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ユーカラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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181.  暗黒街の女 《ネタバレ》 
シド・チャリシーに危害を加えることを仄めかしてロバート・テイラーを脅迫するリー・J・コッブの凄みに呑まれる。 彼が裏切り者を容赦なく滅多打ちにして粛清する様は、後の『アンタッチャブル』に受け継がれたのだろう。 その彼らのアジトの窓外を高架鉄道が走り、その騒音が響いてくる緊張感も『ゴッドファーザー』でより効果的に活かされただろう。  ショウガール役:シド・チャリシーはカラフルな衣装だけでなく、そのダンスも艶めかしい。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 7点(2016-10-26 23:59:34)
182.  光にふれる 《ネタバレ》 
背景をぼかし気味にした深度浅めのカメラは、主人公ホアン・ユィシアンの不自由な視力と同調させたのだと考えよう。 感知できるものと出来ないものが、カメラのフォーカスで仕分けされているように見える。 列車がトンネルを抜けていホウ・シャオシェン的ショットも光の主題を担いながら台湾映画の薫りを濃厚に伝えてくる。  耳を澄まし、事物に触れて大学の新生活になれていく彼の姿が丹念に追われるが、とりわけダンスと音楽を通して 外界と触れ合っていく描写が映画と相性よく馴染んでいる。  そして、激情を秘めつつ穏やかな表情を絶やさないホアン・ユィシアンの佇まいが素晴らしい。 ダンサーを志すサンドリーナ・ピンナが仏頂面と泣き顔から次第に笑顔の似合うヒロインへと変わっていくのも、彼の言葉と表情を通じてだ。 彼女が月光の差し込む夜の教室内でユィシアンの弾くピアノに合わせて踊るシーン、 彼の故郷の海辺で楽しげに戯れるシーンが美しい。  クライマックスは、それぞれが挑むコンクールとオーディションのクロスカッティングであり演奏とダンスが劇的にシンクロして盛り上げる。 寮の悪友たちもここでいいところを見せて、青春ものとしても爽やかに決めている。 映画のサントラが未だに絶版で手に入らないのが残念だ。
[DVD(字幕)] 8点(2016-10-24 23:29:39)
183.  スター・トレック/BEYOND 《ネタバレ》 
ソフィア・ブテラを起用したのなら、もっと彼女のアクションを増やしても良かったのでは。 狙撃シーンや格闘シーンで唯一サマになっていたのは彼女のシーンと、クリス・パインのバイクアクションだ。 この二人をもう少し絡ませておけば、乱戦のさなかに二人が手を取り合って転送されるアクロバティックなシーンは よりエモーショナルなものとなっただろう。 ひとたびアクションに突入するとカメラがひたすら落ち着きなく動き回るという癖があって、却って状況把握を難しくしている。  時代が許さないのだろうが、終盤は例によって『盗人にも三分の理』が登場。この「言い分の主張」、あるいは種明かしが始まると 必ずアクションが滞る。喋らずにはいられないから。 変則的な重力を利用した面白い舞台をクライマックスに用意しているのだから、着水してからタワー天辺までの追跡を途切れさせず 一連の流れとして身体アクション:活劇を見せて欲しいのである。 種明かしの作劇に頼ってしまうところが弱さである。  宇宙空間に鳴り響く音楽とドッグファイト。これはどう見ても日本製某アニメーションへのオマージュだろう。
[映画館(字幕なし「原語」)] 4点(2016-10-23 20:41:10)
184.  バースデーカード 《ネタバレ》 
