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41.  ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女
子どもが見るには(上映時間が長いけど)楽しめるんじゃないでしょうか。ただ、疎開してるのに戦争に参加したり、子どもが人を殺めていく描写など倫理的にはちょっとキツイ展開が多いです。キャラクターがみんな恐ろしく薄いのですが、そのなかで一際存在感をしめすWHITE WITCH役のティルダ・スウィントンの頑張りに6点を。
[映画館(字幕)] 6点(2006-04-17 22:03:38)
42.  SPIRIT スピリット(2006) 《ネタバレ》 
個々の存在を尊重し、復讐や力では決して物事はうまくすすまない。そして、この映画は武術の極みは己に打ち勝つことだと示す。国際社会、ひいては現在の中国に対してもある意味で警鐘を鳴らす映画だと思います。それでいて説教臭くはない、武術映画としてもよくできています。    ユエン・ウーピンが手がけたアクションシーンは趣向に富んでいて大いに楽しめる。ワイヤーも使っていて“あり得ない”動きもあるものの、それほど気にならずに見ることができます。主人公の霍元甲を演じるリー・リンチェイはこの作品で様々な技を披露しており彼のファンなら大いに楽しめます。体術、刀術、三節棍、槍術などなど武術家としての能力の素晴らしさが印象的。演技も渾身のものでリンチェイの総決算と言っていいかもしれません。    助演では最後の最後までとことん良い人であり続ける霍元甲の幼馴染役の董勇の存在がこの作品を引き締めていますね。カンフー映画お約束の「周囲の家具を破壊しながらの闘い」も彼の自慢の店で行われて、思わずハラハラしてしまいます。一方の原田眞人は相変わらずの大根ぶり。中村獅童はいちばんの儲け役で、武士道精神を持った潔い日本人として描かれていて好印象ですが、ちょっと出番が少ない…。さらにいうなら前座の対決ももうちょっと見たかったです。かつての宿敵を殺めてしまった霍元甲必殺の突き、最後に繰り出されたこの技を田中安野が感じ取り自分の負けを認めるところは胸が熱くなります。    もっと高得点にしたいのですが、あまりにフォーカスの甘いロングショット、多用しすぎたスローモーション、大根原田と改悪された主題歌を考えて7点です。
[映画館(字幕)] 7点(2006-04-14 22:17:46)(良:1票)
43.  プロデューサーズ(2005) 《ネタバレ》 
いやあ楽しかった。メル・ブルックスということで、さすがに卑猥な笑いも多いですけど、下品というわけではなくいきすぎないところで止めています。    運動神経の鈍そうなマシュー・ブロデリックがタップを踏んだり、長身のユマ・サーマンとダンスしたりとそれが見られただけでも楽しかったです。三谷幸喜さんも「THE有頂天ホテル」みたいなものより、こういうタイプの「くだらない笑い」の映画を作ってみたらおもしろいと思うなあ。    ライティングも古き良きハリウッドの雰囲気を残した画作りで、久しぶりに映画らしい映画を見たなって感じがします。役者も実力派を揃え、みんながこれまた楽しそうに演じているのが印象的。ネイサン・レインはジャック・ブラックのようなクドさもなく、ダメプロデューサーぶりが板に付いたさすがの芝居です。凝ったエンドクレジットと、最後まで楽しませようとするサービス精神におなかいっぱい。落ち込んだときに観たい、サイテーでバカみたいだけど楽しい映画です。
[映画館(字幕)] 8点(2006-04-14 21:49:33)(良:1票)
44.  エミリー・ローズ 《ネタバレ》 
これはホラーなのか?ホラー×オカルト×法廷劇という新ジャンルの誕生?    いやはや、エミリーを演じたジェニファー・カーペンターの迫真演技が凄まじい。エクソシストや死霊のはらわたなどの過去の憑依系エッセンスをギュっと絞り込んだような豹変ぶりを見せます。正直、「輪廻」や「サイレン」なんかより断然怖いです。しかもこれが実話というからなおさら怖い!    悪魔祓いで投薬を中止したから彼女は死亡したとする検察側と、悪魔は実在して彼女の同意に元に儀式を行ったという被告側。手に汗握るような緊迫感はないものの、科学的根拠と超常現象のぶつかりあいの法廷シーンはよくできていると思います。実際に、何が本当で悪魔は実在するのか、聖痕はあり得るのかは当事者しか分からないことですし、謎は謎で良いと思います。その落ち着きとは正反対に、ときたま唸る音響効果と、エミリーの異常な姿勢(予告とかで話題になった)はショッキングで血圧上がります!ああ、今日から午前3時が怖い。
