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1.  エベレスト 3D
実話が元になっているという事でリアルで非情な内容でした。映像は美しくかつ山の無常さがひしひしと感じられた。 この映画で思い出したのは2017年に起こった高校生山岳部の雪崩事故(8人が亡くなっている)その日は雪崩警報が出ていたはずなのに「通例通り」の登山講習会が行われて事故が起こってしまいました。 誰も警報を確認しなかったのか?「止めよう」とは言わなかったのか?「通例だから」と無思考で無責任の果てに生徒達が死亡する(親はたまったものじゃない) 極限の場所では一瞬の判断が生死を分ける。それを誰もが忘れていけない。 「これまで大丈夫だったから明日も大丈夫」と思ったらおしまいなんだよな~と痛感しました。
[地上波(字幕)] 6点(2022-03-05 22:01:00)
2.  栄光のル・マン 《ネタバレ》 
いぶし銀映画でした。確かに脚本はもの足りないが差し引いてもあまりあるリアルなカーシーン。CGでは決して出せない現実感という重み。今じゃ金かかりすぎて決して撮れないでしょうな~午後4時にスタートする時の緊張感はヒリヒリするほど。スターであるマックイーンが優勝する万歳映画じゃなくて個人的には良かったですが、確かにハリウッドではうけなかったでしょう。興行的には失敗したのも頷ける;「男のやる事に女が口だすな」映画という解釈もあるようですが、私はそうは思わなかった。夫を亡くした女性は彼女もレースから離れられないレース人間なのだと思う。夫を亡くしてもマスコミにまとわりつかれても「自分である為に」帰ってきたから。「命をかけるほどのことか」という問いは自分自身への疑問なのだろう。
[地上波(字幕)] 6点(2021-09-05 21:29:36)
3.  映画 聲の形
鑑賞後に違和感を覚えていましたが、何に対してなのかよく分かりませんでした。他の方のレビューでそれが「社会の問題なのに個々の問題であるかのようなすり替え」をされているような印象のせいではないか、と思いました。いつでしたが障害を持った方が「私は感動製造機ではない」と訴えていたのを思い出しました。社会の問題を「自己責任論」にすり替えて美しいオブラートに包んで誤魔化されたような違和感だったのかもしれません。
[地上波(邦画)] 4点(2020-08-01 18:43:07)(良:1票)
4.  エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事 《ネタバレ》 
サブタイトルのとおり、不倫の二人は最後まで関係を持ちません。そこが古典的というか現代では失われてしまった「奥深さ」でしょうか。 でも、やっぱり上流階級に生まれた人は最後までその階級から出られないというか出ようとしないんですよね。 上流階級の「決して本音を言わない優しい冷酷さ」は怖すぎ…; 最初からその上流階級の人望を「得られなかった」男性は離婚と再婚を果たした。 一方、その階級の人々から愛されていたニューランドは最後まで自分の心のままの人生を生きられなかった。 その対比がさりげなく描かれていましたが、結構、監督が言いたかったところってそこかもな~と思いました(ちょっと前に流行った本「嫌われる勇気」ってやつ?) さすがスコセッシ監督と思わせる美しい背景やセット、映像の色使いのセンスは素晴らしかった。 俳優さんで素晴らしかったのはなんといってもウィノラ・ライダー。 皆さんご指摘の通り、ミシェルは好きな女優さんですが、この役にはイマイチでしたか?; 「異端」の雰囲気はあったけど、それにふさわしい行動がなかったような気がします。 ケイト・ブランシェットみたいな女優さんがよかったのでは? 最後に「会わない」選択をしたのもニューランドならでは。やっぱり「枠」から出れないんですよね。 ほっとしたような淋しいような気がしましたが、この映画の結末にはふさわしい、と納得はしました。 良質な映画だけど、もう、ひとひねり欲しかったかな~と言ったところ。
[地上波(字幕)] 6点(2016-06-04 14:56:02)(良:1票)
5.  X-メン 《ネタバレ》 
つ、つまらんかった~;というのが観終わった後の感想です;話雑すぎでは?始終言い訳している感じがして嫌だった。「ローガンが人を殺したのは戦争でだけですよ、悪者しかやってません、手術したのは恋人の復讐の為、恋人いたのは催眠術のせい」等など…一番嫌いなヒーロー像だ~;兄弟の確執も殺し合う程の事?「(兄は弟に)見捨てられたって荒れてたぜ」という台詞を聞いた時には「思春期の少年か…」と突っ込みましたよ;中途半端に幼少期や傭兵時代なんて描かず、カナダのシーンから描けば他の部分が丁寧に出来たのでは?原発事故を起こしたスリーマイル島をだしてくる意味は何?(映画製作時は福島原発事故前だけど)とにかくつじつま合わせだけで終わってしまった映画だったな~ウルヴァリンは結構好きだったのに評価下がっちゃった;アクションシーンはそれなりかもしれんが、緊張感がなかったし。で、兄ちゃんて狼男かミュータントかどっちなんだろう?
[地上波(吹替)] 3点(2012-02-19 17:11:00)
6.  エクリプス/トワイライト・サーガ
バトルものっぽくなるかな~と心配でしたが、まったく杞憂。激甘ラブロマンスストーリー。トワイライト世界爆発で安心しました(笑) 単純な三角関係ではなく、ジェイコブ側には「人間としての生活のすべて」がかかっているから、ベラが揺れるのも当然かもしれない。 海外では大人気の小説だそうで、中だるみしそうな内容も小説通り撮ってます。これは正しい。 映画製作者は小説のファンが映画のファンである事をよく分かっている。 ふと思ったのですが、海外の吸血鬼ものとしては「吸血鬼を認めている点」で異色作じゃないでしょうか。 大抵、吸血鬼は「呪われた存在」で、愛する者は最後まで人間であり続ける。 これはキリスト教の影響もあると思う。 某ロックシンガーが「キリスト教が悪いと言っているのではない。が、キリスト教が常に正しいとされる(同性愛や中絶(レイプでも)を悪とする)世界に疑問をもつのだ」 と言っていました。 「キリスト教の否定=大人の作った社会への疑問」という意味ではロック的な作品かもしれない。だから若者に人気があるのかも?(そんな大仰なもんでもないか;) 確かにストーリーは少女マンガちっくだが、日本の少女マンガにありがちな幼稚さがないのが私は好きさv
[DVD(字幕)] 6点(2011-07-30 02:03:52)(良:1票)
7.  エイリアン 《ネタバレ》 
小さい頃は恐ろしすぎてまともに観れなかったこの作品を1、2と続けて鑑賞する機会がありました。どちらも好きですが、1作目の芸術性の高さはすごい。スコット監督の映像センス。無駄のない脚本。ギーガーの造形美が見事に昇華されて「エイリアン」という世界観を作り出している。この作品を嫌いな人は「無機質感」が嫌なのではないだろうか?しかし、私はこの「無機質感」が「宇宙」という空気も重力も温度もない空間の非情さを肌に伝えているように思う。「エイリアン」が恐ろしいのは「殺される恐怖」ではなく「生命を侵略(凌辱)される恐怖」なんだと気づいた。そしてもしかしたらスコット監督は「エイリアン」を芸術作品として撮っているのではないか?とふと思った。アンドロイドの言葉いわく「完璧な生命体」として(2では完璧に「人類の敵」として描いていた)その生命力、環境への適応能力、良心の呵責も罪悪感もなく他の生命を侵していく。人間のレイプと違うのは「支配」の為ではなく、すべて「種の存続」の為であるという事。その純粋さ。恐ろしいが、その純粋さに皆は惹きつけられるのではないだろうか?だから、続編が次々と出来たのではないだろうか。なんにしても映画史に残る傑作であることは間違いない。この「エイリアン」を超える異星人キャラクターは今だ創られていないように思う。
[地上波(字幕)] 9点(2011-06-15 23:47:30)(良:1票)
8.  エスター 《ネタバレ》 
甘かった…エスターが母親を一人占めする為、他の子供に危害を加える話かと思ってた。靴の中にガラスの破片いれるとか飲物に洗剤混ぜるとか…なので、いきなりの殺害シーンに度胆を抜かれる。恐怖で子供を支配したり狡猾に動いたり、万力シーンでは背筋が寒くなった。セクシャル要素があるので「性的虐待の過去でもあるの?」書類偽造では「操っている大人でもいるの?」と思ってたらまさかの真実。疑問が氷解。どうりで母親でなく父親の気を惹こうとした訳だ。