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ころりさんさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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21.  アウトロー(2012) 《ネタバレ》 
『ミッション・インポッシブル:ローグ・ネーション』がよかったので、同じ監督&トム・クルーズ作品ということで鑑賞。これは、掘り出し物。好みは分かれると思うけど、最初の銃撃シーンからサスペンスの持たせ方がうまい。派手さはないけど構成がしっかりしてて目が離せない。あと、主人公リーチャーのキャラがいい。車乗れない(っていっても免許がないから、という理由はちょっと笑える)、武器も持ってない、クレジット・カードも使えない。で、バスで移動っていうのが、何だか笑える。序盤の弁護士ヘレンとのやりとりもちょいコメディ入ってる。律儀にチンピラやら弁護士に車を借りてやっと移動手段ができたり、武器がないから射撃場の親父(ロバート・デュバル!)を呼び出したりとか、真面目にやってるのにどこか笑えてしまう。その意味では、トムの現実離れした「スター」感がうまくハマってるのかも。よく見てみると、なんでチンピラの仲間に簡単に頭、殴られちゃうのか(痛そうだからわざとではなさそうだし)とか、凄腕の敵のはずなのにラストの銃撃ではなぜ1発も当たらないのかとか、詰めの甘さはあるけど、シリアスなのにちょいクスッとくる新しいハードボイルドものとして、楽しめる1作だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-01-22 11:08:54)
22.  雨に唄えば
サイレントからトーキーへと映画界が変わる時代を、1952年にダンスとユーモアで描いた傑作ミュージカルを、さらにその60年後の2012年にDVDと大画面テレビで楽しむ。1950年代という「古き良き」ハリウッド・ミュージカル黄金時代の魅力を堪能できます。ただ、当時の最新技術を駆使して撮ったと思われる終盤の大がかりなダンスシーンは、いまの時代に見るとちょっと興ざめで、序盤のタップダンスや有名な雨のシーンのほうが断然輝いてる。ノスタルジーとテクノロジーのバランスは難しい。
[DVD(字幕)] 7点(2012-02-20 15:10:13)
23.  アフタースクール 《ネタバレ》 
飛行機で鑑賞。まったく事前情報なしで見た分、楽しめました(内田監督の前作も未見)。物語全体のどんでん返しそのものはちょっと大がかりすぎてピンとこなかったのですが、探偵と中学教師の立場が逆転する瞬間、そして、田畑智子演じる女性の役割がわかったところは「おお~」という感じでした。「アフタースクール」というタイトルもいいですね。本当に「学校」の呪縛から逃れられないのは誰なのか、という問いはなかなか深いなあと思いました。そして、エレベーターの種明かしのシーンも最高。ただ、ほかの方も指摘するように、物語としての魅力にやや欠けるため、何年かたつと内容も忘れちゃうかもしれない。関係ないけど、個人的には伊坂幸太郎の小説の読後感に似てるなあという印象。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-08-08 12:18:26)(良:4票)
24.  アビエイター
よくある伝記物と違って、あまり時代背景の説明やエピソードの消化にこだわらず、ハワード・ヒューズという人物の偏執狂的なキャラクターに焦点を当てたのは正解だったと思う。終盤に描かれる、ヒューズの奇行と公聴会での見事な切り返しは、ヒューズという人物だけでなく、人間に普遍的な多面性というのを表しているようで迫力十分だった。「ギャング・オブ・ニューヨーク」では力量不足だと思ったディカプリオの役者としての本当の実力を見せつけられたようで感服。難を言えば、いまいち盛り上がらないラストか。3時間、物語につきあってきた観客が、「ああ、これで終わるんだ」と思わせるようなラストシーンを用意してほしかった。
