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光りやまねこさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 418
性別 男性
自己紹介 1959年生まれの48歳。
神戸市近郊に在住の、映画をこよなく愛する
市井の人であります。
ま、コツコツとレビューしようと思ってます。

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1.  史上最大の作戦 《ネタバレ》 
歴史的事実を題材にした戦争映画では、変にスター俳優を揃えてしまえば本来作品の持つテーマ性から離れてしまう。しかしユーモラスなシーンを取り入れたり、スター俳優を目立たせたりと、娯楽的要素の強い作風が観客に受け入れられたのかもしれない。また、4人の監督がそれぞれの国からの視点で撮り上げている割りには、作品全編に違和感は無く良くまとまっている。それにしても、この映画を見終えて思ったのは、連合軍側の無謀としか言いようのない戦法です。独軍が最も油断するであろう、悪天候の合間を縫った夜半からの奇襲は悪くないと思います。だけど、パラシュート部隊は地上からの格好の標的となるし、マシンガンが待ち受けているノルマンディー上陸なんて予想どおりの展開。多大な人的犠牲覚悟で臨む人海戦術だと、敵軍もやがて弾切れとなりいつかは突破出来るでしょう。第3波、第4波と兵をジャンジャン送り込めばよいわけですから。これは素人の発想なんですが、まずはドイツ兵が待ち構えている沿岸の拠点を、上空からのじゅうたん爆撃もしくは戦艦からの砲撃などで一掃する。それから、内陸へ向け怒濤のように兵を送り込む。これが本筋のような気がしますが。まっ、そんなこんないろいろ考えさせられる戦争映画だと思いました。
[DVD(字幕)] 7点(2007-08-19 21:03:04)
2.  ジェイコブス・ラダー(1990) 《ネタバレ》 
ラストにより評価が大きく分かれるタイプのミステリーですね。基本的にこのテのオチは認めたくありません。というのは真面目に見ると、鍵となる人物や小道具などかなりの伏線がパーになってしまいますから。となると見終った後はまぁ5点ぐらいか…と、最初はそのように思っていたわけなんですが、それがジワジワと考え方も評価も変わってくるんですよね。作風そのものはサイコスリラーの様相を呈しているが、妻も子もいる一人の男の悲しい物語と受け取れば何ともいたたまれない。遠く離れた異国の地で男は一体何を見て何を体験したのか。シュールリアリズムを取り入れた悪夢のような表現は独創的で(とくに担架で病院内を移動させられるシーンなど)、戦争による悲劇性が充分に伝わってくる。時が経つにつれ、視点も評価も変わってくる作品ではないだろうか。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-03-15 23:35:28)
3.  真空地帯
逃げ場のない閉ざされた社会では、陰湿なイジメやリンチが当然の如く発生する。ましてや当時の日本の軍隊という上官や目上の命令が絶対的なものである縦社会では、それが歪な形で顕著に表われる。そもそも軍隊というものは武力や暴力により人を殺すことを目的としている組織なわけで、機構そのものが不条理の塊になって当然といえば当然かもしれない。それにしても初年兵や目下の者を殴る殴る。人間であることを徹底的に否定される様は凄まじい限りである。まさに真空地帯とは言いえて妙で、そこに人間らしさを感じ取れる空気は皆無である。さらに軍幹部は絶対的な権限を有するため、軍需物資を平気で横流し私腹を肥やす。監督山本薩夫は、そんな不条理で腐り切った軍隊という機構を力強くリアルにあばいてゆく。原作者の野間宏と共に監督自身も軍隊経験者だけに、しかも戦後7年しか経っていないこともあるがセット美術、役者達の演技、殺伐とした雰囲気描写などすべてに於いて生々しくリアルである。ガラの悪い関西弁も一役買っている。また木村功、下元勉、西村晃など演技力確かな役者陣に支えられている辺り、群像劇としても見応え充分。反戦映画としては完成度も高く、しかも群像劇の傑作でもあります。
