121. フィアレス
《ネタバレ》 もしかすると、この解釈は間違っているのかもしれないですけど・・・ マックス(ジェフ・ブリッジス)は、飛行機が嫌いだったという一言エピソードからもわかるように、きっと極度の怖がりだったのです。人一倍死や恐怖というものに対して敏感だったのではないでしょうか。 飛行機が墜落する少し前に、ほかの誰よりも「死」を意識してしまったマックス。そしてその意識は「ああ、自分は死ぬんだ」という諦観の念へといきつきます。そう、きっとマックスの精神は、飛行機の中で光を見た瞬間、実存の世界から別の世界へと昇華されてしまった気がするのです。 マックスは、一足先に誰よりも死の意識に支配されてしまったために、飛行機の中で歩きながら同乗者の人たちに声をかけてまわったり、少年を気遣ったり、墜落後も人々を冷静に誘導することができたのだろうと思うわけです。 マックスは、飛行機の中で光を見た瞬間から、本人が言っているように幽霊のような存在になってしまったのかもしれないです。きっとマックスが想定していなかったことは、自分が生き残ってしまうこと。だから、彼は自分が生きていることにもはっきりと気づかないまま家族のもとに戻ってしまった。そこに現実世界とのずれが生じる。ずれはひずみとなり、時折彼の精神世界を脅かす。その都度彼は自分自身を認識するために、飛行機事故での死の直前に見た光を捜し求め、もう一度あの状況に身を置く必要があったのではないでしょうか。 それが、行き交う車の中の横断であり、屋上でのワンシーンであり、車の運転での自爆だったのだと思うのです。 そして、ラストのイチゴを食べてからの生還。あのイチゴを食べる前に、彼は家族の世界へと戻ることを決めていました。それは、一度昇華された精神世界から、現実の世界へと戻る覚悟の表れでした。でもどうしていいかわからない。だから彼にとって現実世界の代表者である妻に助けを求めたのです。イチゴを食べた瞬間、彼の脳裏に墜落直後の様子がフラッシュバックします。そして妻に助けられたとき、彼は「俺は生きているぞ」と叫びます。 このとき初めて彼は、あの事故から生還したような気がするのです。 [DVD(字幕)] 6点(2013-06-23 12:01:54) |
122. プロジェクトA2/史上最大の標的
《ネタバレ》 ジャッキーはもう少し強くても良いのではないかなー。序盤で、「プロジェクトAを成功に導いた男、ドラゴンです。」と熱い紹介をしたぶんハードルが上がっているのに、肝心のドラゴンが正直あまりぱっとしなかったのが残念。 複数の勢力(警察、チン署長、革命軍、革命軍をつかまえようとする国の人達、海賊など)が入り乱れている分、ストーリー自体はもう少し勧善懲悪でわかりやすくしてもらったほうが良かったです。 ほかのジャッキー映画と比べ、伏線と勢力を多くしストーリーに起伏をもたせたことで、アクションの爽快感が少し犠牲になった印象です。 チンがわかりやすいクズ野郎だったことと、海賊の立ち位置はわかりやすくて良かったと思います。あと、ホーはもっと活躍させてあげて。てっきりサモハンたちの代わりにジャッキーをサポートする役割かと思いきや、家でのドタバタコメディからはほとんど出てこなくて残念です。 [DVD(字幕)] 6点(2013-03-14 12:39:41)(良:1票) |
123. プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角
《ネタバレ》 主役のアンディを見た瞬間、「ああ、全然好みのタイプじゃない、この映画はきっと合わない。」と思ったのに、いつの間にかはまっていました。 アンディは純粋で、もろそうなのに、芯の強い部分がしっかりあって、とても魅力のあるキャラクターに仕上がっていました。それを演技力だけで表現していることがまた素晴らしいと思います。なにより、あのうっとうしいダッキーに向ける優しさ、出て行った母親を忘れられない父親に向ける優しさはたまらないです。 ストーリーは「ありがち」で「ストレート」。でもたまにはそんなのも観てみると、懐かしい気持ちに浸れて良いものだと思わせてくれる映画でした。 [DVD(字幕)] 6点(2013-02-12 02:50:28) |
124. フレッチ/殺人方程式