[DVD(字幕)] 7点(2005-12-19 02:20:37)
25.  I am Sam アイ・アム・サム
テーマの複雑さと感動系の売り込みに敬遠していたのだけれど、意外とコミカルだったので好感。ショーン・ペンも、『デッドマン・ウォーキング』みたいなシリアス系ではなく、コミカルな役作りがサム役にはあっていたと思う。ミシェル・ファイファーもうまい。脚本はテンポが悪くて難点がある気がするし、ラストが少々あっけないのだが、基本的に映画で泣かないので、思ったより楽しくみられてよかった。まあ、「泣くぞ」と構えてみたら肩すかしかも。
[DVD(字幕)] 7点(2005-06-14 15:13:19)
26.  アイ,ロボット 《ネタバレ》 
前半は、スリラータッチで意外とおとなしい映画かと思ったけど、後半は急激に物語が動いておもしろかった。ただ、vikiが最後に空かす3原則の論理的な帰結があまり論理的に思えなかったのが残念。究極の頭脳がいきつく先が、「人間は戦争やら環境汚染やらで自ら破滅しようとしている」というのは、論理の内在的帰結じゃなくて、外在的なものって感じで、ちょっと安易な気がした。もっと、論理が先行するロボットらしい論理を見せてほしかったなあ。とはいえ、100分ちょっと楽しませてもらいました。ラストの視点ぐるぐるの激闘は映画館で見たかったな。
[DVD(字幕)] 7点(2005-05-14 01:57:48)
27.  Arc アーク 《ネタバレ》 
これはなんとも評価に困る作品。そもそも、題材というかテーマが難しすぎたのかもしれない。ケン・リュウ原作で不老不死を扱っているとはいえ石川慶監督の作品でもあるので主体は人間ドラマなのだろうなと思ってたのですが、ドラマ主体にするには時間が足りず、個々のエピソードがどうしても描き込み不足だったのかも。内容的には1時間×5話くらいのミニシリーズ向けだったのかもしれません。ストーリーも、石川監督の『愚行録』や『ある男』を思いおこせば、もっともっと不穏な話を予想しました(とくに序盤)が、思った以上にシンプルかつさわやか風味に仕上がってて、そっちはちょっと思ってたのと違ってたかな、という感じ。でも、考えようによっては、終盤の展開、とくに小林薫さんの最期は、実はめちゃくちゃ残酷な話でもあって、それをさらっとナレーションですましてしまう監督の非情さにちょっと感心しました(だって、あれってリナに言われたからでしょ。最後まで最低の母親だったということでもある)。  外見は変わらないのにどんどん歳を取ってるはずのリナ役の芳根京子さんはがんばっていたのでは。もっと技巧的な俳優さんなら、老齢感みたいなのを入れてこようとすると思うけど、今作のように非現実的な浮遊感で表現するのもアリでしょう。むしろ難点は、そのほかのキャスティング。「怪しいスゴイ人」枠の寺島しのぶさんと岡田将生さん、「(過去になにかあるっぽい)いい人枠」に風吹ジュンさんと小林薫さんなどは、全員キャラがステレオタイプ過ぎてどれも掘り下げ不足。そして、ストーリーの肝になるリナの「過去」の話は、老人ホームの話が出てきた時点で先が読めてしまうので物語的なカタルシスも弱い。ドラマ的な見所も、芳根さんが浮遊する周りで、ステレオタイプなキャラたちがいつもの話を繰り返しているだけなので、どうしても物足りなさが残ってしまう。ただ、全体のパッケージとしては、石川監督らしい奥行きと質感のある映像(ただ90歳パートをモノクロにした意図はちょっとわかりにくかった)、終盤の瀬戸内と思われるロケーションの素晴らしさ、邪魔にならないけどちゃんとドラマをつくる音楽、オリジナリティのある美術など、ちゃんとワンランク上の映画を感じさせてくれる出来でした。結論としては、この話を2時間におさめるにはこのくらいが落とし所だったのかな、けどもう少し人間関係を描き込んだものも見たかったかな、というところ。
[インターネット(邦画)] 6点(2023-10-30 07:11:51)
28.  あゝ、荒野 後篇 《ネタバレ》 
