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墨石亜乱さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 159
性別 男性
年齢 60歳
自己紹介 メインストリームでは無いが映像プランナー/ディレクターを生業としています。
映画を観たのは小・中学時代がテレビの吹替えで。高校・大学時代は映画館で年間300本ほど…好きな作品はリピート鑑賞。ニューシネマより王道の娯楽作品を好みます。
吹替えの演技で好きになった映画も多数。広川太一郎、羽佐間道夫、大塚周夫、中村正、若山弦蔵、石丸博也は個人的に人間国宝に認定したい。

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121.  バック・トゥ・ザ・フューチャー
ティーンエイジャーにとって、共通体験として心に残る映画がある、今それは『君の名は。』だろうか、だとすると…かつてティーンだった僕たち私たちの共通体験映画が、この『バック・トゥ・ザ・フューチャー』だろう。 共通点は、ティーンが主人公のドタバタコメディで、時空移動SFで、タイムリミットサスペンスでもあるところ。『君の名は。』は性の差、『バック・トゥ…』は年の差バディーが走り回り夢を叶えるドリームカムトゥルー物語。さらに『君の名は。』の魅力は美しい風景。それに匹敵するのが「どうせならカッコよくしよう!」というスピルバーグの一言で生まれた最高のガジェット、タイムマシン・デロリアンの魅力ではなかろうか!
[映画館(字幕)] 10点(2017-07-21 00:15:42)
122.  ハドソン川の奇跡
21世紀アメリカの見事な英雄譚。  とてもシンプルなのに、 ミステリーとしても、サスペンスとしても もちろん、実話の映画化としても 一級品。  邦題も。(笑)
[ブルーレイ(吹替)] 8点(2017-06-30 13:35:21)
123.  メッセージ 《ネタバレ》 
ファーストコンタクトを言語学者の視点から謎解き映画として見せる革新作かと思いきや… 星新一的なショートショートだった。  人類と地球外生命のファーストコンタクトを描く映画は、『地球の静止する日』『2001年宇宙の旅』『未知との遭遇』『エイリアン』『地球防衛軍』等など過去に金字塔的な作品が多い… だからこそ小さくまとめるのでは無く新たな視点や解釈を期待してしまうのだ。  前半、ファーストコミュニケーションに至るまでの意思疎通の困難と手掛かりの発見は、緊迫感があり引き込まれる。そのまま時間概念の話を絡めずに、訪問者たちの言語の謎解明と来訪理由の理解、人類の融和と解放を描き切って欲しかった。 その期待はあの爆発とともに吹き飛んでしまった… 残念だ。  余談。ギャレス・エドワーズの『モンスターズ/地球外生命体』といい、巨大軟体海洋生物タイプが今のトレンドなのかな?
[映画館(字幕)] 6点(2017-06-30 12:19:34)
124.  LOGAN ローガン 《ネタバレ》 
闘いは終った…安らかに眠れ。 ローガンの死に様を見て、中村主水を長い間演じた藤田まことの言葉を思い出した。 〝ヒーローとはいえ、主水は只の人殺し…最期は泥水にまみれて人知れず寂しく死んで行くのが一番いい〟 ローガンの血塗られた闘いは終った…安らかに眠れ。俺もあとで行くから。 評価 8点。…と言いたいところなのだが  あまりにも、過去のX-MENを愛する者に向けて作り過ぎでしまい 1本の映画として、一般客にオススメできない作品になってしまったように思う。 私の様な映画好き(しかもオッサン)にとっては本当に「涙する完結編」なのだが… うちの奥さん(派手なヒーロー映画好き)には「暗く重いマーベルらしくない映画」らしい。 おそらく多くの観客にはそう見える筈で、観客動員的なヒットは望めないでしょう。 それを踏まえ、ここの評価基準に準じれば、総合評価は残念ですが6点なのです。
[映画館(字幕)] 6点(2017-06-13 17:45:54)(良:1票)
125.  エクス・マキナ(2015) 《ネタバレ》 