《ネタバレ》 早いテンポで進む、ミステリーサスペンス。 ただ、全体通してコメディの要素が入っているので、肩の力を抜いて見られる娯楽作品に仕上がっています。 コメディはどちらかというとブラックジョークの割合が多いので、あまり笑えません。ネタとしては面白いのですが、なんかフレッチが言うと全然笑えないんですよね・・・。 謎がいっぱい出てくるので最初のうちは面白いです。ただ蓋を開けてみるとオチは正直あまり大した事ないです。 もともとミステリー好きで、早いテンポの映画が好きなので、そういった意味ではこの映画とはとても相性が良く、楽しめました。 また、フレッチの嘘がいつも適当なので、いつばれるかひやひやし通しです。良くも悪くも緊張感の持続する映画でした☆ [DVD(字幕)] 6点(2012-11-21 14:56:26) |
125. ファンハウス/惨劇の館
《ネタバレ》 全体通して、ショッキングな描写は控えめで、どちらかというと「おどかし系」のホラー。ホラー映画初級偏といったところでしょうか。 何かが起こりそうな雰囲気をかもし出している前半はとても良かった。 急にほえる犬。ショットガンをかまえる大人。 マジックショー。奇妙な生き物の店。 変なおばあさん。 どこをいじっても楽しくなりそうなホラー要素がぎっしり。 ただ、実際に事件が起こり始めてからは割りと普通・・・ か、普通以下。 それでも十分楽しめたのですが、なんとなく物足りない感じは残りました。 弟や伏線の使い方が、もう一工夫あると良かったのかもしれません。 [DVD(字幕)] 6点(2012-10-21 00:22:18) |
126. フューリー(1978)
《ネタバレ》 1シーン、1シーンは面白いのに、全編通すと間延び感が否めない映画です。 また、1回きりしか出てこない登場人物たちのキャラが必要以上に濃くて、変な存在感があります。(※非番の警官の二人組みや、ギリアンにからむ女子生徒) その割りに、主要人物たちの背景や関連性に対する説明は不十分。特に、父親と息子のロビンは、やっと出会えたと思ったら、ほとんど心の交流や葛藤もないまま二人で転落死。「え?」と、あっけにとられます。 ときおり差し挟まれる、超能力にからんだ、ロビンとギリアンのホラー演出。それだけを楽しむ映画です。ただ、けっこうな頻度で出てくるので、その演出が好きな人はそこそこ楽しめるでしょう。 僕は、ロビンをずっと気にかけていた女性が、ロビンにひたすらいためつけられて惨殺されるシーンが、切なさと怖さを兼ね備えていて、この映画の一番の見所かなと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2012-03-06 12:33:21) |
127. ファンダンゴ
《ネタバレ》 最初は「ん?」と思ったのですが、見ていくうちに味が出てくる、そんな映画でした。笑いや感動があからさまではなく、小ぶりな感じにしているのも、この映画の雰囲気によく合っていると思いました。 好きなシーンは車を列車にひっぱらせようとするシーン、DOMと対面するシーン、そして何といっても最後の結婚式を、見ず知らずの人たちがみんなで用意してくれるシーン。どれも最高の味付けでした。 忘れられない傑作、というわけではありませんが、悪く言いたくない良い映画です。 [DVD(字幕)] 6点(2011-12-20 23:32:11)(良:1票) |
128. ブロードウェイと銃弾
《ネタバレ》 面白かった。「ラ○オの時○」を思い出しました。まったく予備知識なしで見たのですが、チーチがこんなに深く関わってくるとは思いもしませんでした。忠実に仕事をこなすチーチが次第に芝居にのめり込んでいく様子がとても良かったです。チーチとディヴィッドのやりとりも好きです。 ただ、映画にはまりこむほどではありませんでした。面白かったのですが、ずっと観客として舞台劇を見ている感じです。感情移入できる映画が好きな人には、もしかすると期待以上の映画ではないかもしれません。 [DVD(字幕)] 6点(2011-09-19 00:41:41) |
129. フォーエヴァー・ヤング/時を越えた告白