[映画館(字幕)] 7点(2006-04-13 21:12:43)(良:1票)
45.  県庁の星 《ネタバレ》 
コメディ作品かと思いきや、なかなかシリアスな雰囲気で見ごたえがありました。映画としてはインパクトに欠けるけど、県庁さんと民間の対比がおもしろく描かれていて興味深く観られました。一部、融通の利かなさやいい加減なところにスーパーのほうが「官」っぽく感じるところもありましたが、まあフィクションだから目くじら立てちゃだめですね。織田さん演じる県庁さんが能無しではなくデキる男だからこそ成り立つ映画だと思います。あんだけきっちり仕事(企画書を各言語別で作成したり、消防法を暗記してたり)ができる県庁職員って実際にはあんまりいないかもね!?    スーパー営業終了後の夜中に撮影したのでしょうか、全体的に疲労感や息苦しさを感じる映像になっています。ロケが大変だったのでしょうね…。県庁側が必ずしも善ではないこのストーリーに自慢の庁舎を貸した香川県に敬意を表します。作品を見て自分も「人の振りみて…」、自分も気をつけなきゃなって学びました(笑)。意識改革!!
[映画館(字幕)] 7点(2006-04-13 20:58:26)(良:2票)
46.  イーオン・フラックス(2005) 《ネタバレ》 
世界観や伝えたいことは何となく分かるんだけど、それを伝えきるだけの演出力がないのが欠点。モニカンと治世組織との対立の構図もあいまいで、その宿敵同士が私情をもとに接近していってしまうのも無理があるような…。シャーリーズ・セロンのフォトジェニックな魅力で持っている感じがします。それにもかかわらず、せっかくのセロンの見事な体躯や身体能力も演出に活かしきれなかったのが痛い。カットが細かいということもあるけど、連続性のある動き・アクションというものをなぜ見せないのか葛藤してしまいました(笑)。それぞれの動きにつながりがないんですよね。あれだけのスタイルの「忍者」なのだからもっとスタイリッシュに見せられるはず。『マトリックス』の監督兄弟が映画化していたらおもしろくなった素材かもしれません。企画自体はおもしろかったと思うので。    ところでフランシス・マクドーマンドの正体は何者なんでしょう?そのへんも放置ってところがすごいです。ダークマンが復讐に来ちゃうぞ!
[映画館(字幕)] 5点(2006-03-16 22:20:44)
47.  映画ドラえもん のび太の恐竜2006 《ネタバレ》 
やましんの巻さんの後にレビューとは僭越ですが、辛口でいきます。    ドラえもん映画と思わないで見れば良作かもしれません。しかし、オールドファンにとってドラえもんの映画に欠かせない要素が今作には無いのが残念。すなわち、ドラえもんの主題歌と武田鉄矢の映画主題歌であり、頼りになるドラえもんであり、友情に厚いジャイアンであり、最後に男を見せるのび太であり…。それらが今作ではまったく出てこない。ドラえもんは最後まで何にも解決せずに道化の存在として終始する。ドラえもんというのはのび太を暖かく見守ると同時に母性を併せ持ったロボットであったはず。それがトラブルを笑って誤魔化すような存在にまで堕ちてしまった。のび太と恐竜ハンターの一騎打ちという名シーンもカットされ、彼が男として自立し世界を守るといった描写も見られない。彼らは受身の存在から脱することなく物語はエンディングに向かってしまう。    ピー助を白亜紀に帰すために1億年前まで旅立つストーリーは夢があるけれど、ピー助と別れを告げるまでの物語も薄い。変に表情やキャラクターのオーバーリアクションで表現しようとする作画も稚拙に見えてしまう。オープニングの「ハグしちゃお」で、もう過去のドラちゃんとは別物なんだと覚悟はしていましたが、見事にそれを認めざるをえない気持ちです。鉄人兵団や海底鬼岩城、魔界大冒険といった一大物語に往時をしのぶばかり…。    ドラえもん最盛期をリアル世代で育ったからこそ、現在のドラえもんには違和感を覚えます。ドラえもんというのは原作を読めば分かるようにブラックな描写もいとわない大人も楽しめる漫画・映画であったはず。飴玉のように甘くして、表面上の画だけ藤子先生のテイストを取り入れても脚本がこれでは台無しです。頼りにならないドラえもんはドラえもんじゃない!そう感じたリメイク版でした。