VFXでオスカーを獲得した作品。遅ればせながら鑑賞。  確かに、一見愛らしい女性が透明な人口臓器と融合した姿は、妖しくも美しい不思議な魅力がある。 そんな AI:アンドロイド「エヴァ」と、青年プログラマー、そして、エヴァを開発したIT長者。この3人の異常に緊迫した密室劇として映画は進行する。 当然「人工知能とは何か?」という深淵なテーマに対する仮説的な解答を期待してしまった訳だが・・・物語の構成は 突然の幸運→密室への軟禁→異常な実験→秘密の共有→不浄な恋愛(狂気)→関係性の逆転→計画〜実行〜ハプニング→真相の暴露(ドンデン返し)→悲劇→解放 となる。 これはSFでは無く、古典スタイルの「ヒッチコック風サスペンス」。天使の顔をした子悪魔と巻き込まれる男の話だ。 サスペンスとしては十分面白いが、ちょっと期待とは違う方向だったので、点数は辛め。 「AIは新しい知性か?」そのテーマは、『ブレードランナー2049』に期待するとしよう。
[ブルーレイ(吹替)] 6点(2017-04-23 00:26:22)
126.  ゴースト・イン・ザ・シェル 《ネタバレ》 
公開初日に吹替版にて。  予告を見て、ダメだこりゃと思ったが、似せようとして失敗した作品ではなく…よく頑張って作った感は伝わってきた。  だが、マンガ原作をソリッドに再構築した押井アニメが先に存在している以上、そのままでは驚きがない。 ドラマに共感させる為に世界観もコンパクト化されており、後半はもうサイバーパンクとは言えなくなってしまう。 原作が持っている未来考察の多様性や、押井アニメには残されていた哲学性・カルトな魅力を削り、 解りやすく底の浅い自分探しに帰結させたのは如何なものか…  邦画とは比較にならない大予算を投じたにも関わらず、 映画の顔である光学迷彩で主人公が消失するシーンに驚きがなく、多脚戦車のVFXもレトロに見え、全体に小粒な感じが否めない。 この規模でハリウッド映画になった意義が大きいと思うだけに、もっと、目新しいビジュアルを連発して欲しかった…  吹替に関しては、それで観て正解だと思った。ただ、大木民夫氏の不在だけが残念。 荒巻役=ビートたけし本人の声そのままというのは正当ではあるが・・他が全員アニメのオリジナル声優では、どうしても浮いてしまう。  吹替版でも字幕が出るので、字幕版でも荒巻はたけしが日本語で話してるんでしょう。桃井かおりは吹替えでしたが…  Blu-ray用に追加録音して、完全なアニメキャストの吹替バージョンを特典にしては如何でしょう。
[映画館(吹替)] 6点(2017-04-17 18:34:57)
127.  2010年 《ネタバレ》 
名作の続編ということで、過度に低く評価していた作品。 ただ、名人 R.エドランドらしからぬ、オプチカル合成のミスマッチは気になった。  久しぶりにBlu-rayで再見し、レビューを書く気になったのは・・ 「木星の衛星エンケラドゥスに生命の可能性がある」と、NASAが会見したからである。  アーサー・C・クラークの小説を映画化した『2001年宇宙の旅』の後日譚的なこの映画でも、木星の衛星に生命が発見され 同時に、戦争直前の米ソの緊張、調査宇宙船での両国クルーの対立と協力が並行して描かれる。 そして・・・宇宙的意思から人類への警告と米ソ衝突の回避、新生命との共存が人類の未来として啓示される。  先日のNASAの会見・・このタイミングは偶然だろうか?  国が暴走した時、警鐘を鳴らし続けて来たメディアは映画だった・・ 北朝鮮とアメリカの危うい緊張情勢に対して、NASAが『2010年』に倣(なら)って発した「愚かな行為に対する警鐘」。私には、そう思えて仕方がない。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2017-04-14 18:57:22)
128.  天空の城ラピュタ
日本映画最高の冒険活劇  まっすぐな少年と可憐で献身的な少女の大冒険を ハラハラ、ドキドキのアクション満載で描く。  地下から遥か天空まで、ファンタスティックでスケールの大きな舞台 善も悪も、個性的で人間味あふれる登場人物たち 夢と希望、勇気、そしてハッピーエンド・・・  まさに、まんが映画の最高峰!文句なし!!
