には低い点数をつける事が多いのですが、しかしこの映画レベルになるともはや嫌いだなんだと言うのがアホらしくなってきます。

ストーリー自体は地味でなんのひねりもないものですが、しかし観終わった後に染みる余韻は相当なものです。
それは一見地味ながらもそこに複数のテーマが重層的に描かれているからこそなわけですが、残念ながら生粋の日本人である自分には、この映画に含まれた複数のテーマにあまりなじみがなく、肌感覚で直感的にテーマを感じる事ができません。(頭の中で分析的には理解できるのですが)

それでもこれだけしっかりした重厚な感動を与えてくれるわけだから、ほんとたいした映画だと思います。

あと「グラントリノ」、かつてダーティハリーの中で乗ってるシーンがあるんだとか。
あばれて万歳さん [インターネット(字幕)] 8点(2018-01-17 00:29:34)
264.《ネタバレ》 VODで、何があるのか探してたら、知ってる作品で、レビューも良いので鑑賞。
当たりでした。
戦争から帰還後、息子達とうまくやることができず、溝が深まっていくのを心の中では、苦悩するウォルト。
戦争で人を殺したことのある者にしかない苦しみ。。。
自分の命を犠牲にし、命を奪うことなく、復讐の連鎖を連鎖を断ち切ったところは心打たれました。
へまちさん [インターネット(字幕)] 8点(2017-12-31 20:16:59)
263.《ネタバレ》 よくまとまった話だとは思いますが、要は勧善懲悪で薄っぺら感を否めず。「自分さえカッコよければいい」という、イーストウッドの悪い面が出ている気がします。結局、「ダーティハリー」からまったく進歩が見られないわけで。
それはともかく、どうもモヤモヤした点が1つ。救いようのない悪党が出てくるわけですが、彼らをなぜ、隣人と同じアジア人にしてしまったのか。察するに、仮に黒人や白人にするとリアルすぎるからではないでしょうか。それでは主要客である米国人を敵に回すだけ。しかしアジア人、それも中国人や日本人ではなくドマイナーな民族に設定すれば、ある種の対岸の火事として見ることができます。それは良く言えばファンタジーということですが、悪く言えば猛烈な民族蔑視にほかなりません。よく知らないアジア人なら、簡単に銃も乱射するし、親戚をレイプもするし、人も殺すよねと。こんな野蛮な民族に生まれなくて良かったねと。
余談ながら、肝心のグラン・トリノより、息子の乗るTOYOTAや悪党たちの乗るHONDAのほうがよほどカッコよく見えます。
眉山さん [インターネット(字幕)] 5点(2017-10-18 23:13:44)
262.《ネタバレ》 この映画は結果よりも過程を楽しみたい映画だと思う。ウォルトの最後の決断は確かに悲しいものであるが、それよりも映画の途中で何回もクスクス笑ってしまうシーンや、ウォルトとタオ(そしてその家族)の微笑ましい掛け合い、そして二人の友情が、この映画の醍醐味だと思う。
珈琲時間さん [映画館(字幕)] 7点(2017-10-18 08:46:35)
261.メッセージ性の強い作品。よってネタバレ無しで感想を書くのが難しい。基本的に笑えるシーンも泣けるシーンも結構ベタだなと思いました。しっかり笑わされて、そして泣かされましたけど。自動車産業の衰退や街のスラム化、移民などの社会的な問題について、少ないセリフで上手に説明してあるので、前知識がなくても、ああ今のアメリカ(の一部)はこんな感じなのかなとなんとなく分かります。とりあえず、まだ「ダーティーハリー」を観てない方には、そっちを先に観といた方が良いよとアドバイスしたい。その方が色々楽しめるから。
すらりんさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-10-07 13:00:58)
260.《ネタバレ》 主人公は命と引き換えに少年の未来を守りました。感動しました。しかし何度も観る気はしません。やっぱり、真面目に生きている人は幸せになってほしいんです。死んでほしくないんです。イーストウッド監督作品はこういうのが多いですね。
次郎丸三郎さん [DVD(吹替)] 8点(2017-06-04 13:01:08)
259.最後は丸腰でしたね。イーストウッドは生涯をかけて演じてきた”男の姿”を終わらせたかったのでしょう。さよならハリー!、さよならブロンディ!
爆裂ダンゴ虫さん [映画館(字幕)] 8点(2017-05-30 17:42:58)
258.《ネタバレ》 ポーチと椅子と床屋。西部劇の記号。実は過去のどのイーストウッド映画よりこれら道具立てが頻繁に現れることに戸惑った。しかし過去のどのイーストウッド映画よりも西部劇足ろうとしたのだろう。そういう意味では彼のセルフ・イメージ以上にこれも西部劇というジャンルを葬る映画だが、しかし本作も師ドン・シーゲルのあの作品と同じで爽やかな葬儀だ。