前篇では支離滅裂に感じた群像劇的エピソードは、結局うまく回収されないままだったけれど、信次と健二の二人のドラマに焦点が絞られた分、映画としては見やすくなった。死にそうで死なない健二の父とか、中途半端な3・11の挿入とか、自衛隊がらみの話とか、まだ続いている何かの反対デモ(大半がエキストラだと思うけど、このデモシーンの陳腐さには悪意を感じた)の描き方とかは、前篇同様、物語にとってはノイズの部分のほうが大きかった。これまた中途半端なセックス要員のようなかたちでしか絡んでこない女性たちの描き方もまた、2010年代のドラマとしては気になった。そう考えると、「死」をもって「生」を描くようなラストも、前篇の自殺防止サークルの陳腐な顛末と大して違わないような気もしてくる。要するに、「性」と「死」を描けば「新しい」「革新的」とされた寺山修司の時代とは違ってるわけで、中途半端な政治描写じゃなくて、アップデートすべきはそこだったんじゃないかと思える。そういう気になる要素は山ほどあるのだけれど、菅田将暉とヤン・イクチュンは、前篇よりも、さらに素晴らしい演技を体を張って見せてくれた。とくに、ヤン・イクチュン。この物語の主役は、原作どおり健二だったことが、この後篇を見るとよくわかる。二人のドラマ部分は本当に語りたくなる部分がたくさんあっただけに、ノイズになってしまったその他の部分が本当にもったいない作品でした。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-04-13 09:08:30)(良:1票)
29.  アナと雪の女王2 《ネタバレ》 
公開直後のカナダの映画館で子どもと鑑賞。前作は楽曲、とくにLet It Goのインパクトは凄まじかったものの(日本公開前に現地で予備知識ゼロで観たので)、物語としてはガチャガチャとして落ち着かない印象でしたが、続編はストーリーもそれなりに練られていたように思えたし、キャラも無駄に増やさず広げなかったのもよかったと思う。音楽もミュージカルとしては各曲のクォリティも高く、また配分もバランスがいい(前作は明らかに前半に曲が偏っていたし)。映像も6年分の技術の進化に対応して見応え十分だった。それでも、終幕後の感想としては「いまいち盛り上がらず」な感じなのはなぜなんだろう。やっぱり前作の魅力は、あのアンバランスさにあったように思う。あのLet It Goを大画面・音響で観るためだけに映画館に行っていいんじゃないかと思ったのに対し、今作はバランスは取れた良作感はあったものの、何度も観たいかといわれれば微妙な感じ。前作以後のディズニーの流れに乗って、「社会正義」の側へと振ったストーリーも歓迎だけれど、この映画で観たいのは「そこ」ではなかったような気が。最初にダムが出てきたところで、落としどころが見えてしまったのもマイナスだったのかもしれない。後半は暗い画面が連続するのも、ちょっともったいない。子どもが歌える感じの歌でもない。クリストフの80年代ラブソング風のシーンは、自分は直撃世代だと思うけど、あまりにもターゲットが狭い。そもそも今作のターゲットの今の子どもの親層もピンとこないのではないか。劇場では明らかに白けた雰囲気になっていた。オラフの前作ストーリー紹介で爆笑して会場が暖まっていただけに、その冷却効果はかなり大きかったような・・・。というわけで、全体的にまとまりはあったけど、前作のような爆発力は感じられず。前作の成功体験ゆえの縛りも感じるし(とくにエルサの歌や変身あたりで・・)、気候正義とか自然との共生というテーマだったら「アナ雪」でやる必要なかった気がする。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2019-11-26 03:11:32)(良:1票)
30.  アトミック・ブロンド 《ネタバレ》 