9点(2005-01-09 22:01:58)(良:3票)
4.  女中ッ子
本作では言うまでもなく、主人公初を見事演じた左幸子に尽きます。元体育の先生だけあって初々しくはつらつとした演技はまさに適役以上のもので、きかん坊の子供を受けとめる辺り母性をも感じさせてくれた。そんなエネルギッシュな左幸子に呼応するかのように勝美役の子役・伊庭輝夫がこれまた活きが良く、相手役としてピッタリ。名匠田坂具隆の誠実で味わい深い演出が冴えに冴えており、戦後の高度成長期に差しかかる古き良き時代を存分に味わえる。田舎から出て来た世間知らずの初が都会の文化や習慣に驚く様子と対比して、都会っ子の勝美が冬の田舎の生活に興味を示すという後半の構図も素晴らしく、またアクセント代わりに流れる時計群のハーモニーも不思議な郷愁を誘ってくれた。そんな中、印象的なシーンとエピソードがぎっしりと詰まっているわけですが、個人的に大好きなのがふたつあります。初が時計群の音とともに眼を覚まし、窓を開け朝もやかかる田園都市世田谷を一望する。そして大きく伸びをする。すがすがしいシーンだ。夢にまで見た都会での生活が始まったのだ。それともうひとつは、犬嫌いだった母親の許しが出て勝美と初が歓喜するエピソード。初がチビを抱き上げていう台詞、「チビ、良かったなー、今日からおまえも日陰者でなくって。ぼっちゃん、チビといっしょに走ろ。」この時の初の笑顔が最高にイイ。さらにチビを先頭に原っぱを走るシーンなんかも感涙を大きく誘ってくれた。私も子供の頃、親の反対を押し切り子猫を飼ったことがあり、この時の二人の心境が良くわかるのである。その他にも走行中の列車から飛び降りるシーンなんかは初らしさを象徴しているし、ちょっぴりコワくてユーモラスな“なまはげ”の秀抜な雰囲気描写など挙げているともうキリがありません。そんな古き良き日本を封じ込めた名作中の本作に、文句なしの10点満点。
10点(2004-12-30 22:47:43)
5.  首都消失
女性リポーターを軸にテレビ並のサムいメロドラマを絡めて展開させるわけだが、サスペンスフルなSFモノを期待する者にとってこれでは全くといってよいほど盛り上がらない。さらに追い討ちをかけるのが、関西弁で捲し立てるスキンヘッド姿のデスクの登場シーン。要所要所で現われては進行に水を差し頭痛のタネとなる始末。あの何とも言いしれぬダルダル感のみが全身を覆い尽くし、ありきたりな特撮と捻りのないクライマックスがSFファンを大きく萎えさせる。これが、この映画に対する偽ざる感想。辛辣レビューでゴメンチャイ。
2点(2004-12-10 11:19:49)
6.  白い家の少女
人里離れた一軒家の白い家に13歳の少女と詩人の父親が住んでいるというが、果たして父親は本当に居るのか? そして母親は? ミステリアスな題材からして引き込まれ、最後の最後まで眼が離せない一本張り詰めたものをこの作品は持っている。この辺り、哀愁漂う音楽と寒々とした雰囲気描写が独特の空間作りに貢献しているものと思われる。そして本作では言うまでもなく、冷徹だが不思議な魅力を放つ少女をおよそ14歳とは思えない演技で披露したジョディ・フォスターの存在感。作品そのものがピーンと心地よく引き締まり、しかも格調高い作風にしてしまうところがさすがだ。
7点(2004-10-22 15:48:27)
7.  十三人の刺客(1963)
わずか十三人の刺客で、どのような戦法でもって参勤交代の道中の途上、暴君の藩主を暗殺するのか。アイデアとしてはおもしろく、しかも丁寧な演出も手伝い中盤あたりまでゾクゾクさせてくれたわけなんだが…。《以下ネタバレ》問題は本作の売りともいえる終盤の大殺陣シーン。そこそこリアリティはあるがこれが冗長に延々と続く。しかも「七人の侍」まんまの袋のネズミ作戦が、なぜか的中また的中でけっこうシラケ気味。ラスト、「待っていたぞ」のドンピシャの御対面シーン。絵に描いたような娯楽時代劇って感じでかなーり興醒め。絶対君主制である武家社会の不条理、武士として生まれた悲しい定めをもそれなりに描かれており、まっ佳作の域には達しているのでは。ところで本作の音楽ですが、巨大ダコや巨獣が出て来そうな雰囲気で、なんか曲調チガウような気もするんですが、ねー伊福部先生。