登場するロケーションが基本的に見晴らしの良い高台。山の手である。よって生活感も希薄。メルヘンチックですらある。 が、開き直ってそれに徹しているところがいい。全編通して清潔感に満ちた映画だ。  風通しのよい坂道や勾配は、主舞台の長野、そして母親の故郷も小豆島に設定することで 徹底され、そこに必須アイテムである自転車滑走シーンを入れ込むことも抜かりない。 手紙の朗読、そして橋本愛の涙。その単調な繰り返しになってしまいそうなところ、そうした運動を取り込んで映画を維持している。  病院の屋上、車椅子の宮崎あおいに、ユースケ・サンタマリアが背後から優しく手を差し出すと、彼女がそれを握り返す。 同様の触れ合いが吉田監督の『旅立ちの唄』にもあったが、他にも頭をなでたり、CDを手渡したりというスキンシップを おろそかにしていないのがいい。 終盤に登場する結婚式のベールのエピソードが感動的なのは、回想ショットで宮崎あおいが心を込めて手編みする指の動きの美しさゆえである。 宮崎から橋本にベールが受け渡されるショット繋ぎの美しさと二人の表情の素晴らしさに打たれる。  クライマックスが『アタック25』出演というのも、なかなか大胆である。
[映画館(邦画)] 7点(2016-10-23 05:33:55)
185.  両棲人間 《ネタバレ》 
いわゆる半魚人である主人公が彷徨う街の色彩に満ちた風景や衣装はメキシコ風、流れる音楽も人種も雑多、そして会話はロシア語という、 とりあえずエスニック風とでも呼ぶのが相応しい渾然とした情緒がある。 ヒロイン:アナスタシア・ヴェルチンスカヤも可憐なダンスを披露してとても魅力的だ。  水中シーンも豊富で、男女が碧い海中を泳ぐイメージシーンなども美しく優雅だが、ダンス風というよりは体操的な動きを 志向している風にみえるのがロシアファンタジーの味だろう。  ラストの夕暮れの海岸シーンが、太陽が沈んでいく際を背景とした恋人たちの別れの芝居になっており、その夕陽の光がなんとも哀切である。
[DVD(字幕)] 6点(2016-10-21 23:59:42)
186.  永い言い訳 《ネタバレ》 
本木雅弘の髪型の変化、季節の移り変わりのショットや子供たちの成長が画面を通して提示され、映画の中での時の流れや人の変化というものを実感させる。 その中で、夏の夕暮れに幼い妹が団地の庭でしゃがみ込み、力尽きていく蝉を見つめているシーンなどがさりげなく不意を衝く。  是枝的?子供たちの素晴らしい表情の捉え方、大人と共演する際のフレーミング・アングル・高さなど、子供の視点に対する配慮の細やかさも伝わる。 冒頭の散髪シーンの鏡、シャボン玉、坂道と自転車など、それぞれドラマに意味を為しつつ、なにより映画の見せ場として落とし込まれているのがいい。 16mmフィルム独特の粒子感覚は夏の海などで特に見事な効果を出している。  宵の列車のシーンにかかる『オンブラ・マイ・フ』も技あり、である。
[映画館(邦画)] 8点(2016-10-20 21:30:43)
187.  祝(ほうり)の島 《ネタバレ》 
毎週月曜日の上関原発反対デモや埋め立てに対する海上抗議行動、4年に一度の神舞と呼ばれるイベントなど、 鎌仲ひとみ監督のドキュメンタリーとかぶる部分も多いが、こちらも現地に密着して島の人々の生活を丹念に記録している。  一本釣りの漁師の船に同乗しての取材。漁獲されたタコを浜で開いて天日干しの作業をする女性達の和気藹々とした姿。 時折インサートされる、高台から見下ろす島と「宝の島」と太陽の景観。それらのショットの寡黙さこそ、作り手のスタンスの明示である。  島の小学校の入学式が行われている。在校生二人と新入生一人の計三人は、どうやら長女・長男・次男だ。 来賓はご近所さん達なのだろう。校長先生、父親の挨拶が和やかな雰囲気の中で行われている。 新入生となる次男がお父さんそっくりなのも微笑ましい。 入学式が終わって下校する笑顔の三人を、子供たちの視線の高さに合わせてカメラが追う。  その3人兄弟である生徒たちが教室で仲良く合唱するシーンがとりわけ感動的である。 彼らの元気な歌声が、島の情景へと被さっっていく。  抗議行動の切実な叫びをラストに持ってくるかと思いきや、年越しの静かなシーンから続けて、生活音の流れる静謐なエンディングが慎ましい。 纐纈あや監督の美徳である。
[DVD(邦画)] 8点(2016-10-19 22:12:51)
188.  何者 《ネタバレ》 
