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パブロン中毒さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 914
性別 女性
ホームページ http://ameblo.jp/cluttered-talk/
自己紹介 After shutting down my former blog, I'm writing some boring stories at new site. Anyone who's interested in, come along if you'd like to.

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181.  普通の人々 《ネタバレ》 
思えば「グッドウィルハンティング」はかなりここからパクっていたんですね。 兄貴が生きている間は家族間の力関係が安定していたために誰も疑問を持たなかった「コンラッドに対する無関心」が、バックが居なくなったことにより表面化してしまった。それでこれからどうしよう?という話ですね。 その「無視」の出所は母親のベスであるわけで。まあどう考えても彼女のコンラッドに対する態度は異常ですよね。なんで今まで気がつかなかったんだ?というくらいに。 カウンセリングを受けなければいけないのは誰よりもベスなんだけど。 みんなが腹を立てているベス、その思考回路について私が想像してみましょう。 彼女のキーワードは「完璧」「安定」「計画どおり」です。こういう人が最も恐れるのは予定を乱されること、突然のアクシデントです。彼らは自分が他人より弱く傷つきやすいと感じており、予期せぬ事態に耐えられないと思っているからです。 そのため予定を立て、家族を管理し、自分の許容範囲を超えたハプニングが起こらないように努めるのです。「不寛容」は、もちろん自分が「寛容」を与えられなかったから出てくるので、「私がこんなにがんばっていることに比べればあんたのがんばりなんて何よ」という気持ちで四六時中過ごしているのがベスのような人です。自分が一番大変な思いをしているという気持ちですね。こういう人は自分のことでせいいっぱい。自分が崖から転がり落ちないようにするだけで力を使い果たしている。「母親のリミットを知れ」と言ったバーガー医師はまことに正しい。 私はどちらかというとベス的な人間なので、分かるところがあるのです。 彼女はたぶん、「いい子にしていればすべてが与えられる」という育ち方をしたのでしょう。だから、大人になった今も主婦として妻として、落ち度の無いようにがんばっているのです。そうしないと「最も恐れていた事態」が起こるかもしれないから。それは「夫に捨てられて生活に困ったらどうしよう」ですね。ところが皮肉なことに、それは彼女が想定していた落ち度以外のところから訪れたのです。 誰もが理解に苦しむベスとは、(たぶん)こんな人です。「魔女」ではありません。 この話の女の子版が萩尾望都の「イグアナの娘」ですね。(マンガだけど)
[DVD(字幕)] 8点(2006-08-06 19:36:08)(良:3票)
182.  ヘルレイザー ワールド・オブ・ペイン 《ネタバレ》 
おもしろかった。久々にイケてるB級ホラーを見た。 低予算ということに驚くほど、よくできている。編集もいい。しかも主役の女優さんがどの角度から見てもすごく美人。脇の女の子も良く見るとモデル並み。やっぱ主役の女優さんはキレイでスタイルがよくないとダメ。 あと、アイディアも随所に見られて、のっけから苦労して死体のそばのモノを取るとか、地下鉄の車両が無法地帯になってるとか、壁がどんどん狭くなってくるとか、血が止まらなくても死なないとか(幻覚だけど)、目玉であるピンヘッドさんを出すことだけに頼らない工夫が様々感じられた。こういうのすごく好きなんだよねー。 この女優さんは、アシュレイ・ジャッドに似ているが、私はこっちの方が買い。 
[DVD(字幕)] 8点(2006-08-03 22:11:35)
