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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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1701.  ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
「トランク」の存在が、お話の要になっていて、面白いんですね。トランクのすれ違いが、物語の発端でもあり、オチにもなっている。 そんでもって、トランクに入るワケもないものが、トランクを出入りしてみせる、それが楽しいところ。 デブのおっちゃんがトランクに入る。いや、入りきれない。一見、トランクの底に穴を開けて人間が入っただけのローテクなシーンと思わせて、トランクごと飛び跳ねながらおっちゃんが何とかトランクに入ろうする、CG演出の驚きと、ナンセンスな可笑しさ。 ハリーポッターよりもはじけてて、いいんじゃないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-05-04 22:14:26)
1702.  ヒトラー暗殺、13分の誤算
この邦題にもある「13分」という数字に、西欧では不吉なものを見るのかも知れませんが、映画の最後に出てくるタイトルを見ると、主人公の名前である「Elser」となってて、実際、この映画では「誤算」が何分であろうと、さほど問題ではなく、あくまで主人公個人を描いた映画なんですね。 それに、映画はその「13分」を直接は描かず、計画の失敗、拘束、拷問から物語が始まります。で、現在と過去が交互に描変えていく。現在の殺風景な留置施設の光景に対し、過去のシーンにおける自然の美しさが目にまぶしい。 ヒトラー暗殺計画は失敗し、無関係な人々の命を奪っただけに終わってしまう。過去に遡ったとて、そこに繰り広げられるのは、人妻との不倫関係に過ぎない。そこにあるのは、ただただ、寄る辺の無い主人公の姿。無力な主人公は、周りの人々の運命を狂わせただけで、所詮は無力な存在に過ぎなかったのかも知れない。のみならず、終盤で示される5年後のエピソードでは、主人公は何も無しえぬまま、思わぬ人の運命を思わぬ形で狂わせたことだけが虚しく示されます。 何とも、寂しい映画です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-04-21 10:52:58)(良:1票)
1703.  ハンターキラー 潜航せよ
ロシア領海内で、ロシア潜水艦と米潜水艦が沈没。何が起きたのか、あるいは今、何が進行しているのかを探るため、4人の特殊部隊と原子力潜水艦アーカンソーが現地に派遣される。という訳で、陸上部隊の活躍と原潜内が並行して描かれて次々に事件が発生し、とにかく飽きさせません。片や海中での魚雷戦があり、片やパラシュート降下や陸上での銃撃戦があり、盛り沢山のエンターテインメントになってます。 潜水艦が潜航する際に艦内が傾く描写なども楽しいし、スクリューの重たい機械音、不安を誘うソナー音が続く一方で、艦内で息をひそめる定番の静寂シーンもあって、音の演出も効果的。だけど。 スピード感があって、サラサラと楽しめる分、もうひとつ心にひっかからない、ってのはありますね。 海中で魚雷が走り回る不気味さ、ってのは大いに結構ですが、図体のデカい潜水艦までこうも自由に動き回ると、何だかテレビゲーム的になっちゃう。水の重さ、水中での動きの不自由さ、みたいなものがもう少しあってもよかったかと。 チビ潜航艇が母艦とドッキングする場面なんかも、いとも簡単に繋がっちゃうんですけど、たぶん本当は結構、手数がかかるんじゃないんですかね。作業が手間取る一方でせまってくるミサイル、みたいなシーンを、例えばスピルバーグみたいなイジワルな人なら、「これはもう絶対間に合わない」というショットでもって演出するところだと思うんですが。本作はスピード重視なんでしょうか、何だかアッサリしてて。ハラハラさせるシーンは確かにあるんですけどね、でももっとハラハラさせてくれたらいいのに。 本作は、ロシア艦長役のミカエル・ニクヴィストの死後に公開、つまり彼の遺作にあたり、実際、彼の思い出に捧げるとのクレジットが出るのですが、それにしちゃあ(って、遺作のつもりで作った訳でもないでしょうが)、彼とジェラルド・バトラー艦長との関係も描き方が物足りない。ジェラルド・バトラーの『300』を彷彿とさせるコワイ顔ばかりが印象に残って。ふたりの関係をどう描くか、物語の上でも重要な部分のハズなんですけれども。それに比べると特殊部隊のトビー・スティーブンスの方が、ナンボかいい味出してます。 うーむ。何だかこれじゃ、不満タラタラみたいですね。そんなことないですよ、面白いですよ!(何じゃそりゃ)
[映画館(字幕)] 7点(2019-04-21 09:44:44)
1704.  ドリームハウス
会社を辞めて家族とゆっくり暮らそうと手に入れた家は、訳アリ事故物件だった。というワケで、色々と奇妙な事件が起こるのですが、なるべくネタバレを避けるように感想を書きますと、、、 なるほどそうきたか、そのパターンですか。しかしまだ映画中盤なのに、このあと話をどう持っていくんだろうか。ちょっと尻すぼみ? いやいや、ああ、そういうことね。というワケで、うん、しっかり盛り上がったね! ・・・何言ってるかわかんないですね、すみません。 観てて、多少「?」と感じてた部分も、すべて、織り込み済みなんだろうな、多分、私が気づいてない伏線もまだまだあるんだろうな。 登場人物たちの表情がイマイチはっきりと捉えられていない印象があって、そのせいか映画がモヤモヤした感じがあって、もう少しうまく描けないものか、などと感じたのも、結局はそれも織り込み済みなのかも知れません。ただ、監視カメラの映像に初めて容疑者の顔が映される瞬間、ここだけはもっと鮮明に示してドキリとさせて欲しかった気がします。 それにしても、この家に何かいるのでは、何かがあるのでは、そんな事を感じられるのも、家が広いからだよな~うらやましいな~、とか思っちゃう私はウサギ小屋。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-04-14 18:06:08)
1705.  カリートの道
これはもう、Carlito's Wayというよりは、Pacino's Wayであって、いつも通り、というかいつも以上に、存分に映画の中で語りまくってます。手振り身振り全開で、実に気持ちよさそうに語りまくり、おかげで時にはカットが切り替わると手の位置がズレてしまってる、なんて事も発生する訳ですが、そんなの些細なこと。何せ気持ちよくしゃべってるんですから。 デ・パルマも例によって例のごとく、カメラをクルクルと走り回らせたり、疑似パンフォーカスともいうべき合成映像使ってみたりと、お構いなし。 こんなコトばっかりやってると映画がバラバラになりそうですが、この映画、意外に収まりがいいんですね。主人公像にアル・パチーノがよくハマってる。大物のようでありながら、何となくセコい感じがね。ジョン・レグイザモをいたぶるあのエラソーな感じが、実にお見事。 デ・パルマも本作の終盤のクライマックスでは、実に真っ当に追跡劇をスリル一杯描いていて、そう、やろうとおもったらこういう事できるんですよね。できるのにやらないのね。本作ではちゃんと、シビれるほどの盛り上がりを演出してくれます。 で、これらすべてが収斂していく、衝撃のラスト。衝撃的だけど、でもやっぱりこれしかないよね、という説得力があります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-04-14 15:36:44)
1706.  奴らを高く吊るせ! 《ネタバレ》 
冒頭いきなり、イーストウッドが9人組に因縁をつけられ、首を吊られてあえなく死亡。で、主人公が死んだところでタイトルがバーンと出る、というイカした趣向。って、映画が始まる前に主人公が死んでしまっては困るので、実はまだ死んでなくって、通りすがりの保安官に助けられる。 だけど、この映画観てると、イーストウッドの役どころは基本的に「死なない人」なので、助けられなくっても何とかなったのかも知れませんが、とにかく助けられ、無実であることも認めてもらって、ついでに保安官にもなっちゃう。なっちゃって、9人組への復讐を誓う。 という復讐譚で、映画のノリにも明らかにマカロニ・ウェスタンの影響があり、ここからは復讐一直線、と思いきや、そうならないのが本作の特徴であり、ちょっと気持ちのワルいところでもあります。中盤は復讐とは関係ない別の事件に首をつっこむことになり、この事件を通じてやりきれない思いをいだいたりもする。 はたまた、何やらワケありの過去を抱えているらしい女性との出会い。 こういったあたりは、マカロニとはまた違った種類のハードボイルドを感じさせます。が、それだけに、何だか妙な方向に話が広がっていくなあ、と。これらのエピソードが、死刑制度の矛盾とか、終わりなき復讐の虚しさとかを漂わせて、しかしそれでもイーストウッド演じる主人公は、復讐へと突き進んでいく・・・というのが、悲壮なヒロイズムというよりは、ちょっと場当たり的に感じてしまうのは、私のハードボイルドに対する理解が不足してるんですかねえ。クライマックスの決闘も主人公側ではなくむしろ「追い詰められた敵役」側から描かれていて、悪は決然と断罪される。ある意味、身も蓋もないんです。 で、ラストではまた、人を裁く矛盾が描かれる。この主人公、他人の罪の重さをやたら自分で決めたがるクセがあるのです。実は結構、社会派(?)な作品なのでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-04-08 21:30:19)
