Menu
 > レビュワー
 > ザ・チャンバラ さんの口コミ一覧
ザ・チャンバラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : イタリア 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
投稿日付順12
変更日付順12
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 《ネタバレ》 
原作未読。 人を救いたくて信仰を守っているのに、その信仰を捨てなければ信徒を殺すと脅された宣教師のジレンマ。なかなか面白くなりそうなお話なのですが、「神よ!なぜ沈黙なさるのです」的な発言を何度も何度も繰り返すアンドリュー・ガーフィールドの姿を眺めるのに160分という上映時間は長すぎました。また、最後の最後で神が主人公に語り掛けてくる場面にも感動がなく、さらには神と主人公の間で出された結論が一体何だったのかもよく分かりませんでした。 他方、本作の面白かった点は、信仰を理解しない人たちの意見もちゃんと反映されていることであり、宗教映画でこのような体裁をとっているものはかつてなかったと思います。キリシタンを取り締る役人達は「まぁどうでもいいから、さっさと踏み絵を踏んでよ」という姿勢なのです。取り締りの先頭に立っている筑後守(イッセー尾形が素晴らしい演技)すらキリスト教の価値観そのものを否定しておらず、キリスト教に乗っかって入ってきた西欧諸国の悪影響こそが問題であったとの発言をします。 また、キリシタン弾圧に屈したフェレイラ神父による比較文化論にも興味深いものがありました。日本人は一神教の価値観を持っていないから、俺らがどうこう言ったって変わらないよと言うのです。さらには、隠れキリシタン達ですら我々と同じ感覚で神を捉えておらず、日本式に曲解した形での理解になっていると。そんな社会で犠牲者を出してまで信仰を守る意味はないから、さっさと折れなさい。そして日本社会が望む形で貢献してあげなさいと言うのです。こちらの主張も面白いと感じました。 宗教映画としてはまったくピンときませんでしたが、文化を描いた映画としてはなかなかよくできています。もっと上映時間が短く、かつ、もっと鋭利な描写があれば、面白い映画になっただろうと思います。
[映画館(字幕)] 6点(2017-01-21 16:23:05)(良:1票)
2.  鑑定士と顔のない依頼人 《ネタバレ》 
※注意!壮絶にネタバレしています。未見の方は読んじゃダメ!絶対!  おっさんが若い女からモテるわけねぇだろ!という、男にとって実に痛いところを突かれた加藤茶さんムービーでした。かく言う私も30代後半に突入し、最近では若い女性からほぼほぼ相手にされなくなっているわけですが、そんな中でたまに職場の20代の子から話しかけられると、「ありがてぇ、ありがてぇ」と恋愛乞食ぶりが全開となってしまうのです。彼氏の相談なんてされた日にゃ、「彼氏とうまくいっていない→私、寂しいんです→あなたに抱かれたい」と1億光年先にまで妄想が弾けるポジティブシンキングが止まりません。幸か不幸か私は大した資産を持っていないためハニートラップに掛けられるような器ではなく、今後もトラブルに巻き込まれることはないと思いますが、仮に仕掛けて来られたら1ミリ秒(©シャリバン)で落ちると思います。男ってバカね。 本作の主人公は美人画収集を唯一の心の安らぎとする筋金入りの二次元萌えであり、コミケで美少女ものの抱き枕とか買ってるオタクをじっくりコトコト煮込んだ上に72時間熟成させたような御仁。その童貞遍歴は妖精や魔法使いを超えて神の域に達しており、ネット界隈では「SEXしたら死ぬ」とまで言われているレベルです。実際、若い女性を抱いて廃人にまで追い込まれたのだから、ネットの説はあながち間違ってもいないようです。恐ろしや恐ろしや。 ジュゼッペ・トルナトーレの演出は絶好調であり、気難しいバルボッサが恋をしてどんどんみずみずしくなっていく様を実に丁寧に描写します。仮にオチなしのラブストーリーで終わってもそれなりの映画になるほどの完成度があるため、主人公と同様に観客もすっかり騙されてしまうのです。これは見事でした。 また、ミステリーものとしても上々の出来であり、オチを知ってから本編を見返すと、あらゆる要素に別の見方ができるという手の込んだ仕上がりとなっています。上質かつ下世話な素晴らしい映画でした。
[インターネット(字幕)] 8点(2016-09-13 18:17:04)
3.  ヒトラー 最期の12日間
