881. オリエント急行殺人事件(1974)
おおー、娯楽作品には違いないけど、文芸作品のような気品を感じる。そうそうたる面子の発する大物オーラのせいなのか、豪華な車内の調度品が醸し出すのか。映画だものね、2時間そこそこしかないのでトリック崩しが忙しいのはちょっと残念。探偵が全員を集めて真相を暴かんとするクライマックスはお約束のぞくぞく感。待ってましたー。「犯人はこの中にいます!」と言ってもらえれば理想だけど、それは別のお話に譲るとして。 [地上波(吹替)] 7点(2012-02-28 00:46:27) |
882. ルパン三世 カリオストロの城
絵の美しさといい滑らかさといい、アニメとしての完成度が高いのには異論ございません。ほんとに今さらですけど、なぜルパンを使ったんだろう。お姫様を助けるのなら未来少年コナンくんとかラピュタのバズーでも良かったんじゃないのかな。いやその方が。あと少女に過大な幻想を抱いている監督の趣味の集大成みたいなクラリスが私はだめで、ほんとにだめでルパンをおじさまと呼ぶくだりには気恥ずかしさのあまり悶絶してしまうんだ。 [地上波(邦画)] 7点(2012-02-25 12:34:37) |
883. パシフィック・ハイツ
恐かった、というより切り口が新しくて面白かった。あ、でも同時期の「危険な情事」よりは恐かった。居住権にまつわる様々な法律にへぇーと思ったり、マイケルが次にどんな攻撃に出てくるか楽しみだったりでなかなか充実の2時間弱でした。 [映画館(字幕)] 7点(2012-02-21 13:30:02) |
884. ピクニックatハンギング・ロック
《ネタバレ》 美少女メリンダと、一世紀前のクラシックなレース飾りも優美な衣装が鮮烈に印象に残る。あの白いひらひらが、幻想感を一層際立たせるんだろうな。白いひらひらをまとった少女たちと神隠し。不謹慎ながらぞくぞくするシチュエーション。実際の事件ながら、真相を探す推理的な要素がほとんど無いってことはこの監督もやはり「ぞくぞくする感じ」に魅せられたのでしょう。翻って幻想の欠片もない、シビアで冷酷とすら感じる女校長の視点も極めてリアル。こんなんだろうな、どうせと思わせる。うっとりしたり、目が覚めたりが交互にやってくる映画。 [ビデオ(字幕)] 7点(2012-02-20 18:07:37) |
885. サンシャイン・クリーニング
《ネタバレ》 ちょこちょこと展開が強引だったり、ベタだったりもするんだけど、エイミーとエミリー、二人の女優が姉妹の空気感を出すのがとても上手くって好感が持てました。きょうだいってね 近すぎても煩わしいし、けど血を分けてるぶん、やっぱり気がかりで。私は強い、と自らに言い聞かせて奮闘するお姉ちゃんとやっちまった系になってしまう妹。彼女らを見守るちととんまなじいちゃんに、ワークショップの片腕店長ら脇もなかなかの存在感。冒頭の「パイの注文は無かったわ」の台詞があんな風に効いてくるとは思わなかった。もらい泣きです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-02-20 17:33:33) |
886. ミザリー
《ネタバレ》 ロブ・ライナーぽいというか、画面が明るいのでおどろおどろしさがないのだけど、その分突然現れるキャシー・ベイツにびびる。七三分けの髪形と、もっさりした体型。超オバサンだ。おばさんのくせに小説のヒロインの行く末に目をきらきらさせてうっとりしてるのもまた怖い。このおばさんの気に入るようにしぶしぶ出来上がる三流小説の俗っぽさはちょっと笑えた。小説家にとっては笑い事ではなく、必死の攻防をしていたわけですが。思い込みの激しい大迷惑なファンを演じたキャシー・ベイツがリアルすぎる。こわいこわい。 [地上波(吹替)] 7点(2012-02-11 00:36:01)(良:1票) |
887. 真夜中のカーボーイ
《ネタバレ》 田舎から安易で馬鹿な夢を抱いて のこのこニューヨークに出てきたジョーを待ち受ける都会の厳しいこと、冷たいこと。うぅ、観ていてつらい。「カウボーイなんかに引っかかるのはゲイくらいなもんだ」とホフマンに看破されて半泣きのジョーが滑稽やら哀れやら。でもジョー、お前いい奴だなあ。ラッツォへの途切れない友情に涙、涙。 [ビデオ(字幕)] 7点(2012-01-31 14:37:36) |
888. Uターン
《ネタバレ》 このS・ペンが一番好きかも。本人不服だろうが。あまりといえばあまりのシチュエーションにばしんばしん横面張られっぱなしのペンがキレたりいらっとしたり心折れたり、演技の天才を発揮。感情の引き出しが多いんだろうなあ。見てるだけでじりじり暑そうでしょっ中飲み物買ってるペン、背中汗べったり。こちらの体力も奪われそうな中、ホアキン・フェニックスとクレア・デーンズのバカップル登場、この二人のウザさが超絶ここに極まれりといった感じでいやあホアキン、楽しそうだあ。心からペンに同情するよ。信じた女と手に手をとって逃避行。まだまだ甘い私は、このまま逃げ切ってくれてもいいかな、などと思ってしまいガーン、と後頭部を強打されたのだった。どこまでも人を小ばかにしたようなラストシーン、赤い赤いアリゾナ。とても印象に残る映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-01-24 12:27:03) |
