アラビアのロレンス の アルメイダ さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ア行
 > アラビアのロレンス
 > アルメイダさんのレビュー
アラビアのロレンス の アルメイダ さんのクチコミ・感想
作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 スピルバーグ監督が監督を志すきっかけとなった作品であり、
新作映画に取り掛かる前に必ず見るという、「素晴らしき哉!人生」と、
本作「アラビアのロレンス」こちらがまだ未見でした。

まず主人公がバイク事故で亡くなること、
葬儀の席で話をする恐らくその後出てくる予定の過去の知人たち。
こんな始まりから一気に回想は第一次大戦中のアラブへ・・
自分の足元に字幕が出てしかも目線はほとんど下。
すごい映像の作りですね。真っ白、何もない砂漠・・
まるで「スターウォーズ」「インディジョーンズ3」のようだ・・と、
一人のイギリス人兵がアラブの独立に燃える、
正義の冒険物語を楽しみにしました。ところが・・

実際政治とはそんな簡単なものではなく、この時代の歴史背景も難解で、
特に2巻目はほとんどそのことで冒険的な面白さはありません。
正直たいくつだと感じていたあの長い長い砂漠の出会いや、
旅の場面が2巻目になると恋しくなるのに気づいた。
それはロレンスがイギリスに戻ると飼い猫のような変わりようで、
また砂漠にもどりたくないと言いつつ、
戻るのはアラブと決まっている。

主役の気持ちがなんだかわかるという、
最初の長いショットが忘れかけたころに生かされる映像の力。
1巻目にはこれでもかと大げさな音楽が雄大に流れる。
それがもっと戦いが大きくなった2巻目では、音楽はないに等しい。
もしかしてこれが現実なんだと知らされているような・・

誰しも自分の欲望はあるし志もある。国のため名誉のため自分のため。
一番自分に正直だったのは盗賊の頭だったのかもしれない。
政治の現実に嫌気がさし去っていくロレンスを、
最初に出逢ったアリが止めるがそれを諭した盗賊のアウダは、
こうなることも本能で知っていたのかもしれない。
アラブ人になろうとしてなれなかったイギリス人は、
どうみても滑稽だが笑えない苦悩がそこにはある。

助けた仲間を処刑し助けそこねた仲間を思い非情になっていく。
だが戦地から離れまたイギリスに帰れば称号はあれど雇われ兵だ。
アラブを独立させる神にもなれず、大英帝国の駒にされただけなのか。

ぶつ切りになったような終わり方も妙な余韻を残し、
さらにバイクとすれ違う幕切れはオープニングと繋がっているようで、
この主人公のその後にリンクさせているようで不気味な後味です。

アルメイダさん [ビデオ(字幕)] 10点(2005-03-03 09:10:27)(良:1票)
アルメイダ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2006-09-21ルディ/涙のウイニング・ラン8レビュー7.89点
ザ・ロック7レビュー7.83点
ザ・カップ 夢のアンテナ4レビュー6.44点
最後の恋のはじめ方4レビュー6.35点
歓びの毒牙6レビュー5.50点
バーバー6レビュー6.65点
アンブレイカブル3レビュー4.56点
ダ・ヴィンチ・コード7レビュー5.05点
翼のない天使7レビュー6.23点
アンジェラの灰4レビュー5.32点
アラビアのロレンスのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS