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光りやまねこさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 418
性別 男性
自己紹介 1959年生まれの48歳。
神戸市近郊に在住の、映画をこよなく愛する
市井の人であります。
ま、コツコツとレビューしようと思ってます。

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81.  白い家の少女
人里離れた一軒家の白い家に13歳の少女と詩人の父親が住んでいるというが、果たして父親は本当に居るのか? そして母親は? ミステリアスな題材からして引き込まれ、最後の最後まで眼が離せない一本張り詰めたものをこの作品は持っている。この辺り、哀愁漂う音楽と寒々とした雰囲気描写が独特の空間作りに貢献しているものと思われる。そして本作では言うまでもなく、冷徹だが不思議な魅力を放つ少女をおよそ14歳とは思えない演技で披露したジョディ・フォスターの存在感。作品そのものがピーンと心地よく引き締まり、しかも格調高い作風にしてしまうところがさすがだ。
7点(2004-10-22 15:48:27)
82.  ハンニバル(2001)
タイトルどおりハンニバル・レクターが活躍しそうな映画で、レクターファンのための番外編という感じ。レクター博士のモンスターぶりは年齢を感じさせず凄みを増しており、アンソニー・ホプキンスという俳優の力量をつくづく感じさせた。が、しかし個人的にサスペンスよりスプラッタ描写をウリにした映画はキライなので、ラストのディナーはちょっとねーー、ここまでやるかって感じ。それと、人を喰うブタ(イノシシかも?)も気色悪いし。リドリー・スコット監督らしい格調高い映像と優雅な雰囲気でカバーしているわりには、何のカタルシスもないエグ過ぎる映画だった。
5点(2004-10-21 14:11:19)
83.  眼には眼を
イスラム圏では、こんな身の毛もよだつ復讐の仕方もあるのだろうか。戦後、日本人は西欧文化の合理主義に慣らされてしまっているせいもあると思うが、これはどう見ても不条理に巻き込まれてしまった“世にも気の毒な男”の物語にしか映らない。いや、西欧の支配下に置かれていた当時のシリアの国情も考えなくてはならず、アラブ人の視点からするとまた違った受け取り方をするのかもしれない。この映画は個々のシーンが丁寧に作り込まれており、しかもミステリアスな雰囲気を漂わしながら進行するためグイグイと画面に引き込まれる。《ネタバレ》そして後半、クルト・ユルゲンス演じるフランス人医師に向かって放つアラブ人ボルタク(フォルコ・ルリ)のことば、「よい旅を! !」から二人の心理サスペンス劇がただならぬ緊張感を持って展開される。太陽が照りつける岩石砂漠が延々と続く中、脳裡に焼き付くシーンも数多い。工事用のロープウェイのシーンは見ているだけで縮み上がりそうで、喉の渇きに耐えかね瓶に入ったオイルを飲み干すシーンなんかは想像しただけでもゾッとする。ボルタクの本心は最後まで分からず謎のままだが、ラスト、俯瞰から捉えた延々と続く熱砂がこの絶望的な不条理劇を物語っている。スゴい作品です。
9点(2004-10-16 11:36:32)(良:1票)
84.  エイリアン
SFホラー映画の最高傑作! しかもエポックメーキング的な存在で、これ以降のホラー映画に多大な影響を及ぼしたのは言うまでもないでしょう。監督リドリー・スコットの緊迫感溢れる演出は見事の一言で、リアルでスキの無い描写も一級品。脚本家ダン・オバノンの予断を許さぬストーリー展開も申し分ない。誰が生き残るのか、どんな手段でヤツを退治するのか、最後の最後まで画面にクギ付け。まあとにかく、スプラッタ描写以外は褒めちぎりたくなる程の見応え満点な作品というわけです。とどめは何と言っても、芸術家 H・R・ギーガーの手によるエイリアンの造型美でしょう。その画期的でどう猛なデザインは見る者を驚嘆させ、血液は強力な酸という設定も悪夢的イメージを増幅させている。また洞窟内の不気味な描写もいう事なし。監督のR・スコットをはじめ、H・R・ギーガー、ダン・オバノン、そして女優のシガニー・ウィーバーらを世に知らしめた記念すべき作品だった。
