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皮マンさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 225
性別 男性
自己紹介 当方のレビューは全て独断と偏向に満ちております。
「公平・公正なレビュー」などというつもりは金輪際毛頭まったくありませんので、どうぞご安心ください 。

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21.  江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間
狂人が主人公という出だしが、乱歩(というか大元はポオだけど)らしくて素晴らしい。途中木下サーカスのフッテージが差し挟まれているのも‘乱歩的見世物感’を高めるのにいい効果を上げている。良い調子。前半もたもたしたテンポで人間入れ替わり譚が続くが、やばい島に行くまでのタメと思うとさして苦にならない。ところが肝心のパノラマ島がしょぼい。いや、劇中ではパノラマ島という呼称は一度も使われないので、私が勝手にそう思ってしまっただけなのだが。まあ、ラストの人間花火はあきらかにパノラマ島のものだし、メインプロットがそれを下敷きにしているのは間違いないだろう。とするとこの作品の島の描写には大事なものが欠けていると言わざるを得ない。それはマット画だ。狂人が作ったパラダイスのいかがわしさを表現するのにマット画くらい強力な武器は無いと思うのだが、石井監督にはそのような判断は無かったようだ。素晴らしい題材だけに適切なスタッフを連れてきたら張り切っていい仕事をしてくれたのではないかと思うと残念無念。この作品の場合下手でもいいのに。その代わりというわけではないが土方氏の怪演はとても味わい深い。しかしそれも初登場シーンのインパクトを越えられず、説明調の台詞をだらだら語らせたりして彼の魅力をうまく引き出せないまま唐突にドラマは終わってしまう。もっと彼の踊りが見たかった。人間花火は大林宣彦氏の「ハウス」のようなばかばかしさで面白いが、それまでの盛り上がりのなさを一発で逆転するほどのパワーはない。カルト映画として高い名声を誇る本作。どうやらこちらの期待が大きすぎたようだ。 暗黒舞踏の踊り手の中に一人豊満な女がいて、水中シーンで良い角度からその大きな尻を眺められたのがラッキー。
[映画館(邦画)] 4点(2011-10-15 16:33:14)
22.  徳川いれずみ師 責め地獄
超安いが値段なりのまずいバイキング料理を、たらふく食べたような印象。うまくまとめられずに途中で放り出したような脚本、格調の全くないカメラ、一本調子の演出、と良くない所ばかりが目に付く。それでも監督の観客を楽しませようというサービス精神は旺盛のようで、様々な場面と沢山の裸の女が用意されている。特にラスト近くに唐突に出てくる毛唐女の初々しさは尋常ではなく(16歳だそうだ)、豊満熟女専門でほぼロリっ気のない私でも思わず身を乗り出した。見るからにいたいけな白人少女を前貼り一丁の裸にひんむき、全身下品な入れ墨(というかボディ・ペイント)だらけにしたうえ、ろくに演技指導もしないまま燃えさかる火の前でだらだら悶絶させたりする。この場面ではいいかげんな演出がかえって撮影ドキュメント的なリアリティを感じさせるという効果を上げており、東映異常性愛路線の面目躍如といったところだ。
[映画館(字幕なし「原語」)] 3点(2011-10-08 09:30:54)
23.  斬る(1968)
ハードな絵作りには美学と誠意を感じるが、根源的な矛盾をかかえているように思う。思想がないのは別にいいのだが、とって付けたように侍批判なんかを折り込むのがむしろ見苦しい。殺陣をあれだけ活き活き表現しながら「武士なんてつまらない」もないものだと思う。女の登場人物を極端に記号的に扱っていてろくに人格を与えていないのも辛い。侍批判も結構だが、足元に転がる重大な問題についてその意識の低さが透けて見える。以前見たことをすっかり忘れて二度観となった。心に残るものがないのは純粋娯楽作として潔い証拠ともいえるが。
