601. 海外特派員
《ネタバレ》 暗殺ありカーチェイスあり密室トリックあり裏切りあり、命がけで追いつ追われつ、ついでに色恋沙汰やら友情やら、さらには航空機の迫真の撃墜・着水シーンまであって、最後は絶望を感じさせつつ幕を閉じます。1つ1つのシーンはけっこう見入ってしまうのですが、終わってみたら「あれ、いったい何を騒いでいたんだろう?」という感じ。要するに冒頭のテロップに登場した「特派員さんはエラい、お前らもっと尊敬しろ」というメッセージに尽きるのかもしれません。面白くなくはないけれど、ヒッチコック映画にしてはちょっと説教くさいかな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-03-10 01:19:32) |
602. ドラフト・デイ
ドラフトがお祭り騒ぎになることも、その1日だけを切り取って作品に仕上げたことも驚き。実在のチームをモデルにしてフィクションを作るというのは、かつての「メジャーリーグ」と同じ手法ですね。そういえばインディアンズもクリーブランドのチームでした。 家族がらみの話とか、同僚が愛人で懐妊するとか、ちょっとベタベタして鬱陶しい感じもします。また終盤は出来すぎで、いささか興醒め。しかし、交渉の駆け引きはそれなりに楽しめました。 実在のブラウンズがかつてのインディアンズと同様、万年低迷チームだと事前に知っていれば、「向こう3年間の1位指名権」の重みがわかってもっと楽しめたかもしれません。ちなみに直近も下位を独走中とのこと。ケビン・コスナーは、とうの昔に解任されているはずです。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-01-12 03:04:52) |
603. ミッドナイト・ガイズ
ジュリアナ・マルグリースは、やはり弁護士役等より看護士役がよく似合います。かつて「ER」の迫真の演技で、何度泣かされたり圧倒されたりしたことか。 それはともかく、21世紀のアル・パチーノはひたすらB級映画に出まくっている印象があります。本作もその1つでしょう。本人が「大御所」呼ばわりされることを嫌い、もしくは後進の育成のために、あえてB級の広告塔を買って出ている感じすらします。 とはいえ、しがない映画のうらぶれたチンピラ役でも、アル・パチーノが演じればピタリとハマるところがすごい。かの国には、高齢になってなお主役を張れる役者がゴロゴロいます。しかし仮に、本作の主役をイードトウッドが演じたら「どうせ最後は最大の勝利者になるんだろう」という気がするし、スタローンが演じたら「いつの間にか仲間が結集していそう」と予想が立ちます。あるいはレッドフォードなら「年寄りの冷や水」「無理するなよ」感が止まらないでしょう。孤高のチンピラを違和感なく演じられるアル・パチーノは、やはり稀代の大俳優だと思います。 では作品として面白かというと、ちょっと微妙ですが。 [インターネット(字幕)] 6点(2019-12-30 01:52:48) |
604. アイズ ワイド シャット
結局、何かの陰謀が働いたのか、幻覚でも見ていたのか、それともいくつかの偶然が重なったのか、最後までよくわかりません。でもここは深く考えずに、「嫉妬して自暴自棄になってもロクなことはないよ、特に男の場合」という、有史以来の万人が頭では理解しつつも心が従わない教訓として受け止めればいいのかなと。それに、最後のニコール・キッドマンのたった1言のセリフに、すべての解決策が含まれていることも確か。 しかしそれにしては、何もかもいささか大げさ過ぎる気がしないでもありません。このあたりが、〝巨匠〟のなせる業でしょうか。 [インターネット(字幕)] 6点(2019-12-26 23:35:44) |
605. 眠れぬ夜のために
フュージョンなBGMといい、やたらとデカいアメ車といい、いかにも80年代の作品。途中からシーンが次々と変わり、登場人物がいろいろ出てきてゴチャついていますが、まあそれなりに楽しめました。それにしても容赦なくバンバン殺すものです。不況にあえぐ当時の世相を反映していたのでしょうか。 デビッド・ボウイの端役ぶりに驚きましたが、この作品が「ザ・フライ」より古いことにも驚き。ジェフ・ゴールドブラムって「ハエ男」で一躍世に出たイメージが強かったのですが、それ以前から主役級の役者だったのかと。それからミシェル・ファイファーがこんなに美人だったとは知りませんでした。こちらは常に「オバサン」のイメージが強かったので。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-09-14 01:23:40) |
606. 影の軍隊(1969)
《ネタバレ》 なんとも地味でひんやりした印象の作品。真夏にちょっとした洞窟に入って涼みたい人向け。 一連のレジスタンス運動に対して一定の知識やイメージがあればもっと面白かったかもしれませんが、いかんせん不勉強なもので、不明な点が多々。だいたい抵抗らしい抵抗をしているシーンがほとんどなかったのですが、彼らはなぜ追われていたのか。「ド・ゴール派」というだけでアウトだったのでしょうか。 結局、全員が早晩退場してしまうわけで、しかもそれが後のパリ解放に結びついている風に描かれるわけでもなく、彼らの戦いとはいったい何だったのかと思わずにはいられません。まあ彼らに限らず、多くの人の人生は虚しく過ぎていくものですが。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-09-06 01:17:32) |
607. キネマの天地