10点(2004-10-15 11:17:37)(良:2票)
85.  砂の器
序盤早々、“カメダ”や東北なまりを手掛かりに二人の刑事達が盛夏の中、汗だくになりながら東奔西走するという緊張感のある展開でゾクゾクさせてくれる。やがて点と点が線に繋がり、謎めいた事件の全容が明らかにされてゆく。この辺り、構成もしっかりしており腰を据えた演出も申し分ない。前半のサスペンスタッチの展開から後半、悲痛な人間ドラマが浮き彫りにされていくわけだが、本作で忘れてならないのが作品を支える俳優たちの名演。とくに緒方拳と加藤嘉の情感を込めた演技が素晴らしく、この作品の印象付けに多大に貢献していた。《ネタバレ》ラストのクライマックス、悲哀に満ちた力感のある菅野光亮作曲・演奏「宿命」をバックに、和賀(加藤剛)の哀れな少年期の回想シーンとシンクロさせる演出は圧巻の一言であり、劇的な効果を収めている。これはまさに映画だからこそ可能な表現方法であり、観る者の脳裡に鮮明に焼き付けてくれる。雪が吹きすさぶ厳冬の中で行われる父と子の巡礼、偏見と迫害の中で強まる親子の絆などなど、当時不治の病といわれたハンセン氏病を取り入れ悲痛な社会派ドラマに仕上げる作風は、さすが監督野村芳太郎らしい。余りにも日本的なサスペンスドラマの名作です。
9点(2004-10-12 13:03:00)
86.  ガス人間第一号
特撮の父こと円谷英二氏の手による特撮映画を世代別に分けると、まず子供向きには言うまでもなく第2作目以降のゴジラシリーズやその他の怪獣モノ。やや大人向きには「ゴジラ(54)」や「世界大戦争」、そして戦記物。そしてそれら中間に位置する青少年向けには、「マタンゴ」や本作のような科学の力を利用した人間変身モノ。後々、テレビ番組で青少年向けように作られた円谷英二監修、「ウルトラQ」や「怪奇大作戦」などに繋がっていったものと思われる。ちょっと前置きが長くなりましたがこの映画、たしかに突っ込みどころは幾つかあるが作品そのものはなかなか良く出来ています。決してB級ネタをB級のままに終らせてはおらず、悲しい男女の運命劇とも受け取れる意外な結末はたっぷりと余韻を残してくれた。
7点(2004-10-10 11:19:21)
87.  隠し砦の三悪人
捻りを効かした抜群のストーリーテリング、全編オープンロケが放つ独特の雰囲気描写、見る者を唸らせるスリリングな演出などなど、いかにも黒澤監督らしい重量感のある作品。序盤、二人の百姓男の前に現われる三船敏郎演じる荒くれ者と、その背後に見え隠れする謎の若い女。この二人、一体何者であるのか。しかも多額の黄金が砦近くに隠されているという。ミステリアスな雰囲気を漂わしゾクゾクさせてくれるわけだが、それがこのままサスペンスフルなシーンの連続で終盤まで一気に見せてくれる。また途中、六郎太の前に田所兵衛(藤田進)が立ちふさがり、この勝敗がラストの見せ場へ繋がるという演出も個人的には気に入っています。姫君の気になる台詞回し、百姓男二人の漫才調のやり過ぎ感もなくはないが、エンターテイメント時代劇としては他の作品と一線を画しておりやはりクロサワは格が違う。
8点(2004-10-08 16:41:06)
88.  妖星ゴラス
「地球最後の日」より、巨大彗星などが地球に激突するというSF映画は今までに何作かあります。この映画の良いところは、安易に核の威力で恒星そのものを爆破しようというのではなく、地球そのものを移動して激突を避けるというところです。これはムチャというより逆転の発想と受け取りたい。しかも米ソの緊張が高まる時代背景の中、国連を通じ世界がその持てる科学力を結集し、人類の危機を回避するという斬新かつ希望に満ちたテーマ性。このように強く訴えるものがあるならば、時代を感じさせなくはない演出も特撮もおおめに見てしまいます。しかし残念なのは、突如現われ基地を破壊する怪獣マグマの登場シーン。これはイタダケナイ(-2)。怪獣ブームということもあり、きっと会社のトップから出せの命令が下ったのでしょう。円谷英二氏にしてみれば心底悔しかったに違いなく、大人向けSF映画の名作となりえただけに残念な作品です。