[映画館(邦画)] 10点(2017-04-11 14:38:44)
129.  キングコング: 髑髏島の巨神
テレビスポットの大げさなキャッチコピーそのままに、映画本編も巨大生物バトルてんこ盛り! 堂々とB級・娯楽大作を目指した点で潔く、童心に帰って大いに楽しみました。  映画には日本人が一人登場します。 珍しくちゃんと日本人らしい名前で感心しましたが、何と碇ゲンドウと任天堂の横井軍平が由来らしいです。 演じているのは国際的に有名な日本人ギタリストのMIYAVI。  監督さんは相当なマニアのようで、観ていると色んな映画のオマージュがあって面白いです。 若い映画ファンの人には、これをキッカケに古い作品にも興味を持ってもらえると嬉しいです。 キング・コング(1933年/RKO/白黒) キングコング対ゴジラ(1962年/東宝) キングコングの逆襲(1967年/東宝) フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ(1966年/東宝) 地獄の黙示録(1979年/アメリカン・ゾエトロープ)  また、「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」など最近の流行で、本編中に以下の挿入歌が流れます。 映画の時代背景も含め、本作のクラシックなスタイルを一層印象づけていると思います。 1. Time Has Come Today / The Chambers Brothers  2. Mat Troi Den / Minh Xuan  3. White Rabbit / Jefferson Airplane  4. Long Cool Woman (In A Black Dress) / The Hollies  5. Down On The Street / The Stooges  6. Paranoid / Black Sabbath  7. Brother / Jorge Ben Jor  8. Bad Moon Rising / Creedence Clearwater Revival  9. Ziggy Stardust / David Bowie  10. Run Through the Jungle / Creedence Clearwater Revival  11. We'll Meet Again / Vera Lynn   それと、【エンドクレジットの最後に短い本編が有ります】から、最後まで席は立たないように!  
[映画館(吹替)] 8点(2017-04-02 17:52:12)
130.  ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 《ネタバレ》 
これは、スター・ウォーズ史上最もシリアスな物語。  多くは語りませんが、トリロジーファンには満足のいく【Episode 3.9】でした。 ギャレス.E、GODZILLAの10倍いい仕事してる!!(再撮影も多かったようですが…笑)  映画だけでスター・ウォーズを知っている人に1つだけ書いておきます。 デス・スターのコアアイテムとして登場する《カイバークリスタル》は、ライトセイバーのコアパーツでもあります。 善と悪の表裏一体性はフォースの概念にも通じていて、スター・ウォーズの真のテーマでもあり オリジナルトリロジー、プリクエルと、ローグ・ワンが同じテーマで貫かれている証拠だと思いました。  《注意。以下は具体的なネタバレです!》 今作のVFXは実物大のセット以外、ほぼ全てCGだと思われますが・・・  ・何故かデス・スターをアップで中央から上に舐め上げるシーンでカメラが歪(いびつ)に動く ・ファンサービス的にEpi.4のキャラが数多登場 ・激似の帝国軍総督様とラストの姫はパフォーマンスキャプチャー+CGI(マズ・カナタ式)と思われる ・レッドリーダーとゴールドリーダーは、Epi.4当時の映像を再利用していると思われる  後半のローグ・ワンの戦いを見て既視感を覚えた。1978年公開の劇場版アニメ「宇宙戦艦ヤマト - 愛の戦士たち」だ。 ・強大な敵に、反乱者の汚名を背負ってたった一隻で出撃する勇者たち ・無敵の破壊要塞基地のピンポイントな弱点と、それを伝える伝説的な内通者 ・鉄壁の防御を誇る要塞都市のゲートを巡る空中戦。特攻的な犠牲もありゲートを突破し突入する戦闘機隊 ・少数の潜入チームの劇的活躍と友情と死。 ・ロボットの自己犠牲(※実写版) ・強大な悪に対する反撃=主人公の犠牲=死と引換の希望と勝利 「宇宙戦艦ヤマト-愛の戦士たち」は、製作中の1977年に全米公開された2つのSF映画に多大な影響を受けていた。 スピルバーグの「未知との遭遇」とルーカスの「スター・ウォーズ」だ。 ギャレス監督やライターがオマージュしたかどうかは不明だが、具体的な類似点がとても多いのは興味深い。 さらばヤマトも、来年「宇宙戦艦ヤマト2202」としてリメイク版が公開される予定。
[映画館(吹替)] 7点(2017-03-26 16:23:29)(良:2票)
131.  LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門 《ネタバレ》 
生ハム食えんな〜 笑  2012年の「峰不二子という女」2014年の「次元大介の墓標」に続く ルパン三世のアダルトなリブートシリーズ「LUPIN the Third」の第3弾は、 剣豪 石川五ェ門が主役で、日本が舞台。 正確には「峰不二子」と「次元大介」の間で、多少スタッフが変わっている。 キャラクターデザイン・作画監督だった小池健が監督に抜擢され 演出・キャラクターデザイン・作画監督まで兼任し純度の高い小池健作品となった。  本作も「次元大介の墓標」に続いて、異常に緊迫感があるハードなルパン映画である! 

  前作通り、30分づつ前編・後編に分かれた構成で、間にタイトルが流れる。 劇場アニメとしては短くテレビシリーズ2話ぶんを意識したフォーマットらしいが そうとわかって観れば、決して物足りなくは無い。 若き五ェ門の、闘いと苦悩、そして開眼が…非常に濃厚に描かれている。  最初期のTVシリーズ(大隅ルパン)の雰囲気を基本としたシリアスなキャラ設定。 物語、演出はよりハードでバイオレント。 レイトはPG-12だが…実質R-15だと思った方がいい。 
 その意味で一般受けを捨て、前作以上のハード路線に舵を切った覚悟には敬服するし 作品レベルも突き抜けている。 
 ただ、闘いが少々生臭くなり過ぎたのも否めず、集客的には苦戦するかも知れない。 
  この五ェ門がヒットして次があるなら…主役は銭形だろうか?それも是非観てみたい! Blu-rayは売れそうだから可能性は十分ありそうな気がする。  唯一苦言を呈すなら、物語の骨格が・・・ 用心棒仕事の失敗→背景組織の闇→強烈なライバルの出現→主人公の苦悩と開眼→肉を斬らせて骨を断つ勝利→ルパンとの絆の成立。 これは『次元大介の墓標』と全く同じドラマ展開で、もう少し違いが欲しかった。  

レビュータイトルの「生ハム食えんな〜」は、 
肉を斬らせて骨を断つの部分で・・・ 映画を観たら解ります。笑
[映画館(邦画)] 8点(2017-02-12 00:08:48)
132.  LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標 《ネタバレ》 
ディテールの積み上げで男の美学を描いた、ハードなルパン三世。  2012年の「峰不二子という女」に続く ルパン三世のアダルトなリブートシリーズ「LUPIN the Third」の第2弾は 早撃ちのガンマン 次元大介が主役。舞台はヨーロッパの東ドロア。 そこで次元は、ヤエル奥崎という謎のガンマンに早撃ちで敗れ、さらに・・・  「峰不二子という女」で、キャラクターデザイン・作画監督だった小池健が本作で監督に抜擢され、演出・キャラクターデザイン・作画監督も兼任。 前作にあった幻覚のような非現実的要素は一切排され、純度の高い男と男の〝技能とプライドと頭脳の闘い〟を濃厚にハードに描く作品となっている。  また本作は、テレビ放映と同じ30分の前編・後編に分かれ、それぞれにOPとEDが流れる。 合計で60分以下なので劇場アニメとしては短い尺だが、まったく物足りなくは無い。 依頼人を目の前で殺された次元の、闘いと苦悩、まだ仲間でないルパンとの関係・・・非常に贅沢な映像とハードボイルドな描写。 