241. 嫌われ松子の一生
《ネタバレ》 「逆ビッグフィッシュ」のような映画。主人公の物語は本当にあったことであり、彼女が現実ではない夢を見るのはラストのみです。どんなに不器用ながらにも生きて、現実をきらびやかに描いても、実際に松子が望んでいたのはこのラストシーンのことだけだったと考えると涙が止まりません。 現実とはかくもつらいものだけど、彼女はその現実をずっと見つめていました。だからでこそ、やっとラストの台詞が言えた松子に「おめでとう」と言いたくなるのです。 [DVD(字幕)] 10点(2010-07-16 20:05:16)(良:1票) |
242. ビッグ・フィッシュ
《ネタバレ》 ティムバートン監督はファンタジー映画の名手であり、変人を愛する監督です。その彼がこの題材を選んだのは必然と言えるかも。 映画にでてくる父親はホラばかり吹いている変人で息子とは不仲。息子は徐々に父親を理解しようとする・・なんて、監督の理想の父親像そのまんまのような気がしてならないのです。 そんな監督だからでこそ、本当の恋に出会って時間が止まるシーン、水仙の花に囲まれて告白をするシーンを魅力的に描けるのでしょう。 息子が父にホラ話を語るシーンは涙なしには観れません。親と子の信頼と和解を描き、「人を幸せにするウソがある」と教えてくれたこの映画が大好きです。 [映画館(字幕)] 10点(2010-07-16 20:00:09)(良:2票) |
243. ショーシャンクの空に
《ネタバレ》 一番好きな映画。アラを探そうとすれば、年月を感じさせる描写が少ないだとか、レッドがハーモニカを吹くシーンが欲しかったなどいろいろあるのですが、全体をみれば言うのは野暮なこと。ゆるぎない完成度の高さを誇っています。囚人たちのエピソードの面白さ、名シーンの数々、これ以外は考えられない素晴らしいキャストを思えば満点以外に考えられません。 印象に残っているのは主人公が「ついていないな、不幸がこんなにも恐ろしいとは」とレッドにつぶやくシーン。自分は不幸だと感じる人は世の中にごまんといて、その全ての人が共感できる台詞です。だからでこそ、希望を捨てなかった彼の行動に勇気づけられるのです。 「午前十時の映画祭」で、ラストの青い海をスクリーンで観れて幸せでした。最高! [映画館(字幕)] 10点(2010-07-16 19:58:21) |
244. ダンサー・イン・ザ・ダーク
《ネタバレ》 賛否両論の代名詞のような映画ですが、自分は猛烈に「賛」です。救いようのない悲劇的な内容ですが、主人公は息子のために行動できたのだから、その意味では幸せだと思います。少なくとも自分は愚かな主人公だとと言って簡単に否定できません。音楽が素晴らしく、列車のミュージカルシーンは何度も見てしまう。映像も線路と青空の対比が美しく仕上がっています。 でもラストシーンは好きではない。テルマの幸せな夢を、最後にも見せて欲しかったと思うのです。 [DVD(字幕)] 9点(2010-07-16 19:52:10) |
245. アタック・オブ・ザ・キラートマト
《ネタバレ》 バカ映画を期待するとつまらなさに悶絶するであろう作品。「トマトが人間を襲う?」というバカさで突っ走ればいいのに、秘書の恋路の物語とミュージカルが邪魔すぎて目も当てられません。さらに困るのが中毒性抜群の主題歌(軍歌?)これを観た直後何度人前で「あた~っくおぶざきらーとめぃとぅ」と口ずさみそうになったことか!観ない方がいいと思う。 [DVD(字幕)] 1点(2010-07-14 18:28:37) |
246. スーパーマリオ/魔界帝国の女神
《ネタバレ》 これものすごく面白いと思うのですが。 独特のグロめの世界観、お金をたっぷりかけたアクション、故・デニスホッパーの悪役ぶり、可愛らしさのかけらもないヨッシー、映画でも2番手役なルイージ、マリオの本名がマリオ・マリオ、マリオ役のボブ・ホプキンスも実に楽しそうに演じているなど、見所たっぷりです。まあ「マリオ」としてみると子どもにはトラウマになりそうな描写もたっぷりだしそりゃ興業的にコケるわなとも思いますが、「ネタで借りてみたらあんがい面白くてびっくり」くらいの満足感はあります。 どうもこれDVD化されていないんですね。黒歴史だと切り捨てずに再販したらそこそこ受けると思います。 [ビデオ(吹替)] 8点(2010-07-14 18:22:51) |
247. ブレインデッド
《ネタバレ》 最高に好きなB級バカ映画。ゾンビものの映画なんですがとにかくあらゆる意味で狂っている。血糊の量がゴージャスだったり、ゾンビが子づくりにはげんでいたり、神父が異常に強かったり。ロード・オブ・ザ・リングを撮った監督とは思えないですが、是非またこういう映画を撮ってほしい。サム・ライミだってスパイダーマンで大ヒットをとばした後「スペル」というくだらない(ほめ言葉)ホラーを撮ったので、それに続いてくれると信じてます。あとこのDVDはamazon他でえらい値段が付いてるのでさっさと再販して欲しいです。10点! [DVD(字幕)] 10点(2010-07-14 18:18:37) |
248. マイマイ新子と千年の魔法
《ネタバレ》 結論から言えば近年のアニメ映画の中でも傑作だと。大人こそ観るべきアニメでしょう。 でも意外に賛否両論ある作品で、理由はファンタジーの要素が少なく冒険ものとしてあまりわくわく出来ないこと、終盤の展開が現実的でシビアな点があると思います。 でも自分はこの作品が大好き。昔の子どもたちの遊びや生活を観ているだけでも楽しい。 古代の人たちのエピソードも、夢か、それとも新子の力によるものなのかはわからずじまいなのですが、この映画は「どっちでもよい」というスタンスをとっています。子どもたちの世界は、子どもにとって「ほんとう」であればよい、というふうに受け止めました。 ハッキリとした描写の映画が多い中、こういった作風は個人的にものすごく好きです。 [映画館(邦画)] 9点(2010-07-13 18:33:55)(良:1票) |
249. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
《ネタバレ》 かつて日本には高度経済成長という輝かしい時代があり、日本中が明日に希望を持って暮らしていて、そのころを過ごし、いまでは疲れた大人になった人たち。この映画はそんな人たちの涙腺を攻撃しまくっています。特に夕日町商店街の描写は素晴らしく、その時代を知らない人でも住みたいと思わせる描写です。その後も昔懐かしいネタで大人たちを懐かしがらせておいて、「過去を振り返るだけでは意味はない、昔がどれだけ素晴らしくても、未来を生きなければならい」というメッセージを送る。この上なく残酷です。実際この映画を観た当時中学生の自分は「昔に生まれればよかった」とうじうじ悩んでいたこともあるくらい。 そのメッセージよりを抜きにしても、感動したのが父親ひろしの存在。彼の回想シーンは全お父さんが涙する名シーンであり、終盤で「俺の人生はつまらなくなんかない!家族がいる幸せをあんたにも分けてやりたいぜ」という名言も生みました。そして何より彼は昔の輝かしい時代よりも家族を選んだ。日本中の父親の理想像、気持ちをひろしが代弁してくれたのです。 今の若い世代にはつらい映画かも知れないけど、未来へ生きる希望を描いたラストは是非観てほしい。満点! [映画館(邦画)] 10点(2010-07-13 18:18:50)(良:1票) |
250. プレデターズ(2010)
《ネタバレ》 つまらなくはないけど、満足とは言い難い微妙な出来。 いきなり舞台に降りる展開はどきどきするし、登場人物も個性的なのですが、どうも展開が煮え切らない。 つっこみどころは、少しは食料の心配をしろだとか、みんななんで仲良く崖下に転がり落ちるのとかいろいろあるのだけど、中でも気になったのがヤクザの日本人が刀でプレデターと対決するところ。「画」として草原で刀で対決するシーンをつくりたかったのはわかるのだけど、いきなりプレデターが理由もなしに銃を使わなくなるのは違和感ありまくり。狭い通路でお互い銃が使えねえ!→俺が刀で接近戦に持ち込むぜ!とかのほうが熱かったんじゃないだろうか。せめて銃を撃ち落としてでもしてから対決してほしかった・・。 主人公も魅力薄。登場人物をひっぱるだけのカリスマ性を感じられなかった。役者のせいだけではなく、脚本の問題でもあると思う。 それでも監視カメラ(?)がプレデターの腕に戻り、たくさんのプレデターをいっぺんに見せるシークエンスは絶望感たっぷりで大好き。もう一歩あれば傑作にも成り得たのになあ・・ ps・ヤクザの日本人がパッと見、松本人志に見えたのは自分だけでいい。 [映画館(字幕)] 5点(2010-07-11 19:46:10) |
251. ギャラクシー・クエスト
《ネタバレ》 最も好きな映画の一つ。最初から最後まで無駄のない展開、愛すべき登場人物たち、ニヤニヤできる伏線など全てに自信を持って「大好き!」といえる要素が詰まっています。 中でも一番好きなのは番組オタクの少年が活躍する場面。オタクというものは大体趣味でやっていて、まわりには理解されなかったりするもの。好きなものに対して「やっぱり本当だったんだ!」と活躍できるこのシーンは一億人以上のオタクが歓喜するはずです。 [DVD(字幕)] 10点(2010-07-11 17:50:15)(良:2票) |
252. 死霊の盆踊り
是非レンタルビデオ屋に行ったら、ジャケットの裏を読んでほしい。この解説を書いた方もさらさらこの映画をほめる気はなかったらしく、デカデカと見出しに(うろおぼえですが)「史上最低の映画!」と書かれ、文章は内容をコケにしまくり、でも〆は「愛すべき最低映画なのだ」として若干の救いも用意する。この解説はものすごい映画愛に満ちていたので大好きです。映画自体は観なくていいです。 [DVD(字幕)] 0点(2010-07-11 17:47:23)(笑:8票) |