Menu
 > レビュワー
 > 目隠シスト さんの口コミ一覧
目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2257
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  RUN/ラン 《ネタバレ》 
(ネタバレしてます。ご注意願います)  途中ずっと着地点(主人公の望む結末)は何処だろうと考えていました。また彼女に迫っている危機の程度についても。「毒親」と一言でいっても、重過保護レベルから命に関わる虐待まで様々です。おそらく主人公も見極めが困難だったことでしょう。ただ警察に駆け込めばいいという話でもありません。母を憎んでいたわけでもありませんし、大学進学に親の援助は必須ですから。結果的に彼女が腹を括くるまでに要した時間で事態は悪化し、死ななくてもいい人が死にました。でもその責任を彼女に求めるのは酷な話。彼女はよくやったと思います。特に自身の命を賭した脱出法には痺れました。この場面が本作のハイライトです。自分を見捨てないと読み切った主人公の作戦勝ち。もっともそれ以外の選択肢もありませんでしたが。そういう意味で、彼女は母親の愛を信頼していたともいえます。いや愛というより歪んだ執着でしょうか。母親と思っていた女が実の親でなかったのは不幸中の幸いかもしれません。いずれにしても失われた人生は戻りませんけども。ラストはやり過ぎ感がなくもないですが、最近はきっちり報復するのがトレンドなのでしょう。胸糞アメリカ版『八日目の蝉』、恐いお話でした。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-12-16 21:26:53)(良:1票)
2.  ラン・ハイド・ファイト 《ネタバレ》 
フォーマットは傑作サスペンスアクション『ダイ・ハード』と同じ。学校を占拠したテロリストに女子高生が立ち向かいます。兎に角要素が盛り沢山でした。サバイバルアクションの中に精神疾患と家族愛。胸糞&鬱な犯罪動機に容赦ないバイオレンス。許される反撃の範囲は何処までか?これら全てを「エンタメ」という大きな枠に無理矢理押し込めた感じ。不快と爽快が入り交じる形容し難い感情に困惑しました。混乱している時は、わかり易い要素から整理するのが得策かと。個人的に親子愛に滅法弱い体質なので、娘の窮地を救った父の活躍に痺れました。かなりご都合主義ではあるのですが、娘のピンチに行動しない父親なんてこの世に存在しないでしょう。木の上に立って黙って見ているだけなんて出来ません。それにあのお父さんは『ミスト』のお父さんですよね。転生後に前世での無念を晴らしたように見えなくもなく。お父さん、グッジョブでした。 武装集団のリーダーは同情の余地が無いただのクズでしたが、仲間の方は少し違いました。主人公に捕まった男は、所謂陰キャ。日頃の恨みを晴らすために加担した模様です。ゾーイに説教されて後悔するあたり、性根は腐っていません。未熟な故に道を踏み外してしまったことが窺えます。刑に服して反省すれば更生が期待できるでしょうが、そんなキャラに限って無惨に殺されるのがお約束。殺人犯なので、因果応報的には妥当ではあるのですが遣りきれません。学校内での銃乱射事件は現実に起きている事件であり、結末のやり過ぎ感も含めて、エンタメだからいいじゃんで纏めるには少し重い題材でした。
[インターネット(吹替)] 7点(2022-06-23 19:24:55)
3.  ライトハウス 《ネタバレ》 
孤島の灯台守として赴任した熟年男性2人。肉体的にも精神的にもハードな仕事であるのは間違いありませんが、期間は4週間のみ。悪天候のためすぐに交代が叶わなかったとしても、精神を病み発狂するほどの状況とは思えません。ウィンズローが狂ったのは、深刻なトラウマを抱えていたからでした。外界と遮断された中で強いられる肉体労働。夜中止むことなく鳴り響くサイレン。上役の理不尽な仕打ち。ストレスフルな状況下においてアルコール摂取量が増えるに連れて、自身が犯した罪と向き合う時間も長くなったことでしょう。辛く苦しいとき人が選ぶのは「現実逃避」と相場が決まっています。セイレーンやオクトパス(クラーケンかな?)が出現し、灯台の灯りに神秘的な力を感じたとしても何ら不思議ではありません。結局は自身が犯した罪の重さに押し潰されて自滅した結末と解します。もちろん劇中2人が口走ったように「そもそもウィンズローは灯台にさえ来ていない」あるいは「トーマス・ウェイクは人形を使って呪いをかけていた」との解釈を採用するのも可能であり、そんな懐の深さが本作の魅力と言えましょう。 今や独自のホラージャンルを築いたA24。本作もブランドの信頼を裏切らぬハイクオリティ&ハイセンスな作品でしたが、一筋縄ではいかぬアク強めな作風で大衆向け映画とは言えなさそうです。人魚の生殖器とかなかなかにグロテスク。初めて見ました。
[インターネット(吹替)] 7点(2022-05-31 22:20:52)
4.  ランペイジ 巨獣大乱闘 《ネタバレ》 
馬鹿映画万歳!  これで伝えたいコトは全て言えていると自分では思うのですが(あるいは、『スカイスクレイパー』の感想と全く同じで問題なし)。今日は時間もあるため、少し補足を。主演のドウェイン・ジョンソンが素晴らしい。俳優としての妙な自己主張がない分、どんなジャンルの馬鹿映画にもハマる見事なユーティリティぶりを発揮しています。元プロレスラーならではの器用さとでも申しましょうか。さすがWWEで一時代を築いただけのことはあります。アメリカンヒーローのアイコンとして過不足なし。シュワルツェネッガーよりもインテリジェンスを感じるのも何気にポイント高いです。売れっ子なのも納得であります。
[地上波(吹替)] 6点(2020-03-20 22:28:55)(良:1票)
5.  ライフ(2017) 《ネタバレ》 
個人的にSF映画は理系(科学)-文系(哲学)軸と、派手系(アクション)-地味系(ドラマ)軸で分類できると思っています。理系-派手系の代表作は『スタートレック』『インターステラ―』、理系-地味系は『ガタカ』『メッセージ』。文系-派手系は『スターウォーズ』、『エイリアン2』文系-地味系は『E.T』『コンタクト』。(有名・名作で作品名が挙がっていないのは、観ていない(観そびれている)か、恐れ多いから。『2001年~』とか『ソラリス』とか。カテゴリー別けの異論は認めます。考えているうちに自分でも解らなくなりました苦笑)。で、本作は理系-地味系に分類しておきましょう。傑作の多いジャンル。観始めたうちは同カテゴリーの『エイリアン』を彷彿とさせる雰囲気に、好意的に観ていたのですが次第に尻すぼみに。何が悪かったのかと考えてみたのですが、筋立てに必然性が感じられなかったのが要因かと。例えば結末。『ミスト』くらい袋小路に追い込んでくれれば、バッドエンドも納得出来たと思うのです。サプライズのためのサプライズでは、残念ながら心は動きません。
[DVD(字幕)] 5点(2018-12-15 21:59:36)
6.  ラッキー(2017) 《ネタバレ》 
淡々と綴られるのは、一人の老人男性の日常。決まりゴトの繰り返し。映画らしい刺激的なイベントは何も起こりません。ただ、シーンやカットごとに監督の意図が伝わるので退屈はしませんし、会話劇としては、なかなかのものでしょう。一筋縄ではいかぬ言葉のキャッチボールは、多分邦画では無理。というか、日本語でやられたら鬱陶しい笑。ただの軽口ながら、文学的でもあり、哲学的でもあり。そして主役の爺さんの味わい深さは、一流でした。枯れた色気とはこのこと。見応えは充分です。“面白い”という表現が適切かどうか分かりませんが、“染みる”映画であるのは間違いありません。ハリウッド娯楽大作が、1から10まで懇切丁寧に“楽しみ“を与えてくれる映画だとしたら、本作が与えてくれるのは、多分1か2。残りは、観客それぞれの知識・経験・信念・価値観等で補って完成させる仕組みです。自身と照らし合わせて反芻すること頻り。ですから、若造(と言っても、もう40半ばです)が分かったような口を利いたらいけない気がするのです。私も主人公と同じくらいの年齢になって、初めて“理解できるもの“があるのではないかと。勿論年齢だけ重ねれば、自動的にその権利を獲得できるワケではありません。日々失われていく若さと引き換えに、きちんと宝(あるいは武器)を蓄えなければ、解るはずもなく。いやー『少年老い易く学なり難し』とはよく言ったもの。本当に怖いことであります。タイトルがまた秀逸なことで。これを額面どおり素直に受け取るか、皮肉と取るか、みなさんはどう思われますか?10年ごとに、自身の生きてきた成果を量るべく中間テストのように観てみたい映画。点数が低いのは、前述した理由からです。以下余談。摩訶不思議な雰囲気のあった『exit』の解釈次第で、実は物語がひっくり返る可能性あり(あのシーン以降、◯◯の世界とか)。リンチが役者として出演しているだけなのに、妙に引っかかるのが、なんともはや苦笑。
[映画館(字幕)] 6点(2018-08-20 08:54:51)
7.  ライフ・アクアティック 《ネタバレ》 
彦摩呂が映画評論家なら、「豪華俳優陣の玉手箱や~。これは、好きな人にはタマラン味ですなあ~」と宣いそうな映画だと思いました。要するに、コメディとして微妙な出来だと。日本人には馴染の薄い笑いの体裁ですから。例えば、ドリフターズ、ひょうきん族、吉本新喜劇、ごっつええ感じ。私世代の日本人なら、これらが代表的な笑いの教科書でしょうか。あとオールナイトニッポンかな。ボケがあってツッコミがあり、フリがあってオチがあり、スカしあり、天丼あり、ナンセンスあり……。笑いのスタイルは刷り込まれています。学習済みのオモシロ信号なら、何時だって受信感度抜群です。バッチコイ。ところが未知の笑いはチューニングが大変です。巨人がルーキー投手を打てないのと同じ理屈。中盤まで球筋を観察するのに必死でした。ついにリズムを掴んだと確信した瞬間は、研修生が斬られる場面。爆笑でした。結論。とっつきは悪いが、コメディとして十分笑えるという評価です。演出面でのお気に入りは、船の断面描写。もう無条件でワクワクです。宮崎駿監督が撮りそうな画だと思いました。音楽は文句なく一級品でしょう。音楽が素敵な映画は、それだけで採点が甘くなってしまいます。しかし、それ以上に心を掴まれたのは、主人公ズィスーのパーソナリティでした。自分勝手な目立ちたがり屋で、家来を従える裸の王様。彼の根底にあったのは孤独感だと感じました。一人ぼっちで海の中に潜っているような。降って湧いた息子に肩入れしたのも、寂しさゆえのこと。それにしても、まさかあんな別れが待っていようとは。運命とは無慈悲なものです。でもズィスーは遂に手に入れました。いや既に手に入れていたのです。どうしても欲しかった家族を。孤独極まれる深海で、そっと寄り添ってくれる仲間は、紛れもなくファミリー。富や名声よりも、ずっと価値があるはずです。エピローグも素晴らしい。お揃いの赤い帽子と制服で、今日も冒険を始めよう。一人ぼっちじゃないライフ・アクアティック。息子ネッドの魂と共に。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-01-31 18:57:46)
8.  ラスト・エクソシズム 《ネタバレ》 
少女が産んだ赤子は本物でしょうか。また天を焦がす火柱は悪魔が存在した証?勿論そんなワケはありません。赤子はツクリモノ。薬品か何かを使って火力を高めたのでしょう。地元の牧師を中心とする狂信者による自作自演。主人公が行ったエクソシズムの“演出”と同じです。ところがコットン牧師はその事に気づいていません。目の前の事象をありのままに受け止め、悪魔の存在を感じ取っています。悪魔憑きを否定していたはずの彼が、いとも簡単に騙される不思議。そこに人間心理の妙があります。騙す側ほど自らが騙されるとは思っていない。否定が肯定に転じる時の反動は大きい。様々な要因が想定されますが、一番大きな理由は“牧師自身が悪魔の存在を望んでいたから”ではないかと。彼はニセのエクソシシト。どんなにその行為の正当性を主張したところで、後ろめたい気持ちは消せません(だから今回の撮影も了承した)。そんなニセモノが、“本物”に変わる千載一遇のチャンスが巡って来たのです。自己承認欲求の前には、常識も、理性も太刀打ちできなかった。小道具の十字架を握り締め狂集団に挑むコットン牧師は、まるでドン・キホーテでした。モキュメンタリーは記録媒体としてのカメラが意識される手法。客観性が担保されることで、如何に主人公が正気を失っていたかが強調されます。これは上手い。ちなみに、ジャンルは全く異なりますが、類似構造の『サボテンブラザーズ』と見比べてみるのも面白いかも知れません。
[DVD(字幕)] 7点(2012-10-09 17:44:57)
9.  ラースと、その彼女 《ネタバレ》 
心を病んだ一人の男が、周りの人々のサポートを受け、徐々に回復していくまでを丁寧に描いたヒューマンドラマ。ラースの心の闇の正体。それは母親を亡くした事に対する自責の念でした。出産に対する恐怖。兄嫁の妊娠に、ラースの心は耐えられなかった。そこで彼が求めたのが、決して死ぬ事の無いラブドールでした。絶対的な“安心”がそこに在りました。ところが、周りの人々の優しさが、彼を気遣う思い遣りが、人形に命を吹き込んでいきます。ラースにとっては、ある意味想定外の出来事だったでしょう。洋服屋のショウウィンドウで働き、ボランティアに勤しむラブドール。操り人形は、いつしか彼の手を離れていきました。もはや人格を持った一人の女性。そんなビアンカの死は、彼女が人として生きてきた事の証です。そしてラースが人間の摂理を受け入れた事実を意味していました。彼女はラースの心を癒す使命を全うしたのです。寂しいけれど、希望に満ちたラストでありました。ラース役のライアン・ゴズリングはもとより、端役に至るまで上手い役者を揃えている本作ですが、MVPにはやはりビアンカちゃんを推したい。その画的なインパクトは絶大で、前半は彼女が映るたびに笑ってしまいました。ところが、物語が進むにつれて、本物のレディに見えてきたのが不思議。湖の辺で佇む2人。彼女の瞳から、その口元から、感情を読み取りました。それは観客(私自身)の想いが創り出した“彼女の心”だった気がします。ビアンカは人の心を映し出す“鏡”でした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-05-28 19:23:58)(良:2票)
10.  落下の王国 《ネタバレ》 
子供の頃、歩道の色付きブロックを溶岩とマグマに見立てて歩いたことがあります。赤いブロックを踏んだらマグマに溶けて死ぬ。上手く行かなかった時の小さな敗北感は今でも思い起こすことが出来ます。お遊びとはいえ、負けは負け。想像の中の出来事でも、心が感じた喜びや悲しみはニセモノではありません。スタントマンのロイは「映画」の中に生きる人間。一般の大人に比べれば、空想の世界と現実の世界の距離は近い気がする。もちろん幼いアレクサンドリアも。2人にとって、創作話はただのお遊び以上の意味がありました。少女は仮面の男に、亡くした父親の姿を重ねていた。“物語”のエンディングで、彼女が泣いて仮面の男を助けて欲しいと泣いた気持ちは痛いほど分かりました。仮面の男の命を救う結末に筋書きを変えたロイ。彼自身もまた少女に命を救われた。作り話と同じように自分の人生の筋書も自分の意思一つで変えることが出来る。もちろんスタントの事故のように、思い通りには行かないかもしれないけれど、その時はまた新しい物語を書き直せばいい。力強い希望のメッセージが其処にはありました。どの場面を切り取っても、陰影が印象的で絵画のような美しさ。空想の世界を見事に映像化していたと思います。現実の世界も同様に美しいので、お話の世界との差異が曖昧ですが、本作の趣旨を考えればむしろ好都合だったと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2010-04-07 19:18:13)(良:1票)
11.  ライラの冒険/黄金の羅針盤 《ネタバレ》 
基本設定はかなり好きです。人の傍に寄り添う魂の入れ物ダイモン。ダストの謎と真理を導く黄金の羅針盤。よろい熊もグッとくる。微妙に汚いところとか、ふかふかな感じとか。ニコール・キッドマンの美貌と威圧感も悪女にぴったり。説明過多でない語り調も好みでした。徐々にこの世界観を理解していくのが楽しい。取り立てて不満はありません。でも逆にコレといった見所も無かったような。娯楽作品にしてはサービス精神に欠けるかと。例えば、ライラが氷の橋を渡るシーン。崩れていく橋。「走れ!ライラ」と叫ぶクマ。ドミノ倒しから逃れるように走る走る走る!そんなシーンを期待したのに次のカットでは無事渡りきっている。う~ん、もったいないです。クライマックスの戦い。多勢に無勢の大ピンチ。そこへ頼もしい魔女の援軍が!でも何時援軍を呼んだのか分からない。それに魔女らしい戦い方を見せて欲しいのに魔法をぜんぜん使わないし。盛り上がりに欠けます。でもシリーズ1作目としては上々の滑り出しだと思いました。次回の目玉として、ニコールの怪我した顔を最後まで見せなかったのは大正解。(勿論予告編も隠さなきゃダメです)次作は映画館で観てみたい。
[DVD(字幕)] 6点(2008-11-20 21:02:30)
12.  ラットレース 《ネタバレ》 
“大金に目がくらんだ参加者たちの醜態を笑ってやれ”が、このレース主催目的。それにしては、レースのライブ中継が無いのは解せないところ。もっとも、それをやってしまうと悪趣味さばかりが際立ってしまう。単純に彼らの珍道中を笑うために、あえて省略したのかもしれません。でも、ちゃんとレースの本質を忘れないように、小ネタを仕込んでいるのは抜かりない。参加者に迫り来る各種アクシデント。単にしょうもないものから下ネタ、際どいネタまでバラエティに富んでいます。特定のキャラに偏ることなく満遍なく見せているという印象。注目はお馴染みのローワン・アトキンソン。序盤は全く活躍なしですが、後半怒涛の巻き返しを見せてくれます。危険な“臓器ネタ”も彼だからOKなのだと思う。ただし、全編を通じて笑えるかというと微妙。ナンセンス寄りの笑いなので、好みが別れるところかと。ただ、そんなことを吹き飛ばしてしまうくらいオチは秀逸でした。オーディエンスの海に漂うレース参加者たち。いくらノリとはいえ、大金を棒に振ることなんて普通の人には出来ない。この判断力の“無さ”が愛おしい。みんなアホ。でも彼らほど上等な人間はそうはいない。まさに「終わり良ければ全てよし」。最後はニコニコでした。
[DVD(字幕)] 7点(2007-12-09 19:34:50)(良:1票)
13.  ラッキーナンバー7 《ネタバレ》 
最近は韓国映画のドロドロ怨念系ばかり観ていたので、本作のようなスタイリッシュな復讐劇はなんか新鮮でした。もっとも物語の体裁上、そのことは終盤まで明かされませんので、全体的な雰囲気は新訳『間違えられた男』といった趣。サスペンスとしては、至極真っ当なつくり。シンプルな構成ゆえ物語を深く理解できるのが良。ただ、ドラマ部分の掘り下げは十分ではないと思いました。とくにキーパーソン、グッドキャットについて。彼が幼い主人公の命を助けたのは、まあ理解できる。しかし彼が主人公の復讐に加担したのは何故でしょう。ボスやラビのやり方に我慢できなかったから?主人公の父親代わりだったから?プロの殺し屋が私情を挟む以上、其処に何らかの理由付けが欲しいと思いました。彼のキャラクターに肉がつけば、物語に厚みが出たと思います。復讐がなされてもイマイチ爽快感に欠けるのもマイナス。家族を皆殺しされた主人公には同情しますが、危険な賭けに手を出したオヤジさんにも非がある。また、序盤からボスもラビも顔を出しすぎ。手の届かない大物相手だからこそ凝った仕掛けが必要な訳で、こうも簡単に復讐相手に会えるならば、「いつでも殺せるのに」と思ってしまいます。6点か7点か迷うところですが、タイトルがタイトルだけに。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-14 19:52:02)(良:2票)
14.  ライアー ライアー 《ネタバレ》 
主人公は決して悪い父親ではありません。「鉄の爪アイアンクローだ~」なんて、かまってくれる父親を、子供が嫌う訳が無い。それは元妻も認めるところ。彼自身も子供に好かれていることを自負していたと思います。でもそれだけに彼は子供の好意に甘えてしまった。約束を反故にすることがあっても、後からフォローすればいい。ウソも上手くつけばいい。それは利害関係の大人の世界では通用しても、心の繋がりが重要な家族の間では通用しません。だから妻と離婚に至ったのでしょう。そしてまた、息子との間でも同じ轍を踏むところだった。親子で、家族で、一番大切なことは何か。それが本作の主題となっています。子供の(妻の)顔を見て、話を聞いて、抱きしめる。主人公がすべきだったことは、多分それだけだと思いました。「お前を心から愛している」と伝え続けること。どうしようもない親でも、子に愛情を注ぐことは出来ます。それが出来れば、後は全部ダメダメでも、許してもらえる気がします。さて、ジム・キャリーについて。敏腕弁護士ぶりは見事でした。コメディのオーバーアクトが小気味いい。ウソをつけないシチュエーションに四苦八苦する様は笑えました。ウソを封印することで真実にたどり着く。それは同時に自身の真実(大切なもの)に気づく過程でもありました。流れとしては定番ながら、心地がいいです。それだけに最後の空港の件はやり過ぎ。裁判で散々ドタバタしているだけに、最後はキッチリ締めてほしいと感じました。誠に惜しい。でも親子のこういう話は大好き。
[DVD(字幕)] 7点(2007-09-17 18:30:24)
15.  ランド・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
ロメロソンビ正統の系譜。描かれるのはゾンビが発生してから数年後の世界。人間は相も変わらず人間でした。完全に崩壊した世界においても、旧態以前の社会を形成している様は滑稽ですらあります。街が崩壊して逃げだそうとする資本家。そんな時でも後生大事に抱えているのはマネー。もうアホかと。ライブドアの株券よりも価値は無いのに。結局人間は何も学んでいない。考えることを放棄しています。それに比べるとゾンビは立派。ちゃんと進化している。先頭をきったオッサンの利発そうなこと。次の地球の支配者は、猿でもロボットでもなく、ゾンビではないかと思わせます。いや、もう既に支配者かもしれません。人間を襲いはらわたを食らう様は、まるで肉食獣の捕食風景のよう。不思議とグロいとは感じませんでした。イヤな奴はキッチリお仕置き。主人公の仲間は全員無事という筋書きは、ある意味ホラーのお約束を破っているとも言えますが、後味は悪くありません。うん、面白かった。
[DVD(字幕)] 7点(2007-07-21 19:09:11)
16.  乱気流/タービュランス 《ネタバレ》 
一昔前ならパイロット不在という状況だけで、十分にドラマになりました。しかしテクノロジーは進歩し、自動操縦で着陸可能だという。そうなるとドラマの要素を外部に求めざるを得なくなる。苦心の跡は感じられます。ただ、もう少し納得できる展開にして欲しかった。極限状態ゆえ冷静を欠いたにせよ、主人公のプロ意識を欠く行動は目に余ります。戦闘機が旅客機への攻撃を止めた経過もよく分からない。おまけにその戦闘機の神技炸裂で緊張感が途切れます。ああ、何でもアリなんだ。航空パニックものは、どう料理しても満足感を得られる優良な素材だと思うのですが、これはいただけなかったです。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2007-03-15 18:39:55)
17.  ライアー 《ネタバレ》 
救急車の隊員、大金を掴んだ太っちょ刑事、火葬、ラストカット。ネタばらしは丁寧なので、つくりとして不親切ではないのでしょう。ただ、思ったほど驚きがありませんでした。ご指摘の方もおられるように同系列『ユージュアル~』には及ばないと思いました。また謎として残った殺人事件の真相についても、あれこれと思いを巡らせようとは思いません。本作の要はそこにはありません。事件そのものに興味を持たせる工夫が欲しいと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-03-04 17:56:59)
18.  ラスト サムライ 《ネタバレ》 
勝元たちが戦った理由付けが曖昧だと感じました。“それが武士道だから”で片付けられていたような。誇りを守るため。死に場所を見つけるため。それだけの戦いに見えました。(明治初頭の士族の反乱は、士族がその権益、すなわち生活の術を守るためのもの。いわば生きるための戦いです。死を前提とする本作のような戦いとは別物では。)そもそも武士道とは何でしょう。文字どおり士族階級独特の道徳、倫理観です。名を重んじ、主君への忠誠を誓うこと。日本人の大多数を占めた農民、工商人には関係のない思想です。(しかもこの思想は徳川の治世になって植え付けられたもの。その方が体制維持に便利であったから。)徳川以前の武士を含め、多くの日本人のベースとなる精神があるとすれば、それは“家”の観念です。個よりも血を優先する考え方。家を守る(子孫を絶やさぬ)ことが重要。そのためには、耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍ぶ。地べたを這いつくばっても家族を守る。この精神のほうが尊く、美しいと感じます。ですから、現代の私たちが抱く“武士道”の概念とは、遺伝子に組み込まれたような元からある類のものではなく、近代文化の中で整理されたものだと思います。“礼節を重んじること”や“潔しを宗とすること”ではないかと。私たちが世界に誇れる“武士道”とは、そういうことだと思います。決して捕虜にツバを吐きかけたり、負け戦において一人でも多く道連れにするような戦いを肯定するものでは無いはずです。生きることを前提としない戦い、守るべき家族をないがしろにする戦いに、美しさはありません。ただの自己満足だと思います。例えば勝元が自らの首を差し出して事態が収束するのであれば、迷わずそうするべきです。否定的な意見を述べましたが、渡辺謙がハリウッド進出の足がかりを掴んだことについては、素直に嬉しいですし、一娯楽作品としての出来が悪いとは思いません。外国で賞賛されるのなら分かります。
[地上波(吹替)] 5点(2006-12-12 18:05:39)(良:1票)
19.  ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
以前、漫画家のおおひなたごうさんが自身のHPで「今年面白かった(印象に残った)映画作品」のトップにこの作品を挙げていたのを見つけて、自分も観ることにした作品です。「死刑制度」を扱ったサスペンスで、よく考えられたストーリーだなと感じました。扱っているテーマはディープですが、作品の面白さは別の部分にあるので、あまり堅苦しく構えてみる必要はないかと思います。出来ることならなるべく予備情報を入れないで観ていただきたい作品です。
[DVD(字幕)] 7点(2006-04-23 01:44:38)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS