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おはようジングルさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 783
性別 男性

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21.  ジャッキー・ブラウン
バイオレンスシーンが無かっただけで『平凡な作品』だと決めつけてしまうのは凄い感性ですね。これを見て長尺過ぎるとか言っている人はさぞかし「ロード・オブ・ザ・リング」では苦戦したでしょう。 この作品は、一昔前の「フォクシーブラウン」「コフィー」「ホワイトママ・ブラックママ」といったパム・グリアの往年の作品のオマージュです。 「ラム・パンチ」という原作があるのですが、タランティーノ流に脚本を大きくアレンジしているようですね。最近のハリウッド映画は『原作に忠実すぎる台本』の作品が蔓延しています。そんな台本は面白味が無いし、脚本家としての妙味に欠けます。そのような作品に比べてこの作品の脚本は、基本線を崩さない程度に大胆かつ巧妙に工夫が成されている。大胆と言えば、主なところでは原作の主人公を白人から黒人に変更しています。原作者が怒ってしまいそうなことですが・・・(原作者は納得しているようです)。おそらくタラは大好きなパム・グリアをどうしても使いたかったのでしょうね。年齢的なものやキャラクター的なことを考えると大正解と思いますよ。演技もとやかく言うほど悪くはない。 明らかに狙ってB級の味を出そうとしているのですが、センスの良い選曲や工夫されたカメラワーク、緊張感漂う演出により、B級には無いA級の臭いが上手く溶け合っている。 タランティーノの作品は好き嫌いがハッキリと別れます。人間の裏側(汚くて怖い部分・不条理な部分)を見せつけられて「グロテスク!」「暴力的!」などと逆ギレして見てしまうような人には向きません。悲しいかなそういう面も持ち合わせてしまっているのが人間なのです。 
9点(2004-09-13 17:12:40)(良:2票)
22.  キル・ビル Vol.1(日本版)
ストーリーは単純極まりないB級感たっぷりの『復讐もの』です。それもそのはずで、70年代に流行った香港のショウブラザーズ映画や、日本映画の「修羅雪姫」、マカロニウエスタンの「女ガンマン」等の、タランティーノが個人的に好きな作品を集大成した作品だからだ。 復讐ものでのアホ映画ではセガールの「沈黙シリーズ」、アクションでのアホ映画ではバンダムの作品が有名だが、それらの作品との違いは「映像センス」と「徹底した遊びっぷり」、更には「音楽センス」ではないだろうか。 映像に関しては、色んな映画の名場面をパクッているので非常に格好いい。嫌、むしろ格好良くて当たり前である。そして、その場面に適した曲を当て込む。曲も過去の作品からパクッているのだが、時には自分の好きな曲をシーンに合わせて入れることもあるようだ。 そして何と言っても凄いのが「遊びっぷり」です。ユマやルーシーに片言の日本語で喋らせるが、これが非常に面白くて笑わずにはいられない。ヤクザの会合のシーンでは、ルーシーの英語演説をファタールがご丁寧に通訳しています。これは明らかに日本の記者会見での通訳をパロッて笑い飛ばそうとしています。飛行機にしても作り物バレバレで(しかも機内には刀差しが!)、これに対して本気で突っ込んでいる人はタランティーノの悪ふざけにまんまとハマッています。 あと、血しぶきが飛んだり、腕が飛んだり、首が飛んだりとグロテスクなシーンが指摘されていますが、多少映画を知っている人ならタランティーノの作風が昔からそうであることは常識ではないのでしょうか??