1707.  小さな恋のメロディ 《ネタバレ》 
男の子ってのはいつも、カワユイ女の子の方をチラチラ見ているものであって、その視線の先にいるカワユイ女の子ってのは得てして、その男の子以外の「何か」、とてもツマラナイ「何か」を見ているもの、なんです。これは絶対の真実。 なのでこの映画、主人公とメロディちゃんが仲良くなる後半、メロディちゃんが妙に可愛くなくなっちゃうように、見えちゃうんですけどね(※あくまで個人の感想です)。 とは言え、もう私も親の世代ですから、ちょっとハラハラしつつも微笑ましく見守るような、そんな気分にもなりますが。 実際、そんな気分にさせてくれるのに大きく貢献しているのが、周りの少年少女たちのナチュラルさ。その姿をスナップショット的に捉えたカメラの魅力。 大人をギャフンと言わせて自由に羽ばたいて見せるラスト、どうせトロッコをギコギコしながら終わるんだったら、後ろから貨物列車に追われて必死に漕ぎながら終われば、ちょっとは社会の厳しさも思い知って良かったんじゃないの、と(※あくまで個人の妄想です)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-03-31 21:06:10)(笑:1票) (良:1票)
1708.  ハングリー・ラビット
前半は、「世にも奇妙な物語」でドラマ化されてた「復讐クラブ」みたいな、復讐代行のオハナシですが、巻き込まれ型サスペンスの体裁をとっており、謎が提示される前半に対して、後半は謎解きとアクションへとなだれ込み、ああやっぱりニコラスケイジ映画にハズレなし。などと、有りもしない法則性にいつまでもすがっていたってしょうがないんですけれども。 冒頭の、自動車転落事故に見せかけた殺人の場面など、一瞬でケリをつけるのではなく、むしろ手間取りモタつくようなその経緯を何カットも使って描いていて、これは「プロの仕業ではない」というこの作品の物語の根幹に繋がる部分でもあるのでしょうが、それを抜きにしても、細かい描写の面白さというものがあります。主人公が自販機でチョコを買うシーンにおけるシツコさなんかもそうですね、わざわざ「2個買え」と指示されるもんだから、時間がかかる、モタつく、何かヤな感じ。 不良生徒とのやり取りなんかも、主人公が停職になるというストーリー上の必然性もあるのでしょうが、それ以外に主人公の内面の変化もそこに投影されていて、印象に残ります。 で、提示される数々の謎(板書された電話番号とか、「choose」のメッセージとか、何で主人公の電話番号が知られているのか、とか)は、理屈をこねれば納得できなくはないけれど、正直よくワカランというか、謎はナゾめいているから面白いんだよね、ツジツマなんて合っても合わなくてもいいよね、というノリで突っ走ってるところがあって、そういう割り切りが作品の魅力になってます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-03-23 10:09:37)(良:1票)
1709.  永遠に美しく・・・
そりゃまあ、その昔、金曜ロードショーか何かで初めて観た時には、私も、こりゃヒドイやと思いましたけどね。不老不死になったら、どんなに肉体がポンコツ化しても死ぬに死ねない、という、ただその思い付きだけで突っ走っちゃったような作品で、大してストーリーらしきものも無いまま、投げ出すようなオチで終わっちゃう、この生煮え感。オムニバスの一本で、充分じゃないの、と。 でも最近では、このテの映画に親しみが湧く、というのか、味覚がおかしくなっちゃったのか。久しぶりに観て、結構、楽しませてもらいました。 イザベラ・ロッセリーニが、実にエロ素晴らしくって、しかもそのエロ素晴らしさってのが、何だかサイレント映画から抜け出してきたような不思議な趣きがあって。で、一方にそういうサイレント映画の女優さんみたいな「永遠の美しさ」みたいな存在があり、もう一方にはメリル・ストリープとゴールディ・ホーンという、押しも押されもせぬ現代の大物女優。彼女たちが数々の出演作の中で見せてきた「美」は、今後、どういう形で映画史に刻まれていくのか?と、そんな風にこの映画を捉えると、ああ、見てる間にもう、メッキが剥がれちゃってるじゃないの。と、この上もないブラックな作品になっちゃってるんですね。で、それをこの二人が、なかなか凝った特殊効果の助けも借りて、実に実に楽しそうに演じてます。正直、「え、ブルース・ウィリスも出てたんだ」ってな感じ。 ただ、不老不死になる過程が、ただ「薬を飲みました」ってのは、ちょっと安直過ぎて、もう少し工夫と遊び心があってもいいのに、と思ったりもするんですけども、ま、もともと映画全体が安直なので(笑)そんなもんかな、とも。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-03-20 20:52:16)
1710.  正義だ!味方だ!全員集合!!