ハリウッドにとって戦争映画は娯楽の範疇に入るジャンルですが、一方敗戦国である日本やドイツにとって直近の戦争はナーバスな題材であり、これを扱うことには相当なプレッシャーがかかります。とりわけ本作の題材は国際的な物議を醸すことが分かり切っていたものだけに、ドイツ映画界は相当な覚悟を決めてこれに臨んでおり、ファーストカットから「これは並みの映画ではない」という張りつめた空気感が漂っています。それは、見ている私までが緊張させられたほどであり、他の映画ではちょっと味わえない感覚に満ちています。 物語は、一義的にはナチス崩壊の過程を知ることができる歴史作品なのですが、普遍的なリーダーシップ論や組織論として見ることもできるという、一粒で二度おいしい仕上がりとなっています。圧倒的なカリスマ社長のワンマン経営で引っ張られてきた会社が、いよいよ倒産という事態に陥った。社長のコバンザメに徹するという処世術で出世してきた幹部達は何の打開策も打ち出せず、根性のある一部の外様部長達が現実路線で粘って何とか現場が持ち堪えているという状況です。経営者は「お前らが言うことを聞かなかったからこんなことになったんだ」と部下を怒鳴ったり、現実的にありえない新規事業や大口融資を根拠とした起死回生案を側近のイエスマン達に向かって得意気に披露したりと、そこはまさに修羅場なのですが、職業柄、私が見てきたベンチャー企業の末路は本当にこんな感じです。何らかの組織のリーダーをやっている方は、本作を見ると少なからず身につまされる発見があるのではないでしょうか。 問題点は、登場人物が多すぎてドラマがやや散漫となっていることでしょうか。ドイツ人にとっては名前を聞いただけでピンとくるナチス幹部であっても、我々日本人にとっては名前こそ知っているが何をした人なのかは分からないという人物が多いため、ドラマへの没入感がどうしても薄くなってしまいます。 ドイツでの公開時には論争を巻き起こしたとされるヒトラー関連の描写については、ナチスをタブーとしない日本人にとっては大してセンセーショナルなものでもなく、こちらでもやや拍子抜けさせられました。ヒトラーは充分すぎるほど否定的に描かれているし、映画全体の内容もナチズムを賛美するものではなく、なぜこの程度の描写に怒る人がいたのか不思議に感じたほどです。ヒトラーは『イングロリアス・バスターズ』に出てきたような癇癪持ちの小男でなければならないとするのであれば、それこそ歴史を矮小化する行為ではないでしょうか。現実離れしたモンスターと、普段は紳士であるが敵と見なした相手にはいくらでも残酷になれる指導者、どちらに警戒せねばならないかと問われれば絶対に後者の方でしょう。 もうひとつ残念だったのは、冒頭とラストに主人公・ユンゲ(及び本作製作者達)の逃げ口上ともとれるナレーションを入れてしまったこと。「ヒトラーに仕えた私は愚かでした」という現在の価値観に基づく発言が入ってしまったために、歴史映画としての価値が少し下がりました。そこは徹底的に戦時中の描写に徹し、製作者は良いも悪いも判断しないという姿勢を貫徹して欲しいところでした。
[DVD(吹替)] 7点(2016-02-23 14:03:59)(良:2票)
4.  イングリッシュ・ペイシェント 《ネタバレ》 
文芸作品としての上品な風格とハリウッド映画らしい大作感を両立した作品であり、そのルックスはほぼ完璧。「これは何か賞をやらなければ」と思わせるだけの仕上がりだし、一方で同年には他に突出した作品がなかったこともあって、作品賞を始めとするオスカー大量受賞には納得がいきます。アカデミー会員が求めるものを、ほぼパーフェクトに充たした作品なのですから。ただし「面白いか?」と聞かれると、これはちょっと微妙と言わざるをえません。 ざっくり言うと不倫で身を持ち崩した男の話なのですが、その舞台が第二次大戦前夜というキナ臭い時代だった上に、登場人物達の背景に国際的な諜報戦も絡んできたことから悲劇は雪だるま式に折り重なっていき、最終的には大勢の人の死に繋がっていくという劇的な展開を迎えます。そのまま映画化すればさぞや面白かろうという内容なのですが、厄介なことに、監督とプロデューサーは恐らく意図的に娯楽性の高くなりそうなポイントを外してきています。本作の評価はこの点をどう受け止めるかにかかっており、この手の文芸作品が好きな人にとってはストーリーテリングにおけるこの独特な取捨選択がハマったのかもしれませんが、それ以外の観客にとっては、盛り上がりそうで盛り上がらない中途半端な展開にフラストレーションが溜まる結果となっています。 具体的には、足を負傷したキャサリンを砂漠の洞窟に残して救助を求めに出て行ったアルマシーが、その国籍ゆえにスパイ容疑をかけられてキャサリンを助けに戻れなくなるというくだり。