183.  ニューオーリンズ・トライアル 《ネタバレ》 
なかなか見応えがある作品だった。 豪華キャストにサスペンスらしいテンポのある演出、まずまずはずしていない一品だ。お約束のダスティン・ホフマンとジーン・ハックマンの対決場面も用意されている(トイレという最低の場所なのが皮肉。)個人的ひいきのジェレミー・ピヴェンも出ていてうれしい。 グリシャム作品は読んだことはないが、まあクレバーな作者なのだろう。マーリーとニックのあまりの手際の良さに無理があるとは誰でも思うけどね。なんで他の陪審員を操れる自信があるのか?なんで素人の若い女がプロ相手に堂々と交渉する余裕があるのか? ひとつ言いたいことはこの映画で最も重要なセリフ、ダスティン・ホフマンのローアが最初にマーリーに出会って数分で彼女の正体に感づいた時に発した「Who hurt you?」なんだけど、字幕では「過去に何が?」と訳してました。これでは肝心のところが伝わらない、ここは「誰に恨みが?」が正しい。 ローアは今回の取引が「金目的」からスタートしたのではないということを、マーリーに出会ってすぐに気づいたのです。自分自身が金以外の目的を持っている同類だからでしょう。その証拠に、ライバルフィッチは、「金目的」であることを終始寸分疑わない。 それと、最後までローアに電話をかけて取引を進めようとしていたことが不可解ですなあ。フィッチに対する牽制目的としては、過剰に思う。自分達と変わらぬ目的を持つ弁護士から、なぜそうまでして金を引き出そうとしていたのか? それで上記の「素人なのに強すぎるマーリー」における設定の無理が、超個人的に私の共感を呼ばないんですけど。こんなシロウトの若い女いるか?いったいどこでどう訓練したわけ?レイチェル・ワイズは本当に台本どおりに演じたみたいだなあ。マーリーの葛藤がほとんど描かれていないぶん、彼女がゴルゴ13のように非情に見えてくるのだが、あの通りの可愛い系の顔で、冷酷な犯罪者としか思えないセリフを繰り返されると観客は(私は)ある種のストレスを感じる。ミスキャストかなあ。 「銃を造る会社と売ったやつに責任はあるのか」というテーマに対しては、文化の違いもあり何ともいえない。保留。
[DVD(字幕)] 8点(2006-07-23 16:08:21)
184.  12モンキーズ 《ネタバレ》 
ずっと前に一度見たけど、「地味な作品」とか思ってその後失念。 今回見直して見たら、なかなかよくできた映画であった。 この作品の核は、私にとってはなんといってもブルース・ウィリス。 ガタイがよくて不器用な男のピュアな感じ、彼はこの分野では傑出した俳優さんと思う。(その意味では「ジャッカル」の役に無理があるのはあたりまえか) 「ストーリー・オブ・ラブ」でも思ったけどこの「ガタイがよくて不器用でピュア」、天然じゃなくてこれを表現するのはさぞ難しかろう。(「ストーリー・オブ・ラブ」はこのブルースの良さを描ききっている。「俺は子供じゃないぞ!」と叫ぶときのアホでピュアな感じといったら) その難しさはウド鈴木などのバレバレ感を見ると明らかである。 「ちょっと知能が足りない」と「知能は人並みだがピュアで口下手」の境界線はぎりぎりのところにあるが、この作品ではその際どいところをよく表現したと思う。 マデリーン・ストウについては個人的には不満だ。この作品の彼女を見ていても、「知的で、適度な年齢で、整った美人」という以外の意味が見出せないじゃないか。それじゃあ、役どころそのまんまでしかない。しかも知的なはずなのにプロ意識に欠けている。ラスト近くで急速にジェイムスに心を寄せて、ラブラブになるのが不自然だ。まあ脚本に問題があるかもしれないが、「役割(精神科医)」をすっとびこして「個人(一人の女)」へ移行するまでがかなり無理がある。1917年の写真に信じられないものを発見しようが、まだその時点では彼女は十分に精神科医。精神科医(しかも女性として苦労のうえつかんだ地位のはず)としての自分のキャリアをかなぐり捨てるプロセスに、観客を説得するものが足りない。→製作者の女性に対する観察眼、認識が甘い。 ところで、2035年、レイリー博士(Railyは「ライリー」じゃないと思う。「レイリー」もしくは「レアリー」のほうが近い)は70歳くらいになっているでしょうか。果たして彼女は生き延びて地下で暮らしていたのでしょうか?生きていたなら、ジェイムスを探したのではないでしょうか?そこのところが気になります。(やっぱりウィルスで死んだのかな) 