また、ジッポーのライターと朝鮮戦争従軍時の記念品を収納しているケースに記されている第一騎兵師団のマークもシンボルとして重要だろう。第一騎兵師団は西部劇の騎兵隊の末裔である。イーストウッドが妻を亡くしていることを合わせて考えると、どうしても『黄色いリボン』を想起してしまうが、ラストにおいてジッポーのライターが重要な小道具として使われており、この点でも西部劇への想いを感じてしまう。。(ポーチと椅子と床屋、そして騎兵隊、ということで云えば、私はどうしてもジョン・フォードへのオマージュを感じます。)

一方でこのマークは日本人にとっては太平洋戦争敗戦後の米進駐軍のシンボルであり、映画ファンにとっては『地獄の黙示録』のキルゴア大佐率いるヘリコプター部隊をはじめ多くの戦争映画における米軍の紋章として記憶しているものだ。

楊徳昌の『恐怖分子』でも、第一騎兵師団のマークのついたジッポーが米兵(米国人)を象徴する小道具として利用されている。一般の米国人にとっても米軍のシンボルとして受け止める人もいるだろうし、さらに云えば暴力の、殺人のシンボルとして受け止めることもできるだろう。近作では無政府主義と云っても云い過ぎでないほどのリバタリアニズムを表出していたイーストウッドが司法に委ねる結末を選ぶということも含めて、キリストの磔刑の十字サインも含めて、本作の最期の描写が表象するものの深さは尋常ではない。

ただし本作のクライマックスはラスト以上に二つ目の懺悔シーンの金網を挟んだ演出だろう。イーストウッドはこの映画の中で一度しか懺悔していない、とも云えるが、とりあえず二つの懺悔シーンがあるとするならば、二つ目のこの見せ方には圧倒される。見終わった後も考えれば考えるほど、この演出の聡明さに慄然となる。
ゑぎさん [映画館(字幕)] 10点(2017-03-28 06:18:15)(良:1票)
257.良作には違いないですが、なんというか・・ 「重たい」です。皆さん高得点が多いようですが、こんなに重たい映画が好きですか?ホントに?? 

イーストウッドが監督した映画はチト重すぎます。個人的には彼の作った映画でバランスが良いと感じたのは「パーフェクト・ワールド」くらいです。それ以降は特に重たい映画ばかりで疲労困憊。しかし困ったことにどの映画も内容的にはかなりの高得点なので評価し辛いことが多いです。

今回のグラン・トリノも非常に完成度が高い映画ですが、、何度も見たいとは思わないのでこの点数です。あ、牧師さんパートは全体的に良かったです。セリフが深くてよいですね。
アラジン2014さん [インターネット(字幕)] 5点(2017-03-24 11:45:14)
256.《ネタバレ》   
かつて、黒沢明の「生きる」をハリウッドがリメイクする
なんて話が話題に上っていましたが
この作品はこそ「生きる」のイーストウッド版でしょう、きっと

定められた死を前に何をしていいのかもさえ分からず
人付き合いも少なく、ただひとりで
芝刈りをして過ごす自分への焦燥感と虚無感
自分が育ててきた息子との距離や擦れ違いの埋め方が分からない姿
後悔以外、残されたもののない人生への懊悩

そんな苦しみの中から
力なく弱い立場の人に、未来を残すことに
残された自分の命を昇華させるこを決意して行動する

細かい設定こそ異なりますが
貧しい庶民は、隣家のモン族と少年タオ
庶民を苦しめていた環境汚染は、劣悪な治安
弱者が抗しきれない役所権力はギャングの暴力
主人公が残したかった公園は、穏やかになった町とタオの未来

置き換えてみても違和感を感じません

ラストの、情感あふれるウォルトの歌声に
グッと胸にこみ上げた人もいらっしゃると思いますが
あれこそ、まさに
「生きる」の主人公が、ブランコに揺られ歌っていた「ゴンドラの歌」
主人公の万感の思いが胸に染みこむような歌声です

舞台を現代のアメリカ社会に置き換えながらも
「生きる」に描かれていた大切な要素を残し
そして、余命を宣告されてからのわずかな時間が
ウォルトにとって満たされたものだったことをつたえてくれる、
優しく、穏やかな歌声