雰囲気作りはすばらしい。歴史の大きな転換点にあったベルリンの雰囲気、80年代のイントロ最強二大巨頭といえるBlue Mondayで始まりUnder Pressureで終わる音楽。シャーリーズ・セロンの痛そうなアクションの数々。「当たれば痛い」という当たり前のことをちゃんと描いてる。アクションの描き方が丁寧で、動きがロジカルなのも見ていて気持ちいい。ただ、その雰囲気とストーリーが合っていないような・・・。いわゆる人間的なドラマよりも、誰が味方で誰が敵かわからない&実のところ主人公が何者かもわからないというサスペンスで引っ張るのだけれど、半分を過ぎたあたりからだんだんどうでもよくなってくる。ストーリーを追わなきゃという意識がだんだん麻痺してくる。終始鳴ってる音楽と見せ場多数のアクションもまるで「そうはいってもストーリーあんまり関係ないですよ」というメッセージに聞こえてくるというか・・・。スパイ映画、政治スリラー映画、アクション映画、音楽映画、シャーリーズ・セロン映画の要素をぎゅっと凝縮して2時間以内に詰め込んだ結果、トータルバランスがちょっとおかしくなったように思います。映画ってやっぱり足し算だけじゃなくて、引き算も大事なんだなーと思いました。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 6点(2019-11-05 23:32:14)
31.  アメイジング・スパイダーマン2 《ネタバレ》 
前作よりはアクションも映像もグレードアップ。スパイダーマンの飛翔シーンや戦闘シーンも凝っていて、なかなか楽しめる。あと、新生スパイダーマンの青春映画路線にも慣れてきたのか、恋愛ドラマ部分も(よくあるラブコメだけど)、これはこういうものとして受け入れられた。残念なのは、敵の登場のタイミングや戦闘シーンのバランスがちぐはぐしてるところ。3つ巴になるわけでもなく、順番に出てきてくれるのも何か苦笑。あとラストの最大のサプライズは素直に驚いた。それまでが基本的に軽快路線だったので、突然の悲劇にけっこううろたえた。で、その気持ちの持っていき方がわからないうちに、主人公のほうが立ち直って終幕。なんか観客が置いてきぼりの展開でした。
[DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2014-08-12 22:40:51)(良:1票)
32.  悪人 《ネタバレ》 
妻夫木聡と深津絵里といえば、昔ぱっとしない「月9」でも共演してたが、そんなテレビドラマ的キャスティングという制約はありつつも、主演の2人、樹木希林から柄本明まで、見事な演技で吉田修一のイケテナイ世界を再現してました。原作既読でしたが、ほとんど違和感を感じることなく、その世界観に浸ることができました。なかでも、満島ひかりが演じる佳乃の二面性(「性悪女」と「愛される娘」)に代表される主要登場人物の多面性を、2時間少しの制約のなかでちゃんと描いたのは偉い(岡田君の享楽的な生き方も繰り返し見せられると虚しさのほうが伝わってくる)。一方で難点は音楽と演出。音楽はとにかくうるさい上にシーンにあってない。『おくりびと』もそうでしたが、久石譲のしつこいメロディは実写ドラマに向いていないように思います。演出といえば、何と言ってもクライマックスのスローモーション。これまで細かく丁寧に描いてきたものが一気に崩れ去るようでした。そして、イカの目玉は、この映画最大のホラーでした。今思い出しても恐ろしい。
[地上波(邦画)] 6点(2011-11-21 12:52:52)
33.  アバター(2009)
観客を再び映画館に呼び戻したたエポックメーキングな作品ということで、遅ればせながら、アメリカ旅行中に現地で特別編が上映されていたので劇場で見ることができました。3Dの映像は圧巻・・というか、巨大な樹木、水、奇妙な植物や動物、そして巨大な鳥の飛翔まで、この映像を3Dで見せたい、というところからスタートして、それに合わせてシナリオを書いたのではないかという感じでした。というわけなので、脚本が「浅い」というのはしょうがないのかなと思いました。観る側もやはりまずは映像体験への期待が先で、物語は二の次だったわけですから。ジェイクがアバターとしてパンドラの自然のなかでの生活に慣れて「自由」を獲得していく前半は、その映像美とストーリーが見事にマッチして出色の出来でした。しかし、後半は、観客側が慣れてしまったのか、ただのありがちなCG映画という感じで徐々にテンションは下がっていきました。映像体験の刺激は、思ったよりも持続しない。やはり映画は物語なのだ、ということを実感した3時間弱でした。他の方も述べていますが、本作は、「ジュラシック・パーク」と同様に、「一時代の代表作品」以上の普遍的な傑作とはいえないように思います。「ジュラシック・パーク」も本作も、その時代的インパクトを共有できたという意味では、私の個人映画史のなかでは「大事な作品」になるとは思いますが・・・。そういう意味では点がつけにくいのですが、やはり見終わった後は多くの方が指摘しているマイナス面のほうが気になってしまったということで、6点とします。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2010-08-29 16:10:46)(良:1票)