[DVD(字幕)] 8点(2006-07-17 12:02:20)(良:1票)
185.  ベント/堕ちた饗宴 《ネタバレ》 
これってマトモにシナリオだけ見ちゃったりすると、その場で死んでしまいたくなるような悲惨な話なのよね。ほんとは、誰かと一緒に見たほうがいいくらいに救いのない映画なのよ。 ずっと前に見たんですけど、TVで紹介されてたので。私は女だし、ゲイでないので、「男のゲイ」の人がこれを見てどんな気持ちになるかと思うと、それだけで胸がつぶれるようだわ。とにかく「否定」とにかく「人格破壊」人間性ゼロ。 映画としては、冒頭の自堕落な雰囲気と、逃亡を始めてから転落しつづけるラストまでのコントラストが巧みですね。あのいいかげん生活を見せたからこそ後半の刑務所が生きる。どこまでも人間であろうとするゲイと、どこまでも非人間的に扱うナチ。ああそれにしてもー、いいじゃないか、ゲイだって。キリスト教やユダヤ教やイスラム教の神様はダメと言ってるけどもー、人にメーワクかけなければ、共存したらいいじゃないか何もそこまでしなくても。というのは日本人の理屈であって、「ダメ」となったらもう人間扱いされないのがあちらの世界。二進法。グレーゾーンなし。 実際にはゲイの知り合いはいないわたしだが、ゲイ差別には反対したい。ゲイを差別する世界観とは、独身の女も子供を持たない女も喫煙する自由も認めないものであろうから。そしてそんな窮屈な世の中はイヤだから。すべての「人間性を否定するもの」を否定しよう。それがこの映画の主張と思う。これは最強のゲイ・ムービーであって、これ以上のインパクトのものはもう作れないでしょう。ブッシュがゲイをいじめたら、ホワイトハウスの前でこれを上演してやれ!
[DVD(字幕)] 8点(2006-03-13 23:02:41)
186.  スターシップ・トゥルーパーズ 《ネタバレ》 
昔見たときは、やけに感動に乏しいSFとしか思ってなかった。そして現在。やばい。非常にやばい映画じゃないか。原作の事は知らないが、ベトナム戦争への皮肉てんこもり。「死んだ虫だけがいい虫だ」「先に攻めたのは地球らしい」「虫じゃなく人類が未来永劫支配する」って。虫をベトコン、人類や地球をアメリカに置きかえればまんまだ。 この主人公のジョニーてのは、青2才で、家が金持ちで、頭カラッポでフットボールに燃えて、女にやたら弱くて、どう見てもアメリカそのものとしか思えない。きっと「アメリカ」という国を人で現したらこんなふうだろう。そのジョニーが、民主主義が死んだ社会で軍に入隊して(しかも女目当て)さしたる思想もなく「とにかく死ぬまで戦うのじゃ。そこに人類を脅かすものがある限り」て、間単に思いこむし。んで何の疑問もなくバカ全開でノリノリだし。バーホーベンにはアメリカがそう見えているわけね。Bメロ的なテーマとして「女のほうが一枚上手だよね」てのがあると思ったが、現れた怪物はなんと女性器そのものだし。それいじめるし。ああバーホーベンたら。とにかく最初から最後までものすごく金のかかったジョークだ。キャスパーとデニースなんてお人形感のある(人間ぽくない)2人をチョイスしてさ。映像は終始美麗。
[DVD(字幕)] 8点(2006-03-12 00:16:42)(良:2票)
187.  南極日誌 《ネタバレ》 