[映画館(邦画)] 4点(2011-02-13 18:21:22)
24.  黒い画集 第二話 寒流
素晴らしい点が3つ。1:主要登場人物みんながいやな奴であること。主役の池部良も悪人というほどではないがつまらない仕返しを企んだりする。2:終盤になっても新たな登場人物、新たな場面が展開すること。丹波哲郎のやくざ、宮口精二の探偵などおっ、と思う意外な人物が良いタイミングで登場し退屈させない。特に丹波哲郎の存在感は圧倒的だ。少ない出番にもかかわらず思わず背筋が伸びてしまった。3:テルミンを多用した音楽。無機質なテルミンの音色は余計な情緒誘導を感じさせず、この物語がどっちに転ぶかわからないという点に大いに貢献している
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-02-13 17:54:49)(良:1票)
25.  黒い画集 ある遭難
話自体はシンプルな心理物ですが移り変わる美しい風景が一種ロードムービー的な効果をあげていて飽きさせません。あの高地までカメラを持っていくのは随分苦労したと思われます。山の素晴らしさと怖さをしっかり感じることができたので優れた山岳映画と言えるのではないでしょうか。途中で人称が変わる点もこのミステリーに於いては良い効果を上げているように思います。開始1時間のあたりに編集上のミスがあります。連続したシーンなのにカットが変わったところで雲が派手に移動してしまっているのです。しかしCG全盛の今の目で見るとそれがかえって生々しいロケ感を表現していて好ましいことのように思えました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-01-30 00:50:10)
26.  武士の一分
山田監督の作品を初めて観た。いったいこの映画が描きたかったものは何なのだろう。私には監督のコマーシャリズムに迎合する姿勢しか伝わってこなかった。主役のアイドルには意味無く大仰な演技をさせてヒロイックに撮っておきながら、下男を(重要な狂言廻しであるにもかかわらず)魅力的に撮る気がぜんぜん無いことが全てを物語っているのでは。一度も推敲しなかったのではと思える脚本(例:罵倒には「糞○○」ばかり3度繰り返される)も気に入らない。大好きな作曲家である冨田勲氏の衰えを感じたのも寂しかった。
[DVD(邦画)] 1点(2010-10-11 19:07:20)(良:1票)
27.  侍(1965)
テーマも深く、物語としてもたいそう面白い。複雑な人間関係を上手く整理して、じっくり時間をかけて小出しに見せていってくれるので中だるみがない。史実に沿った話でもあり、要所に書記の視点を挟む構成も説明調の台詞もナレーションも、ドキュメント風味の味付けに貢献していて実に心地良い。特に複数の証言者の回想を劇中の実時間と無理なくからめていく手腕には感心した。主要登場人物のすべてが、ストーリーの中で重要な役割を与えられていて一切無駄がないのも素晴らしい。さすがは「幻の湖」を世に出した脚本家だ。わずかに残念なのは、脇を固める役者陣の説得力に比して、肝心の三船氏の演技がいまいち地に着いていないように見える点。舞台劇調の台詞回しをうまく消化仕切れていないように感じるのだ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-05-06 13:26:50)
28.  海底大戦争
いや超弩級クラスの駄作だとは思いますよ。しかし出会い方が幸せだったので個人的にはどうしても捨て置けないものがある。小学生の時、田舎の我が校では年に1,2度学校での映画上演会というイベントが行われていた。どんな作品がかかるのか事前に知らされない、作品を観ながらじわじわ全貌がわかっていく映画体験というのがそもそもたいへん刺激的だ。で、担当教諭が何も考えなかったのかそこでこれがかかってしまった。本作には人間を半漁人に改造する手術のシーンがあるのだが、田舎のガキにはあまりにも強烈な残酷描写に視聴覚室は阿鼻叫喚の嵐。エログロナンセンスの世界に不意打ちをくらって泣き出す女子までいる始末で、しばらくはそのシーンの話題でクラス中がもちきりだった。他クラスではちびった奴もいたらしい。あの観客同士の一体感は、その後遭遇した文芸座地下の怪獣大会でのそれさえも超える素晴らしいものだった。しかしある意ベストともいえる映画体験が、このような駄作によってもたらされたというのだから人生分からないものだ。
[映画館(邦画)] 6点(2009-12-30 15:44:25)(笑:1票)
29.  ゴジラ(1954) 《ネタバレ》 
日本映画界に燦然と君臨する金字塔的本作だが、あまり良くできた作品とはいえない。全体にメリハリの無いいきあたりばったりのストーリー展開。特に芹沢の“科学者としての良心”という最大の葛藤はゴジラがゴジラであることと直接関係無いのは致命的欠陥だ。折角ゴジラという魅力的なキャラクターを創造しておきながら、肝心のドラマがそれを生かしきっていないのだ。あれでは芹沢が特攻に追い込まれる要因を作るのがたまたまゴジラだっただけで、強大な敵なら米軍でもムー帝国人でもなんでも代替え可能ではないか。ほとんど意味のない三角関係を持ち出すところにもそこらへんの見識の無さが現れている(個人的には山根博士の心情「ゴジラを殺したくない」にテーマを絞ってドラマ作りをすれば良かったのではないかと思う)。他にもドラマパートの凡庸なカメラワーク、及び宝田氏と河内嬢のあまりにも一本調子な演技には閉口してしまう。たしかに特撮シーンは素晴らしい。その点は多くの論者によって語り尽くされているとおり。しかしこの手の作品に期待させるカタルシスが、ドラマの練り込み不足とタメのないぬら~っとした構成のせいで台無しになっている。古い作品ということは言い訳ににならない。なんと言っても1954年には「七人の侍」が公開されているのだ。それでもゴジラが世界的名声を勝ち得たのは、ひとえにそのキャラクター性の強さによるものだ。そしてそのキャラクター性に決定的な貢献をしているのは、あの咆吼を設計した音楽の伊福部昭氏の独創性だと思う。あれこそがこそがゴジラをこの世ならざる、生物を超えた存在と感じさせる最大の要因ではないか。海外で作られた怪物映画の声の凡庸さをみるにつけ、伊福部氏の存在の大きさを感じないわけにはいかない。
[地上波(邦画)] 5点(2009-12-10 00:51:35)(笑:1票) (良:2票)
30.  椿三十郎(2007)
どう転んでもニヤけて見えることの無いチョー無骨な役者の不朽の名作を、なんでわざわざ絶対にニヤけて見えてしまう腑抜けのような面構えの役者を使って大真面目にリメイクするのか!WHY織田裕二?ミスキャストなんていう次元の話じゃないでしょう。あれは 自己愛性人格障害系のちょっと あれな あんちゃんでしょうが、あれは 。製作に関わったみなさまがた、あんたら気は確かか、と言いたい。案の定織田三十郎には三船にあったむさ苦しさも奥ゆかしさも知性も威厳も重みも品格も何もかにもぜ~んぜん感じられない。特に女性に弱い照れ屋には 金・輪・際 絶対に見えない。織田の思いきり軽い雰囲気とシナリオとの齟齬は目を覆うばかりで気恥ずかしいことこのうえない。ついでに豊田悦司もまるで悪徳御殿医のようで剣豪には見えましぇん。ある意味驚くべき映像の連続。しかし!自分の中にわき起こる激しい拒絶反応を押さえつけて無理矢理見ていたら、どういうわけか半ば過ぎから得も言われぬ多幸感に包まれた。気持ち悪〜〜ぃのがなんとも心地いいのだ!なんなんだこれは?悪い冗談のような驚愕の映像を見続けて軽い精神崩壊が起こったのかもしれない。あるいは未知の脳内物質が合成されたのかもしれない。素晴らしい!よって、これは2作品を併せて上映して悪夢のような不条理感を味わうのがいいという結論に達した。監督が「オリジナルを観る呼び水に」的な発言をしているのだから “ 椿三十郎 - Light-”と銘打って無料配布するとよろしいのではないだろうか。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2008-12-02 18:30:18)(良:2票)
31.  東京の休日(1958) 《ネタバレ》 
こういうのを観光映画っていうのですかね。地方の人に東京のレビューを見せるというのが眼目の作品なのでしょう。で、そこで踊られるダンスなのだが、冒頭のがじつにエロい!ソロで踊る女性の身体の使い方はありえないほど決まっていて着衣にもかかわらず色っぽいことこのうえない。たった20秒程の短い踊りだが男女間のすれ違いをも表現しきった素晴らしい振り付けだ。その後もなんやかやと舞台のシーンが差し挟まれるがなかなかこの踊りのエロさを超えられない。みんなそこそこいやらしいのだがやはり最初の彼女がアタマひとつ抜けている感じ。そんなつもりで見始めた映画じゃなかったのに期待するのはセクシーダンスのみで、お話はどうでも良い。もともとたいしたストーリーじゃないし、主役の野放図な大根さも真面目にドラマを見せる気などないことを表明している。ちょいエロの舞台が続き、エッチな踊りがもっと観たいよー!と、もどかしく感じているところに、出ました、トリは怪人宮城まり子先生。えっ、なにそれ。ここまでと全然次元の異なるお方でしょうが。ねむの木学園でしょうが……当時31才の彼女が例によって子供役を演じながら歌う「ふるさとのおっかぁの唄」はそれまでの堰き止められたリビドーに液体窒素をぶっかけるような破壊力で呆然としたチンポをおきざりにしたまま映画は爽やかに終わってしまった。いったいこれを見てどう感じろというのだ!制作者は頭がおかしいのではないか。しかし冷静になって考えてみると簡単に先が読めてしまうものよりはこういう狂った作品の方がずっと面白い。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-06-05 16:51:45)
32.  クレージーだよ 奇想天外
主役の谷啓を地球の習俗にとまどう宇宙人という役どころに持ってきたのは大当たりで、彼がとぼけた演技しているだけでそのまま宇宙人に見えてしまう。活躍の舞台も地球人への理解が進に従ってボロアパートから国会までフレームアップしていくのが快感だ。「アパートの鍵貸します」からの影響がうかがえるが、それもクレージー映画というフォーマットの中にみごとに昇華しきっていて清々しさえ感じる。更にコメディでありながら反戦テーマが無理なく織り込まれた脚本は奇跡的ですらあると思う。脇を固める役者もみながハマっているが特に若き日の内田裕也が異様なノリ具合で、ステージでウンコを我慢しながら熱唱するロックスターを真剣に演じていてびっくりだ。
[ビデオ(吹替)] 10点(2007-08-22 19:34:35)
33.  ゲド戦記
驚いた!ある意味最高に面白かった。監督は父、駿氏の影を追うことで手一杯で、それすらもことごとく要所をはずしている。原作を未読なので絵のことしか語れないが、デッサンが怪しい、色がきたない、構図が悪い、カメラワークに冴えがない、等々が親父の作品との違いじゃぁほとんど素人まるだしじゃないですか。アニメというメディアはトップに才能がないといくら優秀なスタッフを集めても全く力が出せないということが良く分かった。やる気にならなかったんでしょ、背景さんも色彩さんも。製作現場の雰囲気はまともなものだったのだろうか。その様子が見られる特別版のセルDVDが欲しくなったのは初めてだ。100円くらいだったら買ってしまいそうだ。本作を観て父、駿氏は大変な才能の持ち主なのだということも思い知った。こんなみっともないドジを踏むジブリというスタジオがハリウッド式量産体制とは全く無縁の“真の芸術希求の場”だということも理解できた。なにより駿氏が息子の仕事と割り切って手助けを一切していないことが画面からひしひしと伝わってきて清々しささえ感じた。いやはや凄い親父もいたものだと思う。いくらなんでもこれはまずいと思わなかったのだろうか。息子のやっていることが破滅的行為だということは彼が一番感じたはずなのに。彼が“人間らしい心”をもってちょこっとアドバイスしてあげればここまで素人くさい作品にはならなかったはずなのに。ケンカしていたそうだがこの出来を見ると本当にまったく口出ししなかったようだ。原作者との因縁を知ると完全無視できるような状況じゃなかったと思うのだが。二人とも大人げないことこのうえなしだ。この作品をめぐる様々な状況も含めて実にエキサイティングな、そして眼からウロコが落ちまくりの素晴らしいイベントだった。吾朗氏はくじけずにこの結果を一切糧としないでヤケクソになって狂った作品をどんどん作って欲しい。その中からきっと彼独自の世界観が立ち上がってくるはずだ。次作が本当に楽しみだ。………(追記:後にこの期待は裏切られた)
[DVD(邦画)] 10点(2007-08-04 20:35:26)(笑:6票) (良:3票)
34.  茄子 アンダルシアの夏
劇中アンダルシア地方の民謡(?)が繰り返し唄われる。しかしその歌は記号としての民謡にとどまっていて、歌としての魅力が全くない。ありえないくらい音楽性の感じられない歌だ。更にコメディリリーフのじじいが吐く“おっさんくさい冗談→座が沸く”というシーンが繰り返されるのだが、発言の内容は実は面白くも何ともない。この2点のダメさは同根ではないか。なんかこの手の自分に甘い感じってジブリ作品に顕著な気がするのだが“どうせマンガだからこんなもんでいいでしょ”と自らの仕事をおとしめているように見えてしまうぞ。問題はもう一点。原作の漫画は絵がきたならしいのでスノッブさがそれほど鼻につかない。それがあのふやけた絵柄になるとナルちゃん垂れ流しがモロバレで見ていて気恥ずかしいことこの上ない。 制作者はどうして自家中毒をおこさないのか不思議だ。イタ公気取りの宮崎氏からの毒電波で周りのスタッフ共々自意識がどうかなってしまうのだろうか。
[DVD(邦画)] 2点(2007-05-29 18:35:11)
35.  ALWAYS 三丁目の夕日
原作のベタなノリはあの絵柄だから許されるものであって実写でやられると嘘くささばかりが気になって見られたものではない。CGの書き割りは情報量、イマジネーション共に乏しく、こんな貧乏くさい風景を見て懐かしがっている暇があったら昔の映画なりNHKアーカイブスでも見た方がなんぼかマシだ。作り手の意識は「商売商売、こうしちゃえば観客は大泣きだぞ」か「オレも泣きながら作っているのだよ」のどちらかだと思うが、前者でこの出来なら人をバカにしているし後者なら心底気持ち悪い。金を取って人を泣かせようってんだからキャプラやオー・ヘンリー並の策を示して欲しいものだ。原作好きの仲間との上映会(4人全員初見)で半ばから座がどんどんシラけてしまい最悪でした。
[DVD(邦画)] 0点(2007-05-16 22:22:08)(良:7票)
36.  緯度0大作戦 《ネタバレ》 
幼少時に観てそれなりに楽しんだ作品も今見返してみるとヒジョーにキビシーということが特撮関係では枚挙にいとまがない。やっと再見できた本作もその例にもれず脚本演出ともにびっくりするほど手を抜いたものだった。とにかくテンポが悪く緊張感がまったく無い。カタルシスを感じられるポイントもほとんど無い。海洋シーンの特撮には東宝作品らしい格調があるが、陰の主役ともいうべき潜水艦α号にカリスマがないの無い無いづくし。特に艦内のセットに奥行きがなく書き割りのように平板なのは辛すぎる。先人の偉大な仕事(ディズニー版ノーチラスの艦内のデザインをご覧あれ!)から学ぶべきことを何も学んでいないことに驚いてしまう。敬愛する伊福部さんのスコアがいつもの調子なのも本作に限っていえば当たっているとは思えない。と、良くない点ばかりあげつらってしまったが本作にはなんとも得体の知れない魅力があるのも事実。特撮物には珍しく、ラストの解釈を観客の判断にまかせるリドルストーリーの体裁をとっていて、異様な後味を残すのがちょっとアダルト。この点ときぐるみ然としたグリフォンは残酷な設定と共にある種逸脱が感じられて爽快感がある。貴重なSF怪異譚として記憶に残る作品ではある。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2007-04-19 22:31:01)
37.  NOTHING ナッシング 《ネタバレ》 
