81. 高校大パニック(1978)
う~ん、懐かしいよねえ。でも、これはオリジナルである8mm映画の方が、躍動感があって断然良かったぞ! 8mmの方は、役者の熱い演技以上に、ひたすらカメラを持って動き回ることに監督(石井聰亙)の方が熱くなっていたと思う。実は私も高校生の頃、この作品(もちろん8mmの方だよ)に影響されて、貯金はたいて8mmカメラを買っちゃいました (;^_^A 「学校サボって映画観に行くんが、何で悪いとや!」 注:よい子はくれぐれも真似しないように 8点(2003-10-15 20:22:49) |
82. 姿三四郎(1943)
《ネタバレ》 私も黒澤作品の中でこれが一番好きです。神社で轟夕起子が一心に祈りを捧げているところを藤田進が目撃してしまうシーンとか、鼻緒の切れた下駄で季節の移り変わりを表現したシーンとか、子供たちが歌う三四郎の囃し唄(♪あれに見えるは三四郎♪)とか、その後の作品よりもぐっと叙情的なところがいいです。そういえば、たしか消失していたシーンも見つかっていよいよ復元版が公開されるんですよねえ。残りの点数はその時の楽しみに取っておきましょう。 8点(2003-10-15 20:15:03) |
83. ルナ
超大作にしてベルトルッチの最高傑作『1900年』の後だっただけに、確か公開当時は"燃えカス"のような言い方で批評家たちから酷評されてたけれど、個人的には好きだな。少年が自転車で田舎道を疾走するシーンとか月夜のシーンとか、相棒ビットリオ・ストラーロの撮影が相変わらず冴えてます。 8点(2003-10-15 20:10:26) |
84. ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう
《ネタバレ》 ウディ・アレンの自作自演では唯一好きな映画。「しかし、あんなへなちょこな精子じゃ、何億という他のライバルにゃあ打ち勝てないよなあ」、と思わせるところが特に可笑しい。 8点(2003-10-15 20:07:46) |
85. 恋
《ネタバレ》 「あの時」から心を動かすことを一切やめてしまった老いた主人公の眼差しに、少年時代の彼を知るあの屋敷の姿が重なっていく。この映画は、このラストシーンに尽きる思う。 8点(2003-10-15 20:05:19) |
86. ウォーターボーイズ
TVで観ただけなんだけどさあ。いいんじゃない、これ。とにかく「伊勢佐木町ブルース」には、腹わた捩れそうな位笑った笑った。誰かさんも言っているけれど、全編学園祭ノリで作られた感じがかえって良かったんじゃないか。ただ夢中になって何かをやりたいという若者ならではの熱い想いもそれとなく感じられたので。 確かに"映画の出来"なんてことを考えちゃうと、細かい部分ではいろいろと言いたくなるだろうけれど、彼らが自らの肉体で見せてくれるシンクロの演技とその後の晴れ晴れとした表情は、「紛れもなく映画的」たっだし、おじさんとしては目頭がとても熱くなりました。 ただ、ひとことだけ言わせてもらえれば(おやじ臭くてスマン)、シンクロの指南役は竹中直人じゃなくて、柄本明にやらせた方が良かったんじゃないか。はしゃぐ若者らを尻目にひとり静かに小指を立てキセルをふかしている"オカマの鬼軍曹"、なんてね。 8点(2003-10-15 19:53:25) |
87. ハートブレイク・リッジ/勝利の戦場
《ネタバレ》 初出陣で役割を無事果たし、その喜びにはしゃいでいる若者たちを尻目に、岩にどっかりと腰を下ろし葉巻をふかしているイーストウッド。その佇まいと表情には、何やら「核心に満ちた大胆不敵さ」とでも呼びたくなるような凄みが感じられる。これこそが、イーストウッド自身と彼の作る映画の、大きな魅力なんだよなあ。 9点(2003-10-15 19:40:05)(良:1票) |
88. キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2
当時、地方出身の友人の実家ではお正月映画としてペキンパーの遺作『バイオレント・サタデー』と一緒に封切られるというので、「こりゃ、おいしい」と遠くまでわざわざ出かけて観に行った。第1作と比べて重厚な史劇タッチはなく、むしろ(主演俳優の性格を生かした?)軽快なファンタジー・アクションに仕上がっていた。とにかく、この主人公は決して悩んだりはしない。「即断あるのみ!」って感じで、全てを解決に導いていくのだ。 8点(2003-10-15 19:33:53) |
89. 都会のアリス
ゆたKINGさんの意見↓に賛成します。あと、私が好きなシーンは、主人公とアリスが海水浴をしているところ。二人の楽しそうな表情が実の親子のようで、観ていて思わず顔がほころびます。 10点(2003-10-15 19:20:29) |
90. サクリファイス
タルコフスキーの作る"水”と"火"のイメージは、以前にもましてすこぶる美しい。にも関わらず、またもや睡魔に襲われてつい夢の中へ。ふと目が醒めたら、スクリーン上では、たしか男が広場で焼身自殺するシーンがあり、まるで小栗康平監督の『泥の河』の蟹のようにゆっくりと炎に包まれていくその様子に訳もなく涙してしまったのだが、あれは本当に映画のワンシーンだったのか?それとも私はまだ眠っていたのか?誰か教えてください。 【ゆたKING様へ】そうですか、『ノスタルジア』↑でしたか。それは大変失礼をしました。でも、どちらも途中で寝てしまったのは確かなので、これ以上言い訳はしません。必ずやきっと再見してコメント書き直させていただきます。もちろん、今度は寝ずに観ます。 8点(2003-10-15 19:16:56) |
91. ザ・ブルード/怒りのメタファー
《ネタバレ》 妖怪?or怪物?たちが眠りこけている部屋から、誘拐された幼い娘を取り返す父親(だったけ?)オリバー・リードの必死な表情が感動的な、クローンネンバーグの泣けるスリラー?orホラー?映画。 9点(2003-10-15 19:08:12) |
92. ザッツ・エンタテインメント
この映画によってミュージカル映画との本格的な出逢いとなったことを、映画の神様に感謝したい。疲れていたり、落ち込んでいるときにこの映画を見るだけで、元気がもりもりと湧いてくる。正に映画のユンケル皇帝液! Part2では、ジーン・ケリー自ら監督し、アステアと共にダンスを踊ってくれる。こちらも必見! 10点(2003-10-14 20:48:56)(良:1票) |
93. 愛の世紀
《ネタバレ》 疲れていたせいか、前半の白黒部分では危うく寝そうになった。が、後半一転してビデオ撮影によるカラー映像になって、がぜん盛り上がった。ゴダールの映画は、繰り出される映像と音にいかに心を震わせられるかが勝負の分かれ目なのだ(寝てる暇はないってことね)。本作も海を捉えた映像が頗る良い! 引用は、分かった者勝ちみたいなところがあるが、意識しないでいてもひとたび心の琴線に触れると思わぬ大きな感動がこみ上げてくる。今回は、『アタラント号』のミッシェル・シモンの唄もそうだが、パウル・ツェランの『死のフーガ』の朗読(恐らく彼自身による)レコードが出てきたのには本当に驚いた。そして、ラストはリュミエールへの回帰。やはりゴダールは映画の申し子だと思う。 9点(2003-10-14 20:42:14) |
94. 父/パードレ・パドローネ
《ネタバレ》 確か?(オルガンではなくて)アコーディオンとフルートを使って山向こうの同じ羊飼いの友人と語り合うシーンが素晴らしい。「こうもり序曲」の使い方も絶妙。村の少年たちはどの子も個性的なのだが、成長して村を出て行く時の各人の容貌があまりにもそっくりなのが笑えました。 9点(2003-10-14 20:33:04) |
95. ペイルライダー
《ネタバレ》 『シェーン』のラストを模倣した作品(というより、やましんさんのご指摘↑通り、心ある映画ファンにとっては、もちろん『荒野のストレンジャー』のリメイクですね!)としては、山田某が撮った作品と比べて100万倍も素晴らしい出来だというのに、公開初日の渋谷パンテオン(←こいつずーっとパレスと間違ってやがんの、やーい、ばーかばーか)は、なぜか(?)閑散としていた。なんだかその事にとても腹を立てた私は、上映が終わると、いつもは買わないパンフレットを有り金をはたいて購入し、JR山手線に乗り込んだ。席に腰掛けるや否やおもむろにパンフレットを広げ、できるだけさりげなくも周りの乗客に聞こえる位の声で、この映画が如何に素晴らしいかをつぶやいた。一体何周位したのだろうか。今にして思えば"おバカ"極まりないが、この映画に少しでも足を運んでもらいたい一心で起こした私なりの精一杯のデモンストレーションだったのだ。 9点(2003-10-14 20:30:47)(良:5票) |
96. サムライ(1967)
《ネタバレ》 ♪人を撃つ~のが 殺し屋な~ら~ば~ あの娘のハアト~が なぜ~撃~て~ぬ♪ と、侍おふらんす=A・ドロンがラストで心中つぶやいていたかどうかは、今となっては伺い知れぬが、徹頭徹尾己のスタイルを貫き通したその寡黙にして堅牢な姿勢には恐れ入った。ゆえにこれに免じて、あの大量の鍵束は、見なかったことにして進ぜよう。 9点(2003-10-14 20:21:28) |
97. アメリカの友人
いやあ、この頃のヴェンダースは本当に切れがいいっすねえ。小心者の主人公ブルーノ・ガンツが死の恐怖に駆られながら図らずも悪の道に染まっていくのですが、快優デニス・ホッパーはもちろん、ニコラス・レイやらダニエル・シュミットやらジャン・ユスターシュやらといった映画人がちょこっと出てきては、彼に訳の分かんないからみ方をするもんだから、緊張感溢れるサスペンスを観ているというより、子供の探偵ごっこを見ているような気になってきてしまいます。おおっと、あの「美しき」ジェラール・ブランを忘れるところだった。そうか、こいつの童顔のせいかも。 9点(2003-10-14 20:05:24)(笑:1票) |
98. バンド・ワゴン(1953)
アステアの数々のダンス・シーンはどれも素晴らしく、特にシド・チャリスとのナンバーは最高で、アステアが相手にした中では最もエレガントに踊れる女優だったのではないか。ジャック・ブキャナンもいい味出してるし。確かに話は他愛ないかもしれない。でも、これこそが「ザッツ・エンタテインメント」! 10点(2003-10-14 20:01:45) |
99. センチメンタル・アドベンチャー
《ネタバレ》 原題がいい。主題歌がいい(ひとり切なく酔っている時に思い出しては口ずさんでしまう)。話がいい。特にラストは、寂しいまま終わらないのがいい。ところで、気になることがひとつ。レコーディングのシーンは、あれはチャーリー・パーカーの有名なレコーディング・セッションを模したのではないか?現にそれをもとにした短編小説があり、その描写にそっくりなのだ。そう、すでに『バード』は、本作で映画化されていたのだ。 10点(2003-10-14 19:59:26) |
100. 男たちの挽歌
《ネタバレ》 細かいことは言うまい。なぜなら、これぞまさしく任侠映画! ゆえに、その後のアクション映画に多大な影響を及ぼしたチョウ・ユンファらによるガン・ファイトを楽しむことよりも、魂魄の演技を見せてくれたティ・ロンをはじめとする“オヤジな”男たちの哀切極まりない表情をじっくり味わうことの方が、肝心なのだ。もちろん、チョウ・ユンファも負けてはいない。ラストの港での銃撃戦において、彼がティ・ロンに銃を渡す時に見せる子供のような無邪気な笑顔を、決して見逃してはいけない! 9点(2003-10-14 19:56:10) |