化粧をおとす場面はグロテスク度200%;ここまでは高評価でしたがラストで急下降;優しい妹に銃を撃たせたり母親が人を殺すのを目撃させるのは駄目だろ。別エンディングの方が納得出来る。「悪は人を殺すが善は殺さない」という芯が通るから。が、敵には死の報復を与えねば気がすまないのが米国流なのか?;(トンキン湾然り…9.11然り…)相手の「死」によって安心を得ようとする。観客にウケるエンディングにするのが今の映画事情なの?映画は芸術ではなく娯楽になったから?別エンディングをDVDに入れるのは制作側の意地?私は現場から消えたエスターが別の孤児院でにっこり笑っているエンディングかと考えてました。すごく後味悪いな~;
[DVD(字幕)] 4点(2010-09-09 11:46:24)
9.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
私的にはエヴァは「歪んだ社会と狂った大人に壊されていく子供達のお話」という解釈。ゼーレとか補完計画などは「歪んだ社会」「狂った大人」を構築する演出だと思っているので謎が解明されなくても別に気にならない。大きさの違いはあれど、生きていく過程で「子供の自分」が壊れる(壊される)のは誰もが経験する通過儀礼。「壊される子供」の進む道や救いの何かがエヴァの物語の中で示されるかもしれない、と感じたからあんなにブームになったのでは?が、旧エヴァは「壊された子供」はそのままで終わった。制作側が「進む道や救い方が分からなかった」か「これが救いです、と安易に示したくなかった」か、だと推察する。しかし、それでは物語の中の「子供を壊す狂った大人」と同じです。制作側はあくまで制作者で「登場人物」になってはならない。「制作して世に出す」意味が無い(自分のブログでもやればいい)何より子供をバカにしている。子供は残酷でしたたかな面がある。歪んだ社会と折り合いをつけて上手くやっていけたり、時には大人を食い殺す事だって出来る。または「すべてを破壊する」事も。新エヴァは制作側がどの視点から物語を描けるか、で変わると思う。旧エヴァと同じように「狂った大人」の視点からしか描けない「決して大人にも世界にも牙を向けない子供」の物語であるなら、凡作になる可能性がある。う~ん…この「序」を観た限りではなんとも言えない。あんまり期待せずに次回を待ちたいと思う。「序・破・Q」は能を意識しているのでしょうか?
[地上波(邦画)] 5点(2009-07-08 11:50:46)
10.  エクソシスト 《ネタバレ》 
子供の頃に冒頭からあまりの怖さに、チャンネルを替えてしまいました。それ以来、何度かテレビのロードショーで放送していたのですが、怖くて観賞出来ず;数年前、テレビで放送された時「これを逃したらもう観れないかもしれない」と覚悟を決めて観賞いたしました。やはり怖すぎです…が、同時にその芸術性に驚かされました。登場人物達の葛藤も大人になった今だから分かる部分があり、ただのホラーだけでない「人間の心の闇」を描きだしている脚本にも感嘆させられました。 後日、原作を読んでみたのですが、こちらの方が映画よりサスペンス色が濃いように思いました。 音楽は素晴らし過ぎです。心理分析の観点からいっても、この音楽は「人を不安にさせる音の波」らしいです。 もう、こんな芸術性の高いホラー(?)映画は今のハリウッドでは作れないのだろうな~と思いました。
[地上波(吹替)] 9点(2008-12-18 16:03:57)
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