7点(2004-10-08 16:02:39)(良:2票)
89.  アンドロメダ・・・
これといった特撮もアクションもなく、キャストも地味なんですが、ジワジワと緊張感が高まっていく展開なので吸引力は充分にありましたね。しかも、科学考証に基づいたり、ひとつひとつの描写が丁寧なこともあり、大変リアルで味わい深い仕上げになっている。本作では、科学者達が身の危険も顧みず謎の病原体を解明してゆく過程が見どころなんですが、ラスト、核自爆装置が作動され、回避に向けての息詰まるシーンも圧巻だった。まさに、SFサスペンス映画の傑作です。
9点(2004-09-28 13:28:40)(良:1票)
90.  スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする
精神を病んだ男の遠い記憶のことであり、どこからどこまでが本当の出来事なのか分かりづらい。少年の母親は本当に殺されたのか? それでは誰に? 少なくとも母親は、この世にいないことだけは確かみたいだ。この辺り、受け手より推測するしかないのだろう。今作では、本来クローネンバーグ作品の売りとも言えるグチョグチョ感をビジュアルで見せようとしておらず、しかも共感しづらく感情移入しにくい主人公ときている。そういった意味ではエンターテイメント性は薄く、やや退屈に感じるかもしれません。しかし、陰気な主人公を演じたレイフ・ファインズを初め、二役を演じたミランダ・リチャードソン、ガブリエル・バーン、三人三様の確かな演技力に支えられ、作品自体の完成度は極めて高いと思いましたね。ジワジワとオゾマシさを増していく展開も秀逸で、鬼才クローネンバーグらしい独特の世界観が味わえるサイコ・スリラーの秀作です。
8点(2004-09-27 17:56:16)
91.  十三人の刺客(1963)
わずか十三人の刺客で、どのような戦法でもって参勤交代の道中の途上、暴君の藩主を暗殺するのか。アイデアとしてはおもしろく、しかも丁寧な演出も手伝い中盤あたりまでゾクゾクさせてくれたわけなんだが…。《以下ネタバレ》問題は本作の売りともいえる終盤の大殺陣シーン。そこそこリアリティはあるがこれが冗長に延々と続く。しかも「七人の侍」まんまの袋のネズミ作戦が、なぜか的中また的中でけっこうシラケ気味。ラスト、「待っていたぞ」のドンピシャの御対面シーン。絵に描いたような娯楽時代劇って感じでかなーり興醒め。絶対君主制である武家社会の不条理、武士として生まれた悲しい定めをもそれなりに描かれており、まっ佳作の域には達しているのでは。ところで本作の音楽ですが、巨大ダコや巨獣が出て来そうな雰囲気で、なんか曲調チガウような気もするんですが、ねー伊福部先生。
7点(2004-09-27 17:43:08)(良:1票)
92.  宮本武蔵 一乗寺の決斗
剣術の世界で圧倒的な強さを誇った宮本武蔵の青年期を描く、吉川英治原作「宮本武蔵」の映画化。エンターテイメント時代劇としては抜群におもしろく、学生時代にはのめり込むようにして読んだものです。また、沢庵和尚にお婆に又八、お通に朱実といった多彩な登場人物を絡ませる人間絵巻は、文豪吉川英治の人生訓がそこかしこに散りばめられており教えられることも数多かった。この全五部作からなる一連のシリーズでは、主人公武蔵を迫真の演技でもって好演した中村錦之助はもちろんのこと、巨匠内田吐夢のゾクゾクさせてくれる丁寧かつ味わい深い演出も見どころです。《ネタバレ》今作のクライマックス、一乗寺下り松で繰り広げられる壮絶な決闘シーン。武蔵が修羅のごとき形相で、我が子をかばう父親もろとも源次郎少年を斬り捨てるという凄絶な描写には思わず唸ってしまった。この鬼畜さながらの非情な剣術体験が武蔵を苦悩させ、人間宮本武蔵の大きなターニングポイントとなる。みなさんの仰るとうり今作の決闘シーンがシリーズ中、最大の見せ場ですね。
8点(2004-09-27 15:17:39)
93.  マーズ・アタック!
ティム・バートン監督の手によるSFコメディの快作!って感じの映画。終始、笑いとギャグで作られており緊張感のカケラもないストーリー展開。お人好し大統領を演じるジャック・ニコルソンを初め、ピアース・ブロスナン、グレン・クローズなど豪華キャストのウソみたいな演技が見れるので永久保存版か? 火星人操るドデカいロボットの登場はお気に入りのシーン。ラスト、軍隊や科学者ではなく、気弱だが心優しい青年とおばあちゃんが大活躍するというのが何より一番うれしかったネ。 
8点(2004-09-23 11:07:57)
94.  ジョニーは戦場へ行った
戦争がもたらす悲劇を描く題材は数多くあるが、このような切り口があることにまず驚かされる。さすが名脚本家でもあるダルトン・トランボならではの発想です。本作は主人公ジョー(ティモシー・ボトムズ)に親しみを感じ感情移入しやすい作風になっているため、気がつけば苦しみを分け合ってしまい受け手もツラい。しかも第一次大戦中、英国兵の実話を基にしているだけになおさらだ。懐かしい家族の思い出と楽しかった恋人との一時が走馬灯のように脳裡を駆け巡る。このことが残酷な現実をより一層浮き彫りにしている。メリー・クリスマスの指文字やSOSを発信するシーンも鳥肌ものですが、個人的にはジョーが太陽の暖かさを感じ取り生を実感するシーンがいつまでも脳裡に焼き付く。見る者の大半が涙なしではいられないか、様々なことを考えさせられて当然ともいえる作品ではないだろうか。このような実例は今なお世界のあちらこちらの戦場で起こっており、軍部が世間に知れ渡るのをおそれ闇に葬っているだけかもしれません。また、この映画では今日的なテーマのひとつである、人間の尊厳死や安楽死についても問題提起している。「KILL ME KILL ME」このように一抹の希望を見出せない患者を前にして、あなたならどのような選択肢を取りますかと。名脚本家ダルトン・トランボの執念ともいえる本作には、何ら迷うことなく10点満点を差し上げたく思います。
10点(2004-09-22 11:12:41)(良:2票)
95.  空の大怪獣ラドン
「ゴジラ」の有無を言わさぬ激烈なキャラクター、「モスラ」のファンタジー色豊かで平和の象徴とも言える異色性。確かなメッセージ性に裏打ちされた前2作に挟まれ本作は、これといった特徴もなく印象度は高いとは言えない。精巧なミニチュアワークを取り入れた特撮という技術がウリなだけに、改めて見直すと悲しいかな時代を感じさせてしまう。しかも、ただ怪獣が出ましたやっつけましたでは如何ともしがたく、度重なる核実験による放射能汚染が出現の要因というのも今回は取って付けたみたいだし…。しかしそんな中にあっても、伊福部昭の荘厳で哀感溢れる音楽は時代を超え素晴らしいものがあります。作品全体を格調高く押し上げており、とくにラスト、人間社会の前に姿を現した巨大生物の悲劇を描き切ることに多大に貢献していた。まぁなんだかんだ言いましたが、邦画史上記録されるべき特撮怪獣映画の名作には違いありませんね。
8点(2004-09-21 15:45:11)
96.  わが青春に悔なし
黒澤作品に於いて、女性が主人公という数少ない本作。京大・滝川事件とゾルゲ・スパイ事件をモチーフに大平洋戦争をはさみ、反戦運動家を選んだ女性の、信念を持ち強く逞しく生き抜く姿を描いている。当然見どころは、スター女優原節子の演技。しかも、定番のお嬢様役のみならず、ドロドロの汚れ役を好演したところが本作の売りでありミソ。見方を変えれば、敗戦直後ということもあり、愛する夫や息子を失った世の女性に向けて“強く逞しく生きる”というエールを送っている作品とも言える。やはり野太い仕上がりの中、黒澤節を感じ取ることが出来た。
8点(2004-09-15 10:51:49)
97.  新・猿の惑星