9点(2004-08-24 17:38:04)(良:3票)
23.  ペーパー・ムーン
詐欺を働きながら食い扶持を稼ぐのには感心できないが、聖書の押し売り(亡き夫からのプレゼント)の場合は、騙された方も“幸せな気持ち”になれるので多少譲歩しよう。アディが加わることにより、お金持ちからしか金額を要求しないのも良い。が、だからと言ってお金持ちから巻き上げるのもどうかとは思うが・・・。少し偽善チックな設定であるものの、そんな“人間くさい”ところが良いのでしょうね。 好きな場面は、車での親子喧嘩のシーン。口論の様相が非常にリアルに面白く表現されている。DVDの特典でも語られているが、あのカット割り無しの長まわしは凄いですね。納得がいくまで時間をかけて何度も取り直したようです。確かにテイタム・オニールの才能も認めますが、監督の作品にかける情熱も素晴らしい。テイタム・オニールのアカデミー賞受賞(助演女優賞)は、監督の力量無しには有り得なかっただろう。 気の利いた台詞も沢山あり、アディが新聞の“景気が回復傾向”という記事を読んで「私も安心したわ」には思わず笑ってしまいました。あと、冒頭の曲の歌の「紙の月でも本物になる」という詩が、上手くラストシーンに絡んできて何とも言えない感動が沸いてきます。 名作と呼ぶに相応しい要素を全て兼ね備えた作品であると言えます。 
9点(2004-05-14 17:15:41)(良:2票)
24.  我が家の楽園
こんなに楽しいコメディー初めてです。 思わず笑ってしまう場面がいくつも有りましたが、一番良かったのはトニーの両親を初めて家に招く場面です。姉は下手なバレイを始めるし、母親は母親でおかしな衣装でポーズをとった砲丸投げのおっさんをモデルに絵を描いているし、黒人のメイド夫婦は奇妙なダンスを踊っているし、比較的まともなお祖父ちゃんもダーツを投げて遊んでるし、婚約者のアリスまでも階段の手すりから滑り降りてくるんですから・・・、最高に楽しい場面ですね! ちなみにお祖父さんが最初のほうで「孫が手すりから滑り降りるのをマネして足を怪我した」と言っていましたが、まさかアリスのマネだったとは(笑)、もう最高ですね。 メッセージにも惹かれますよ。“現代人は怯えながら暮らしている”“やりたいことをやる幸せ”という言葉はすごく共感できるし、本当に大切なことだと思います。カビー(トニーの父親)もハーモニカを通じて“人間らしい生き方”に気が付きます。最後に2人でハーモニカを吹く場面では泣いてしまったではないですか! 侮る無かれ、この作品は完全にツボにはまってしまいました。 
[映画館(字幕)] 9点(2004-02-15 16:27:16)(良:1票)
25.  素晴らしき哉、人生!(1946) 《ネタバレ》 
天使が降りてきて窮地に陥った主人公の手助けをする。本来ならば「幼稚で在り来たりな設定!」というような烙印を押してしまう自分だが・・・。この作品に関してはそんな考えはとんでもない間違いだ。 「幸せな人生を送る」ということはどういう事を指すのか?、誰でも一度は真剣に考えることが有るだろう。「お金持ち?」「有名人になる?」「好き放題やりたい事をやる?」。この映画は一つの理想を語っている。もちろん、この作品に出てくる主人公のような人にはなれそうもないが、出来るだけ思いやりを持って人と接しようと思わせてくれ、反省させてくれる。見返りを望まない優しさというものは本当に難しいものです。 一人の人間の一生が、いろんな人の人生にかかわっているなんて、すごく自分に対する人生の教訓になる作品でした。 素晴らしき哉、この名作に10点を投票させてください。
[映画館(字幕)] 9点(2003-12-20 17:42:57)(良:1票)
26.  我が道を往く
初日から破天荒ないでたちで登場したオマリー神父に驚いたフィッツギボン神父は、最初から彼に対する印象を悪くする。考え方の相違による行き違いでぎくしゃくした雰囲気が続きましたが、「論法は違うが思いは同じ」の台詞にあるとおり目指すところは同じなのでした。 幸せの伝道師であるオマリー神父の「我が道を往く」という人生観。その魅力に人々は引きつけられ感化されていく。 この作品の設定は、まさに王道といえるシナリオで、この後たくさんの似た作品を生み続けているが、ここまで「優しさと微笑み」を歌と映像に込めることの出来た映画は有りません。 「天使にラブソングを…」のような子供っぽいコメディーも楽しくて良いけれど、この作品のような「本物」の正統派作品を多くの人にも見て欲しい。 ラストも本当に嬉しくなるような演出です。感謝の1本。
9点(2003-12-20 14:47:50)(良:3票)
27.  十二人の怒れる男(1957) 《ネタバレ》 