《ネタバレ》 良い話だし、面白かったのですが、・・・うーん。主人公は50年分の時を過ごさなくて、本当に幸せなのでしょうか。僕が本人だったら、「あのあと目を覚まして、他の人と結婚しました。」って聞いたら、「じゃあ冷凍されるんじゃなかった!」と後悔してしまいます。あんな前向きな気持ちにはなれないかな。美談に見えますが、内容は結構残酷な気がしました。 [DVD(字幕)] 6点(2011-07-07 15:41:56) |
130. ファンタスティック・フォー:銀河の危機
《ネタバレ》 1作目がとても面白かったので、かなり期待して観ました。率直な感想を言います。4人がバランスよく活躍する話のほうが良かったです。今回はジョニーがメインになりすぎているのが残念でした。あと、「星食い」なるものが出てきて、スケールが大きくなりすぎたのも個人的には好みが合いませんでした。ただそれでも好きなシーンや面白いアクションも多かったので6点で。 [DVD(字幕)] 6点(2011-07-05 15:42:08) |
131. フッテージ
《ネタバレ》 スランプ中で追い詰められたベストセラー作家が、一発逆転を狙って殺人事件の現場となったおうちへ引っ越してくる。それだけでちょっとワクワクしちゃいます。そして早速屋根裏で、怪しい箱発見。中にはフッテージが。フッテージ?よくわからなくてググりました。ふむ、未編集の映像素材。なるほど。この荒い画像がなんとも・・・。 主人公が映像を見てみると、そこにはスナッフフィルムのような映像が。4人が首つりをされる映像。時間差で息絶えていく様子がなんとも生々しい。このなんとも言えない気持ち悪さと、ゾクゾクくる恐怖感はかなり好きです。 前半はそーゆーノリが多かったので良かった。 副保安官も、やたら協力的で、逆に怪しくて良かった。この人結局ただのミーハーだったってのは肩透かしですが・・・。でもいいキャラしてましたね~。 で、中盤以降、あまり好きではない展開に。せっかく前半で良い雰囲気作っていたのに、どんどんお化け屋敷路線へ。 大きな音。突然ばあっ。んー。この映画もかぁ・・。怖がらせるのと驚かせるのは似て非なるものなのに。 オカルトにみせかけて、じつは真犯人がいると思ったのですが、やはりただのオカルト。後半はなんでもアリに。 で、ブギーマンって結局何者だったのでしょ? あと、こーゆーホラーでラストが救いようがないほどバッドエンドっていうのも、後味が悪すぎるなぁ。 妻とお兄ちゃんなんて、結構中心人物だったのに、肝心のラストでは台詞すらないじゃない。 ミイラとりがミイラになるようなオチ自体は好きなんですけどね~。 なんか全然すっきりしないホラーでした。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2024-03-01 14:48:58)(良:1票) |
132. 二ツ星の料理人
《ネタバレ》 人間関係。主人公が置かれている状況。そういったものが全く分からない状況でスタート。 まあ見ているうちにわかってくるでしょ。と見ていましたが、いつまでたってもなんとなくしか教えてくれません。 主人公のアダムはかつてパリのレストランで働いていた二ツ星の料理人。でもなんかトラブルを起こして店を潰してしまったらしい。そのときの料理人仲間からは恨まれている。アル中で薬中だったらしい。わかるのはこれくらいでしょうか。説明してくれる人が誰もいないので、会話の中から何となく察していくしかないやや不親切路線。 腕は一流らしい主人公。理想が7人の侍というのが面白いです。次々と仲間をゲットしていく前半は盛り上がります。まあそこも元々の人間関係がつかめているとより盛り上がるとは思うのですが。 さあ、遂に店がオープン。全然思ったようにうまくいかない。イライラするアダムは料理人たちに罵声を浴びせ、イライラをぶつけ、料理と皿を投げ捨てる。いやね、仕事ですから厳しくするのは良いと思いますが、主人公のそれは違うでしょ。それに限度があります。女性シェフに対する対応なんか本当にひどい。裏から手をまわして強制的に勤め先をやめさせて自分の店で働くように仕向けた上に、うまくいかないからと『お前は害毒だから出ていけ』という始末。パワハラ、モラハラ、セクハラを一度に行うトンデモ野郎。料理に対してストイックであれば何をしても許されるのでしょうか。とても共感できない主人公です。 もちろん終盤になるにつれ、アダムは少しずつ人として成長していくわけですが、『いや、あんたいい歳したおっさんですから。』とつっこまずにはいられません。そもそも過去に大失敗をしているわけですから、そこで人として成長して戻ってきてほしいです。 ミシェルの裏切りがそのまま放置っていうのも後味が悪いです。 [DVD(字幕)] 5点(2021-09-28 01:52:30)(良:1票) |