満員電車に乗っていると、サイコになってしまいそうな時がありませんか。私はしばしばあります。すべて動物には、適正な分布密度というものがあるのでしょう。それでこの映画の冒頭。雪原をゆく隊列。6つの人影と赤いボート。彼らのほかには何も無い。これだけで、か弱き人間の姿が愛しく見えてくる。彼らとて、同じはず。他に何もないからこそ、本来はお互いを愛しく思うはずなのだ。そこに異変が起こり、状況はしだいに「イベントホライゾン」と化す。しかしここでは、化け物が直接的な危害をおよぼすことはなく、すべて「何か」を見たり聞いたりした人間の成せる行動によって破滅が進んでいく。古い日誌が見つかったとて、小屋に死体があったとて、それらが直接襲ってきたわけではない。すると、「すべては妄想幻覚」という見方もできることになる。一方で日誌が見つかる以前の平和な状況下でも「異物」の描写場面が挿入されており、「南極には何か(魔物)がいる」という見方を完全に消せるわけでもない。観客に委ねている部分も多いといえる。 隊長の最後の謎の言葉、「お前が俺を止めるべきだったんだ」とは何を意味しているのか。隊長以外の5人のうち、それぞれの役目を考えると、副隊長は補佐、救助のプロ、食料担当、町役場勤務はビデオと機械担当、下っ端のミンジェには定かな役割が設定されていない。つまりミンジェに振られた役割は「息子」の代わりということであろう(隊長にとって)。自分のヘタレさに負けて自殺した(と隊長は思っている)息子を許せず、息子を鍛える代わりに隊員たちに異常なまでのマッチョを求める隊長。その隊長を止めることができるのは、「死んだ息子」の代わりであるミンジェしか居なかった。 ラスト到達不能地点(なのか本当に?)での日没シーンの恐怖といったら、ここの場面を撮るために作った映画といってもよい。圧倒的な「無」、あるのは雪だけで、生き物は自分一人。しかももうすぐ真っ暗になって当分(自分が生きている間中)日は昇らない。なんという「無」の恐怖。「孤独」を「恐怖」と感じさせる描き方は秀逸であった。 「遊星からの物体X」のラストはまだしも「2人」であったので、ここまでの恐怖感は描かれていなかった。ホラー要素は不要という見方もあろうが、「謎」を盛り込んだ内容は私的には好感がもてる。日本人による音楽も秀逸。それにしても韓国映画は資金力があるなあ。
[DVD(字幕)] 8点(2006-03-04 13:13:12)(良:3票)
188.  愛は危険な香り
これ好きだったんです。もはや埋もれた作品となり果てていることが悲しい。なんでかなあ。カントクが有名じゃないからかな。ともあれ、これはシワひとつないプリプリイケイケ時代のダイアンレインを最も魅力的に撮った映画といえましょう。ショウウィンドーのデコレーターであるダイアンが、自分から精力的に仕事を売り込むうえに、毎回毎回、セクシーでビューティフルなデコレーションを作ってしまう。→ヒロインは「都会に住む自覚的な現代女性」であるところがよいですね。ま、このままいくと、堂々の負け犬へ進みそうだが。そしてまた、体力仕事であるにもかかわらず、ハミ乳すれすれなセクシー衣装で仕事に励んだりする。そんなカッコしているからバスの中で痴漢にあうんだよー。衣装もヘアスタイルもとっかえひっかえ、ダイアンの都会的な魅力をこれでもかと見せまくります。それでまた、住んでる部屋がカッコいいことといったら。とんでもなく広いワンルーム。そんでワードローブがダーッと並べてあってその中に何気にバスタブもあるし!この部屋にあこがれましたよ。日本人のOLで、こういうところに住むには年収どのくらいあればいいワケ。このころ自分は20㎡くらいのところに住んでたし。誰がなんと言おうとやっぱり日本は貧乏だ、と思った瞬間です。女性の一人暮しの描き方も、リアルでした。ほら、セキュリティに外敵の危険を感じた時って、なぜか急にふだんは放ってある掃除とか家事に精を出したりするじゃない?経験あるしよくわかる。これって女の本能なのか、洋の東西を問わなかったのね。これまた、ちまちまと掃除機なんてかけないで、コンクリの床にザーッと水を流してモップでごしごし。カッコいいね。たぶん、男の子も映画の中の主人公の生活スタイルに自分の理想を見つけると思うけど、私の場合はこれなんか強烈でしたね。そんであの猿顔のボーイフレンド。それはないでしょうよ。これだけおしゃれな人生なのにい。しかもブリーフをはくな、白いブリーフをー!(確か白だったと記憶している)あの猿顔としょぼいストーリーは無視して、おしゃれでアートな雰囲気を楽しむ映画です。女性の方必見です。ダイアン・レインは女性に支持されるという稀有な魅力をもつ女優さんです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-03-02 21:18:27)
189.  クローン・オブ・エイダ 《ネタバレ》 
この監督さんのことは全く知らないし、1回目視聴後はエイダがティルダ・スウィントンだということすら気付かなかった。これはもしかして、何回見ても、エイダとの交信が可能になった仕組みはわからないようになっているのでは?ラストで子供にエイダの記憶が移植されていることが判明するが、その理由も。私の貧しい想像では、どうにかしてエイダのDNAを手に入れて、その並列を打ちこんだあげく、自分のDNA情報をなんらかの形で組み合わせたのか?もうそれは他のレビュワーさんにおまかせしたい。 ともかく死んだ人間の情報を集めて「育てゲー」をやってるようなものと思おう。このエイダが次から次へとものすごい哲学的な深いことを言うんだわ。とくに終盤。いちいちポーズにして「今の言葉の意味は…」とかみしめてから、次のセリフに行かないとついていけないくらいだわ。これはたぶんかなりフェミニズムな映画で、エイダを「全く新しい女性像」として描いている。男や子供になんら価値を感じず「他のもの(研究)」に取り付かれている女性。エイダが「名を残す」ことをしきりと希望するのは、逆に「女が名を残せない透明人間のような存在」であったことを言っている。つまりはエイダの生きた時代、女とは子孫製造マシーンであり、歩く「内助の功」であった。エイダは「透明人間」でなく「人間」として成功したかった。男と同じ肉体的時間的条件で研究がしたかった。才能ある女性なら当然思うことだ。でもできなかった。けれどラストで「自分の人生には不満足だけど死んでいく」ことを選ぶ。 「死があるからこそ生きることはすばらしい」この言葉、よくよく考えても分からないほど深い。エイダがもしもこの作品の通りの女性だったとしたなら、生まれるのが100年以上早すぎたということだ。いつの時代も、早く生まれすぎた人間は一生苦しんで生きる。その人生は本人にとっては「悲劇」そのものだが、他人からは「天才」または「変人」と呼ばれる。 ティルダのビクトリア朝的な美しさ、入魂の演技は文句無しだが、主役の女優さんのカギ鼻にどうしてもなじめなかったので彼女に感情移入できなかった。ショートカットにしてからなおさらコワい。魔女顔だと思う。
[DVD(字幕)] 8点(2006-03-02 21:14:52)
190.  スーパーサイズ・ミー
これは傑作。新種のマイケル・ムーアと思いきや、モーガンというやつは、なかなかいい男なんだ。ルックスもGOODだし、個人的にこの人の英語の発音がとても好きだ。どういう経歴の人か知らないが。こんな内容で、最初から最後までほとんど一人出ずっぱりで抵抗なく見られるのは、モーガンがいい男だから(ムーアならムリ)。 それでまあ、以下の2点のことを感じた。「アメリカ人は何を食べたら体にいいか自分で分からないほどバカなのか」栄養成分表を見ないと、体にいいか悪いかわからないというのは、動物としての本能が退化しておる。犬だって猫だって、「草が必要」と体が要求すれば勝手に食べてる。なおかつ、1日に平均1.6キロしか歩かないとか、「カロリー」の意味を知らないとか、学校のランチの配給とか、恐るべき実態である。古来から日本人にとって、自分の体は自然の一部であった。西洋人にとっては、「神様から借りている乗り物」であるらしいが、前々から自分の体を「モノ扱い」する人々よのう、とは思っていたが。この違いは「畏れ」の有無と思う。 2点目、「ホモサピエンスは放っておけば炭水化物と脂肪ばっかり摂りたがる生き物なのか」2年くらい前、「ナショナルジオグラフィック」で「太りゆく人類」というものすごい題名の特集があった。それによると、人類は過剰なカロリーを摂取するようになったが、その増えた分はほとんど炭水化物と脂肪であるという。まさにこの作品のテーマとかぶっている。タイムリーなテーマとはいえ、マクドナルドを攻撃するという、こんな作品がよく作れたものだ。まさか「新種の広告」ではないだろう。ヘラヘラ笑っているモーガンの態度もいいし、「ロックンロールマクドナルド」などの挿入曲も爆笑。「スーパーサイズ ミー」というネーミングも皮肉で絶妙だ。オリジナルとおぼしきイラストが怖い。彼女がベジタリアンでよかったね。ちなみに私自身はマクドナルドはおいしいと思わない。スナック菓子と糖分の入った飲料はいっさい摂らない。なぜなら体が嫌がっているから。
[DVD(字幕)] 8点(2006-02-26 12:31:22)(良:1票)
191.  ソルジャー(1998)
けっこう好きなんです。もっと評価されてもいいと思うけどなあ。カート・ラッセルでは一番の出来ではないだろうか。このもの悲しさよ。愛を知らない男トッド。その瞳に心打たれます。人間兵器だと恐れられ、人を助けても誤解されてしまうせつない男。セリフが少ないことが、悲しい瞳を際立たせます。せつない男代表の「ターミネーター」のビーン以上にせつない。訓練所のシーンも迫力あり。少年期とか怖すぎる。カート・ラッセルのエラの張りおよび悲しい瞳。これにつきます。記憶に残る悲しい瞳№1.
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-02-19 22:25:48)(良:1票)
192.  ローズマリーの赤ちゃん 《ネタバレ》 
ミアファローは好きじゃない。(特に若い頃の)でもこの映画はよい。えんえんと不安が続くところが雰囲気出てる。悪魔が勝ってしまうラストもよい。「ノイズ」はこれのパクリと思うけど、クリーンすぎた。やっぱこういうのは清潔感を出しちゃだめ。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-02-15 20:57:44)
193.  オーメン~予兆~ 《ネタバレ》 
これはなんとも、不思議な雰囲気の作品なんですよねー。それぞれの出来事が、どういう関係にあるのか、それとも関係ないのか、途中まで全然わからない。タイの若者たちはけっこうリッチだったりするのね。(一部は?)そして女の子は信じられないほど超タカビーだけどあれでもフツーなのか?クレーン車が倒れるとこなんて、ものすごーく無利の有る強引な展開なのか?なんて思っちゃいますが、あらら。なんてこと。そんな破天荒なオチなんだ。これは初オチでしたねー。そういう意味で心に残る作品になってしまった。実は犬がとても好きなので。日本人ならすぐに「鶴の恩返し」と思うでしょうが、これは、「輪廻」なんですから「鶴の恩返し」とは違うんです。こんなとんでもない話を、なんで思いついたのかしら。それにしても、ああ、あのワンちゃんなんてかわいそーなの。けなげすぎ。
[DVD(字幕)] 8点(2006-02-11 01:17:40)
194.  THREE/臨死 《ネタバレ》 
これはタイトルどおり3つの話が入っているけれど、投稿する動機となった最後の話(ピーターチャン香港)に絞って書きます。まず、大したことない話が2つ続いたそのあとに真打ピーターチャン登場。この最後の話のなんという力量の違いよ。インファナルアフェアのサムが出てるし、いい味出してるし。どんでん返しもあるし。あのオチにはみごとやられました。「ええええっ」(←私の叫び声。)「巧」の味がしました。もうあの死体フェチシーンの連続には、「どうするんだこんなもの延々と見せて」のヤバヤバ状態。あの変態夫も、そういうワケ(オチ)で必死だったのねえ。「生き返るのか?生き返らないのか?」と最後まで引っ張ること引っ張ること。ここからは見た人のみ。ところでなぜ失敗したのでしょうねえ。逆の時は成功したのにねえ。「ぴくり」くらいまでしかいかないなんて。うっとうしいくらいの夫の愛の力は、なぜ通じなかったのかしら。それはねえ、女の愛の力と男の愛の力の違いだと(ピーターチャンは言いたいんだと)思うのよ。女の愛は命を生んで育む力を有するけど、男にはそれが足りなかった、ってことじゃないかな。実は鑑賞中は「なんとか生き返ってくれい」と思いながら見てしまいました。このようにきちんと組まれたドラマ性を求めている私なのでした。ピーターチャンおそるべし。
[DVD(字幕)] 8点(2006-02-11 00:59:25)
195.  ザ・デイ・アフター 《ネタバレ》 
高校の時見に行った。朝の礼拝の時、下半身から出血して倒れる女の子にビビった。「何がどうなってどこから血が出るの?」と思った。「明日は結婚式」で超ハイになってたおねーさんが壊れてゆくのが悲しみを誘う。「結婚式の料理のことで頭がいっぱい」だったおかーさんも悲しみを増幅。まさに「その日以後」の市井の人々の様子を描いたところが恐怖を呼ぶ。しかしこんな状態でも朝の礼拝に集まる人々。まさに宗教が生活の一部であり心の支えであり、「社会」を保つシステムとなっている。日本にはこれに当たるものがほとんどないので(穢れとか禊ぎなんてこんな時には役に立たない)どうなることか不安だな。関東大震災の時は混乱のあまり虐殺があったというし。ともかくこの映画は70年代までのノー天気なアメリカ(核兵器の危険性に対して)に一石を投じたといえよう。
[映画館(字幕)] 8点(2006-02-04 22:17:56)
196.  エイリアン/ディレクターズ・カット 《ネタバレ》 
ツタヤでディレクターズカット版を発見したのでしみじみと見てみた。あんまし変わらないけど、繭のシーンは余計なように思った。リマスター効果なのか、映像はものすごくキレイだった。ところが、しみじみ見た結果、「アッシュ」の人造人間としてのリアリティに激しく疑問を抱いてしまったのだった。いったい、どのような組成になっているのか?コーヒーも飲むし、メシも食う?表情もあるし。そんで明らかに「感情が芽生え」てるし。「君らが生き延びられないことを残念に思う」なんつって皮肉をいうほどまでに。アッシュの前半のふるまいについてはちょっとずるいんじゃないかと思った。改めていうまでもないが、「新しい女性像」を提供したことについてはこの映画の貢献度は高い。何に対するといったら、「女の子が震えるほど怖い対象と出会った時の対処法」の。それは通常は「地球外生物」でも「アンドロイド」でもなく、「人間の男」だったり「人間の女」だったり「何かのノルマ」だったり「災害」だったりするわけだ。「エイリアン後」も、多くの映画作品では「庇護の対象である女」「応援する女」「耐える女」が描かれつづけていることは事実であり、「需要」があるのだろうが、振り返れば「ここにリプリーあり」を示してすっくと立ちつづけるこの作品。少女期に「リプリー」を見た女の子達のその後の人生は、多かれ少なかれ影響を受けている。がしかし、やはりSF作品としては、「遊星からの物体X」に劣る。
[DVD(字幕)] 8点(2006-02-04 16:33:12)
197.  ダーク・スター 《ネタバレ》 
プロダクツだけなら0点かもしれないけど、シナリオがよいので飽きずに見られる。クルーたちのボケぶりったら。超くっだらないことでモメているし、すごくおかしいの。圧巻はあの、閉じ込められて向こうへ岸へ戻れなくなった例のシーン(説明しづらい)。あんなくっだらないシンプルなシーンであれだけ引っ張れて、しかも飽きさせない。カーペンターの特筆すべき才能はドラマ性(必然性ともいえる)。ラストも皮肉です。「2001年宇宙の旅」」のハルみたいにマジメじゃなくて、しかも「男性」の人工知能くんと、漫才状態突入。誰も思いつかない。もういっかい見てもいいな。いいなあほのぼの感満載で。「お金がない」場合はスネずに「笑い」に持って行くのが正解でありますね。(でも「MUTE」とか「REM」みたいな笑えないのもありか)
[DVD(字幕)] 8点(2006-01-29 20:55:31)
198.  少女たちの遺言 《ネタバレ》 