タイムリミットサスペンスの要素とも相まって、詳細に描けばかなり面白くなったであろう展開なのですが、監督は驚くほどアッサリとこのパートを流してしまいます。その過程において売国行為にまで手を染めるという、アルマシーにとって分岐点となったイベントも簡単なナレーションのみで片付けられており、その意思決定の時点でアルマシーが抱えていたジレンマはほとんど描かれません。監督によるこの取捨選択には大きな疑問を持ちました。 他方、無駄に感じたのが看護師ハナの物語全般です。映画は現在パート(1944年)と回想パート(1938年)を行き来しながら進行するのですが、現在パートにおけるハナと爆弾処理兵キップとの恋愛が本筋にうまく絡んでいない上に、この物語がさして面白くもありません。ハナとキップは登場させず、間接的に加害者となってしまったアルマシーと、アルマシーの売国行為によって重大な損害を受けたカラヴァッジョの対話を現在パートの基礎とした方が全体的な話の通りは良くなったような気がします。
[ブルーレイ(吹替)] 6点(2016-01-18 19:18:00)
5.  バレット(2012)
シュワルツェネッガーの『ラスト・スタンド』と併せて見たので余計にそう感じるのですが、60代後半でここまでの体力を維持し続けているスタローンの役者魂には心底恐れ入ります。シュワ氏が完全におじいちゃんとなり、小走りすらキツそうだった『ラスト・スタンド』と比較すると、上半身裸での格闘や、ジェイソン・モモアとのタイマンを余裕でこなす本作のスタローンは、本当に輝いて見えます。その一方で、歳をとって年季の入ったスタ氏の顔は、若々しさとは別方向での迫力を見せており、老いと若さが絶妙にブレンドされた現在のスタローンは、映画史上でも非常に稀なポジションにいると言えます。。。 ウォルター・ヒルの演出は、良くも悪くも昔ながらのものでした。勢いや迫力よりも風情を重視した演出により、殺し屋稼業というものをじっくりと映し出そうとしているのです。老いた殺し屋と若き刑事との掛け合いなど、それなりに見るべきものはあるのですが、その一方で、21世紀のアクション映画としては残念すぎるほど展開がチンタラしているという欠点も気になります。陰謀の正体も大したものではなかったし、こんなどうでもいい謎解きに観客を付き合わせることなどせず、もっとストレートに情念をぶつける内容にした方がよかったのではないかと思います。ジェイソン・モモア演じる殺し屋が非常に良かっただけに、黒幕ではなく彼をフィーチャーした殺し屋バトルにでもすれば、より盛り上がったのではないかと思います。
[ブルーレイ(吹替)] 6点(2013-11-06 01:10:45)(良:1票)
6.  ゾンビ/ダリオ・アルジェント監修版 《ネタバレ》 
ダリオ・アルジェントとジョージ・A・ロメロというホラー界の2大巨匠がタッグを組んだ作品にして、泣く子も黙る世紀のマスターピース。映画史上の最重要作品のひとつであり、100年経っても見続けられるタイプの映画だと思います。。。 前作『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の時点では曖昧だったゾンビの設定を明確化し、以降に製作されるすべてのゾンビ映画の基礎をこれ一本で確立してしまったという大きな功績を残した作品なのですが、そのレベルで終わっていないことがこの映画の本当に凄いところ。ホラー映画と言えば、主題となるモンスターや現象をどれだけ恐ろしく描くかという点に心血が注がれるものなのですが、驚いたことに、本作はそのベクトルで作られていないのです。ゾンビは弱く、ある程度の注意を払っていればその脅威から逃れることができるし、運と知恵次第では安全な居住スペースの確保も可能。文明崩壊の恐怖と同時に、文明に縛られず奔放に生きられる世界の居心地の良さをも描いている点が、非常に先進的だと言えます。さらに、主人公達が築き上げた均衡を破壊しに来るのはゾンビではなく人間だというオチの付け方も秀逸であり、生者と死者の対比とも相まって、「人間とは何か?」という哲学的なレベルにまでテーマを敷衍させています。ここまで多くのテーマを盛り込みながら、娯楽作としての面白さもきちんとキープできている映画は非常に稀であり、ロメロの構成力には舌を巻きます。。。 問題点を挙げるならば、登場人物が一様に魅力を欠いていたことでしょうか。美男美女はまったく出てこないし、特にかっこいい見せ場もない。いかにも70年代らしい映画作りなのですが、これが映画に地味さをもたらしています。また、尺の関係からか、登場人物達が過去に何をやってきた人間なのかについても触れられておらず、このことが観客との間の共感の接点を狭める結果をもたらしています。キャラの弱さについてはロメロも自覚的だったようで、本作の続編では、ローズ大尉やカウフマンといった強烈なキャラを配置するようになりました。。。 また、本アルジェント版については全体の描写が軽めになっており、さらには頻繁な音楽の使用も映画全体の雰囲気に悪影響を与えています。出来の悪い映画ならともかく、そもそもよく出来た映画に監督以外が手を加えちゃいけないなぁという好例となっています。