最初は一人の反対意見。しかし、その男の括弧たる信念の訴えかけにより「単に人の意見に流される者」は簡単に無罪という意見に傾く。また、「証拠や目撃談を信じる者」も実験や分析などから生まれた矛盾点を指摘されると意見は無罪へと変わっていく。ただ、最後まで意見を変えなかったのは「偏見を持つ者」であった。偏見による差別的な感情が、実は一番根深い問題なのだということを教えられた。 
9点(2003-12-18 17:03:09)
28.  サウンド・オブ・ミュージック
この映画が公開された時代はミュージカル映画が全盛だった頃です。数々のミュージカル作品が作られましたが、その中でも個人的な評価はNO1。 家族のつながりを優しく表現した作品ですが、終盤ではオーストリアという国も一つの家族ととらえて見ました。「エーデルワイス」の曲を国民が歌うシーンで絆はひとつになります。 こういう作品を先に作られると現代の映画関係者は困りますね。
[映画館(字幕)] 9点(2003-12-09 17:43:13)
29.  アマデウス ディレクターズカット
設定・脚本・映像・配役・演技・音楽、全てにおいてトップレベル。抜け目のない脚本は、見る側に長いシナリオを退屈させることなく配慮して見せている。豪華な演奏の演出は群を抜く迫力。独創的なモーツアルトの描写は斬新。演技もそれにピッタリ付いてくる。天才と凡人、それぞれの心の葛藤が根深く描かれている点が興味深い。 ディレクターズカットの方がストーリーの流れがが良く分かる。 もちろん蛇足的な付け加えは一切ない。
[映画館(字幕)] 9点(2003-11-18 15:31:55)
30.  シャイニング(1980)
原作は、「ホテルの怨念で徐々に狂いだす」っていう設定なのに、ジャック・ニコルソンは最初からイッている。これには原作者のキング自身も怒り心頭だったようである。キューブリックが、内面からの怖さよりもビジュアル的な怖さにこだわったのは、映像作家としての本能であり、その辺が物書きとの意見の相違に繋がったのだろう。 しかしながら、この作品、原作とは大きく意味合いが異なるようであるものの、本質というか素材自体は上手く拝借出来ており、非常に味わい深い仕上がりで有ることは確かである。原作に忠実では無くとも、自分のカラーを出すことには決して失敗していない。原作ファンにしてみれば忠実なのが一番良いのだけれど、こういった味付けされているものも事と次第に寄れば美味しく見れるのだ。つまりは面白く脚色してくれればそれで良いのである。簡単に言うがとてつもなく難しい事だと思う。
[映画館(字幕)] 9点(2003-11-18 15:22:07)
31.  羊たちの沈黙
さすがに、アカデミー主要5部門受賞作品。 原作の3作品で映画化されたものの中で一番の出来。 比較的忠実すぎる脚本だが、原作ファンとしては嬉しいかぎり。 小説を読んでいる時って自分の頭の中で勝手に人物の顔や風景などを想像しますが、この映画は自分の思い描いていた感じと映画でのキャストや雰囲気がピッタリでした。 プロファイリングでの捜査と、レクターによる犯罪心理学からの検知が融合することにより犯人を追いつめていく。緊迫した状況の描写が重厚感の有る演出で映像化されている。この作品は犯人を捕まえるということよりもスターリング捜査官の心の闇や葛藤をコンセプトとして重要視しているので、ありきたりのサスペンスとは全く違う味が有ります。
9点(2003-11-17 16:22:38)
32.  スタンド・バイ・ミー
見た後で1ヶ月ほど余韻が強く残りました。この作品は、子供の頃に一人でゲームばかりして遊んでた人が見ても何も感じないだろう。使われている音楽も時代を感じさせてくれて効果的。キングの原作では音楽を使って時代描写をすることが多いが、監督はそれを上手く演出していると思う。「ショーシャンク~」同様で原作に忠実でうまく脚本されているし、リバーを筆頭に役者の演技もなかなか見どころがある。 
[映画館(字幕)] 9点(2003-11-17 16:10:35)
33.  AVP2 エイリアンズVS. プレデター 《ネタバレ》 
もともと、エイリアン&プレデターはこういう映画なんですよ。グチョグチョ、グログロで真っ暗画面。まぁ、今回は度が過ぎて暗い感じもありますが、こんなもんですよ、本来は。キャラが明るくて見え見えだと、ホント幼稚臭いんだよね。 皆さん、もしかして前作のポールちゃんのバージョンがお好きなのでしょうか? 明るくて、説明がくどくて、プレデターがヒーローで、アメコミちっくで、プロレスバトルが好みなのかな? 少なくともポールちゃんのよりは全然こっちの方が優秀ですよ。 まず気に入ったのは、プレデターが正義の味方で無いところ。残忍で容赦なく描かれているところが◎。これで正解。顔もポール版のように乙女ちっくでなくて良かった。 あと、エイリアンの血液の破壊力が、リドリー版エイリアンのものと同等に描かれている(宇宙船の床を3層ほど溶かす)。 さらに、今回はプレデターがキャノン打ちまくり。エイリアン殺されまくり。&人間殺されまくり。完全にホラーに転化されました。とてもナイス。 ただ、突っ込みどころは満載ですよ。プレデリアン成長早すぎとか、前作のプレデター達弱すぎとか、プレデリアンのキャノンピストルがダサイとか、バタリアンやバイオハザードみたいなお馴染みの核爆オチとかね・・・。  本来、エイリアン&プレデターは悪趣味専用のものですので、ポールちゃんの作品に影響を受けて勘違いしないようにして頂きたく思います。