この監督はハリウッド式の予定調和とはひと味違ったものを見せてくれるところがいい。本作はその思い切りの良さがまるで筒井康隆の漫画作品のようだ。“すべてが消えてゆく”というテーマでどこまで押し切れるかが見物だったがよく突っ走りきったものだと感心した。個々のギャグは原始的なれど二人が置かれた状況が極端なのでスラプスティックとして充分成立しているように思う。少女のキャラなんかも辛口で気持良い。結末も悲惨すぎず甘すぎずほどよい感じ。大作SFのCGに飽きていたせいかこの作品での要所を押さえた使い方は新鮮に感じた。音楽もべたべたまとわりつかずサラッとしていて爽やかだ。
[DVD(吹替)] 7点(2007-02-12 16:00:12)
38.  大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス
お子さまが主役級という実はガキも喰わない基本設定の旧ガメラシリーズ。しかし本作はその見所てんこ盛りの内容がうれしく、公開当時かつてない充実感を味わいました。超音波メス、人食い、どくどく流れる血液、ガメラマーチもぎりぎり許せるお年頃でした。楽しかったなぁ~そして何より学んだのは“道路予定地にあって立ち退きを拒否する農民の存在”です。その動機が“ゴネればゴネるほど土地が高く売れる”という点にあることです。それに対し“道路公団職員は正義の味方”であることなどです。その後この作品で学習した価値観をもって成田闘争や学生運動のニュースに接することになりました…公共の福祉をなそうとするお上に敵対する欲まみれの農民………って、ふざけんな!!まるっきり逆じゃないかよ!!現実は役人とその手先こそ権力まみれ欲得まみれの代表選手じゃないか。自分の生まれ育った土地を破壊されたくない、命令されて引っ越すのは嫌、ってのは当たり前の人情じゃないか。労使紛争が激しかった大映の経営側に迎合してこのような政治姿勢の作品が作られた、という噂を聞いたことがあるが本当なのだろうか。大映東京は大映京都に比べて経営陣の方針に対し弱腰だったと言われているし。人の心を踏みつけにする者の視点に立った本作の恥知らずさを考えるとホントにそんな政治的力学が影を落としているのかもしれない。
[映画館(邦画)] 0点(2006-02-14 20:06:15)(笑:1票) (良:1票)
39.  新幹線大爆破 《ネタバレ》 
宇津井健ら捜査側からの視点は名作“ジャガー・ノート”高倉健ら犯人側からの視点はセルジオ・レオーネのこれまた超名作“夕日のギャングたち”といった趣の作品ですね。特に回想シーンでの音楽の使い方は“夕日の~”のパクりでしょう。しかし本作全体を覆う‘安~い’感じは当方の我慢の限度を超えていてまるでテレビ版“ワイルド7”でも観ているようだ。豪華キャストがみんなおそろしく大根に見えてしまうのは演出がいいかげんだからなのだろうか。変な客が色々乗り込んでいるのにちっともサスペンスを盛り上げることに貢献していないし、喫茶店が重要アイテムとともにタイミング良く焼けるのはご都合主義と言われても仕方あるまい。そのようなことを許容する世界観ならばそれこそワイルド7なみにぶっとんだクライマックスを期待してしまうじゃないですか。こんなチープなノリで「最後は渋めにまとめてみました」なんて許されると思っているのか!犯人側に移入できるように作ってある等、一部とはいえ政治的に正しいことが救いと言えるでしょうか。
[DVD(字幕)] 4点(2005-05-20 14:08:00)(笑:1票)
40.  幕末太陽傳 《ネタバレ》 
面白かったのですがノリ切れませんでした。フランキー堺の演技がいまひとつ肌にあわなかったのと、バカに徹しきれていないシナリオに原因があるようです。オープニングのぶっ飛び具合を見て勝手にこちらがふっきれたスラプスティックを期待してしまったせいかもしれません。ずーっと“左平次の調合している薬は爆薬で、最後にみんな吹っ飛ばしてくれるんだな”と思って見ていました。左平次マジで病気だなんて・・なんかしけた気分になっちゃったなぁ。とはいえ品川の町並みや風俗、ブタみたいで今までいったいどこがいいんだかさっぱりわからなかった裕次郎が、そこそこ格好いいこと(やっぱりブタはブタだとは思いますが)などたくさんの発見があったのは収穫でした。
[DVD(字幕)] 6点(2005-05-14 00:30:59)
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