小池監督のモダンで渇いたキャラクターと、渋いセリフ、メカ描写もカッコ良く、SEXYなモンキーパンチ風味も効いている。 TVシリーズ初期の殺るか殺られるか!騙すか騙されるか!の緊張感にあふれた、オトナの鑑賞に耐えうるルパン三世に仕上がっている。  皮肉や自虐的ジョークを除いて、お笑い要素は皆無に等しく、赤い血が流れる決闘はバイオレンス度も高い。 ジェームズ・ボンドがハード路線でリフレッシュしたように、本気の次元とルパンを目指したスタッフに拍手を送りたい! 既に、五ェ門を主役にした『血煙の石川五ェ門』の公開が2017年2月に決まってる。それも期待大だ。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2017-02-06 04:57:10)
133.  ザ・コンサルタント 《ネタバレ》 
◯ッ◯マ◯が、実在するとしたら・・・会計士?  アメリカは、常に闇の正義執行人を求めているようだ… 裁かれない悪を裁く処刑人を。 それは時に暗殺者であり、時にヒーローでもある。 ・生きる道を示してくれた父親の死 ・背負ったハンディの克服 ・社会的成功者の顔、もう一つの顔 ・闇の正義と公的正義の奇妙な協力関係 ・永遠の孤独と忠実な友 いくつものキーワードが、この映画に散りばめられている。 そのどれもが、ベン・アフレックのもう一つの姿と符合する。 それは偶然か?意図したパロディーなのか? 社会の闇を描いたシリアスなのか?現代のファンタジーなのか? この会計士は、実はDC作品のメタフィクションなのではないだろうか。
[映画館(字幕)] 7点(2017-01-27 21:18:43)
134.  君の名は。(2016) 《ネタバレ》 
心の中の〝美しい風景〟で綴られたジュブナイルファンタジー  現実よりも鮮やかに光り輝く〝焼きついた一瞬の美しい光景〟 それだけで構成されたようなアニメーション映画だった。 某艦長の言葉を借りれば、なにもかも・・・みな美しい。  その魅力は、新海誠という感性と技術をあわせ持った監督の存在につきるのだが、 ここまでの超ヒットになった要因は、それだけでなく 彼をサポートした老練なアニメーションスタッフの功績も大きいと感じた。 あらゆる年代が受け入れ易いキャラクターをデザインした 田中将賀 アニメーション本来の動きの魅力を作品に付加した安藤雅司。 安藤と共に、青春の躍動感たっぷりにキャラを生き生きと動かした 黄瀬和哉。 物語の構成や演出で的確な助言をしたであろう 岩井俊二。 目だけでなく耳から感情の波紋を広げていった RADWIMPSの音楽。  その全てが見事にかみ合って、強力な魅力を持つアニメーションに結実したのだと思う。 これは間違いなく、宮崎駿が引退して以降で最も〝良く出来た青春ファンタジー映画〟だ。  そして、この作品のもう1つの価値は、マニアックな個人レベルの創作から脱却し 新海監督がアニメーションの表現のレベルを押し上げ、絶大な結果を出したことにある。 「君の名は。」には、2Dアニメが海外で成功するためのヒントが数多く内包されている。 今後それが共有され、洗練されて、日本のアニメーション産業の健全な発展に寄与する事を願うばかりだ。  【追記】 〝今年1番の映画〟は?と聞かれて・・・「シン・ゴジラ」で決まり!と思ったら「君の名は。」が登場。 アニメビジネスの未来を変えるほどの結果を出し続け、快進撃が止まらず、 「君の名は。」で決まった!と思ったら、今度はまったく別次元の「この世界の片隅に」が出現した。 どの作品も革新的で、才能の固まりで、素晴らしい… できれば、三作品とも1位表彰台に立って欲しい。いや本当にそう思いますよ、ありがとうだよ!  【追々記】 『君の名は。』が見ていて気持ちいいのは、映画を観始めた中学生の頃に好きだったライトな 〝ユルSFラブストーリー〟の感じだからだと思う。批判を怖れずに言えば『君の名は。』は 不思議な運命で結ばれた男女の…とてもスリリングで、素敵でハッピーなユル〜いSF映画。 似ている作品は『タイム・アフター・タイム』や、あの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。 ポイントは、気楽に見れる。深いテーマはない。ご都合主義的ハッピーエンドなんだけど そこがイイんだなコレ !!