[DVD(字幕)] 6点(2013-09-01 04:15:07)
7.  クィーン 《ネタバレ》 
革新派やフェミニストからの強力な支持もあって存命中は持ち上げられもしていましたが、死後15年経った現在から振り返ると、やはりダイアナ妃は魔女だったと思います。英国王室のあり方について国民レベルで賛否が割れることはあっても、少なくとも王室に嫁いだ人間には、その家族が大切にしてきた価値観を共有し、守っていくことが求められます。しかし、彼女はそうしなかった。自分に好意的なマスコミへ王室のスキャンダルを流したり、自ら王室批判を繰り返したり、挙句の果てには二人の息子がいるにも関わらず自由恋愛に明け暮れたりと、名誉と格式を重んじる英国王室が反論できないことにつけ込んで、彼女は好き放題をやっていたのです。。。 「我が家の籍を離れた人間なのだから、葬儀はご実家でやっていただきます」、常識的な感覚から言えば、ダイアナの死に対してエリザベス女王のとった対応は妥当なものでした。しかし、死亡事故にパパラッチが関与していたことへの負い目もあってかマスコミは一斉にダイアナを持ち上げはじめ、国葬をしろと騒ぎ出します。伝統を否定した人間に対して英国王室が最大級の敬意を表するなど前代未聞のことですが、異様な熱狂の中で正論はどんどん掻き消されていきます。まずは、自身の人気取りを優先したいチャールズ皇太子が落ち、次に、マスコミの異常なバッシングに怯えた王室ご意見番が落ちます。ブレアは善人ではあるものの、長く革新政党にいたため伝統というものへの理解は不足しています。「英国王室は400年の歴史を背負っており、現在の国民がどう思うかということとは別次元で生きている」という当たり前のことが理解されない。そんな状況の中でエリザベス女王は孤立無援へと追い込まれ、最終的にはマスコミとダイアナの力に負けてしまうのです。。。 以上、題材はかなりハードなのですが、あくまでこれをある家庭のドラマとして描いた脚本が秀逸。世間知らずの夫とバカ息子に挟まれ、対応を一手に引き受けねばならなくなったエリザベスの苦悩が非常に分かりやすく描かれています。ただし注意せねばならないのは、本作で描かれるドラマはあくまで脚本家の憶測に過ぎないということです。史実をベースに、その当事者達がどう考えていたのかを推測してドラマを組み立てるこの手法は、倫理的にはギリギリの技術だとも言えます。
[DVD(吹替)] 8点(2013-06-26 01:11:39)
8.  王妃マルゴ
フランス映画史上最大規模で製作された歴史大作ですが、大規模な合戦や巨大セットによる分かりやすいスペクタクルではなく、歴史の完全再現に予算のほとんどを費やしている辺りがなんとも大陸風。一つ一つの場面が異常なこだわりをもって作られているので、画面を眺めるだけで楽しめる作品となっています。フランス映画界が誇る俳優陣をズラっと並べた豪華キャストも壮観であり、彼らの演技合戦も大きな見所となっています。。。 一方内容の方ですが、外国人である我々にとってはかなり不親切な作りとなっています。まず、登場人物の紹介場面がありません。フランス人なら誰もが知っている人たちなので、今さら説明するまでもないのでしょう。また、話が飛び飛びとなっていてドラマがうまく繋がっていません。観客が物語を脳内補完できることが前提となっているためでしょう。私は30分ほどWikipediaを熟読して本作に挑みましたが、ここまでの準備を要求される映画をどう評価していいものかは悩みます。フランス人目線であれば8点、日本人目線であれば6点という印象なので、その間をとって7点とさせていただきます。
[DVD(字幕)] 7点(2012-12-04 01:37:34)
9.  預言者 《ネタバレ》 
