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「アニマトリックス」の「セカンド・ルネッサンス」と同じようなお話でした。思えば監督のアレックス・プロヤス、彼は黒コートでカンフーをきめ、2丁拳銃をアクロバティックに撃ちまくるというアクションスタイルを「クロウ飛翔伝説」で発明し、偽りの世界に救世主が現れるというSF物語を「ダークシティ」で見せましたが、それらの要素は「マトリックス」に完全移植され、しかもウォシャウスキー兄弟の手柄と見るのが定説のようになっています。そんな悲劇の人プロヤスが、「マトリックス」へのあてつけとして作ったようにも思えるのがこの映画です。話どころかビジュアルも「セカンド・ルネッサンス」に似ていること、要するにこれも救世主誕生の話であること、そしていつものプロヤスらしさがないことです。プロヤスは常に斬新なビジュアルを見せてきた人なのに、これには新しさがまったくありません。「マイノリティ・リポート」みたいな未来で「猿の惑星/征服」みたいな事件が起こる映画ですからね。ロボットの扱いは「AI」みたいだったし。プロヤスってことで期待した私はちょっとガッカリでした。しかしそんなサムシングを除いて見れば、映画自体はよく出来ていると思います。見せ場を詰め込むだけの普通の大作に終わらず、後半に向けてうまく話をまとめていくなぁって感心しましたから。ゴミの島に投棄された旧ザクみたいな連中が、「人間が危ない」とか言って律儀にもウィル・スミスを助けに出てきて、しかも新型によって無惨にも破壊されるシーンなんて、「AI」に出てきた気持ち悪いだけのロボット達より数千倍感情移入できました。博士を父と慕うサニーの男気にも燃えました。どうせならこれにロボット軍団VS警官隊とか、ロボット革命軍に大型作業ロボットも加勢とか、ウィル・スミスを筆頭としたサイボーグコップスの大暴れとか、考えうるやんちゃをもっとやってくれれば盛り上がったんですけどね。
【ザ・チャンバラ】さん 7点(2004-10-25 23:25:06)(良:2票)
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