ドリフ映画最終作。子どもの頃、「テレビのドリフは面白いけど、映画のドリフはつまんない」と思ってた私も、この作品はとても楽しめたのでした。クライマックスの無声映画ふうの早回しドタバタが、バカバカしくって面白いのなんの。ってほど、今見ると笑える訳でもないのですが、いいじゃないですか楽しいし。 ドラマ部分は、まあ正直、撮影に金も時間もかけてないんでしょう、画面自体は、見栄えがするとはお世辞にも言えませんが、比較的ワンカットが長めにとられていて、これが、ドリフのコント仕立ての芝居によくマッチしてます。何か安心感がありますな。 悪役のベンジャミン伊東のヤラレっぷりも楽しいし、飄々とした蝶々さんもいい味出してます。何で金子信雄がいつもカレーライス食ってるのかよくわからんけど、美味そうに食ってます。楽しい夕食。 何より、出番は少ないけれど、自転車に乗る志村けん巡査の笑顔が、もうホントにイイ顔してて、子どもの頃に見た時以来、忘れられなくって。今回久しぶりに観て、そうそう、これこれ!って思っちゃいました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-03-18 20:44:08)(良:1票)
1711.  アリータ:バトル・エンジェル
ストーリーもアクションも何だかチャカチャカと慌ただしくって、どうしてこうもタメというものが無いんだろうか、と思っちゃう。主人公が闇雲に強くって、しかも戦う気も満々なもんだから、引っかかりというものがまるで無い。普通なら少しは勿体ぶって見せてくれてもよさそうなもので、そういうタメの部分があれば、物語に起伏も付こうってもんですが。 例えば「地上最大のロボット」や「プルートゥ」に登場するエプシロンみたいに、戦いたくはないけれど戦わざるを得ない、とか、そういう含み。 キャメロンが書いた脚本が最終的にどこまで採用されどの程度作り直されたのか知らんけど、キャメロンの脚本を書き換えるなんてそれなりに勇気がいることなのかも知れない(「ランボー/怒りの脱出」の頃とはワケが違う)、でもロバート・ロドリゲスならもうちょっと独自色を出せたのでは? と、どういう遠慮が働いたのか働かなかったのか、特色の薄い作品になっちゃってますが、それでもあの、ビルから見下ろした未来都市(高度な文明というより雑然とした感じ)の遠景なんかは、見どころになってます。 それに、本作だけだと「『エリジウム』の序章だけ」、ってな感じですが、この先、物語が広がっていきそうな予感もさせて、一応、続編に期待しちゃっております。ま、本当に作られるのかは全く自信ないですけどね。
[映画館(字幕)] 7点(2019-03-11 21:08:14)
1712.  猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー) 《ネタバレ》 
かつての五部作が、相当に無理やりな部分があったとは言え一応はストーリーの繋がりを意識していたのに対し、今回のシリーズはそういう意識が希薄で、回を追うごとに文明が退化していき、物語の方も、前作から繋がるオハナシというよりは、文明の残り火が最後にフト、微かに燃え上がったような、ちょっと寂しいオハナシです。ま、実際、我々もこのシリーズに対しては、物語の連関など期待してなかった部分がありますが。 で、そういう文明が退行していく世界の中で、また、「苦難とそこからの解放」が描かれます。それも念入りに。 と同時に、その背景には「地獄の黙示録」もあって、ああ、道理で大佐はハゲでなくちゃいかんワケだ、と。 ただ、「地獄の黙示録」では、ただ「王国」が炎上していたのに対し、こちらでは「王国」を焼き払う軍隊自体も描かれ、さらにその「上」の存在(わざわざそれを「神」と呼ぶ必要なないだろうけど)が、襲い掛かる雪崩として示されます。 なんか、アレですな、横暴な課長がパワハラしまくってたら、新任の部長がそれを一喝、しかし結局は社長じきじきに部門ごとお取り潰し、ってな感じですな。 シーザーたちCGキャラの表情が実にお見事で、逆に、「CGキャラにどこまで演技させられるか」という作為を感じさせかねないくらい、その表情に重きが置かれてる面もありますが、それを補うようにロングショットも多様されてて、あの雪崩とも合わせて人間たちと類人猿たちの存在の小ささも感じさせて、心を打ちます。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-03-10 08:43:05)