入所直後にはモルドールに紛れ込んだホビットの如く怯えまくっていた主人公が、刑務所内で徐々に頭角を現していくという犯罪サクセスストーリー。徐々に目つきが変わってくる主人公は『ゴッドファーザー』のマイケル・コルレオーネを彷彿とさせ、生粋のヤクザ者よりも、あるきっかけでヤクザになった元一般人の方がよりタチが悪いという犯罪映画の王道を行く内容となっています。。。 この映画はヤクザ映画として十分に楽しめる仕上がりなのですが、もっと興味深いのは、本作が二層構造の物語となっていること。表面上は刑務所内で若者がのし上がっていく痛快なサクセスストーリーを装いつつも、核心部分には犯罪者や国家の治安維持体制に対する痛烈な批判が横たわっています。やんちゃは過ぎても本物の悪党ではなかった主人公が刑務所内で殺人やドラッグを覚え、さまざまなコネクションを得て独自の犯罪グループを率いるまでに成長する本作には、犯罪者を更正させるどころかより強力な犯罪者を育成する機関に成り下がっている刑務所への痛烈な批判が含まれています。また、歳老いて権力を失いつつある老マフィアと伸び盛りの若者との人種を越えた友情物語を装いつつも、ラストでの冷たい仕返しによって義理や人情というものを完全に否定しています。コッポラやマイケル・マンが描く犯罪者の美学なるものは現実には存在せず、犯罪者とは狼の法の下に生きる利己主義者であると断言しているのです。本作は、従来の任侠映画を否定した『仁義なき戦い』と同様のポジションをとる作品なのです。。。 フランス映画でありながら登場するのはコルシカ人、アラブ人、ロマ人とアウトサイダーばかりで、生粋のフランス人が一人も登場しないという構成にも深い意味があります。フランス国内は外国人犯罪者によって荒らされているという現実を描いているのですが、このテーマを真正面から扱うと「人種差別的」と断罪されることから、二層構造の映画で暗にこれを指摘しているようです。今そこにあるに危機について真正面から問題提起できないというもどかしさが、ヨーロッパにおける人種問題の複雑さをよく表しています。
[DVD(吹替)] 7点(2012-09-29 23:59:16)(良:2票)
10.  セントアンナの奇跡 《ネタバレ》 
郵便局の窓口係が、切手を買いに来た客を突然撃ち殺す。インパクトがあり、本編を見たくて仕方がなくなる素晴らしいイントロ、これは傑作に違いないと思いました。。。 そんな期待とは裏腹に、本編はかなりガッカリな内容でした。前半は山田洋二が撮りそうな人情喜劇で、「イタリア=のんびり」というアメリカ人のイメージをモロに反映したステレオタイプな描写が続きます。話の展開は非常にゆっくり、戦争映画を観るつもりで来た観客にとっては拷問に近いペースでチンタラと話が進んでいきます。 一転して後半はシリアスモードに突入するのですが、ここからはアメリカ人特有の思考に基づいたやりたい放題がはじまるので、観ていて腹立たしくなりました。本作の要となる「セントアンナの大虐殺」です。無抵抗の市民560人が犠牲になったセントアンナの悲劇は一応史実ということにはなっているのですが、いわゆる南京大虐殺という冤罪を背負わされている我々日本人としては、この手の虐殺ネタはどうも胡散臭く感じます。敗戦国を貶めるためのウソ・捏造・拡大解釈のいずれかではないかと。そんなデリケートな事件をスパイク・リーがどう料理するのかには関心があったのですが、これがあまりにベタベタな描写でガッカリしました。無抵抗の一般市民を機関銃で虐殺し、死体をガソリンで焼く。ご丁寧に赤ん坊を銃剣で突くという描写までがあるのですが、”第二次世界大戦当時の残虐行為”の絵面としてはあまりにもありきたりです。その結果、監督は史実をきちんと調べず「恐らくこんな感じだったはず」というイメージだけで撮っていることが丸出しとなっています。常に正義のアメリカ国民にはわからないかもしれませんが、こういう歴史映画で悪役にされると、その当事国の国民は傷つきます。だから、せめて歴史的事実くらいはきちんと調べてから映画を撮るということをいい加減覚えて欲しいものです。。。 そして映画は呆気にとられるラストへ。殺人犯となった主人公の裁判がはじまるのですが、金と権力と脅しによってこの殺人犯は保釈され、アメリカの司法の及ばない海外へと逃亡します。そこで、命を救ったかつての少年と再会してめでたしめでたし、、、って、これのどこが感動作なんですか。個人による処刑を認め、法を捻じ曲げることがハッピーエンドだなんて、私は受け入れられませんでした。性根が腐ってますよ、この映画は。
[DVD(吹替)] 3点(2012-05-08 01:44:59)
11.  フレディVSジェイソン