[DVD(字幕)] 8点(2008-05-06 17:16:42)
34.  スーパーマン リターンズ 《ネタバレ》 
子供の頃に初めて行った映画館で見たのが『スーパーマン2-冒険編』でした。とてつもなく面白かったですよ。鳥山明(ドラゴンボール、アラレちゃん)がまともに影響を受けているのがコレ(『スーパーマン2-冒険編』)だと思います。例えば、かの有名なスッパマンや、超人的な強さを持ったロボット(アラレ)異星人(悟空・ベジータ)などなど。 今回は正に、この『スーパーマン2-冒険編』後の5年後が描かれているのですが、個人的には「リメイクの方が良かったかも・・・」なんて思っています。何故なら、やはり旧作と今作ではVFXの技術が違いすぎますから。ただ、作品の出来としては手堅くまとまっており、流石に『X-MEN』のB.シンガーだなと思わせます。 少しCGに違和感が有るシーンも見受けられますが、迫力+スピード感も十分に味わえるように出来上がってますよ。 特に僕らの世代は、飛行機が降りてきて観客に拍手で迎えられるシーンで完全に燃えるんですよね~。レビューワーの方には「涙が出た」との意見も!。感涙されるのも無理ない話でございます。
[DVD(字幕)] 8点(2008-01-01 12:59:21)
35.  コンスタンティン
キャスティングは視覚効果にお金を使いすぎたのかネームバリューが有る俳優はキアヌーとレイチェル・ワイズぐらいなものです。ただ、帰ってそこが良かったね。最初のシーンのメキシコ系の人(マモンに乗り移られた人)なんて下手すりゃエキストラのようですから! まさかラスト付近まで引っ張ってくるとはね。(映画に免疫が有る人からすると、彼のようなキャストは「どうせ直ぐに殺されて誰かに乗り移られるんだな」と勘ぐってしまう)。これは予想が付きませんでした(ただ、登場シーンは少ないけど・・・)。ガブリエル役にしても、もさほど有名な俳優なので存在さえも忘れていましたが、最後に上から降りてきますからね。驚きましたよ。ルシファーも普通だから逆に面白かったね。『スポーン』みたいに変身しなくて良かったよ。ダサイからね。 武器も細かく設定してあって良かっし(聖なる力や紋章等が施されている)、セットも作り込みが入念だし(コンスタンティンの部屋には魔除けのペットボトルが並んでた)、ハーフブリードの表現も正しいと思う(半分人間なので天使の羽はグレーになってました)。 CG臭さも無いので幼稚臭くないし、映像は比較的スタイリッシュに表現されているので大人でも十分に堪能できます・・・、いや、コレは逆に子供には受けないでしょうね。そういう人は点数が辛くなるでしょう。 
[DVD(字幕)] 8点(2005-09-10 18:39:23)
36.  エイリアン3/完全版
制作費5000万ドル。それに相応しい特殊効果が成されている。エイリアンが前作よりもよりリアルに描かれていて、カット割りやフラッシュを使わなくても済むぐらいの出来栄えである(透明フードの復活も嬉しい)。今回はパペットも使っていますが、CGよりも良いんじゃないですか?クオリティーが非常に高い。監獄惑星の居住区のセットの世界観も素晴らしいし、恐怖描写としての画創りが復活している。 今回の作品は宗教色が強く、人物描写の浅さから「訳が分からない」との批判が集中。シリーズ随一の問題作となった。原因は何人もの人間が脚本を手掛け(中途半端に)、フォックス社の余計な横やりでデビット・フィンチャー独特の個性が殺がれたのが原因である。しかし、今回の完全版では人物像が掘り下げられているので話の流れが非常にスムーズで分かり易くなった。天と地ほどの差があると感じる。公開版はチェストバスターは犬から生まれますが、今回のバージョンでは牛から生まれます。今回のビックチャップ(成体エイリアン)の設定は3mを越す巨漢なので、牛の方が説得力が有ります。 ラストシーンも秀逸で、リプリーの死にゆくシーンは美しく最高です。何故この後続編を作ってしまったのか・・・、その神経が分からない。リプリーを無理矢理復活させた4は最悪の作品です。残念でしょうがない。
[映画館(字幕)] 8点(2005-03-10 11:15:46)(良:1票)
37.  エイリアン/ディレクターズ・カット