1713.  張り込み(1987)
コレも結構、好きなんですよね~。ジョン・バダムだから面白いのか、面白いからジョン・バダムなのか。 本当の張り込みというものがどのくらい大変なのかはわかりませんが、こういうの観てるとちょっと憧れちゃう。何かイイじゃないですか、この、グダグダな環境の中で、ムダにダラダラと時間を過ごす感じ。これでも仕事だってんだから、ちょっと羨ましい。 というワケで、物語の方もそれなりにまったりとした部分もあるのですが、リチャード・ドレイファスが何かにつけ、要らんコトをするもんだから、ハラハラさせられ、目が離せなくなります。 そして、冒頭の魚加工と対応するように、クライマックスには、製材所を舞台にしたアクションを持ってきて、こういうのが実に楽しいサービス精神。全編通じて、軽いノリが楽しい作品です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-03-09 00:38:34)
1714.  リンゴ・キッド
いやあ、面白いんです。これでカメラがまともだったら、とてもイイ作品だと思うんですけどね。上手じゃないというより、もしかしてフザけて撮ったんじゃないの、とすらいいたくなるシーンがいくつもあって、雑な印象を与えてしまうのが、残念。 歌っている女性の顔を、いくら何でもそこまでアップにして撮るか? ほとんどイヤガラセのようなドアップ。 それ以外にも、ムダにブレたりムダにボケたり、何を撮ったのかよくわからんショットが平気で使用されて、いかにも、手っ取り早く撮影しました感が、アリアリ。 こんなカメラだから、酒場に置かれたクマの剥製にもまるで迫力が無く、これはクマ自身の責任ではないでしょうなあ、きっと。 でも全部が全部ヒドい訳ではなくって、中盤、主人公が水筒バクダンで敵と対決する一瞬なんか、雑であれ何であれ、闇雲にカッチョいい。 主人公は何やらノラリクラリやってて、保安官と好対照。このノラリクラリの主人公が、いよいよクライマックスで戦いに参加するとなると、ヨッ待ってましたッ、てな感じ。意味ありげに登場するダイナマイトとか、意味ありげに置かれていた大砲なんかも炸裂して、大いに盛り上がります。 いやホント、すばらしい。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-02-10 09:38:39)
1715.  昼顔(2017) 《ネタバレ》 
一枚のチラシが、二度と会う事を許されぬ二人を、再び結びつける。でもそのチラシを、上戸彩がなかなか見ようとしないのよね。だもんで脚本家はテーブルの上のチラシを扇風機の風で飛ばして、彼女に注目させようとするのだけど、一向に目を向けようとせず、もうニブイったらありゃしない。業を煮やして今度はチラシの上にカナブンを落として見せ、ようやくニブイ上戸彩でも気づくことになる。これだけ念には念を入れて再会させられたふたりが、そりゃもはや離れられるワケもなく。 大学の先生のくせに、川遊びばかりせずにもうちょっと研究らしい研究をしなさいよ、と言いたくもなるけれど、要するにこの二人の間柄って、子供同士の延長みたいなところがあるのね。だから、大人からの視線を浴びせられると、ツラくなる。そっと川辺で密会し、ままごとのような共同生活をし、やがてあっけなく永遠の別れを迎える。子供の小遣いで買ったような指輪だけが人知れず川辺に残されて、たまたまそれを見つけた子供たちの手にわたって物語はオシマイ。なんちゅうはかない永遠性であることよ。 斎藤工演じる北野先生、なんの活躍も見せないままアッサリと事故死(同乗の伊藤歩が強すぎるんじゃなくって、斎藤工が弱すぎるんです)、上戸彩は(そして観ている我々も)遺体との面会すら許されぬ、という、物語の中の「死」の特権すら剥奪する残酷さ。まーホント、気が滅入ります。
[地上波(邦画)] 7点(2019-01-29 22:33:07)
1716.  オレゴン魂
『勇気ある追跡』の続編というのか、それとも変奏曲とでもいいますか。また3人で「追跡」をやるのですが、今回はずいぶん勝手が違ってます。前回ジョン・ウェインと同行したのが少女だったのに対し、今回はキャサリン・ヘプバーン演じるオバチャン。前回は3人の間にある種の緊張感があったけど、今回はこのオバチャンに圧倒されて、ジョン・ウェインもたじたじ(もう一人の同行者である先住民の少年は、とてつもなく素直なので、正直、存在感ありません、ハイ)。このオバチャン、敬虔なクリスチャンのはずなのにアッサリ敵を射殺してみせたり、クライマックスでは敵にウソついて不意打ちしたり、まーやりたい放題、まさに独断場。 ジョン・ウェインも、もうしょうがないなーとばかり、最初から折れ気味で、二人の間に緊張感が無いことは、二人の姿を横並びで収めた画面の多さにも表れています。 という、なんともいえないおおらかさ。ガトリング砲ぶっぱなしたり、ニトロが爆発したり、人も結構バンバン死ぬんですが、基調はあくまでコミカルです。もうこの二人、結婚しちゃえばいいのにねえ、と思ってたら、ラストは西部劇らしく別れとなるのですが、ここでは去っていくのがキャサリン・ヘプバーンであって、ジョン・ウェインが「見送る側」なんですねえ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-01-21 21:28:10)
1717.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 
主人公の勇気と決断力を浮きだたせるために、いったん主人公を厳しい立場においやって、クライマックスの公聴会でもう一度それをなぞって見せる、という構成。試験結果を待つような気分でハラハラさせてくれます。 90分少々の作品で、30分が事故後の主人公と世間の模様、30分が事故と救出、30分が顛末、という、えらく律儀な構成になってます。もう少し変化をつけてもよかったのかも。大事故の幻想シーンが挿入されて観る者をハッとさせるのは、一応はそういう変化の一種なのかも知れないけれど、もう一つこの物語にマッチしていない印象があります。主人公は自分の決断に自信があったのか、迷いがあるのか? この悪夢から立ち直れたのかどうなのか? 事故当時の音声を聞いた後、休憩を要請して廊下に出た主人公、あの幻想シーンもあったことだし、やはりトラウマになってるのだろう、廊下でぶっ倒れてるんじゃないか、と思って観てたら、副操縦士とエラく前向きな会話してるし。 というワケで、どうもこの主人公像がもひとつピンと来ない部分は、あるんですね。それに映画の中では、主人公に接する人物はみな彼を気軽に称賛して、それが主人公の孤独感をかえって強めたりもするんですが、正直、この映画自体が主人公を「そういう風に」持ち上げているような面があって。実際の機長本人がこの映画で孤独になってなければいいけど。 もっともこの作品、主人公だけが英雄なんじゃなくって、みんながヒーローなんだ、という立場に立ってて、そういや、後に救出に加わるフェリーが、この後何が起こるかを知らないままに出航する場面、妙に印象的だったなあ、と。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-01-14 13:07:39)
1718.  忠臣蔵 花の巻・雪の巻(1962)