133. 武士の家計簿
《ネタバレ》 前半から中盤にかけては大変面白く見られた。お駒の嫁入りから借金返済プランまでの流れは、地味ながらもちゃんとエンターテイメントしていたと思います。生真面目な性格から生み出される笑いのエッセンスが味わい深いです。家財道具を取り上げられる猪山家のリアクションが切なくも面白い。 『お救い米』という名目で着服していた年貢のエピソードも地味ながら良かった。軽いサスペンスからの逆転出世は爽快ですらあります。 後半になると時代が駆け足で進みだします。人の感情より出来事優先。まるで箇条書きのように羅列されるエピソード。みんな瞬く間に歳を取り、病気になり、死んでゆく。前半までの丁寧なドラマが嘘のよう。猛スピードでそんな様子を見せられて、いったい何を思えば良いのでしょう。歴史の教科書を無理矢理読まされているかのような感覚でした。 これ堺雅人と仲間由紀恵じゃなかったらクソつまんねー映画になっていたんじゃ・・・ [DVD(邦画)] 5点(2021-05-10 01:24:33) |
134. 50/50 フィフティ・フィフティ(2011)
《ネタバレ》 『母親にガンを打ち明けるシーン』、ガンの予防になるからと母親が緑茶を入れようとするシーンには涙が出ます。車の中でアダムが突然感情を露にするシーンも良い。今まで押さえていた感情が噴出し、不安と絶望がついに理性を超えてしまう貴重なシーン。その直後、友人宅で『ガン患者と共に生きる』的な本(正確な名前忘れた)を見つけてしまうのが、マンガチックでベタすぎますが、凄くぐっときます。ここでは『ヤンキーが良いことすると5割増しで良い人に見えちゃう』という心理が働いています。個人的には一番好きなシーンかもしれません。 と、ここまでシーン毎の感想しか述べていません。それはこの作品がエピソードを羅列したような作品だからです。1つ1つのシーンを見ると凄く良い。確かに良い。ですが1本の映画として見るとなんとも評価のし難い作品です。 主人公アダムが突然ガンを宣告されたこと以外、これといった事件が起きません。レイチェルの浮気はありますが、誰しもが想定しちゃってるでしょうし、ハプニングとしては弱い。さもありなん、といった感じです。 大きなドラマ、山場を作らないのであれば、いっそドキュメンタリー調にしたほうがよかったかもしれません。 この作品は『友人や家族がガン患者となったとき、どう寄り添っていくのか』を、ガン患者の目線で描いた作品。難病ものですが、ライトに描かれているので深刻になりすぎないところは良いですね。更に、キャサリンというかわいいセラピストが本作にハッピーな雰囲気をプラスしているのも好印象。アナ・ケンドリックは素敵な女優さんですね。 ジャンルがコメディになっていますが、私はこの作品をコメディとして見ることはできなかったです。 [DVD(字幕)] 5点(2019-09-19 12:00:19) |
135. フォレスト・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 ゾンビ映画は大好きなんですが、これは期待しているものを見せてくれるほどではありませんでしたね。 まずサバイバル感がいまいち感じられない。アップが多すぎるので、夜のシーンなんか何がどーなっているのかわかりづらい。逃げるなら逃げるで、それに全力を尽くしてほしい。出口がバリケードで封鎖されているからUターンって、アホでしょ。ゾンビのいる森に戻るくらいなら、歩いて森の外にでます。無理矢理危機的状況にしようとする展開が見えちゃうと、どうしても気持ちが冷めてしまいます。 資材置き場に戻ってきた後は中だるみします。 ラスト、カーターが何したいのかがさっぱりわかりませんでした。あのクライマックスはなんなの。そりゃそーなるでしょう。 元凶である会社が無事ってのもすっきりしません。せっかく研究員が会社の研究施設でゾンビ化したのにそれっきり。なんてもったいない。 『主人公達、何とかして森を脱出』⇒『会社に到着するも、会社もゾンビだらけ』⇒『主人公達は社長である父親を助け出し、父は息子を見直す』とゆーような展開を期待していました。ゾンビ映画だからこそ、そーゆーカタルシスを感じられるストーリーを見せてくれたっていいじゃない。 [DVD(字幕)] 5点(2018-04-18 13:22:34) |