7点(2004-09-27 17:43:08)(良:1票)
8.  ジョニーは戦場へ行った
戦争がもたらす悲劇を描く題材は数多くあるが、このような切り口があることにまず驚かされる。さすが名脚本家でもあるダルトン・トランボならではの発想です。本作は主人公ジョー(ティモシー・ボトムズ)に親しみを感じ感情移入しやすい作風になっているため、気がつけば苦しみを分け合ってしまい受け手もツラい。しかも第一次大戦中、英国兵の実話を基にしているだけになおさらだ。懐かしい家族の思い出と楽しかった恋人との一時が走馬灯のように脳裡を駆け巡る。このことが残酷な現実をより一層浮き彫りにしている。メリー・クリスマスの指文字やSOSを発信するシーンも鳥肌ものですが、個人的にはジョーが太陽の暖かさを感じ取り生を実感するシーンがいつまでも脳裡に焼き付く。見る者の大半が涙なしではいられないか、様々なことを考えさせられて当然ともいえる作品ではないだろうか。このような実例は今なお世界のあちらこちらの戦場で起こっており、軍部が世間に知れ渡るのをおそれ闇に葬っているだけかもしれません。また、この映画では今日的なテーマのひとつである、人間の尊厳死や安楽死についても問題提起している。「KILL ME KILL ME」このように一抹の希望を見出せない患者を前にして、あなたならどのような選択肢を取りますかと。名脚本家ダルトン・トランボの執念ともいえる本作には、何ら迷うことなく10点満点を差し上げたく思います。
10点(2004-09-22 11:12:41)(良:2票)
9.  新・猿の惑星
衝撃的な第一作の興奮冷めやらぬ内にさっさと三作目を作ってしまえという製作会社の商魂逞しさ、そしてコーネリアスら3匹は地球爆発寸前に脱出していましたというムチャな設定 …この2点さえ目をつぶれば、作品自体はなかなか良く出来ていると思います。何より人と猿を入れ替えるという逆転の発想、主役二人(コーネリアスとジーラ)に感情移入しやすい演出に、見せ場の多いスリリングな展開。低予算を逆手に取りサスペンスドラマにしたのが正解だった。ラスト、上空から捉えた哀切溢れるシーンと、次回に繋げるための“そう来たか! ! ”という小猿のエンディングもグッド。B級ネタ満載の少年向きSF映画であった2作目に比べると、ちょっぴり大人向けに作られており、ドン・テイラー演出による今作は大健闘と言ってよいでしょう。
7点(2004-09-15 10:50:08)
10.  十階のモスキート
人間、どこで道を踏みはずし人生を棒に振るか分からない。内田裕也演じる主人公警察官は昇進試験に受からない万年巡査部長。おそらくこの主人公、妻に離婚される前までは長年まっとうな警察官だったはず。次第に生活が乱れはじめ、妻の慰謝料や娘の養育費も滞ってくる。そして、競艇で一獲千金を狙うもののサラ金にまで手を出してしまう。やがて雪だるま式に借金がかさみ、その筋の取り立て屋に四六時中追い立てられるハメになる。いわゆるサラ金地獄というもので、悪循環に陥り抜け出せない構図を浮き彫りにしている。《ネタバレ》人間、追い詰められると冷静さを失い、時に狂乱の行動に出るという。が、しかしこの主人公の場合は…。(いや、本人にしてみれば借金取りに追い立てられないだけこれで良かったのかもしれない)  少々粗い展開と編集だが、監督崔洋一に殊勲賞、内田裕也に敢闘賞を差し上げたい、そんな作品です。
8点(2004-09-10 01:16:21)
11.  シェーン