携帯端末がキーアイテムであることからしてもあまり映画向きとはいえないが、様々な視覚化の苦心はうかがえる。 ルームシェアによって手狭な部屋。エリアを仕切られた喫煙ルーム。窓外の見えない地下鉄車両内。隔絶と閉塞のイメージが続く。 有村架純が下車した後に残った佐藤健の姿を、電車のドアとホームドアが二重に遮断するというショットも酷薄な印象を強める。  タクシー後席に座る佐藤と菅田将暉の微妙な距離と、二人を照らし出す赤いライティング、 沈黙のアパート内に遠く響く救急車のサイレンなど、じわじわと湧き上がる不穏なムードは ラスト近く、それぞれの液晶パネルを光源として向かい合う佐藤と二階堂ふみのシーンで陰影演出の最高潮を迎える。  無表情な観客達の拍手の中、有村は特権的に輝きを放ち、佐藤は自然光と共に開かれたドアへと向かう。
[映画館(邦画)] 6点(2016-10-16 22:02:47)
189.  GANTZ:O 《ネタバレ》 
クライマックスに至るも、助太刀頼りでさして活躍するでもない主人公。そこで実写では再現できない身体アクションを目一杯披露するため のCGキャラクターではなかったのか。それがあの程度なら、俳優が演じりゃよいのに。 『ガルパン』のあんな図柄の二次元キャラクターでも最後には思い入れが出来るものなのに、よりリアル志向に造形されたはずのこちらの人物達の生き死にに さしたる感慨も起きてこないのは何故なんだか。  クリーチャーの攻撃を間一髪で躱す瞬間のスローモーションや、被写体の周囲を縦横無尽に旋回するカメラが頻繁に使われるが、 そういう如何にも3DCGアニメですといった無駄なカメラワークが逆に安っぽさに拍車をかける。 アクションや特殊効果はふんだんに盛り込まれているのだが、それが活劇的面白さにはなっていない、というか。 クライマックスを盛り上げるべきタイムリミットのサスペンスも何ら機能せず。 おまけに交わされる対話は、「他人の為に」とか「生きのびるために」とかの観念論・精神論ばかり。 キャラクターに血が通わないのも、当たり前である。
[映画館(邦画)] 4点(2016-10-15 00:37:04)
190.  おかあさんの木 《ネタバレ》 
ただただ情緒に訴えるのみの反戦メッセージなど、タチが悪いのみ。 鈴木京香らの記号的・心理的表情と、饒舌な劇伴音楽、加えて無駄にミスリードを誘う語り部による ナレーションによって、ひたすら冗漫である。 ポスプロでの処理もいろいろと施されているのだろうけれど、ロケーションとオープンセットによる昭和初期の農村の再現は よく頑張っているのだが。 志田未来のつくったおはぎを、画面に登場すらさせないなどの無頓着も作品を貧相にしている。
[DVD(邦画)] 3点(2016-10-14 00:01:33)
191.  七月のランデヴー 《ネタバレ》 
楽団の演奏に合わせて踊る男女のエネルギッシュな躍動が、周囲で体を揺らす仲間たちの賑やかさと相俟って素晴らしい。  序盤での、電話を介した様々なカッティングはリズムを創り出し、クライマックスでは鏡の見事な使用法に唸らされる。 鏡を背にして立ちすくむヒロイン(ブリジット・オーベール)と対峙するダニエル・ジェラン。 二人の表情のクロースアップが切返され、それぞれの視線が一瞬横に逸れる。鏡に映し出されるのは、ドレスが半開きとなった彼女の後姿だ。 スリリングな短いショット連鎖の中で、ベッケルの平手打ちが炸裂する。 この鏡はもう一人のヒロイン:ニコル・クールセルが序盤で愛らしい姿を映し出すのと対照を為すものでもあり、ほろ苦い。  若者たちの乗り込む水陸両用のボートカー(?)の滑走にも驚くが、ラストが飛行機での飛翔というのもいい。
[DVD(字幕)] 8点(2016-10-10 22:34:23)
192.  少女(2016) 《ネタバレ》 
本田翼の左手甲の傷は、まず終盤のさる事件とも絡む物語的要請としてあるが、加えてその不自由によって彼女が右手を以て 一心に鉛筆を走らせるという映画アクション的要請から来るものでもある。 これがノートパソコンのキー打ちではサマにもならない。授業そっちのけで文字を綴り続ける手と鉛筆の動き、紙面上に生まれていく肉筆の文字、 その硬質な音響、そしてその彼女を横から見つめる山本美月の視線。それらの要素が映画を形成していく。 手書きの文字だからこそ、ドラマとしても映画としても献辞の言葉が重要な意味を持つこととなるだろう。  前々作に続いてのコンビ、月永雄太の撮影が曇天や夜景を見事にドラマに反映させている。 夕陽の映える海岸沿いの歩道を二人の少女が駆け抜けていくスローモーションショットの反復。 計四人の少女たちの表情と走りが素晴らしい。  「夜の終わり」がモチーフであるからには、二人を明るく照らし出す朝陽が欲しいところではあるが。  終盤はありがちなパズル合わせと化してしまう。そこから逆算したのだろうキャラクター造形が随所に見られるのが難点か。  『しあわせのパン』、『ぶどうのなみだ』で悪い先入観を持ってしまっていたが、これは悪くない。