衝撃的な第一作の興奮冷めやらぬ内にさっさと三作目を作ってしまえという製作会社の商魂逞しさ、そしてコーネリアスら3匹は地球爆発寸前に脱出していましたというムチャな設定 …この2点さえ目をつぶれば、作品自体はなかなか良く出来ていると思います。何より人と猿を入れ替えるという逆転の発想、主役二人(コーネリアスとジーラ)に感情移入しやすい演出に、見せ場の多いスリリングな展開。低予算を逆手に取りサスペンスドラマにしたのが正解だった。ラスト、上空から捉えた哀切溢れるシーンと、次回に繋げるための“そう来たか! ! ”という小猿のエンディングもグッド。B級ネタ満載の少年向きSF映画であった2作目に比べると、ちょっぴり大人向けに作られており、ドン・テイラー演出による今作は大健闘と言ってよいでしょう。
7点(2004-09-15 10:50:08)
98.  たたり(1963)
みなさんの仰るようにカメラワーク、映像、音、俳優陣の演技だけで背筋がゾクゾクするほどコワがらせてくれる力量ある演出は、さすが名匠ロバート・ワイズ。幽霊を見せるか見せないかギリギリのところまで引っぱる、人間の内面から揺さぶる恐怖の醍醐味。この、ワイズ監督の格調高い雰囲気とゾクゾク感、そして演出の妙が充分に味わえる。この映画ではカメラワークと音(とくに効果音)の使い方が巧みなのはいうまでもありませんが、モノクロ映像ならではの、陰と闇の抜群の効果が存分にイマジネーションを働かせてくれた。このように、モノクロ映像が放つ魅力を再認識させてくれる、代表的な作品ではないだろうか。ところで本作は、視点を変えて見るならば孤独な女性の悲しい物語とも言えると思います。女性としての大切な時期を母親の看病にすべてを捧げたあげく、唯一の遺産である家屋を姉夫婦(たしか記憶では)に奪われてしまう。帰る家もなければたよれる人もいない。前途に希望を見出せず精神的に不安定になっているところ、引き寄せられるように巡り合えたのがこのヒルハウス。ただ怖がらせるだけではなく、悲しいドラマという側面をもたせ印象度を高める辺りは、やはりロバート・ワイズらしい。たしかに小品ですが、恐怖映画の傑作と言い切ってよいと思いますね、本作は。
9点(2004-09-14 15:39:27)
99.  サルバドル/遥かなる日々
戦争映画の名作である同監督による「プラトーン」は、ベトナム戦争終結後10年余りも経ち何で今さらという感じもしなくはなかった。しかし本作は、サルバドルに米国が軍事介入している真っさ中であり、しかも様々なメッセージを見る者に投げかける真正面から切り込んだ作風となっている。オリバー・ストーン監督のこの心意気、この姿勢を高く評価したい。本作でもやはりオリバー・ストーンらしさが発揮されており、充分過ぎるほどの緊張感を放ちドラマチックに展開させる手腕はさすがだ。またジャーナリスト魂ここにあり、という主人公を好演したジェームズ・ウッズ。機転が利きエネルギッシュで恋多き男というイメージは、どことなくロバート・キャパを彷彿させる。(生前のキャパはこんな感じの人だったのではないだろうか) 緊迫するラスト、余韻たっぷりのエンディングも印象的だった。
8点(2004-09-14 15:37:28)(良:1票)
100.  十階のモスキート
人間、どこで道を踏みはずし人生を棒に振るか分からない。内田裕也演じる主人公警察官は昇進試験に受からない万年巡査部長。おそらくこの主人公、妻に離婚される前までは長年まっとうな警察官だったはず。次第に生活が乱れはじめ、妻の慰謝料や娘の養育費も滞ってくる。そして、競艇で一獲千金を狙うもののサラ金にまで手を出してしまう。やがて雪だるま式に借金がかさみ、その筋の取り立て屋に四六時中追い立てられるハメになる。いわゆるサラ金地獄というもので、悪循環に陥り抜け出せない構図を浮き彫りにしている。《ネタバレ》人間、追い詰められると冷静さを失い、時に狂乱の行動に出るという。が、しかしこの主人公の場合は…。(いや、本人にしてみれば借金取りに追い立てられないだけこれで良かったのかもしれない)  少々粗い展開と編集だが、監督崔洋一に殊勲賞、内田裕也に敢闘賞を差し上げたい、そんな作品です。
8点(2004-09-10 01:16:21)
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