34.  アカルイミライ
うーん、後半の高校生たちのエピソードがちょっと唐突だったかな。登場人物たちの「ダメ」っぷりを肯定も否定もしない描き方には好感が持てましたが。藤竜也とオダギリジョーの演技が印象に残ってますが、映画のメッセージはイマイチ伝わらなかったかも。
6点(2004-03-12 12:17:54)
35.  青いパパイヤの香り
カメラワークが心地よい映画でした。あまりの心地よさと後半ほとんどセリフがないんで寝そうになりましたが。たまにはこんな映画もいいかも。あと、ポスターのデザインは秀逸。
6点(2004-03-08 01:25:09)
36.  あの頃。 《ネタバレ》 
これは難しい題材だなあ。個人的に期待していたのは、ハロプロオタクたちの常識を突き抜けた「向こう側の世界」から浮かび上がる青春の普遍性、みたいなものだったのだけれど、結果的には「あの頃俺たちバカやってたよね」っていう比較的普通の青春映画におさまってしまった。登場人物たちのあまり褒められたことのない言動だったり、ちょっと理解に苦しむ友情のあり方、みたいなのはあったように思うのだけれど、突き抜け不足というか、いまひとつ「ハロプロでなければいけないもの」が見えなかったか。とくに、主人公たちが一時期の「祭り」状態から醒めていく過程にこそ、この物語の軸はあったように思うのだけれど(少しタイプは違うけど『花束みたいな恋をした』はそこをきちんと描いていたからこそエモーションにぐっと来たと思うのだ)、そこを主人公のナレーションでさらっと流してしまった時点で、「あ、これは自分が期待してたやつとは違ったらしい」と思ってしまい、一気に冷めてしまった。とはいえ、主人公を取り巻くオタク仲間たちのキャラはみんなすばらしい。実質的な主役の仲野大賀さんの芸達者ぶりはもちろん、ロビさんとナカウチさんの外見も含めた存在感とか、美青年なのにぜんぜんイケてない若葉竜也さんなど、みんな説得力があった。松坂桃李さんも「主演俳優」ながら見事な「受け」の演技で、「恋愛研究会。」のアンサンブルはとても楽しく、たしかにいつまでもこの人たちのやりとりを見ていたくなりました。そうだっただけに、もう少しオタク部分の「沼」をがっつり描き、その「祭りのあと」感を丁寧に描くことができれば、終盤の展開はもっともっと切なくなったのに・・・というのが残念でした。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-09-23 16:30:54)(良:1票)
37.  アズミ・ハルコは行方不明 《ネタバレ》 
やりたいことは、なんとなくわかる。「ダメ女」女優として名人の域に達してきた蒼井優の姿を眺めているだけでも楽しい。地方都市の閉塞感、そこにどっぷりと浸かって腐っている男たち、そこで女として生きることの苦痛、そこからの解放・・・なのかな。ただ、映画としての技法が追いついていない。ぶれすぎるカメラも切り刻んだ時間軸も「アート映画風」なだけで、ぜんぜん効果的ではない。主題として描かれる男性世界としての地方都市のイメージも、なんか一面的で深みがまるでない。気持ち悪い社長みたいな人は実在するんだろうけど、その戯画化がベタすぎてつまらない。その世界に一矢報いているのが、女子高生ギャング・・・だなんて、その発想はまるで90年代に一世を風靡したブルセラ社会学者(死語)のようだ。行方不明の真相もベタ過ぎる。そう考えると、作法も内容も全体がひたすら痛い。この痛さは、まるで、いっときバンクシー風の「アーティスト」気取りで盛り上がってしまった登場人物たちのようだ。その点が面白く、なんだか嫌いになれない。この映画の監督が、この映画自体をそういうメタなセルフパロディとして作っていたのなら、それは凄いことだけれど、たぶん違うんだと思う。
[インターネット(邦画)] 5点(2020-07-09 09:00:49)
38.  あゝ、荒野 前篇
主人公の信次と健二の二人とそれを取り巻く人たちの人間ドラマとしてはかなりいい。それぞれの「家庭の事情」はステレオタイプだけれど、二人がボクシングにのめり込んでいく背景としてはそれなりに説得力がある。菅田将暉はもっとも多忙だった時期だと思うけど、それでもチンピラ上がりのボクサーをしっかり作り込んでいるし、ヤン・イクチュンの抑えた鬱屈の感じもいい。また、主人公二人のまわりを固めるベテラン陣もみんないい。ただ、原作未読なのでどこまで原作の内容を反映しているのかはわからないのだけれど、現代版にアレンジした背景の数々がうまくテーマに絡んでこない。何かの反対デモやら、自殺防止サークルやらのあたりの描き方は主人公たちの描き込みに対して、リーダーから参加者まで、妙な安っぽさがあり、あの自殺防止イベントの顛末をなぜここまで時間をかけて描く必要があるのかよくわからないし、主人公たちのドラマやテーマにもうまく共鳴しているように見えない。あと、わかってたけど、長い・・・。中途半端な群像劇になってるあたり、映画というよりもドラマのミニシリーズと言ったほうが近いような(実際、U-NEXTでドラマシリーズ版も公開されたらしい)。
[インターネット(邦画)] 5点(2020-04-13 08:28:54)
39.  アルキメデスの大戦 《ネタバレ》 
機内上映で鑑賞。映画館とはほど遠い環境ながら冒頭の映像には素直に感心。米軍との「兵士の扱い方」の対比も見事。ただ予備知識なしだったのですが、本編に入ったら、戦前の日本じゃなくて昭和か平成のサラリーマンドラマ(指摘してる人が多いけど、本当に池井戸作品っぽい)みたいになっていっていく。菅田くんが演じる主人公も数学論理バカと思わせて、いきなり米留学を「感情」で取りやめてしまって拍子抜け。鶴瓶さん演じる社長の協力を得るための作戦も「ひたすら待つ」なんて本当にサラリーマンドラマ。結局はお嬢さんの登場で形勢逆転なんてのもサラリーマンドラマの典型ではないか。ほぼその調子で最後の数式がどのように導き出されたのかの論理も曖昧なままの最終会議へ・・・。天才によるロジカルな対決よりも根性と熱意で押し切るおなじみのドラマとして楽しんだほうが正解なんだろう。あと、ある種の合理性よりも戦艦の「美しさ」に惹かれてしまう部分というのは、ファシズムの論理にも重なる部分があってへえとは思った。ただ、ああいう滅びの美学みたいなもの(=戦争は避けられない、ならば・・・)が、冒頭で描かれた「命を粗末にする日本」と重なると最悪の結果になるよというメッセージへつながるのであれば評価できるのだけれども、結局はおなじみのテレビドラマだけど最後はちょっとダークでビターな感じにしてみました風で流してしまっているのも気になる。
[インターネット(邦画)] 5点(2019-11-28 15:24:30)
40.  アイランド(2005) 《ネタバレ》 
実は、「クローンを扱った映画だ」ということ以外の予備知識ほぼゼロで見ました(この映画公開されたころって忙しかったんだよなあ・・・)。個性のある俳優たちを配した前半の淡々とした進行から、主人公の逃亡劇になったとたん、別の映画になりました。この映画にカーアクションとか看板落下とか必要なのかなあ。ある意味、思想的なSF映画の伝統に喧嘩売っているとしか思えない設定無視の大アクションでした。でも、とにかく車ぶっとばすんだ、という監督のよくわからない「こだわり」を感じることはできました。倫理的なテーマについて、「映画とは見せ物である」という創生期以来のもう一つの映画の伝統に忠実につくられた迷作。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2008-05-12 11:44:45)(良:2票)
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