「13日の金曜日」も「エルム街の悪夢」も何作かは見たことがあるものの、シリーズにそれほど思い入れはありません。どちらのシリーズもホラー映画の割には怖くなくて、強烈なキャラクターによる殺人ショーを鑑賞するものだという印象を持っていました。両者が初共演した本作についても同様の印象で、良く言えばオリジナルの特徴をきちんと踏襲した番外編なのですが、悪く言えばオリジナルの欠点を乗り越えることができず、オリジナルと同等の完成度に甘んじてしまった作品。どちらの印象を持つかで本作への評価は大きく変わるのですが、残念ながら私の印象は後者でした。。。本作の脚本を担当したのはデヴィッド・S・ゴイヤー、オリジナルシリーズに関わっていた監督・脚本家よりもレベルがふたつくらい上の人材を捕まえてきたわけですから、私は本作に期待していました。オリジナルの良い点は残しつつも、弱点はきちんとカバーするような出来にしてくるであろうと。しかし、出来たものはオリジナルと同等のレベルだったので、これにはガッカリでした。もちろん、ゴイヤーらしい仕事は見て取れます。両シリーズの設定を擦り合わせ、お約束を物語にうまく活かすという丁寧な仕事は相変わらずです。しかしそれだけで終わってしまっていて、本作をオリジナル以上の番外編にしようという工夫や努力がなかったのは残念でした。
[DVD(字幕)] 4点(2010-09-19 22:24:37)
12.  ホテル・ルワンダ
これはすごいです。非常に政治的な映画なのですが決して説教臭くはなく、紛れもない感動作なのですが押し付けがましい感動やあざとい泣かせはなく、恐るべき完成度の傑作です。多くの社会派映画のように作り手の大声の主張があるわけでもないのにここまで考えさせられる映画ってすごいことですよ。この映画が描こうとするのは部族問題の難しさや虐殺の恐ろしさ、人間の勇気と残酷さなどという「定番」のものだけではないのがすごいところ。他国の惨状を見捨てるということがどういうことなのかも肌で感じさせるのです。石油も宝石も出ないルワンダなどに関わりたがらなかった西欧諸国の怠慢が虐殺を拡大し、最初から最後まで国連は無力。結局ツチ族自身の手によって止められるまで虐殺は続いたのですが、これは西欧だけではなく日本にとっても重い教訓ではないでしょうか。虐殺などという不条理の起きうる国がこの世界にはまだ存在しているのに「うちの国は平和主義なので国際貢献は後方支援だけで」などという鎖国状態の平和主義がいかに無責任なことか、交戦権も与えず戦地へ兵を送り出すことがどれほど危険で残酷なことか、これを見れば一発でわかります。「武器を持たない、使わない=立派なこと」という簡単なことではないのです。とまぁこの映画を評すると必ず政治的な話になってしまいますが、映画としての出来も非常に高いです。オリバー・ストーンのようにアジビラの如く主張するわけでもなく、スピルバーグのようにこれでもかと衝撃的な残虐シーンを見せるわけでもないのに、ここまで心に残り、考えさせられる映画を作るというのは大したものです。展開も終始ダレることなく、実にうまいタイミングで次々と危機が訪れる構成も、不謹慎かもしれませんがハラハラさせられました。要するに、社会派映画としても娯楽作としても非常に良く成立しているのです。これぞいい映画の見本ですね。
[DVD(字幕)] 9点(2006-09-03 00:40:18)
13.  キングダム・オブ・ヘブン
リドリー・スコットってのは、良くも悪くも映像派ですね。まず良い点は、とにかくすべてのシーンが美しく、どのカットをとっても絵画のように綺麗。そしてあのとんでもない戦闘シーンのド迫力。確かに「ロード・オブ・ザ・リング」のヘルム峡谷戦やミナスティリス戦とかぶるわけですが、こちらの方がレベルが上ですね。CGで作ったのが丸出しの「ロード~」に対して、こちらは生身の迫力に満ちてました。2時間丸々戦闘シーンという「ブラックホーク・ダウン」を作り上げた手腕はダテじゃないのです。一方悪い点は、ストーリーテリングに明確な弱点がいくつかあることです。人間関係が複雑な割に拾い切れていない要素が多く、バリアンが亡くした妻子のことは後のストーリーにまったく影響を与えず、彼の複雑な親子関係も実にアッサリとしたものです。(「グラディエーター」もそうでしたが)主人公のロマンスに深みはなく、むしろ蛇足になってるような気もしました。「人を救うはずの宗教を巡って異教徒と殺し合う」という矛盾をテーマにしている割に登場人物たちに葛藤はなく、悪者は最後まで悪者、善人は最後まで善人でした。このテーマであれば、誰もが自分なりの大儀や正義を目指しているがゆえに戦いが起こるという話にした方がよかったと思います。と言うか、いまだに続いている宗教戦争の本質ってそれですよね。それぞれが正義だと信じているからこそ相手に対して不寛容となり、争いが起こってしまうと。しかしギーという明確な悪役を作ってしまったがために、話からその深みが奪われたように思います。これでギーも善人で、自分なりの信念を貫く人間であれば、戦争というものの本質をえぐった傑作になっていたかもしれません。それにしてもリーアム・ニーアムとジェレミー・アイアンズはかっこよすぎですね。「これぞナイト」という風格に満ちており、彼らが映ってる時には完全に画面を独占してましたよ。演技ができる俳優さんはいろいろいますけど、彼らのように風格を出せる俳優さんってのはあまりいませんね。あとどうでもいいことですけど、劇中「13ウォーリアーズ」で聞いたことのある曲が流れたので「まさかパクったんか」って気になってたんですけど、エンドロールにはちゃんと「バルハラ ジェリー・ゴールドスミス作曲」ってクレジットされてました。他の映画の音楽をまんま使うってこともあるんですね。ちょっと驚きました。
[映画館(字幕)] 7点(2005-06-05 00:27:47)
14.  カサンドラ・クロス
この頃のパニック映画の中では一番好きです。なぜかヘンなやつが多く乗り合わせてるというのはパニック映画の定石ですが、そのあたりは当然クリアー。ただこの映画にはバート・ランカスターという強みがあるので、その時点で他の作品よりも優れてしまってるわけです。冷徹なバート・ランカスターが乗客達の演技をかなり引きたてており、相当に作品を引き締めていました。しかしバート・ランカスター、「合衆国最期の日」では正反対の役をやってましたね。軍隊出動のシーンの緊迫感は秀逸だし、このままでは列車ごと谷底に落とされるという乗客たちの焦りもすばらしかった。パニック映画には大味なものが多い中、これには結構ハラハラしましたね。これでラスト、乗客が全員死ねば私の中では満点だったんですけど。肝心のウィルスが途中で効力を失ってしまうことからも、この映画が見えざる脅威ではなく軍隊や官僚機構の非人間性をテーマにしていることは間違いなく、それならば乗客全員に犠牲になってもらった方がテーマが立ったような気がします。まぁ不満と言えばそれくらいで、全体としてはかなり優良な娯楽作です。前半部分が「アウトブレイク」、後半部分が「暴走特急」に受け継がれていますよね。しかしこれ、ロメロの「クレイジーズ」のパクリとも見ることができるんですけど、そのへんはどうなんでしょう?主題であるはずのウィルスがあまり強力ではないこと、一方それを封じ込めようとする軍隊こそが市民の脅威となることなど、テーマはまったく同じなんですよ。
7点(2004-09-18 04:13:09)
15.  ギャング・オブ・ニューヨーク 《ネタバレ》 
一度目は「つまんないなぁ」って思ったんですけど、2度目の鑑賞は楽しめました。よく作りこまれてる映画なので、2度3度見る方が絶対に楽しめるんですね。この映画はなかなかに意欲的で、ヤクザの抗争にリンクさせて激動のアメリカ史が描かれています。「ゴッドファーザー」サーガは時代とともに変わりゆくマフィアの姿を描いていましたが、ここではギャングが時代そのものとして描かれます。時代に翻弄される映画は数あれど、時代そのものを描く映画は少ないように思います。脚本の出来がよく、個人である各キャラクターの行動とアメリカ史の推移が違和感なくシンクロしています。さらにすべてのエピソードがクライマックスへ向けて収斂しており、本当によくまとまっています。クライマックス、混沌が支配する街でフツフツと堆積していた不満がついに爆発し、全市を席巻する大暴動へと発展。暴動の中でのネイティブズ(建国以来のアメリカ人)VS移民(新たなアメリカ人)の果し合いは、まさに世代交代の瞬間です。ここでのビルの死は古いアメリカ人の敗退、そして新しいアメリカ人の勝利を意味しており、それは移民が主役となって成長してゆくその後のアメリカの象徴でもあります。同時に、ここでの果し合いは政府による砲撃で中断しますが、それはギャングによる支配の終わりを意味します。それまでのNYはギャングの支配下にありました。ギャングこそが法律であり、政治家ですらギャングと共存関係にありました。しかしついに政府の力が全市に及び、彼らによる支配は終わりを迎えたのです。ネイティブズとギャングという2つの時代の終焉をこの映画は描いていたのです。そしてラストでは、ビル・ザ・ブッチャーとヴァロン神父という過去の遺物の墓標が見守る前で、NYは現在へと成長をしていきます。そしてテーマ曲「The Hands That Built America」と来るわけですから、もう震えましたね。そんな立派な映画なわけですけど、問題点は主人公のアムステルダムにあると思います。彼は状況に流されて右往左往してるだけで、どうにも行動が弱い。別にディカプリオがというわけでなく、描写自体が弱いんです。このあたりがスコセッシの限界というか、彼はキレた人とかキ○ガイとか、要するに傍若無人なまでに我が道を行く人を描かせるとピカイチなんですけど、一方で迷い悩む人間を描くのはあまり得意ではないようで。
8点(2004-09-10 02:51:17)(良:1票)
16.  マレーナ
思春期男子の心理をここまで克明に描いた映画って他にはないでしょ。女性のみなさま笑ってやってください。12歳くらいの男子ってのはあんなもんなんです。異性に死ぬほど興味があるのに、な~んにもできずにひたすら妄想に浸ると。なので、主人公の少年が徹底的に傍観者に徹したのは大正解。普通の映画なら、少年はマレーナに近付こうとするもんです。必死で思いを打ち明けようとするんだけど、子供だからと言って相手にされずに落ち込んだり、何かの事件をきっかけにマレーナと親しくなったり。普通の映画だったらそういう流れにするはずです。しかしこの映画においては、少年はマレーナに知られてすらいないわけです。そんな状況において、少しでも相手のことを知るだけで嫉妬や妄想にかられたり、道ですれ違うだけでドキドキしたりと、これぞ現実のリアリティー!中1の頃、中3の先輩に憧れてしょうがなかったみたいな感覚、「あの先輩には彼氏がいるってウワサなのに、それにひきかえ俺は授業中に情けなくウンコをガマンしてる単なるバカだ」的な少年の無力感が完璧に再現されています。こんな気持ちを味わえる映画なんて、他にはどこにもありませんよ。ジュゼッペおじさん、あんたうますぎ!そして、この少年の行動力がまた笑わせてくれるわけです。パンツかぶって寝るくだりなんて、腹抱えて笑いましたね。それでいて、後半ではキッチリと現実の重みを突きつけてきます。この辺りのバランスもいいと思いました。少年の成長物語としては、これ以上ないくらいの傑作だと思います。それからそれから、性に目覚めた息子に女を与えてくれるだなんて、イタリアのお父さんはわかっておいでだ。
8点(2004-08-31 04:10:03)(笑:1票) (良:3票)
17.  殺人魚フライングキラー
一時期は日曜洋画劇場なんかで頻繁に放送してましたよね。そのたびに見てたんですけど、小学生の時には大好きだったのに、中学生になるとショボさがやたら気になりました。最近になって録画ビデオを見返してみると、さらにショボさが気になりました。フライングキラーはあれだけショボい出来なのに、それでもしきりにアップを使うあたりのセンスがすばらしいですね。これの撮影中にジェームズ・キャメロンは高熱に倒れ、その時にターミネーターの着想のきっかけとなる夢を見たんだとか。「ターミネーター」のDVDで本人が言ってました。それでも「フライングキラー」というタイトルは決して言わなかったので、よっぽどこの映画を憎んでるんですね。フライングキラーのプロデューサー達を「人間のクズのような連中」とまで言ってたし。
4点(2004-07-13 19:21:36)
18.  食人族
カメの惨殺もキツかったんですけど、なにげにサルも頭をかち割られてましたよ。どう見ても本物。劇中、教授が「土人と文明人、どちらが野蛮なのやら?」と言いますが、決まってます。これを作った人がもっとも野蛮です。
4点(2004-07-08 18:31:24)(良:1票)
19.  サンゲリア
この映画の尋常ではないスプラッターには、正直ひいてしまいました。おぞましすぎるよ。ただ、見る者に不快感を与えるという意味で、この映画はホラーとしては成功しているわけでして。やっぱりすごいのはサメVSゾンビ戦です。ある意味ハリー・ポッターよりもミラクルでした。どう見ても本物のサメが泳いでるってのに、それでもゾンビ演技に徹しようとするスタントマン根性には頭が上がらない名シーン。たしかに、画面からはゾンビらしからぬ必死さは伝わってきましたが、本当に命をかけて映画史上オンリーワンの難役をこなしたわけで、私的にはあのゾンビにアカデミー賞10年分を送りたい気持ちです。
5点(2004-07-06 12:30:28)
20.  カットスロート・アイランド
中盤ダレるものの、勢いと物量を信じて作られた正当すぎる冒険活劇。「とりあえず爆破しとこう」というハーリン思想の頂点を極めた快作です。ラストの砲撃戦→乱闘→一騎打ち→大爆破のアクション数珠繋ぎは「パイレーツ・オブ・カリビアン」をはるかに凌駕しており、ブラッカイマーでもかなわないハーリンテイストここにありです。dts版DVDの音響がこれまたハンパではなく、映画会社をも破壊してみせた本作の迫力が体感できます。
7点(2004-06-30 12:53:17)(笑:1票)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS