101. ジョニーは戦場へ行った
《ネタバレ》 これは言葉を失う程に、暗く重い。今まで観た映画の中で間違いなく三本の指に入る重さと暗さ。主人公の悲痛な心の叫びを聞かされ続けるのは精神的に相当厳しいものがある。精神が安定してる時以外は観てはいけません。これだけ評点つけるのに困る映画もなかなかない。まあ、評点はあってないような映画ということで点数は無難に。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-06-03 22:25:40) |
102. フェーム
《ネタバレ》 普遍的なことを描いているためにそれほど古さを感じない。これといって大きな盛り上がりのあるエピソードがあるわけでもなく、さらりさらりとただそこにある若者達の姿を描いた内容に、ドキュメンタリー的な匂いを含んだ作りがよく合っている。かなり作られた面が見られるにも拘らず、受ける現実感が結構高いのは要所の描き方が的確なためだろう。ただ出てくる若者達はあまり愛せるキャラクターはなく、ちょっと冷めた目で見ると、甘やかされた若造達のエゴイスティックな群像劇でしかないようにも思える。まあ、それだからこそのリアリティでもあり、この辺は諸刃の刃。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-06-03 21:37:08)(良:1票) |
103. ディア・ハンター
《ネタバレ》 ベトナムに行くまで仲間同士のじゃれあいが延々と描かれる前半。これがあってこその後半なのは十分判るけど、さすがに長く感じます。戦争物というよりは純粋に友情物として観た方が正しいだろう内容。ベトナム戦争の描かれ方が意外に希薄で、まるで友情話のネタの一部分的な扱いにちょっと驚きます。そこにあるのはベトナム戦争というより、ただのロシアンルーレット。とにもかくにもロシアンルーレットで、良くも悪くも強烈に印象に残る。ベトナム戦争物というよりはロシアンルーレット物(そんなジャンルはありませんが)と言うべきなくらいに。 [DVD(字幕)] 7点(2007-05-29 19:39:58) |
104. エド・ウッド
《ネタバレ》 随所にティム・バートンの思い入れを感じる作品。エド・ウッドのひたすら前向きなところはもちろんいいけど、ルゴシに対する尋常ならざる敬愛振りが何より好き。構成もいいし、ほどほどのコメディバランスを保って最後まで飽きさせない。最後の登場人物のその後の記述もちょっとひねった感じで良いでけれど、その中で、エドが後に酒に溺れて死んだことが語られていて、この死に方が映画の中の彼とのイメージとは合わず驚いた。やっぱり色々あるんですなぁ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-09 22:20:55) |
105. プロジェクトA2/史上最大の標的
一応前作のその後の話だけど、話のつながりは殆どないも同じだし、三人の競演もなし。やはりその点がかなり寂しい。しかしこれ単体として見れば十分に楽しめる。斧を使ったアクションは見事です。ジャッキーものは、妙に現代的なものよりもちょっと古めの時代感のある物の方が好み。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-07 19:25:53) |
106. 渚にて
《ネタバレ》 既に核戦争後の世界からスタートするが、それをはっきりとは説明することはなく、何が起こったのかということを観る側がじわじわと察知させる作りが良い。市民の暴動などもなく、皆、非常に普通に生活をしている。置かれている状況に対して、ちょっと平然としすぎている感じはするが、逆にこの平静がやがて来る結末と相俟って、テーマの重さを強調させる効果も出ている。本当に静かに静かに訴えかけてくる映画ではあります。 [DVD(字幕)] 7点(2007-04-15 20:52:19)(良:1票) |
107. スライディング・ドア
《ネタバレ》 二つのifを同時進行させながら観る側を混乱させることのない演出や構成が素晴らしいです。確かに相手役が魅力不足というのは事実ではありますが、逆にこの程度の方がこの映画にはあっているのかなという気もしなくもない。 [DVD(字幕)] 7点(2007-04-15 20:21:15) |
108. SPIRIT スピリット(2006)
《ネタバレ》 実話が基らしけど、どこまで史実通りなんでしょう。筋としては単純でベタだけど、アクションを楽しませる添え物としてはこれで十分。さすがにアクションは最後の武術映画とあってジェット・リーの意気込みの違いをを感じることが出来ます。誇張も誇張で楽しい。当然のように日本は悪役扱いですが、「田中安野」という変てこな名前の武道家が武士道精神を見せ付けてくれていることで一応バランスはとってある。そのため、日本人としてもそれほど後味は悪くはありません。 [DVD(字幕)] 7点(2007-03-30 22:51:28) |
109. アウトロー(1976)
《ネタバレ》 噛みタバコを噛んでは何かと黒い唾を吐くのはあんまり気分のいいものではないが、とことん強い主人公は格好良くていい。家族を失った男が、逃亡中に流れに任せて人を何人も助け、どんどん仲間が増えていき、ひとつの家族のようになっていくという展開も良好。年寄りのインディアンが実に良い味わいで、こういうキャラがしっかり効いているというのも良い映画という証拠ですね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-02-04 22:39:44) |
110. 夏休みのレモネード
《ネタバレ》 大体の展開は大方予想出来るものの、意外性を求めるタイプの映画でもないのであまり気にならない。子供の純粋な目を通して宗教の素朴な疑問を投げかけてくると、大人はそれを真摯に対応しなくてはならなくなるため、大人の事情のくだらなさが浮き彫りになるという構図。多少、それをあざといと感じなくも無いが、この程度なら許容範囲。微妙な問題を抑えるべきところはしっかりと抑えつつも、テンポ良く、サラリと描いてみせる作風は好感が持てます。 [DVD(字幕)] 7点(2007-02-02 21:40:47) |
111. その男、凶暴につき
今見直してみると、北野作品の作風に慣れてしまったことが大きく、さすがに粗の方に目が行ってしまったりもしますが、当時は素直に相当な衝撃を受けたもんです。それまでの映画にはなかったものを強烈に感じさせてくれた作品。 [DVD(邦画)] 7点(2007-02-02 20:55:44) |
112. カトマンズの男
《ネタバレ》 金持ちの満たされた退屈さから自殺願望のある富豪の男が、どうせ死ぬなら保険金をかけて誰かに殺されてくれと頼まれる。男は引き受けたものの、いざ殺し屋に狙われると怖くなって必死で逃げ回ることになるというコメディ。テンポも良く、ギミックの使い方など子供の頃に見ていた外国アニメを実写で取ったような演出が多く、これがとても楽しい。なかなか拾い物の映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-31 21:05:43) |
113. アバウト・シュミット
《ネタバレ》 定年後の侘しさやら、言いたいことが多いのに何も言えない姿やらが、なんだか日本的。まるで日本の中高年像を見ているよう。上がったり下がったりの高低差のバランスが良くて、見ていて飽きることもありません。主人公の心の動きも行動も現実的で良かったけれど、キャンピングカーで他人の嫁さんにキスしてしまうというのはとても不自然で、そこだけ浮いてしまっていて残念でした。 [DVD(字幕)] 7点(2007-01-31 20:41:39) |
114. 2001年宇宙の旅
《ネタバレ》 とにかくデザインが非常に洗練されていて圧倒されます。今ならCG合成でいくらでも出来るんでしょうが、40年前に撮られたとは思えないような驚く映像も多々あります。2001年という当時としては遥か彼方の未来でも、現実的に考えればそこまで科学が急激に進化するわけはないんですが、SFとしての夢を描けばこうなるんでしょう。クラシック音楽をバックにした、まるでイメージ映像のようなシーンが多く、それ以外のシーンでは対照的に音楽は無く、その音楽の無さっぷりが実に宇宙空間を感じさせてくれます。最後の展開は確信犯的に訳が判らなくしてあるので、そこを論理的に正確に理解しようとする必要はなさげ。感じるがままに解釈すればいいんでしょう。HALの暴走などサスペンス的展開もあるものの、全体に見て「宇宙の旅」という邦題はまさにこの映画を良く言い表しているものでした。 [DVD(字幕)] 7点(2007-01-27 22:14:55) |
115. 父と暮せば
原爆被害の有様を最小限の小道具と豊富な言葉と役者の演技によって語られていく様は、惨たらしい映像をいっぱい見せられるよりも胸に迫るものがあります。舞台劇の土台を崩さないような演出も良好でした。そしてなにより原田芳雄の原爆一寸法師は圧巻です。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-01-27 22:01:15) |
116. 好きだ、
《ネタバレ》 長回しでじっくり撮って、役者任せのアドリブ部分も多いらしい。その為、他の映画ではあまり感じることがないリアルで繊細な空気感に満ちています。この繊細な空気感をどう感じるかがこの映画の肝で、観る映画というよりは感じる映画の部類。若干釈然としない部分もあるものの、この手のものに厳密なストーリーを求めると返って感覚が死んでしまいまうものだし、大目に見られる範囲。良くも悪くも実験的な匂いのする映画ですが、試みとしては十分な成果があげられた方でしょう。個人的に宮崎あおいと永作博美が感覚的に繋がらなかったのが少しマイナス。瑛太と西島秀俊のイメージは良く繋がった。どこか茫漠としていて演技が上手いとはあまり思えない西島さんだけど、この作品に限ってはその茫漠さ加減がとても合っていました。 [DVD(邦画)] 7点(2007-01-27 21:33:51) |
117. able エイブル
《ネタバレ》 障害者の彼らがアメリカでの生活の中で色々なことに触れて学習し、様々なことが出来るのだという可能性を示す姿は感動的です。ホームステイ先のアメリカ人夫婦の歓待の仕方もいかにもアメリカ的で良いです。一箇所だけスタッフの介在を感じられるシーンがあって残念ですが、要らない演出などを入れていない分、彼らの成長や心の交流を無理なく自然に受け入れられます。ウルルン的な感覚で観られ、且つ、障害者を考えるきっかけにもなりうる上質なドキュメンタリー映画。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-26 21:37:39) |
118. 海の上のピアニスト
映像も綺麗だし、全体の構成も良い。ユーモアも過不足無く、バランスが良く取れているファンタジー映画。とはいえ、色々釈然としない部分は多いし、行動に関しての説得力も結構弱め。ファンタジーですからということで、全てを丸め込まれている感じがしなくもない。まあそれを差し引いても、妙に魅力的な良い映画です。 [DVD(字幕)] 7点(2007-01-21 19:56:46) |
119. くまのプーさん 完全保存版
《ネタバレ》 三本のオムニバス物。本の中を歩き回ったり、「何ページから何ページまで」とか「何ページの下の方では」とか本を生かした何気ない演出やコメントが小気味いい。最初の「プーさんとはちみつ」はプーさんが意地汚すぎて嫌な感じがするが、そのあとの二本はプーさんが結構哲学的だったりで楽しい。ぬくもりを感じるアニメ的な楽しさが随所に見られる良作。 [DVD(字幕)] 7点(2007-01-13 22:23:53) |
120. 暗くなるまで待って
普通にサスペンスとして面白い。細々とした伏線が後半効いてくるし、盲目ということがしっかり作品に生かされているところがなにより良いです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-12 23:45:43) |