主題曲「遙かなる山の呼び声」が似合うワイオミングの大自然をバックに、西部開拓期の人々の苦労と人情を詩情豊かに描いた西部劇。人物描写、展開、背景など丁寧に描き込まれており、まさに良質の名画といったところでしょう。さらに孤独で多感な少年ジョーイの視点から見ると、胸躍るヒーロー物ともいえます。どこからともなく現われたアラン・ラッド演じるシェーン。やがて愛する人のために凄腕の殺し屋(ジャック・パランス)と決闘することになるが、あえて町に留まらず、馬上の人となりどこえともなく去って行きます。ところで、アラン・ラッドは本当に早撃ちだったらしいですね、神話になるくらい。しかしその後、役に恵まれず失意のどん底でこの世を去ることになるわけですが、そのことがこの作品をより一層切なくしていると思います。やはり、エンディングシーンは最高です。大自然を背景に、何回でも見たくなるこの感無量のシーン。主題曲と共に浮き彫りにされる素晴らしい名画に、文句なしの10点満点。
10点(2004-09-02 13:44:12)
12.  JAWS/ジョーズ
「激突!」と並ぶスピルバーグ監督の代表作にして、彼のサービス精神と才能が遺憾なく発揮されたパニック映画の傑作。前半はジョン・ウィリアムズの音楽が有名な人喰いザメのパニック物で、後半は海洋が舞台のロマン溢れる冒険活劇。ひとつの作品で2ジャンル楽しめるわけですから、そりゃあ最高です。(しかも全く違和感なく繋がっている) ところで後半、オルカ号で酒盛りをするシーンがあるわけですが、三人三様束の間の会話がはずむ中、クイント(ロバート・ショウ)のサメ談話が印象的でもうゾクゾクものでしたね。しかも一転して壮絶なクライマックスに繋がるという、この演出の卓抜さ! ! これは「プライベート・ライアン」でも言えることなんですが、ミラー大尉とライアン達のなごむ会話のシーンから一気に怒濤のクライマックスを迎えます。嵐の前の静けさとでも言えばよいのか、この静から動へと切り替わる一連のシーンの描き様がスピルバーグは本当に上手い。
9点(2004-05-26 23:41:55)(良:1票)
13.  仕立て屋の恋
冒頭、若い女性の死体のシーンからしてミステリアスな雰囲気を漂わし、カメラと音楽の使い方も抜群に上手く物語りの展開も申し分ない。つまり監督ルコントの、センスの良さと演出の妙をつくづく感じさせてくれる作品だった。 物語りは、サスペンスを絡めつつも“ゾッ”とするような男と女の一途な恋を描いており、最後にどんなドンデン返しが用意されているのか目が離せない雰囲気を持っている。そんな中、主人公イール氏の人物描写がいやらしい程上手く、見ての通り几帳面だがちょっぴり変態さん。その一方で、滑稽なまでの純愛の持ち主は孤独と哀愁をもしっかり漂わせていた。ルコント監督の代表作にして、切ないラブ・サスペンスの傑作です。
9点(2004-05-26 23:10:43)(良:1票)
14.  女優霊(1996)
ハナから女の子を対象にして作られたホラーなので、いい歳コイだ男の私としてはコワくも何ともなかった。ただ、石橋けいのあのシーンだけは正直ビックリした! ! …リ、リアル。ってことで、石橋けいに3点。
3点(2004-04-30 21:47:54)
15.  ジャガーノート
70年代当時、大流行りした乗物パニック映画のひとつ。いかにもイギリス映画という雰囲気を醸し出し、爆弾処理班が爆弾と向き合いながら一本一本線を切るシーンはなかなかの緊迫感。ただ主人公を演じるリチャード・ハリスが爆発物を処理する様は、余裕がありすぎて現実味に欠ける。木っ端みじんになるやも知れなく、こんな調子で出来ようハズがないのでは? タバコをふかすと引火するって。そんなリチャード・ハリスに今ひとつしっくりと来ない私でしたが、若き日のレクター博士(毛がフサフサとある! ! )とアンドロイド・アッシュ(こちらも毛がフサフサとある)に出会えたのにはうれしかったね(+1)。
7点(2004-03-16 23:35:30)
16.  地獄の黙示録