監督としても、主演としても
そして歌声までも、さすがのC.イーストウッドでした
こっちゃんさん [映画館(字幕)] 10点(2017-03-19 17:35:11)(良:3票)
255.ぼんやりと見ても、真剣に見ても、ついつい考え込んでしまう。
どうやったらこんな画の中に生きることが出来るのだろう。

何年たっても、このような想いの食い違いだったり、
近場に災難を被ったりするのだろうけど。
人種、育ち方、本当の家族、自身の人生結論、
すべてがストーリーとして一つになって、
映画としてみられる。

これは自叙伝なのか、それとも。
少なくとも想像だけ、でつくることのできる映画ではないと想います。
元祖さん [インターネット(字幕)] 10点(2017-02-15 23:05:07)
254.自分が犯した過ちへの、正しいケリのつけ方。感動以上の感情は、一人で噛みしめるものらしい。妻に先立たれ、自分も余命僅かだろうことを自覚した男ウォルト。彼の自宅の隣に、異文化を体現したような東洋人が越してきたことで物語は動き始める。毛嫌いしていた隣人たちとの交流により、彼は新しい価値観を見出す。人生最後にできた若い友人。ウォルトは自動車工場に長年勤め、戦争で敵兵を殺したことも公言する。裕福でも、高学歴でも、由緒正しき家柄の出でもない。だが、彼は常に自分のことは自分で決め、一握りの財産を大切にし、そして責任を全うしようとしている。題名となっている『グラン・トリノ』という車も、その僅かな誇らしい財産のうちのひとつだ。若いタオに親切にすることも、彼には一人の友人として当たり前のことなのだろう。タオが同族の不良どもに付きまとわれて困っているとき、良かれと思って行なったことで、事件が起きる。逸るタオに彼は言う。「冷静になれ。考えろ。作戦をよく練るんだ。」隣人への償いのために、過ちを犯した自分へのケリを付けるために、彼は一人命を掛けて行動に出る。彼の静かな戦いは、まさに「本当に格好いいとはこういうことさ」ということそのものだ。そんな彼は「旧き良きアメリカ人」(またはアメリカそのもの)の具現者だった。ハナマル。
しぇんみんさん [DVD(吹替)] 8点(2016-11-20 13:36:01)
253.《ネタバレ》 おもしろい映画が始まりそう、という期待感膨らむ導入部でしたが、もっとぐんぐん引き込んで欲しいのに、あっさり進んでいく。息子夫婦はさほど悪人でもないし、ウォルトが隣人のアジア人と打ち解けていく課程も頑固な割にはあっさり。神父さんに「名前で呼んでいい」と変化するのも、いずれその時期がくると期待していたのに見せどころでもない。タオという少年が、ヘタレのようでいて実は工具を持たせると光るものが:…とはいかなかった。
2016年、見直したら偏屈爺さん見ていて不快でした。言葉づかいが汚いし文句ばかりだし。街角で若い男の子に絡まれるシーンは特に。
床屋のくだり。意味のない会話が好きなアメリカ。
LOISさん [地上波(字幕)] 3点(2016-10-18 22:17:17)(良:2票)
252.《ネタバレ》 スーツを新調し、整髪し、愛犬を預ける姿に、刑務所に入る覚悟を見たのですが。隣家の為に命を投げ出し、分身のようなグラン・トリノをタオに譲る。50年かけて揃えた工具が示す様に仕事一筋で子や孫の事は亡妻に任せきりだったのだろうか、あまりにも希薄な息子一家との絆がうら悲しい。
The Grey Heronさん [DVD(字幕)] 7点(2016-09-27 14:56:30)
251.《ネタバレ》 再見。やはり何度見てもこの映画は圧倒的に面白い。

死に始まり死に終わる、葬式に始まり葬式で終わる。
今までそういう傑作は幾らでも存在したが、イーストウッドのこの作品は一味も二味も違う。淡々としているようで、あちこちに火種が転がってやがる。

物語は単純明快、「グラン・トリノ」という鉄の馬をめぐりコワルスキーの家族、タオたち、タオに因縁を付ける不良たちが絡み合うスリル。
先に手を出した奴が、負ける。

今まで散々人を撃ってきたイーストウッドが、この作品では最後まで引き金を引くか引かないか悩み続ける。

拳で殴りつけるのも銃を抜くのももっぱら威嚇であり、警告であり、盾としてだ。
往年の銃が出てくる作品でもその“警告”によって駆け引きや緊張が簡単に生まれていた。それは銃じゃなくとも刀でも、とにかく殺傷能力があれば何でも良いのだ。