[映画館(邦画)] 7点(2016-10-10 01:00:37)
193.  お父さんと伊藤さん 《ネタバレ》 
食事シーンの沢山ある映画はいい。上野樹里、リリー・フランキー、藤竜也の三人がテーブルを囲むフィックスのショットに流れる時間の 何とない気まずさとぎこちない対話、やがてドラマの進行と共にそこには温かみが感じられてくる。 出される料理はシンプルながらも上野の手料理で、柿を剥いたりフライを揚げたりの調理もさりげなく描出されているのが監督のセンスだ。 古屋敷で夜を明かすシーンも、酒を燗することから微妙に変わっていく場の空気がショットの中に捉えられている。 上野が一人で酒やビールを呷る、その飲みっぷりの良さや、リリー・フランキーがウスター派の藤の前で遠慮がちに 中濃ソースをトンカツにかける仕草なども微笑ましい。 食事や、家で寝そべってのくつろぎ、庭いじり、本屋でのアルバイトの描写。それら生活行為の丹念な積み重ねによって キャラクターが少しずつ肉付けされていく作劇がじんわりと楽しい。(伊藤さんの素性は謎のままだが)  ラスト、藤を追って走る上野はカメラ移動によって前向きのショットで捉えられる。素敵な笑顔と共に。
[映画館(邦画)] 7点(2016-10-10 00:35:13)
194.  ディストラクション・ベイビーズ 《ネタバレ》 
野次馬役のエキストラを絶妙に配置したロケーション、全身でのアクションを捉えるフレームサイズとポジションの妙、 そして持続的なショットによる危険な擬斗の泥臭く生々しい迫力。 誇張の無い打擲音や、奥歯が地面に転がる音の触覚性・物質感。  柳楽優弥らの身体性を伴った画面の力は、「心の闇」とかの心理主義には持っていかせない。 商業映画でこれをやるのは果敢である。  それでいて女性の描写もぬかりなく、ベッドでの事情聴取に応える小松菜奈の流し目の凄艶さなども特筆だ。  ついでに、運河を渡るボート、自転車、スケートボード、自動車など、映画的ビークル類の充実もいい。
[映画館(邦画)] 9点(2016-10-08 23:28:07)
195.  ジェイソン・ボーン 《ネタバレ》 
『ブラディ・サンデー』や『ユナイテッド93』などに続き、自身の得意とする群衆パニックシーンを冒頭、中盤、クライマックスにそれぞれ 配置し、画面を賑やかす。監視カメラ映像なども駆使しつつ、入り乱れるモブの間に見え隠れしながら行動していく主人公をハンディカメラが追う。 相変わらず、編集の映画だなと思う。 ドラマには時事的ネタを採り入れるなどしてアップデートを試みるものの、さすがにシリーズものの宿命としてのマンネリ感は否めず、 一方でとりあえずの景気付けみたいなラスベガス・カーチェイスの華々しさは作品のテイストから乖離している。
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-10-07 21:30:34)
196.  SCOOP! 《ネタバレ》 
暗室で現像される「最後の一枚」がどのような写真か。観る側はすでに察しがついてしまう、というのがつまらない。 二階堂ふみが、寝起きの時点で自身が撮られていたことに気付いていたように取れるからである。普通に考えれば 彼女も観客もそのことを全く知らない上で、あのフィルム写真を見るべきだと考えるがどうだろう。 そういう訳で、あの大切な一枚のインパクトがどうも弱い。これなら『八日目の蝉』の暗室シーンのほうが数段良い。 二階堂が涙をなかなか見せないのが良いなと思う一方で、滝藤賢一が思い入れ過剰な愁嘆場を繰り広げるから困る。  思い入れの強さといえば、福山雅治のいわゆる色気を強調したいのだろうスローモーション連発も最後までくどい。
[映画館(邦画)] 5点(2016-10-04 00:25:43)
197.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 