136. フロム・ヘル
《ネタバレ》 こーゆーミステリーものの醍醐味って、犯人がわかる瞬間だと思うんですよね。 『おまえが犯人かー。』って、見ているほうも味わえる驚きと興奮。この作品にはそれがない。 犯人がすぐわかるわけではないのです。正直ジョニー・デップが犯人かと疑うくらい、さっぱり見当もついてませんでした。 にも関わらず、犯人がわかったとき、『ああ、なんだ、お前か。』ぐらいの感想しかわきません。 なぜなら犯人という人物に、まるで愛着がわいていなかったからです。 『意外』、とも言えない人物。微妙なんですよね、劇中での犯人の立ち位置が。 ストーリーのわかりにくさもマイナスポイント。 少々難解な作品であっても、良作にはちゃんと考える余地があります。この作品については、その部分が不親切。製作側の自己満足で終わっちゃってないですか。 それにストーリーも、蓋を開ければただの口封じストーリーで、面白くありません。 ストーリーやキャラクターに求心力があるからこそ、不快な描写も活きると思います。 この作品では描写のグロさ、不快さでただインパクトがあるのみ。むしろ、そんな意図はないのでしょうが、グロ描写がストーリーのつまらなさをごまかすだけの代物にまで見えてきます。 ついでに言うと、個人的には切り裂きジャックによる猟奇殺人よりも、正常な人間の前頭葉除去手術のほうがショッキングでした。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2017-01-06 12:16:15)(良:1票) |
137. フラッシュバック(2001)
《ネタバレ》 レイチェル・リー・クックが好きで見たのに、あまりのつまらなさに彼女を嫌いになりそうです。 どう扱っても魅力的になりそうな女優を、ここまで魅力のない人物に仕上げたことにまず拍手をおくりたいですね。 それに、字幕がところどころ変な訳なのも気になります。 『面白い映画は細かい粗が気にならない。細かい粗が気になる映画はそもそもがつまらないからだ。』っていう一般論は本当みたいです。 そもそもが、薄く浅いストーリーに、魅力の無い人物設定なのに、変に真面目に作るもんだからB級作品にさえなれません。 切なくしたいのか、怖がらせたいのか、いったいどうしたいのかわかりません。 これははっきり言って監督の力量不足でしょうか。 この作品だって、アランとデビットの友情を、もう少し丁寧に深く掘り下げるだけで、ラストの衝撃がはかりしれないものになったかもしれません。使い古されたプロットだって、料理の仕方次第で何度でもおいしく食べられるものです。 ラスト20分くらいの真相解明は面白いです。予想はつくけど面白い。期待を裏切らないオチは程よい感じ。 でもこの程度のオチを見るために、つまらないエピソードを小一時間も見ないといけないとなると、とても人には勧められませんな。 [DVD(字幕)] 5点(2016-10-24 05:36:37) |
138. ブルークラッシュ
《ネタバレ》 『なるほど。母親のこと、けがをしたときのことがトラウマになっているわけですね。きっとこれを克服していくんだな。そして仲間達と一緒にトレーニングを積んで、最後は優勝しちゃうのかな?』と、またまた先入観たっぷりに鑑賞。 結果。克服しない。練習しない。優勝しない。もうびっくりです。 もっとばりばりのスポ根とサクセスを期待していたので、思っていたのと違うテイストで残念。 妹のことでフラフラ。男のことでフラフラ。友人とけんかしてフラフラ。何に対しても優柔不断。信念なし。主張なし。プライドなし。こんなに情けない主人公いますかね。 この主人公にぴったりのストーリーもつまらない。サクセスストーリーとしては、棚ぼた感が強すぎて充足感が得られない。恋愛ドラマとしてはあほすぎて見ていられない。