[映画館(邦画)] 8点(2017-01-15 19:14:23)
135.  マイマイ新子と千年の魔法 《ネタバレ》 
『この世界の片隅に』の片渕須直作品と知ってDVDでの鑑賞。  同じ片渕須直監督が戦中~終戦までの日本を描いた『この世界の片隅に』と同様に、終戦から10年ほど経った地方の町(村)の空気感を非常にリアルに描いている映画です。  牛車が進む奈良時代的な過去と新子たちの現実が交錯する世界観は 一見すると時間ファンタジーだが、そうではないと感じた。 現代と違って、与えられる娯楽が無い子供たちが、自分の空想力で遊んでいた時代だから、想像と現実をレイヤーのように重ね、幻景と実景を綯い交ぜ(ないまぜ)にした世界で遊ぶ姿を描いている【ごっこ遊び】想像力豊かな少女の物語で、『君の名は。』的な過去とのシンクロファンタジーではない。 子供の想像だから、矛盾だらけで断片的だし、ジブリ作品のような派手で爽快なクライマックスが展開するわけがない。 つまり、これはフィクションとは正反対の現実的な〝妄想で現実をより楽しむ少女たち〟の・・・〝自由で豊かで純粋な心〟を描いた映画なのだ。  終盤、戦後のリアルな大人世界〝現実〟を新子は垣間(かいま)見る。〝子供の想像世界〟を〝現実〟が否応(いやおう)無く侵食してくるのだ。 しかし、どんな時代であっても、空想の翼を広げて夢を追って駆け回る子供たちの輝きが衰えることはない。そうこの映画は言っている。そして、優しく映画の幕は下りる。  できれば、この作品の前に『この世界の片隅に』を見ておくことを薦めしたい。その方が、片渕監督の描く世界を感じとり易いと思うし、【すずさんの生きた世界の、その後の世界】を垣間見ることが出来るからです。
[DVD(邦画)] 9点(2017-01-12 10:40:13)
136.  エルストリー1976 – 新たなる希望が生まれた街 – 《ネタバレ》 
完全にスター・ウォーズのファンが対象のドキュメンタリー  大阪のシネマート心斎橋で1日1回のみの上映を鑑賞。 「STER WARSの名も無いキャスト」と映画のコピーにはありますが、いえいえ、ダースベイダーの中の人:デビット・プラウズさん、ボバ・フェットのジェレミー・ブロックさんも登場。それぞれが、撮影当時と現在の思いを本音で語るドキュメンタリー映画でした。  とは言え、ほとんどマスコミ露出の無い出演者ですから、完全に、STAR WARSの濃いファンに向けて作られています。 極端に観客を限定するので、評価は5点。 Episode.IV以来、全作リアルタイムで観た私のような者にとっては、オビ・ワンのフォースに操られたトルーパーご本人の話など興味深く楽しんで観れました。  決してスターではない出演者たちが主役。でも、みんなキャラが相当濃い面々です。笑  タイトルの「エルストリー」とは、007シリーズなども撮影されたイギリスのスタジオの名前で、Epi.IV出演者の多くも英国人。その英国人らしい自虐ジョークで、 自分の墓標に書かれる文字は〝頭をぶつけた男の墓〟や〝グリードの墓〟だと笑いながら答える姿は、とてもチャーミング。 また、キャスト達の話から垣間見えるジョージ・ルーカスのナイーブで、でも妙にフレンドリーでもある人間性も間接的に描かれています。  映画の内容とは別ですが、カセットテープ型のパンフレットに、映画に登場するキャスト達のキャラクターカードが同梱されています。 劇場先着限定や、前売り券だけに付くカードもあり、今からでは難しそうですがコンプリートしたくなってしまいました。笑
[映画館(字幕)] 5点(2017-01-11 23:35:44)
137.  未知との遭遇 《ネタバレ》 