映画に対する感動、というよりは実話に対する感動といった方がよい。 ラストも結局は実際のモデルに頼ったようにみえる。  まずは眉をしかめたトム・ハンクスの表情のアップの多さが気になってしまう。 夜間にジョギングする彼のシルエットの背後に影が覆いかぶさるようなショットなどにらしさがあるが、 トラウマのシーン以外、人物の顔に深い陰影を落とせないのは今回も実在の人物をモデルとしているからか。  簡潔に処理した二度の回想シーンなどはともかく、ビル群に突っ込んで爆発する妄想CGまで必要か、結構無駄を感じる。 わざわざコンピュータ処理に頼らずとも、誰しもがそれを連想するのだから。   隣席に同乗した女性の代わりに乳児を抱いてショックに備える男性客のエピソードなど、細部のドラマはさりげなく感動的であり、 ラストのアーロン・エッカートのジョークも爽やかでいい。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2016-10-02 11:46:53)
198.  ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years(2016) 《ネタバレ》 
ライヴを中心とした歌曲に聞き惚れるのは勿論のこと、映画映えする4人のメンバーが被写体として素晴らしいと改めて思う。 インタビューでのウィットに富んだ当意即妙なリアクションなども提示され、その受け答えの反射神経の良さが映画的な魅力ともなる。 (そこでその彼らの才能を解説者が解説してしまうというのが致命的なのだが。) 演奏し熱唱する4人の表情やパフォーマンスと共に我々を魅了するのが、彼らに熱狂する聴衆のショットだ。 感極まり、興奮し、絶叫する少女たちの姿は一歩引いてみれば面白可笑しく滑稽だが、そのアイドルを一心に見つめる視線は 映画に魅了される我々の視線ともどこかで通ずるわけだから、そのエモーショナルな表情を愛でずにはいられない。 それに対するビートルズ側からの痛烈な言及もあるわけだが。ライヴにはそれを観る行為が伴うこと。それがこの映画の戦略でもあろう。  米国南部での人種隔離、暴力やゼノフォビアにさりげなく触れつつ、現在批評としての意義も内包させ、したたかである。  驚くのは、さすがにこの映画では無理かと思われた『水に飛び込む』シーンも確信犯的にしっかり挿入されていること。 やはりロン・ハワードの映画である。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2016-10-02 11:36:31)
199.  サウルの息子 《ネタバレ》 
クロースアップされた前景の対象に領域を阻まれて部分的に隠されるがゆえに、ソフトフォーカスの滲みによって暈されるがゆえに、その後景の蠢きは 即物的な音響と共に存在感を以て逆に前景化される。感情を失い硬直したかのような主人公の表情と拮抗しながら。  意地悪く云えば、そうした作り手の目論見は冒頭の段階で露見するし、 やがては主人公が何らかの感情を顔貌によって表すだろうことも予想出来てしまうのだが、 映画中盤で女性と密かに触れ合う手の動きが伝える感情や、ラストでカメラと正対する主人公の表情の凄みは、その予想を超えて圧倒する。
[DVD(字幕)] 7点(2016-09-30 22:59:58)
200.  ショタール商会 《ネタバレ》 
巻頭から伸びやかに動き回りショタール商会の舞台と人物を一気に見せていく長回しのカメラがまず圧巻である。 そこではメインキャストのショタール(フェルナン・シャルパン)が精力的に動き回って店を仕切っている。 小太りだが、彼のまくしたてる早口とダイナミックかつシャープな身振り手振りが最後まで画面を活気づけて面白い。  商売には向かない詩人の婿を追い出したものの、彼が賞を取った途端に手の平を返す身勝手なキャラクターだが、身振りの滑稽さが憎めない。 はしゃぐ彼にキスされる少女の迷惑そうなリアクションなど傑作である。  窓を介して部屋と屋外を同時に提示するルノワール的ショットも満載。  舞踏会の喧騒、音楽、戦場の銃撃音など、盛大にトーキーを鳴らしたいという稚気が画面から溢れている。
[DVD(字幕)] 7点(2016-09-23 22:54:11)
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