八代目松本幸四郎が松竹から東宝に移って、また忠臣蔵映画の主演をやっている訳ですが。会社が変われば映画も変わる。ような、大差ないような。 まあ、どっちかっていうと淡泊な印象です。歌舞伎役者をズラリと並べて歌舞伎調の部分を少し感じさせつつも、基本はあまり時代がかっていない現代的な感じは東宝風(?)。そういや先日、同日同時刻に、大映版とこの東宝版をBS朝日とBS-TBSが放送してて、ザッピングで楽しめる状態になっておりましたが、さて日本国民の何人に一人がそれを楽しんだことやら。というのはさておくとしても、まず一見してこの東宝版、画面が明るいですね。色彩も毒々しくならない程度に豊か。いかにもスタジオ撮影で、見通しがいい。屋外シーンも背景はCG、というワケにはいかないので書き割りが多用されていて(手がかかる割には安っぽくなりがちですが・・・)。 浅野内匠頭が加山雄三、ってのも何だか現代風。上野介の理不尽なイジメを耐えに耐えた挙句、というよりは単に青年らしい無鉄砲さが爆発したような刃傷事件、切腹の場面も上野介の夢の中でサラリと描かれるだけなので、ドロドロした印象はありません。それよりは何しろオールスターキャスト、いろんな役者にいろんな役を回していかないといけないので、ドロドロしているヒマなどありません。お城の明け渡しまでに結構、時間使っちゃったし(花の巻)、後半にエピソードを詰め込んでいかなくちゃいけない。 というワケで、フランキー堺はそんな役でそんなに目立ってていいのだろうか、とか、池部良もチョイ役なのに貫録出しまくってるよなあ、とか、やっぱり三船敏郎はオイシイところ持っていくよなあ、とか、数々のエピソードを贅沢なキャスティングで楽しませてくれるんですけど、その分、浪士の存在がイマイチ目立たなくなっちゃってる、ってのはありますね。みんな押し並べてマジメそうな顔を並べて、あまり個性が出ていない。で、唯一の例外として、このマジメ顔の中に佐藤允が混じってるもんだから、一人だけ目立ってしょうがないんですけどね。 討ち入りシーンも、もう一つ派手さはありませんが、ゴジラテーマ(ただし音型が反行)が流れたら、そりゃ盛り上がらざるを得ない。それでも上野介がなかなか見つからないとなったときには、徒労感のような、あきらめムードみたいな感じが漂ったりして、スペクタクルよりもドラマに力点が置かれているようです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-01-13 14:58:42)(良:1票)
1719.  ギャラクシー・クエスト
凶悪宇宙人の侵略を受けた宇宙人が、傍受したSFテレビシリーズの放送を真に受けて地球に救いを求めてくる。まー、実にナンセンスで、しかしSF的には「うん、こういうことって、ホントに起こりそうだよね」という秀逸な設定が、作品の魅力。久しぶりに観ましたが、やっぱり面白い。 人気の低迷した役者たちがなんとなく騒動に巻き込まれていく展開だけに、いささかオフビートな部分もありますが、徐々にテンポを上げていき、特殊効果もしっかりしていて好感が持てます。何より、救いを求めてきた宇宙人の嘘くさい笑顔、バカ正直ぶり、徹底した純朴さが、胸を打ちます。 ただ、特に「何で俺がこんなことを」感の強い役に、そのまんまいかにも向いて無さそうなアラン・リックマンを起用したのは、ホントに「そのまんま」過ぎて、あまりよろしくなかった気も。コメディにはコメディのやり方があると思うんですけどね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-01-06 17:08:23)
1720.  東京流れ者
ギャング映画をどこまで解体したらギャング映画でなくなるのか、という限界に挑む本作。どうして突然こんなところでロケしているのか、どうしてこんなにスカスカのセットで撮影しているのか、もうワケがわからなくって、そもそもこの映画は「面白い」のだか何だかもわからなくなってくるのですが、そういう、作品を通じて貫かれている姿勢自体が、何かだかカッチョよいのです。 冒頭、渡哲也がリンチされてるシーンからして、まるでミュージカルのように舞踏っぽいところがあります。やたら男前な若き日の渡哲也が、映画でオモチャにされてて、こう言っては何ですが、カワユイのですよ。 森進一は許さなかった川内康範センセイですが、本作は、お気に召したのでしょうか。ちょっと心配。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-11-17 03:36:00)
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