見たことのある顔が、ずいぶん若返ってゴロゴロ出てくるだけでも楽しい。プラス、いかにも「男はつらいよ」と「蒲田行進曲」を下敷きにした人間関係やセリフもいい感じ。特に渥美清の1人語りは、もう〝話芸〟の域だと思います。まさに顔見世興行的な作品。 しかしそうであるがゆえに、ストーリー的には王道すぎてどうということはありません。「蒲田行進曲」を聞いて思い出すのは、やっぱり小春ではなく小夏です。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-08-31 13:12:48) |
608. ダークナイト ライジング
《ネタバレ》 とにかく展開が早いこと早いこと。前作を思い出しつつ、振り落とされないようついて行くのに必死でした。そんな見方が楽しいのかどうかは微妙。まあ主役級がゴロゴロ出てくる豪華キャストなので、損した気分にはなりませんが。 バットマンをスーパーマンではなく、徹底して生身の人間として描いていることに好感が持てます。しかしもっと面白かったのは、終盤の展開。バットマンの復活劇はさておき、暴徒化した民衆を警察部隊が鎮圧するという図式は、今まさに香港がそうであるように現実ではよくありますが、フィクションのストーリーとしては珍しい気がします。この後の「ゴッサムシティ」は、平和が訪れるというより、軍や警察に強権的に支配される社会になるんじゃないかと、他人事ながら心配になります。 [インターネット(字幕)] 6点(2019-08-14 01:58:08)(良:1票) |
609. 女と男の名誉
コメディ風サスペンスといったところでしょうか。進行が非常にまったりしていて、「この長回しに何の意味が?」と思う場面もありますが、まあ30年以上も前の作品なので。 筋立てとしては面白いはずなんですが、どうも緊張感がありません。ジャック・ニコルソンの驚きも苦悩も悲しみも、今一つ伝わらず。なぜでしょうねぇ。 ラストも何かオチがあるかと期待したのですが、まるでガス欠にでもなったかのように、きわめてオーソドックスにあっさり終わってしまいました。結局、右へ左へと飛ぶ旅客機の映像だけが印象に残っています。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-08-02 23:17:26) |
610. マネーモンスター
《ネタバレ》 全編にわたる軽薄で〝現金〟な感じがいい。ジョージ・クルーニーは妙に社会派を気取るより、こういうライトなキャラクターのほうが似合っている気がします。 それにしても「投資番組」という設定が面白い。日本では考えられませんが、彼の国には実在するとのこと。それだけ投資が一般的で、もはや資本家vs労働者という区分けは意味をなさないということでしょう。しかしこんな番組、それこそ株価操作の餌食になりそうですが、実際のところは大丈夫なんですかね? それとも日本のニュースショーと同様、誰も真に受けていないということか。 それはともかく、終盤までいいテンポだったのですが、最後の謎解きで大きな「?」が残りました。だいたいCEOの一存で、上場企業の自社株を暴落させることは可能なのか。「99%の取引をオフラインにした」とか言っていましたが、どうやって? それに8億ドルの時価総額が失われたそうですが、その額がそのままCEOの手に入る経路もわからない。たった1人で膨大な空売りを仕掛けたということでしょうか? しかも「法には触れていない」と強弁していたので、なお不思議です。そんなことが合法的に可能なら、きっとゴーンが日産株で実践したと思うのですが。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-07-14 23:09:30) |
611. ブルーサンダー
なるほど実写ならではの質感と重みと奥行きがいい感じ。CGがどれほど進化しても、やはり実写には敵わないようで。 しかし大都市の上空で警察のヘリどうしに軍まで加わって銃撃戦を繰り広げるとは。もしこれが実写どころか実録だったとしたら、世も末ですね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-07-08 23:10:23)(良:1票) |
612. ジャンヌ・ダルク(1999)
《ネタバレ》 知ってるようで知らなかったジャンヌ・ダルクについて、少しだけわかったような気になれたことが収穫。 しかも、かならずしも神がかり的な存在としてではなく、「見たいものを見ているだけの少女」だったのかもしれないという冷静なツッコミもあって、およそ宗教とは無縁な私でも共感できました。 しかしその分、ストーリーとしてはやや一本調子でしたが。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-06-27 22:48:35) |
613. ボルケーノ
大都市の地下で火山爆発という発想が面白い。そうかこうなるのかと、実際にあり得るのかどうか知りませんが、妙に感心しました。 あとはパニック映画の定番ネタのてんこ盛り。無名の人々による献身的な活躍ぶりもいいですが、興味深いのはテレビのレポーターの面々。状況の語り部として必要だけどかなりウザいという設定だったように思います。やはり定番キャラですが、こういう感覚は洋の東西を問わず、またフィクションでも現実でも共通するんだなと、これも妙に感心しました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-06-19 01:31:56) |
614. 殺したい女
気楽に見れるコメディーと思ったら、意外にストーリーや人間関係がゴチャついています。まあ複雑というほどではないですが。 いかにもアメリカンな、下品で大げさでワビサビのカケラもないところがいいですね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-06-12 23:35:34) |
615. ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション
「rogue nation」というのは、身から出たサビという意味で「IS」やアル・カイダを連想させます。あの手この手でアクションシーンを盛り込んで、飽きさせない気満々なのはいいですが、なんせトム・クルーズがあまりにも超人なので、「でも助かるんでしょう?」と通販番組の司会者のようなリアクションをしたくなります。 それはともかく、もっとも驚いたのは本編が始まる前、「アリババ」のロゴが表示された場面。どうやら同社が相当額を出資しているらしいのですが、よりによって米政府機関の活躍を描く映画に、米政府にとって目下のrogue nationである中国の資本が加わって儲けをかすめ取るという図式は、なんとも皮肉が効いています。 [インターネット(字幕)] 6点(2019-05-22 23:13:53) |
616. 傷だらけの栄光
時代のせいか演出のせいか、前半はやたら荒削りで殺伐としています。この調子で最後までつき合うのはキツいなと。 しかし中盤から落ち着き、ちゃんと起伏のあるドラマになっていまいた。最後はあっさり終わりましたが、まあこんなもんでしょう。 しかし一貫して気になったのは、「ロッキー」という名まえです。アメリカには、実在のロッキーと、それを映画化したポール・ニューマン版ロッキーと、まったく別人格のスタローン版ロッキーという3人ロッキーがいることになります。かの国の温度感はわかりませんが、少なくとも日本においてもっとも有名なのは、最後発のスタローン版でしょう。おかげで本家もニューマン版もすっかり霞んでしまっている印象があります。 ではなぜ、スタローンは「ロッキー」と名乗ったのか。本家に敬意を評したのかもしれませんが、逆に本家の母屋を奪ってしまった感があります。あるいは最初から奪うつもりだったのか。だとすれば、スタローンはかなり悪人です。ポール・ニューマンは浮かばれませんね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-04-08 23:51:51) |
617. 顔のないスパイ
最初から一筋縄では行かない雰囲気を漂わせていましたが、終盤のネタバラシにはいささか唖然としました。巴投げにもほどがあると言うか、伏線がなさすぎというか、取って付けたような話で、そりゃないだろうという感じ。まあファンであるマーティン・シーンは立場がブレず、最後までカッコよくて「すっかりお見通し」のようだったので、それで満足します。 [インターネット(字幕)] 6点(2019-03-17 03:31:58) |
618. イコライザー
アメリカ版Vシネマといったところ。デンゼル・ワシントンが、ジェイソン・ステイサムもしくは哀川翔のマネごとをしてみたくなったのかな、という感じ。気の利いたジョークの一つもありませんが、ときとき登場するPCがひたすらVAIOなところが、笑えるといえば笑えます。 [インターネット(字幕)] 6点(2019-03-02 10:24:19) |
619. シャイニング(1980)
《ネタバレ》 今さらながら初見。前半はさすが後世に語り継がれる名作という感じ。だいたい雪に閉ざされた巨大なホテルに家族3人だけで滞在するという、そのシチュエーションだけで怖すぎます。いくら食べ放題・寝放題・光熱費使い放題でなおかつギャラまで出ると言われても、私なら断固拒否します。 とりわけ三輪車で走り回るシーンの怖いこと。角を曲がるたびにヒヤヒヤしました。この子はきっと将来、大物になるでしょう。もう恐れ入りましたという感じです。 しかし中盤以降は、恐怖より疑問が先行します。なぜジャック・ニコルソンは狂い出したのか。もともとアル中だったのか、思うように小説を書けないストレスからか、それともホテルの魔物に取り憑かれたのか。結局、それはジヤック・ニコルソンだから、という理由しか思いつきませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-02-28 00:01:08)(笑:1票) |
620. 誰も知らない(2004)
《ネタバレ》 セリフとか映像とかはドキュメンタリー風ですが、けっしてリアルではない。むしろある種のファンタジーに近いかなと。 どうも腑に落ちないのが、こういう生活を続ける理由です。子どもたちの健気な姿には心を動かされますが、食糧もほとんどなく、電気も水道も止められ、外出もままならないという過酷な環境で、なお「4人で一緒に暮らしたいから」というのは、動機として弱い気がします。泣きもせず、衰弱もせず、病気にすらならないというのも不自然。児童相談所等に駆け込めばどうなるかとう経験も持っていたようなので、なお不思議です。 もっとも、仮に実話どおりに描いたとすればすべて腑に落ちたでしょうが、そんな映画は絶対に見たくない。ファンタジーのままでいいのかなという気もします。この作品は「起承転結」のうちの「起承」だけで最後まで引っ張った感じですが、実話とのギャップを考えれば、そうせざるを得なかったのかもしれません。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2019-01-27 02:45:39) |