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1.  インドへの道
基本的に、14年前の「ライアンの娘」と同じテーマ、同じ展開構造の物語と言える。すなわち、一人の若い女性の「性愛」への妄想、「欲求不満」が、時代のうねりとシンクロして多くの人を巻き込んでいき、最後には悲劇と和解へとつながっていくという物語。ただし、「ライアンの娘」が印象派絵画だとすれば、「インドへの道」はかなり抽象度を上げた絵画になっている。それはデヴィッド・リーンが年老いたというためだけでなく、舞台となるインドの気候と宗教、そして混沌が全てを覆っていくからか。
7点(2004-03-24 01:26:51)
2.  ライアンの娘
映画全体がまるで絵画のような作品。アイルランドの美しくも厳しい自然を背景に、そこで暮らす人々の織り成すドラマが丹念に描き込まれた一枚の壮大な絵画。激動する社会情勢に、個人の情念を絡ませていく骨太な展開は、まさにデヴィッド・リーン・スタイル。そんな映画のストーリーとキャラクターを突き動かしていくテーマは、一人の若妻の「性愛」への夢想。もっとベタな言葉で言ってしまえば「欲求不満」。たったそれだけのことが、いや、それだからこそ、時代の大きなうねりと彼女の情念がシンクロして、多くの人を巻き込んだ事件へと発展していき、悲劇と和解を生み出すことになる。このテーマと物語の展開構造は、実は14年後に撮られることになるリーンの遺作「インドへの道」でも繰り返されることになる。現代日本を舞台にすれば、さしずめ「東電OL事件」とか「主婦と男子高校生のメル友」みたいな話になってしまうようなテーマだが、それを芸術的な一幅の絵画にしてしまうところが、デヴィッド・リーンの真骨頂と言えるだろう。
8点(2004-03-23 01:38:44)(良:1票)
3.  フルメタル・ジャケット
ベトナム戦争なんてありきたりなテーマをなぜキューブリックがわざわざ映画化したのか? → 【答え】これはベトナム戦争をテーマにした映画ではないし、そもそも戦争映画ですらないのかも知れない。「人間の本質とは快楽を求める悪ではないのか?」というキューブリック終生のテーマが、たまたまベトナム戦争をネタにして展開されただけと言える。理性が、すなわち人間の精神がいかにもろく、簡単に壊れてしまうものかを描く前半の海兵隊の新兵訓練は、「時計仕掛け」のアレックスの洗脳に通じるテーマ。そして後半のあまりにも美しい戦場の炎は、誰も見たことがない映像を作りあげる映像作家キューブリックの真骨頂。見る者の心理を「道徳的・理性的嫌悪感」と「感覚的・肉体的悦楽」に引き裂くのがキューブリック映画の魅力だと再確認する代表作。ただし「2001年」や「時計仕掛け」と較べてしまうと、何か“マジック”が足りない気もする。そのぶん分かりやすく、人気も高いわけだが。
8点(2004-02-14 20:47:50)
4.  戦場にかける橋 《ネタバレ》 
自らの誇りをかけて作り上げたものを自ら壊すことになる。まさにラストのセリフ通り「madness」。それこそがまさに戦争の空しさ。しかし、実は似たようなことは我々の社会生活の中でしょっちゅう起こっている。仕事で必死で準備していた書類が、得意先の理不尽なひと言で破棄するハメになる。せっかく作った料理なのに、家族が外食で済ませてきたためにムダになる。自分ではどうすることもできない外部の力によって、自分の作り上げたものがただのゴミになってしまうようなことは、誰にでも一度や二度はある経験だろう。戦時下の捕虜という極限状態を描きながらも、そんな普遍性のあるドラマが展開されることが、多くの戦争映画と一線を画し、単なる娯楽モノや反戦モノに堕さなかったゆえんだろう。2時間40分がまったく長く感じない傑作。日本陸軍側の組織の不自然さや、国旗の使い方のヘンなところなど、日本人として細部が気になってしまうところだけが残念。
7点(2004-02-14 14:44:12)
5.  時計じかけのオレンジ
溢れ出る音楽、溢れ出る色彩、溢れ出る造語新語の数々、そして溢れ出る暴力。目をそむけながらも、目を離せなくなる。「これが人間だろ?」と語り掛けられ、「違う!」とは否定しきれない。映像と音楽のマジックが、見るものに鋭く突き刺さるキューブリックの独壇場。道徳心や宗教心、そこまで大げさでなくても、いわゆる公共心というものは、人間の社会をスムーズに機能させる潤滑油。だからアレックスが受けた治療は、潤滑油が足りなくて軋みをあげる部品に"油を差す"ということ。そしてそれは、実は我々が幼い頃から受けてきた「教育」をデフォルメしたものでもある。一体、我々とアレックスの間にどんな違いがあるというのか? 盗んではならない、殴ってはならない、レイプしてはならない・・・その感情はどこから来たのか? 生れ落ちてから日々、油を差されてきたからではないのか? アレックスだけではない、我々こそが「時計じかけのオレンジ」なのだ。観客としての高みにいることを許さない、極上かつ破格の映画。
9点(2004-01-27 18:03:53)
6.  2001年宇宙の旅 《ネタバレ》 
ヒトの持つ「感性」と「知性」を、この映画ほど同時に激しく揺さぶる作品があるだろうか? 感じることと考えること。この相反していながらも密接に結び付くヒトの二つの能力を、極限にまで増大してくれる作品。その意味で、音楽でも小説でもなく、まさに「映画」にしかなし得ないことを最も高いレベルで達成した、20世紀の記念碑。「HALの反乱」という直接的な恐怖が表層的な物語を引っ張る一方、「ヒトとは何かを知ってしまうこと」への恐怖がジワジワと深層を浸していく。進化とは奇跡であり謎であり、運命であり偶然であり、善でも悪でもある。キューブリックの映画には、感動したい、泣きたい、笑いたい、怖がりたい、ドキドキしたい、などなどの「機能」を求めない方がよい。そうすれば、そんな予定調和的な見返りの代わりに、「何か」を手にできるかもしれない。ちなみに、アーサー・C・クラークの小説は原作ではなく、言ってみれば解説書とか手引書みたいなものなので、解釈の参考にはなる。もちろん、唯一無二の正解などないけれど。
10点(2004-01-27 01:15:57)(良:1票)
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