戦争映画の傑作に成り損ねた巨匠の迷作なんだろうか。前半は戦時下に於ける近代兵器の凄まじい破壊力、殺傷能力を通し、アメリカ軍の“戦争の狂気”を描いている。しかも圧倒的な映像と音楽により、戦争の恐怖感、嫌悪感を観る者の脳裡にしっかりと焼き付けた。さて、問題の後半でしょう。一貫して流れるものは“戦争の狂気”には違いないが、さすがのコッポラも収拾が付かなくなったのか袋小路に入った感じがする。カーツ大佐(マーロン・ブランド)が現れるシーンなんかは悪夢そのもので、もうほとんどホラー映画。原住民が崇める神どころか鬼気迫る狂人にしか見えない。そもそもカーツ大佐が原住民に神と崇められ王国を築いている、という発想がシュール過ぎて日本人の私にはとうてい理解不能。アメリカと日本の文化の違い、とくに戦争観の違いを感じざるを得ません。序盤は戦争アクション、中盤はサイコサスペンス、そして終盤はホラー映画とでも言えばよいのだろうか。(ひとつの作品で3ジャンル楽しめるので、ある意味お徳では?) しかしコッポラは、映画史上に残るべく戦争映画の大作にして傑作を狙ったのには間違いない。
8点(2004-03-16 23:21:42)
17.  七人の侍
時は乱世。野武士集団による略奪と襲撃が横行する戦国の世。巨匠黒澤明の手による一級品の演出はもちろんのこと、舌を巻くカメラワーク、絶妙なストーリーテリング、そして俳優達の魅力溢れる演技…等々、どれを取り上げても文句の付けようがない。その後、国内外の諸作品にどれほど多大な影響を及ぼしたかは、言うまでもないことでしょう。志村喬演じる首領的な役割である勘兵衛を軸に、七人の侍それぞれが個性的かつ魅力的に描かれており、その中でもお互い対極に位置する三船敏郎と宮口精二の侍像が抜群に素晴らしい。優れた演技力で独自のモノにまで昇華させている。物語は二部構成となっており、前半はややユーモラスな展開の中、七人の侍個々の出揃うシーンが見どころ。とりわけ志村喬演じる侍が、幼子を人質に捕った盗人を仕留める演出は見事の一言。具体的な場面を見せず、観客の想像力にまかせるところが凄いしセンスの違いを感じさせる。後半クライマックス、七人の侍率いる百姓達と野武士集団による一進一退の攻防の盛り上がる事といったら。雨降りしきる中、リアルで迫力満点な描写も言うことなし。つねづね思うわけですが、傑作が傑作たる所以は視点を変えて観る度に何らかの新たな発見があり、しかも飽きないということです。文句なしに10点満点。
10点(2004-02-25 23:27:06)(良:1票)
18.  シンバッド七回目の航海
シンドバッドシリーズでは、もちろん怪物がお目当てで「何が出る」「早く出ろ」で子供心にワクワクドキドキしたものだ。ハリーハウゼンのカクカク動くモデル・アニメーションという手法は、昨今主流のCGとは違う意味での良さがある。この映画でのお気に入りは、鎖で繋がれた火を吐くドラゴンの登場シーンです。
8点(2004-02-19 22:55:08)(良:1票)
19.  十二人の怒れる男(1957)
アイデアと脚本、そして役者陣次第では、こんな限られた条件下でも見事な傑作が作り得るということでしょう。蒸し暑く閉塞感充分な室内の描写。サスペンスを盛り上げるナイフの演出。次第に浮き彫りにされる人間ドラマ。雨上がりの中、それぞれが家路に向かう開放感溢れるラスト。そんな見事なまでの展開に、最後まで画面にクギ付けでした。本作では、一人また一人と有罪から無罪へと流れが変わっていきます。しかし、もしこれが逆だったら(無罪から有罪へ)と思うとゾッとします。密室で行われ、しかも法の専門科でない人達による陪審員制度の難しさをも、教えてくれる作品でありました。
9点(2004-02-14 14:01:56)(良:1票)
20.  新・悪名
勝新太郎演じる朝吉と、田宮二郎演じる清次(今作より貞の弟として登場)の名コンビが繰り広げる痛快活劇、シリーズ第3弾。舞台は終戦直後、闇市でにぎわう大阪。味のあるセット美術も見どころのひとつ。今作では、朝吉がギョロ眼のオカマに一目惚れされたり、パンパン連中に引きずり回されるなどけっこうコメディ色が強い。快活でドライな役を演じている田宮二郎。悲しい出来事を思い出さずにはおられず、ちょっとツラかった。
7点(2004-01-29 21:54:51)
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