劇場で観なければ、評価してはいけない映画  エンドロールを見ながら、なぜか涙が… 中3のとき劇場公開された作品。監督はスティーブン・スピルバーグ。前作「ジョーズ」で世界興行を塗り替えて注目された。その、ジョーズにつぐ新作は映画の内容を極秘にして公開された。 なぜなら、異星人とのリアルなファーストコンタクトを初めて描いた=観客に体験させる映画だったからだ。  衝撃音とともに暗闇から明転する冒頭から、超常現象的な恐怖さえ感じる前半、ドキュメンタリータッチでサスペンスフルな中盤、そして光と音、SFとファンタジーが一体となった壮大なファーストコンタクト。 まさに、ビデオ以前の時代だからこそ誕生した、巨大スクリーンと70mmフィルムの超大作シネラマ映画だった。  同じSFで、ほぼ同時期に公開された「スター・ウォーズ」も劇場で鑑賞したが、当時の私の評価は断然「未知との遭遇」が上だった。「スター・ウォーズ」は大ヒットしていて劇場は満員立ち見で印象が悪かったのかも知れないが。笑  さて、「未知との遭遇」の主人公のロイは勤勉な電気技師だがアニメや模型が好きだったりと子供のような一面がある。濃くはないがライトなオタク系だ。 アメリカの青年の中では立場の低いオタク系男子の成人した姿。それは監督自身の姿でもある筈。  映画が公開された1977年の日本は、まだアニメブームの夜明け前。とは言え、オタク文化の基礎は作られつつあって音楽やアート、マンガやアニメ、SFなどは急速にハイレベル化し専門の雑誌も創刊され、高校生、大学生に与える影響も大きくなっていた時期。 だが、高度成長期を生きてきた当時の親世代は財産を蓄え家族の安定を人生の目標としていたので、当然、ジェネレーションギャップが生じ「親たちの普通」へ子供を矯正しようとした。  ロイに起こった遭遇事件はスクリーンのこちら側の観客だけが知っている事実で、彼の言動は安定志向の妻や子供には理解されない。自分の夢を身近な家族に理解してもらえず孤立してしまう。 漠然と映画やアート系の仕事を目指していたけれど親の猛烈な抵抗にあった当時の私にとって、ロイ・ニアリーは心情的に共感できる人物だったんだと思う。  映画オタクだったスピルバーグ青年がスタジオシステムの中で「ジョーズ」を成功させるまでにも多くの抵抗勢力があったに違いない。 「障害を振り払い平穏を捨ててでも進まない限り、夢には到達できない。」と、映画を通してスピルバーグは叫んでいたのだと思う。それが、中3の私にも何となく伝わって涙がでたのかも知れない。 今の私の仕事はこの映画に遭遇した結果なので、個人的に貴重な作品。そういう意味でこの評価です。
[映画館(字幕)] 9点(2017-01-03 22:08:37)(良:3票)
138.  この世界の片隅に(2016) 《ネタバレ》 
ほんの2、3世代前…こんな時代こんな日常があったという真実。  試写の評判をTwitterで知り、初日の午後 映画館へ。 テアトル梅田のロビーには人がいっぱい。上映中は立ち見の人までいて驚き。 舞台は戦時中。明るくふんわりと生きる主人公すずと一緒に、 私は、その時代の暮らしを体験した。 広島から軍港の呉へと嫁ぎ、新しい土地で新しい家族との生活が始まる。 物が無く食べる物にも苦労するが、失敗したり笑ったり。 それは今の私たちとさして違わない普通の暮らし。 私たちは、すずと一緒にくすくす笑い、家族とのふれ合いにホッコリし、時に涙する。 2時間の映画が、すずの生きる数年間にも感じられ…そして。  映画が終わった時、色々な感情があふれ、しばし言葉を失った。  片渕須直監督が現地で綿密に調査し再現した風景や暮らしは、全て当時の本当の姿だという。 祖父母から断片的に話を聴いたり、日本史の一部として知っていたその時代。 しかしこれは、どんな歴史書やドキュメンタリーよりもリアルな、VRのような時代体験だった。 すずさんの思いは、当時を生きた多くの普通の人たちの思いに相違ない。 ある意味、隠し、忘れてしまいたい過去。その良いところ悪いところ両方を 原作者の こうの史代さんも、片渕監督も知って欲しかったんだろうと思う。  これは、よく取材して丁寧に作られた、厳しくも優しい〝幸せのあり方〟を描いた最高の映画です。