ハワード・ホークス「ハタリ!」ですら威嚇とはいえ2発撃っていたが、この作品はそれをさらに進化させた側面も持つ現代の“西部劇”。様々な西部劇やギャング映画の記憶がこの作品にも息づく。

亡き妻の葬式で始まる場面。
コワルスキーは失った妻に対する思い、一方で葬式に集まるコワルスキーの家族はそんな事知ったこっちゃない、コワルスキーにもさっさと死んで貰って遺産を残しなといった態度。
子供達もラフな格好で携帯までイジりだす始末。マナーもへったくれもない、ワザとやっているかでなければ常識が無さ過ぎる。その遠因がコワルスキーの頑固さにもあるのだが。この場面だけでも、コワルスキーとその息子達との冷え切った関係を物語る。

コワルスキーとその家族の関係を掘り下げるのかと思いきや、イーストウッドはそこをバッサリと切り捨てコワルスキーとタオたちの交流と別れに物語を移していく。もうこの時点でコワルスキーの家族達は見捨てられてしまうのである。

残った愛犬と共に静かに過ごす一時。大切に愛車のグラン・トリノを磨きながら、妻も失い家族関係もあんなだ。コワルスキーは己の死期を見出し始める。
のうのうと生きて死ぬか、それとも誰かのためにすっぱり死ぬか。その選択をタオたちと出会った瞬間から彼は決め始めていたのではないだろうか。

一瞬映る勲章や写真、セリフで語られるコワルスキーの過去。散々戦場で人を殺してきた罪悪が、彼の心を閉ざしてきた。

イーストウッドはかつてドン・シーゲル「ダーティハリー」で、犯人を撃ち殺さなくて良かったという“笑顔”を見せていた。それは「本当はおまえなんざ撃ち殺しても良かったが、ちょうど弾が無くてラッキーだったな」という意味もあったのかも知れないが、どちらにせよ無益な殺生を避けられて嬉しかったのは確かだと思う。
劇中のコワルスキーも、「頼むから俺に二度と人を撃たせないでくれ」と何処か祈っているようにも見える。

「許されざる者」の元ガンマンは目的のために生きて帰る事を選ぶが、「グラン・トリノ」の元軍人は目的のために死へと向う。

コワルスキーは上記の警告によってタオたちを救い、同時に不良たちへの宣戦布告。
「アウトロー」でも異文明との交流が描かれ、この作品も彼等を助けたカウボーイが歓迎されるような平和な時間。
が、同時にいつ不良たちが襲撃にくるかという緊張も続く。その緊張は銃撃された隣家にコワルスキーが愛銃を取り出し、駆け付けるシーンから始まるのである。

タオたちは彼を“ヒーロー”だと慕うが、コワルスキーは戦後50年間“修理工”として生きてきたんだとタオに話し、タオの家族から送られる花を困り顔で断る。彼は過去の人間として、未来を見つめる新しい人間であるタオたちと距離を置き、教示し、軽口を聞く中である床屋といった知り合いたちにタオを託し、彼らとアメリカの関係を“修復”して去っていく。

アメリカは、懐に手を入れるだけで殺されてしまう社会だ。「殺られてからでは、遅い」。
コワルスキーは軍人としてその事を知り尽くし、彼らはその挑発に耐え切れず敗れ去る。自分の“命”と引き換えに。
だが、彼の意思はグラン・トリノと共に新しい世代へと受け継がれていくのだろう。
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 10点(2016-08-30 00:41:56)
250.《ネタバレ》 クリントン・イーストウッドはこういう偏屈ジジイはほんとはまりますね。内容も面白かった!俺のグラン・トリノを貸してやるってセリフはシビレました。
SUPISUTAさん [DVD(字幕)] 9点(2016-04-16 08:58:54)
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【点数情報】

Review人数 289人
平均点数 7.88点
010.35%
100.00%
210.35%
331.04%
420.69%
5186.23%
6269.00%
75217.99%
87826.99%
95619.38%
105217.99%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.77点 Review40人
2 ストーリー評価 8.61点 Review55人
3 鑑賞後の後味 8.28点 Review53人
4 音楽評価 8.37点 Review51人
5 感泣評価 7.98点 Review55人
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【ゴールデングローブ賞 情報】

2008年 66回
主題歌賞クリント・イーストウッド候補(ノミネート)"Gran Torino"
主題歌賞ジェイミー・カラム候補(ノミネート)"Gran Torino"
主題歌賞カイル・イーストウッド候補(ノミネート)"Gran Torino"

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