[映画館(字幕)] 4点(2006-03-16 22:11:59)(良:2票)
48.  PROMISE プロミス
凄い。凄い映画だ。チェン・カイコーの真髄を見せられた。アン・リーが『グリーン・デスティニー』を、チャン・イーモウが『HERO』と『LOVERS』を撮って置いてけぼりを食ったチェン・カイコーが「僕もあんなぴょんぴょんワイヤーCG時代劇を作りたい!」と決心をして後追いした異色作。『覇王別姫』や『始皇帝暗殺』などの重厚感と精緻な画面構成は息を潜め、本気とギャグの間スレスレのとんでも描写が連発!いやいや、そんなに弾けたかったのか、チェン・カイコー(笑)。クラスの優等生が修学旅行先でハメを外して驚かされる、そんな映画です。     役者も豪華だし、2時間あまりの目のごちそうとしてはおもしろい映画じゃないでしょうか。内容は中国で人気の武侠ドラマの豪華版という趣ですが、好き嫌いは分かれると思います。私は二度目は…見ないです(笑)。そういやこの監督三人、みんな同世代なんだよね。興味深いものがあります。弾けっぷりと本気度はアン・リーに軍配かな?
[映画館(字幕)] 5点(2006-03-10 08:13:43)
49.  サイレン FORBIDDEN SIREN 《ネタバレ》 
まず!!クリエイターとして、この「すべては○○でした」というのは無しでしょう。そうくるなら、さらなる捻りを用意しないと最近の目の肥えた観客は納得しませんよ。ラストでちょっと含みは持たせてあるものの、実際は彼女の「○○」でした(投稿時ネタバレチェックしてるけどあえて伏字で)で片付けてしまうのは乱暴すぎます。不案内な真夜中の森で電燈もなくなぜ歩けるのか、新聞記事の本文になぜ西暦までが書かれているのか、森本レオのカメラのシャッターと絞り表示がオカシイとか突っ込みどころは満載ですが、もしかしたらそれらすべてが「彼女の○○の世界」だからおかしくてもいいじゃーん!という制作者の言い訳なのでしょうか??    役者の演技も酷い。悲しくなってきます。当作品での堤監督は結構はっちゃけているようで、演出はパワフルなので見てられます。が、役者ではっちゃけているのはレザーフェイスと化した森本レオといつになく不気味な人間食器洗い機・西田尚美くらい…。あとはだめだめ…。    とにかく、盛り上げるだけ盛り上げておいてラストに笑えないがっかりオチを持ってくる前に監督は「バタリアン」を見て予習しなさい。目から血を出す前に、リアルなゾンビの動きを「ゾンビ」で復習しなさい!コケオドシの音響効果を試す前にヒッチコックで一から出直しなさい!見える恐怖ではなく見えない恐怖を描けるようにリンチの映画も参考にしなさい!    というわけで苦言ばかりですが、異様に画質の良い上映プリント(第一世代プリント?)と闇を本当に闇として描く照明は素直でよろしいと思いました。個人的には加藤保憲が警官をしている島という設定がいちばんコワかったですな。
[映画館(字幕)] 4点(2006-02-27 21:31:48)
50.  博士の愛した数式 《ネタバレ》 
舞台設定が1985年、ルートと博士はタイガースファン。だとすれば自然にタイガース優勝の布石と思ったのですが、そんなことはおくびにも出されず…。残念です。    良い映画なんだけど、皆さんの言うとおりメリハリに欠けます。それは監督の意図したものであることは察しがつきますが、さすがに力不足な印象を受けてしまいました。役者の演技は素晴らしいし、題材としてもおもしろいものだけに、意外なほど平凡な作品に仕上がっているのはちょっと寂しい気もします。哀愁を帯びた音楽はとてもマッチしていましたね。    数学が大の苦手の私でも、そのおもしろさを垣間見られたように感じました。永遠の真理は目に見えない、心にあるものという言葉は、数字もそうだけど人の心の不思議さ、大きさを雄弁に物語っているように感じられました。    このお話、ルートの授業という実質はたった50分間のお話ですが、「時は流れず」の通り、時間軸は現在と過去を行き来して、思い出と記憶の間で無限の時間を紡いでいきます。博士と過ごした時間がルートと杏子にとってかけがえのない時間だったということが、映画全体で語られていると思うと、メリハリのなさ自体が数字と時間のもつ暖かさ、優しさなのかなって思えてきます。舞台となる信州の風景がそうであったように…。