[映画館(邦画)] 10点(2017-01-03 05:25:22)(良:1票)
139.  ゴーストバスターズ(2016) 《ネタバレ》 
祝・復活!単純に楽しめる映画です(笑)  ご存知「ゴーストバスターズ」がリブートされて帰って来た。 ただ、かなり早い時期に海外での低評価を聞いていたので不安でしたが、笑い所も多いし、テンポもよく案外楽しめました。 当然、1984年の旧作と比較して見てしまうのですが、ゴーストバスターズ達の性別を女性にしたことが良く、観ているうちに段々と〝似て非なるもの〟として受け入れられるようになりました。女性ゴーストバスターズ達の会話は下ネタギャグも多い(配給側の配慮なのか字幕ではソフトな表現にされている)。ドタバタの多さは海外テレビのよくしゃべるホームコメディの豪華版といった様相。旧チームのトボケタ味わいとは正反対。 ただ、その個性が〝嫌味にならない程度な派手さ〟で白けないところ。 ゴーストバスターズはこうでなくちゃダメ!という先入観さえ無ければ、十分楽しめる。 シリーズ化されたら各キャラにも愛着がわきそう…とも思える。特に、見た目がパンクな科学者兼エンジニアのジリアン・ホルツマンは言動が理解不能で 笑、いい味を出している。私見ですが、BTTFのドク・ブラウンを美人にしたらこんな感じだろうかと思いながら見ました。  ストーリー展開は旧作をほぼトレースしているため、物語的に新鮮味は正直ありませんが、ビジュアルは今風にリフレッシュされて派手にスケールアップ。マーベルではマイティ・ソー役クリス・ヘムズワースの馬鹿っぷりも微笑ましい。旧キャストのサプライズ出演もあり、エンドロールのラストメッセージには思わず…涙。旧作への愛も十分感じる映画でした。  旧ゴーストバスタースを〝サイエンティスツ・ミーツ・ゴースト・イン・NY〟と呼ぶとすれば、本作は〝アンチゴーストウイメン・ストライクス・バック・NY〟とでも呼ぶべきか。 私は、素直に「今度のゴーストバスターズも面白いじゃん!」と言いたい。少なくともゴーストバスターズ2よりは・・・
[映画館(字幕)] 7点(2017-01-03 05:13:31)(良:1票)
140.  抱きしめたい(1978) 《ネタバレ》 
ロバート・ゼメキスの監督デビュー作にして、後の作品の原点的な要素がつまった青春コメディーです。  製作総指揮スティーブン・スピルバーグ、脚本ロバート・ゼメキス&ボブ・ゲイルのトリオは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と同じ。 印象的なのは豆タンクみたいなウェンディ・ジョー・スパーバー演じるローズィーの猪突猛進ぶりと、 最初はあまり乗り気でないのにTVのエド・サリバン・ショーに生出演するビートルズを見に行くぞツアーに参加させられ 図らずもビートルズの部屋でトリップしてしまうナンシー・アレンの可愛らしさ。 全編に渡って流れるビートルズの初期ヒットナンバーとテンポよく展開する明るいドタバタ。 そして様々なトラブルの後の全員がハッピーになる大団円です。  ゼメキス作品の中で楽しさではBTTFに次ぐNo.2だと思うので、是非ともBD化して欲しい映画です。
[映画館(字幕)] 9点(2016-12-13 13:05:33)
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