889. ジュラシック・パーク
よくできたアミューズメントパークに行って来たような楽しかった感。ディズニーランドの子供だましには辟易だけど、これならば。 [映画館(字幕)] 7点(2012-01-24 12:09:21) |
890. フェイス/オフ
ジョン・ウーが自らの美学と、映画はかくあるべし、といった哲学をぶんぶん振りかざして多少の(いやかなりの)無理を蹴散らかしてるのがここまでくると清清しい。細かいところは気にしません!という姿勢に洗脳され、二丁拳銃には「出たー!」と手を打って喜ぶ単純な客であります ワタシは。 [地上波(吹替)] 7点(2012-01-24 00:31:34) |
891. 逃亡者(1993)
この映画のT・L・ジョーンズにはすっかり惚れ込んでしまった。アクの強い顔が銭形警部パターンにずっぱまり。毎度毎度おんなじような芝居のH・フォードも、見飽きないのは何故だろう。 [地上波(吹替)] 7点(2012-01-21 15:27:57) |
892. アザーズ
N・キッドマンのほぼノイローゼ気味な所作が、彼女の美貌と相まってしっとり暗いゴシック・ホラーに雰囲気ぴったり。思わせぶりな場面がところどころあるので、勘のいい人ならオチがわかってしまうかも。私は見事に大驚きしました。 [地上波(吹替)] 7点(2012-01-21 01:06:52) |
893. ゴーストバスターズ(1984)
可愛くて楽しくて、当時は満点をつけていた。先日、テレビで観たらCGがつらかったり、笑いのテンポがちょっと違って感じてしまったりでああ賞味期限ってこの作品にもあったのか・・としんみりしてしまった。子供は面白がって観てくれた。良かった。 [映画館(字幕)] 7点(2012-01-17 13:33:19) |
894. 神経衰弱ぎりぎりの女たち
ヘンな話なんだけど、パワフルな人物たちにぐいぐい惹かれてしまった。そうだよね働く女って疲れてるのよねえ、と頷きつつ、でもこんな体験は絶対ないぜという強烈なギャップ感覚が心地良い。「あの服のセンス・・ひどい」とわっと泣き出すシーンは大いに共感できた。笑った。 [ビデオ(字幕)] 7点(2012-01-14 15:20:12) |
895. ダイ・ハード2
ダイハード2を撮るにあたって、制作側にかかったプレッシャーはいかほどのものだったか。重圧を見事はねのけて作った大した作品だと思います。まずまず面白いもん。 [地上波(吹替)] 7点(2012-01-10 01:12:02) |
896. ミッドナイト・ラン
オーソドックスなコメディでふつうに面白い。主役も脇役もみんなきちんと自分の仕事をしています。待ち伏せするFBIの数の多いこと多いこと。何といってもデ・ニーロが上手いなあ。役者にとっては悲劇より喜劇を演じる方が難しい、と故三波伸介氏が語ってましたが、マフィア関係キャラを見慣れた目にはこのデ・ニーロのカメレオン的な変幻自在ぶりには驚いてしまった。しれっとした、ひょうひょうぶりと自分の冗談で笑っちまう笑顔にデ・ニーロの物まね芸人さんを彷彿としてしまった。逆だ。 [地上波(吹替)] 7点(2011-12-27 16:35:15) |
897. ベルリン・天使の詩
三回くらい観たのかな。数年おきに観て、やっぱり退屈だった・・と思い、でもなぜか寂しくて美しいベルリンの街に心惹かれてまた観よう、と思ってしまう不思議な映画。 [映画館(吹替)] 7点(2011-12-20 01:34:42) |
898. コラテラル
監督がやたら高感度カメラを使って夜の情景を映しこんだことをエバッてたけど、確かに夜のLAの顔はたんねんに描かれていたと思う。NYの乾いた感じとはまた違う、多国籍の生活の匂いのする感じがよく出てる。運転手と殺し屋、二人の性格もバックグラウンドの描写も丁寧。似合わない白髪のトムが、冷徹な殺し屋というより口八丁な詐欺師に近いいかがわしさがあってこの人っぽい。組み合うシーンや銃の抜く速さに運動神経の良さが出てさすが、かっこいい。でもトムさあ、6件くらい事前に頭に入れておくべきでしょうが。直前にタクシーの中でばたばたPCチェックって準備悪いぞ。 [DVD(字幕)] 7点(2011-12-20 01:12:08) |
899. シティ・オブ・ジョイ
インド映画は熱量が半端じゃなくて、この映画でもインド熱にあてられて倒れそうになった。いかにも西欧的に自己の内面に悩む主人公も、圧倒的なインド人の生のパワーに押し流された格好。娘に美しいサリーを買ってやるためにチンピラ相手に血を流す父親。愚かだけど泣けてくる。良い台詞も多かった。「地面に這いつくばっていると、立てなくなるぞ」 [映画館(字幕)] 7点(2011-12-12 00:22:12) |
900. サンセット大通り
黒いビリー・ワイルダーという感じの女優残酷物語。黒くてもそこはビリー・ワイルダー、おどろおどろしさは控えめに、品のある描写だったと思います。とうとう最後に自らの狂気の中に閉じちゃうノーマは心胆寒からしめるものがありました。 [地上波(字幕)] 7点(2011-12-10 01:42:35) |