[映画館(字幕)] 6点(2006-02-27 21:10:35)
51.  ウォーク・ザ・ライン/君につづく道 《ネタバレ》 
主演二人が歌に演奏にと、体当たりの演技を見せてくれただけでも大満足。実際の演奏ではなく、彼らが本当に“歌い上げた”新録の歌の数々は聴き応え十分です。「Ray」がそうであったように、クスリと女という呪縛を感じさせるストーリーになっています。美化するわけではなく淡々と描かれていくからこそ、彼らの生き様が静かに心に染み入ってきます。舞台以外の日常の姿と、周囲の人の掘り下げがもう少しあればさらなる良い作品になったと思えます。子どものころからラジオのなかで親しんできたジューンに、コンサート中の舞台で行う40回目のプロポーズ。彼らにとって一生の晴れ舞台となったことでしょうし、映画でも最大の盛場になっています。    それにしても液体金属T-1000はさすがに老けましたね…。
[映画館(字幕)] 7点(2006-02-27 20:48:52)(笑:1票)
52.  THE 有頂天ホテル
多種多様なキャストを動員して、くだらない小ネタとドタバタを描いた映画。贅沢といえば贅沢で、無駄といえば無駄ななんとも説明しづらい作品。正月ボケの頭で見るには丁度良い映画と思いますけど、すべてが想定内でくどく脱線していくのは見ていて飽きる…。    また、わざわざ映画にするような内容でもないと思うのですが…。どちらかといえば全体が「東京的」な気質の笑いで占められていて、異質なコメディであると思います。インパクトある騒動があるわけでもなく、ごった煮状態でドロドロと展開していくこの雰囲気が楽しめる人には極上の映画なのかもしれません。    部屋の名前の説明とか不要と思えるシーンもあるし、ホテルマンがお客様をお客さんと呼ぶのも違和感を感じる。筆耕さんとかリネンさんとかホテルの裏側をいっぱい見せてくれるあたりはこだわりを感じます。こういった点は楽しめました。    役者では料飲部長を演じる生瀬氏がとくに良かったかな。ああいう人、います(笑)。撮影が全体的に“眠い”く平坦なので、撮影や照明のほうでもう少しメリハリがついていればさらに良かったと思います。
[映画館(字幕)] 6点(2006-02-24 14:18:11)
53.  ミュンヘン 《ネタバレ》 
祖国を失う喪失感と、報復の連鎖という悲しい現実は日本人には実感しにくいものかもしれない。それだけに、この作品によって実際に起きた悲劇を間接的にも垣間見ることによって、パレスチナ問題の根深さをまざまざと見せ付けられたように思います。30年以上前の出来事だけど、現在のイラクの状況と照らし合わせると何も変わっていないことにかえって心が痛みました。    一人の父親が殺人鬼となっていき、最後には自分や家族の身を案じて疑心暗鬼に陥っていくさまは悲しい。立場は違えど、指名手配犯も同じような心境なんだろうなと感じます。人を殺すことを正当化し、推し進めることで人間性を失っていく様子が克明に描かれていて、国家間の争いと個人間の争いは規模は違えどかくも同じなんだと思い知らされました。    青みがかった粒子の粗い映像と、徹底的に作りこまれた当時の風景や美術がリアリティを出しています。一人一人の殺しのテクニックを丁寧に見せるあたりはスピルバーグ監督の密かな持ち味である「残忍性」が牙をむくように表れていて瞠目させられ、一人を殺めるごとに主人公らの心境がより危険に変化していく様子と、エスカレートしていく殺害方法がオーバーラップしていきます。時折、SRD-EXを活用したサラウンドが唸るあたりも監督らしいですね。印象的に登場する食事シーンも効果的に感じます。    ラスト、重要な建築物が3棟ほど登場しますが、寒空のニューヨークとその建築がこの映画の回答の無さを見事に表現していました。
[映画館(字幕)] 7点(2006-02-20 10:28:49)
54.  単騎、千里を走る。 《ネタバレ》 
チャン・イーモウ監督が原点にかえった。高倉健主演のロードムービー。    言葉も習慣も分からない日本人が、いろんな人々からの助けを得ながら旅を続けていく様子はリアリティがあって、監督もいろいろ研究したんだろうなと感じます。中国では外国人は開放地区以外の旅は基本的にNG。ましてや刑務所なんて論外。映画で中国の刑務所の様子が見られることは貴重だと思いますし、「機密にはあたらない」というような言葉がこの国の姿を上手に物語っていると思いました。また,中国をディープに旅しようとすればお世話になる旅行社や外事部などの登場により、外国人がどのように自分の国を旅するのか、中国人自身が知ることのできる内容になっているのも珍しいと思います。    ヤンヤンを追いかけて一晩を過ごす場面も、旅先ではちょっとした出会いや出来事が大きなハプニングにつながる事例のように登場し、二人の交流を交えた暖かいシーンに仕上がっています。笛を吹くヤンヤンの表情はとても豊かで心が満たされます。    村での歓迎食事シーンは圧巻。麗江をはじめ雲南の美しい風景も印象的です。善人しか出てこないほのぼの映画で、人の心に優しさや温もりが存在することを語りかけてくる良い映画だと思います。
[映画館(字幕)] 7点(2006-02-15 23:07:07)
55.  フライトプラン 《ネタバレ》 
空調なんて存在しない機首内部でジュリアが生存している、これですでにあり得ないお話。みなさんのおっしゃるように穴の多い脚本ではありますね。それでもジョディ・フォスターというスターのなせるわざか、そこそこ見られる映画にはなっています。でも…あんな乗客が本当にいたら嫌だなあ…。いくら子供が行方不明とはいえ、あれだけ騒ぎ立ててはいかんでしょう。     ハッピーエンドで終わるけど、見事に損壊した航空機や窓ガラスを破った車など、航空会社側は損害賠償請求するべきです!実在のエアラインからクレームがないのか心配になるパニックぶりでした。タイトルは「フライトプラン」よりも「パニックプラン」のほうがいいかも。ボーイング社の機嫌を伺うような機種名に6点。
[映画館(字幕)] 6点(2006-02-15 22:56:18)(良:1票)
56.  ALWAYS 三丁目の夕日 《ネタバレ》 
山崎監督、やってくれました。「リターナー」で私が感じたことは確信に変わった。山崎監督はハードSFではなく、人情もの作品に向いていると…。    西岸良平さんの原作を元に、映画として上手にアレンジしてある点がまず良いですね。六さんが女の子だったり、茶川が若かったり、一平の父がいかにもあの時代のべらんめえ親父だったり(笑)。映画ということでこういうアレンジはうまいなって思いました。ストーリー自体はさして濃くないものの「モノは貧しくてもココロは豊か」だった昭和30年代の風物が心に染み入ります。三丁目の未舗装道路と表の舗装道路・車の波という対比も見事なビジュアル。とくに視覚効果スタッフと美術、小道具、衣装スタッフの仕事に感服しました。セットは工夫が施されて巧みなカメラワークが実現できていました。これら裏方職人の意気込みが伝わってくる画でしたね。有名な「スカ」水増しシーンがあるなら「インチキカメラ」のシーンも欲しかったかも。    役者では鈴木夫婦、六ちゃん、淳之介、アクマ先生が白眉。アクマ先生は原作から相当アレンジされていますが、戦中を引きずる人物として物語に深みを与えています。老若男女問わずおすすめできる良作ですがマイナス点はラストの主題歌ですかね…。    ちなみに劇中で登場する高円寺にあるという設定の藤戸団子店ですが、これは岡山県倉敷市に実在する藤戸饅頭本舗を店名もそのままロケで使っています。地元では知らぬ者のいない有名店です。一平と淳之介が帰りに佇む橋なども同じ倉敷市内で撮影されています。
[映画館(吹替)] 8点(2006-02-08 22:38:35)(良:1票)
57.  プライドと偏見 《ネタバレ》 
キーラ・ナイトレイが美しい。好色な(?)ファミリーのいけいけどんどん攻勢におかしみがありますね。ダーシー氏がどのようにしてエリザベスに惚れたのか、詳しい理由が分からないのがちょっぴり残念だけど、放任主義のようで実はいちばんマトモなドナルド・サザーランド演じる父親が素敵。ダーシー、ちょっとは笑えよ!
[DVD(字幕)] 6点(2006-01-26 00:43:12)
58.  輪廻(2005)
優香の演技、これは評価できると思います。しかし香里奈をはじめ他のキャストへの掘り下げが浅く、個々の役者へのキャスティングの必然性を感じにくいのが残念。    一方で舞台となるホテルの不気味な存在感と、香里奈の運転する車からの見上げショットはとても良かったです。いかにも怪奇映画な味があります。逆にあからさまなCGと、チャイルド・プレイを匂わす演出はもう少しオリジナリティが欲しかったですね。意気込みが伝わってくるだけに、先の読める脚本やゾンビ的見せ方といった一連の手垢のついた見せ方でトーンダウンしています。清水監督、コケ脅しでいいからもっと発破かけた映画もいいと思う!!
[映画館(吹替)] 5点(2006-01-24 00:27:36)
59.  あらしのよるに 《ネタバレ》 
かわいい顔をしたヤギのメイの声が、思いっきり男性の声で最初は違和感がありましたら、見ているうちに慣れました。物語としては平坦でこれぞといったクライマックスシーンもありませんが、種族を越えた友情というテーマはしっかり伝わってきました。ヤギとオオカミの2匹が、種族の絆よりも友情の絆を選ぶ決断は奇麗事かもしれませんが、争いごとの絶えない人間社会に警鐘を鳴らしているようにも感じ取れました。   作り自体は子供向けで、台詞回しや演出も今一歩という感はあります。画も多少薄っぺらいし、声優としては素人の役者による演技も完璧ではないのですけど、原作の良さなのか友情の大切さというメッセージの強さがこの作品に輝きを与えています。最後まで結末が読めないストーリーにはハラハラさせられますが、フェイドアウトを多用して細切れにしすぎたためにまとまりに欠ける感は否めません。上映時間もあと10分くらいは削れたかなって思います。苦言が多くなりましたが、出来としては十分平均点以上の作品でしょう。願わくば自分が子供の頃に見て、もう一度大人になってから見てみたかったなって思う作品でした。メイとガブの厚い友情と、市原悦子さん竹内力さんの芝居に7点です。
[映画館(吹替)] 7点(2006-01-18 02:48:33)
60.  ディック&ジェーン 復讐は最高!
ドタバタコメディかと思いきや、意外に地味な内容でしたね。個人的にはもっともっと大暴れしてほしかったなあ。はったりというか外連味に少し欠けるかな。邦題が「復讐は最高!」というくらいなのに(笑)。    中流階級のサラリーマンがいきなり無一文になってしまい、その後の奮闘をコミカルに見せるのはさすがにジム・キャリーですね。ボールドウィンはサマになってました。悪いやつなんだけど憎めないのが不思議です。ティア・レオーニも唇がとんがっていたり、自宅の差し押さえを知るや強盗に豹変する怪演が良かったです。
[映画館(字幕)] 5点(2006-01-16 21:38:55)
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