やっと見つかった。常に題名を忘れるので難儀なことだ。これはなかなか忘れられない韓国映画でしたね。女の子どうしの擬似恋愛がすーぐ「自殺」になっちゃうところが。「あまりにも好きなことをわかって欲しくて死んでみる」って、韓国の女の子ってそんなに激しいの?激しいといったら、先生は女の子をビンタして流血だし、いじめられっ子はすごいことされてるし、日本の女の子どうしみたいな「予定調和」の世界じゃないんだわ。みんな「キツい」よね。主役の女の子がすごくかっこよくて魅力的です。これなら好きになるかもね。それと、「日記」みたいなやつに、ものすごーく熱心なんだわ。昔の日本の交換日記レベルのしょぼいやつとは全然別物で、切り抜きだの写真だの、細かい字でいっぱい書いちゃって、すごいのよ。凝ってるのよ。これって韓国の女子高生の伝統なのか?自殺した女の子がちょいと老けていて、高校生というには無理があるような気もしたが、主役の子に対する危ない愛情はよく描かれていたと思う。「火山高」のりりしい女の子(剣道部主将)といい、韓国ではこのテの宝塚系の女の子はお家芸的伝統なのでしょうか。私はジウ姫みたいなおんなおんなした韓国女性より断然こっちの系統のほうが好きだ。ともかく一見の価値はあり。「カル」みたいなよくわかんないやつよりよっぽど面白いよ。「オールドボーイ」みたく下品じゃないし。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-29 19:59:27)
199.  ブレードランナー/ディレクターズカット<最終版> 《ネタバレ》 
ヨドバシで聞いたらなんと廃盤だと言われたけどほんとですか。仕方なくツタヤで汚いビデオ。 ううむ。確かにむかーし見た劇場版とラストが違うように思うな。原作読んでませんけど、ちょと興味ぶかいと思ったのは、「4年」ていう期間の区切りの意味。「感情が芽生えるころに死ぬように」ですよね。「4年」て意味深だよねー。だって「4年」て「異性間の愛情が持続する期間」て説があるでしょ。「4年」で相手を取り替えていくのが「自然」の理に適っているという。それがほんとかどうかは知らないが、どうも「4年」ていうのは人間の感情生活において「ひとつのターム」なのではないでしょうか。そんでレプリに感情が芽生えるまで4年。意味深だ。あと、ロイがデッカードを助けた理由は、「他人と会話することでまだ生きて(stay)いることを確かめていたい」と、「せめて誰かに看取られて死にたい」だと思います。しかしまあ、久ーしぶりに見たけど説明が無さすぎて本当に疲れた。《追記》日本とキリスト教圏イスラム教圏の観客では人造人間に対する受け入れ方は全く違うものであると思われる。「人間と変わらぬ外見をもち、感情もある」なら仲間として受け入れるかといったら、それは「創造主」を信じる人にとっては「絶対に」受け入れることはできないはずだ。なぜなら彼ら「人造人間」は「神のつくりたもうた生命」ではないから「祝福」されていないのだから、自分たち人間とは「絶対に」同じではないし、まして「仲間」ではない。だから「物扱い」できる。創造主のいる世界では、神に祝福された者(母親から産まれた者)だけが「人間」であって、どんなに相似形であっても根本的に違う。ロイがAA級のネクサスであってもそれは同じ。仏教圏や儒教圏の作品ではないのでそういった前提で観る必要がある。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-29 01:00:43)
200.  異人たちとの夏 《ネタバレ》 
すきやきの皆様が多いようで。私は「きゅうりでもかじる?」が。それって、もてなしなんだー。そんなの言われたことないし。これはよくできたファンタジーです。「フィールドオブドリームス」のように、亡霊の力で現実世界に何か働きかける、ということもなく、ただ現れて、会話して、去って行く。というところが日本の幽霊は始末がよいですね。30年代風の雰囲気もよいです。こんな風に、ふらっと現れてくれないかなあ、飼い犬と、先輩Yさん。会いたくてたまらない。
[ビデオ(吹替)] 8点(2006-01-22 20:44:25)
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