制作費850万ドルというのが凄い。当初の予算は420万ドルだったが、リドリースコットのストーリーボードの秀逸さを知ったフォックス社が倍額の予算を出したのです。そのことからもリドリーの作品に取り込むきめ細やかさが伺える。当時は異星人ものなど陳腐だと思われていて、ましてホラーですから予算はおりにくかったのでしょう。しかし、腹を突き破って寄生生物が飛び出すというアイデアを会社がほっておかなかった。同時期の「スターウォーズ」のヒットも後押ししたようだ。 この作品はリドリーの手腕もさることながら、美術(何と言ってもギーガのデザインが全て)が秀逸だから大成功した。そして最大のポイントは奇抜なアイデアを創り上げた脚本だろう。宣伝効果も抜群で、「宇宙ではあなたの悲鳴は誰にも聞こえない」というキャッチフレーズは映画史上最高のコピーである。 今回のディレクターズカット版は、ノストロモ号のクルーが謎の信号を受信する場面・ブレットが襲われた時の血のシャワー・ダラスが繭になるシーン等が追加された。非常に有意義な再編集である。
[映画館(字幕)] 8点(2005-03-10 10:52:58)
38.  ブラック・サンデー
トマス・ハリスという作家は数少ない著作しか発表していないことで有名です(ブラック・サンデー、レッド・ドラゴン、羊たちの沈黙、ハンニバル)。私は個人的にこの作品の原作が大好きでして、彼の作品の中でもNO.1と評しています。勿論、レクター3部作も素晴らしい著書なのですが、イスラエルとパレスチナの対立から生じた、アラブとアメリカの確執をリアルに描いている本作は別格と言っていいほどの出来です。奇しくも、今考えると同時多発テロへの警告とも言えるような内容でして、先見の優を兼ね備えている面でも秀逸といえるでしょう。 残念ながら日本では未公開の映画で(爆発予告があるなどして~)、幻の作品となってしまいました。私はWOWOWで放送されたものをかろうじて見ることが出来ました。 アルファタ派を始めとするアラブ過激派の複雑な内部抗争や、イスラエル政府とアメリカ政府の微妙な駆け引き等、そういう細かい描写は流石に映画では堪能できませんが、「黒い九月」本部の襲撃や、除隊軍人局での一巻き、爆弾の威力などのシーンが上手く映像として再現されていると思うし、頃合い良くオリジナル感を出した脚本には好感が持てる。 
8点(2004-10-03 10:01:12)
39.  ジャンヌ・ダルク(1999)
リュック・ベッソンの映画は個人的には大嫌いなモノが多いのですが、これは素晴らしい作品だと思いました。 幼い頃のジャンヌは信仰心が強く、無垢で素直な女の子だった。しかし、母親や姉が虐殺されることにより、自分の心の中にある神の存在、神の御心をゆがめて解釈してしまうようになってしまう。自分が神の第一の殉教者と思いこんでしまうのである。 彼女の中にあるソレは『復讐心』であり、神の教えを自分の都合に変えてしまい、気が付かぬうちに虐殺を繰り広げる結果となっていくのです。 奇しくも今現在行われているイラク人のジハードは、正にジャンヌの行いとよく似ているのではないか? アラーの御心に任せての聖戦と唄った自爆テロは、神の導きを勝手に自分なりに都合の良いように解釈して虐殺の理由付けにしている。つまり、虐殺を神の責任として押しつけているのです。 しかし、イラク人とジャンヌには決定的な違いがあります。ジャンヌは『懺悔』の心が有りました。ラストでは自分の行いに気付き、神の使い(ダスティン・ホフマン)に自分の行いを懺悔しています。 これに気が付くのと気付かないのでは天と地ほどの差があるのです。
8点(2004-09-26 11:04:41)
40.  恋はデジャ・ブ
最強の掘り出し物と言えばコレ! デジャヴにより、一日を何度も繰り返してしまうというのは本当に面白いアイデアで、ビル・マーレイやアンディー・マクドウェルといった配役も見事にピッタリはまっている。脚本も上手くまとまっていてスッキリと見せてくれる。傲慢で身勝手なフィルが、この事件をきっかけに自分を見つめ直すところなんかも、気の利いたメッセージとして我が身を省みさせてくれる。 コメディーとしてのレベルも高く、派手に自殺しても翌朝にはベットの上。どんどんピアノが上手くなっていくフィルの様子が面白い。ハッピーエンドで終わるので後味も抜群に良いし、まさに番人が好む作品として気持ちよく他人に薦めることが出来ますよ。 私自身も、朝目が覚めて顔を洗って、歯を磨いて、服を着替えて・・・、するとまたベットで目が覚めて・・・、ということを何度も繰り返してしまうことがよく有る。大抵、朝起きるのが特にイヤな時におこる現象であると思っています。皆さんもそんな経験が有るのではないでしょうか? 
8点(2004-04-07 16:41:58)
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