スポーツドラマとしては論外。 結局練習らしい練習はほとんどしないまま大会へ。で、当然のことながら予選敗退。それは当たり前の結果ではありますが、そんなん見て何が面白いのよ。 挙句の果てに、ラストは対戦相手に誘導してもらう始末。なんて情けない主人公。 せめて主人公が人格者であればもう少し違った見方もできるのですが。 妹とのことは何も解決しないままうやむやに。心配する友達には逆ギレ。 『ケイト・ボスワース』『ミシェル・ロドリゲス』『ミカ・ブーレム』と魅力的な女優さんをそろえて、こんなにも魅力の無い作品ができるものでしょうかね。 ただ波の映像は素晴らしいです。いったいどうやって撮ったんだというくらいの迫力の映像。これを見るとサーファーという人種はほんとクレイジーだと思います。それくらい凄い映像が盛り沢山。映像技術だけでいうなら文句なしの満点です。 これでストーリーと主人公にもっと魅力があれば、見ているほうもまさに〝波に乗れた〟のに。 ・・・お後がよろしいようで。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2016-10-02 16:15:21)(良:1票) |
139. ブロンド・ライフ
《ネタバレ》 ストーリーが悪いとは思いません。ただ、メインのストーリーがわかりづらい作品だとは思います。 仕事でのサクセスをメインにしたいのか。ラブストーリーか。コメディか。 中盤くらいまで、何が主軸なのかよくわからないのは、そのどれもがインパクトが弱いためだと思われます。 また、スタート時の人物関係の説明が足りていない気がします。群像劇ではないのに、まるで群像劇のようにメインの人がその他大勢の中に埋もれてしまっています。そして人物相関図にまとまりがありません。それなのに、ストーリーだけどんどん先に進んじゃいます。 ですから、人物に思い入れがないままラストまでいかれても、胸には響かないということです。言いたいことはわかりますけどね。 ジャックが重要人物で、彼の予言を中心としたプロットになっていることには途中から気付きます。この作品に限って言うならば、事前にあらすじを知ったうえで鑑賞したほうが、物語を純粋に楽しめそうです。 ジャックの予言が次々と的中する演出は面白いです。ですがそれがストーリーの面白さへと転化しきれていない気がするのです。 それに、レイニーがピートと、ジャックの予言の情報を早くに共有していれば、ピートは初めからレイニーのことを本気で心配してくれたかもしれません。個人的にあら捜しはしない主義なのですが、していないのに粗が気になるのは問題。 これぞ、決定打に欠ける代名詞と言えそうな映画だと思います。 [DVD(字幕)] 5点(2016-04-29 10:45:56) |
140. ファイト・クラブ
《ネタバレ》 すべてが精神世界での一幕とするのであれば、確かにすべての説明がついてしまいます。ですがそれでは何でもアリの世界になってしまいます。まさに夢オチ。一番嫌いなパターン。ですが今作の場合、一概に精神世界のみとは、断定できないかもしれません。 そうすると、ストーリーがぶっとびすぎていて、正直中盤以降は粗と矛盾しか目につきません。 前半から中盤までのストーリー展開、雰囲気、人物造形が凄い良かっただけに、後半の荒唐無稽なもはやファンタジーな世界観が残念でなりません。 最も違和感を感じるのは、主人公の周りに集まる人間達です。主人公のようなわけのわからない人間に心酔していることに物凄い違和感、作り物感を感じてしまいます。 もちろん精神世界の話であれば、OKです。ですが個人的に『夢オチ』が嫌いなので、精神世界のストーリーとは思いたくないわけです。すると、この違和感についていけないのです。無理がありすぎて、現実感がわかんのです。 せめて、ラスト、ノートンも死んでくれたらなあ。あれで生きているってことはやっぱり・・・ ただ後半はともかく、前半~中盤は素晴らしかったと思います。 『ラストの映像が実はブラピの・・・』とかいう驚愕のサプライズがあれば、ストーリーなんかそっちのけで満点です。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2015-10-13 14:46:10)(良:2票) |