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耳に残るは君の歌声

The Man Who Cried
2000年【仏・英】 上映時間:97分
ドラマ戦争もの音楽ものロードムービー
[ミミニノコルハキミノウタゴエ]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2023-02-08)【イニシャルK】さん


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監督サリー・ポッター
キャストクリスティーナ・リッチ(女優)スージー(フィゲレ)
ジョニー・デップ(男優)チェーザー
ケイト・ブランシェット(女優)ローラ
ジョン・タトゥーロ(男優)ダンテ
ハリー・ディーン・スタントン(男優)フェリックス
オレグ・ヤンコフスキー(男優)
坂本真綾スージー(フィゲレ)(日本語吹き替え版)
平田広明チェーザー(日本語吹き替え版)
高島雅羅ローラ(日本語吹き替え版)
中村秀利ダンテ(日本語吹き替え版)
佐々木敏フェリックス(日本語吹き替え版)
御友公喜(日本語吹き替え版)
脚本サリー・ポッター
音楽サリー・ポッター(音楽プロデューサー)
作曲ジョルジュ・ビゼー歌劇「真珠採り」より「耳に残るは君の歌声」
ジュゼッペ・ヴェルディ歌劇「トロヴァトーレ」より「見よ、怖ろしい火を」
撮影サッシャ・ヴィエルニー
製作総指揮ティム・ビーヴァン
エリック・フェルナー
配給アスミック・エース
美術マギー・グレイ(セット装飾)
衣装リンディ・ヘミング
字幕翻訳戸田奈津子
あらすじ
1927年、ユダヤ人の幼女フィゲレは、父、祖父、祖母とロシアの寒村で暮らしている。父は娘に美しい歌声で、子守唄を歌って聞かせる。しかしユダヤ人迫害が厳しくなり、父は稼ぐために渡米を決意。いずれは娘を呼び寄せるつもりで。しかしその直後、村は暴徒に襲われる。祖母は孫娘をアメリカに向かうという若者に託すが・・・

ともとも】さん(2004-01-16)
全てのをあらすじ参照する

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【クチコミ・感想(9点検索)】

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4.《ネタバレ》 切り詰められたセリフ、1時間30分という短さで、断ち切られるような唐突なラストシーン。だが、過剰に感傷を排除するくらいでちょうどいいのだ。歴史を描く一大叙事詩ではなく、あくまでもひとりの女性を押し流していった運命を描いているのだから。
最初のシーンは1927年、ロシアの寒村である。晩秋の底冷えする空気を感じさせるような青みがかった映像。枯れ草も人々の服装も鈍くくすんだ色合いである。だが、父といる限り、この世に不足なことは何もない。少女の笑顔がそれを物語っている。その父が出稼ぎのために、アメリカに旅立っていく。父の手にしがみつく娘。泣き叫ぶでもなく、ただその手にすがっているだけ。祖母がやさしくさとして、娘の手をほどかせる。そして、父もまた、無言で、何度もふりかえりながら歩き去る。もうこのシーンで完全にやられてしまった。
祖母との別れ、イギリスでの養父母との別れのシーンでも、さよならの言葉をかわす様子は描かれない。パリのアパートの大家で、同じユダヤ人だと知って娘をかわいがってくれた老婦人との別れも、車に押し込められて去っていく顔がちらりと映るだけである。
そして、パリから脱出するため、寝ている恋人を起こさないように、そっと支度をして主人公が出て行き、ドアを閉めた音がしたその瞬間、男の目がぱっと開く。もちろん、寝てなどいなかったのだ。ジョニー・デップのエキゾチックな美貌がひきたつラブシーンもいくつもあったが、この場面の表情がいちばん胸に残った。
陽気で現実的な美しいダンサー、主人公の親友を演じたケイト・ブランシェット。ほとんど無表情な、ふきげんなキューピーさん、クリスティーナ・リッチと好対照を成し、ストーリーを動かす狂言回しの役どころでもあった。ふだんは、よくしゃべり、笑う、華やかな表情を見せているが、恋人のオペラ歌手がパリに入城してきたドイツ軍人に、主人公がユダヤ人だとばらしてしまうのを、車の中で固まって聞いているシーンが、圧巻だった。
登場人物の話す英語は、ロシアなまり、イタリアなまり、イギリス風アクセントなどさまざまで、その響きの違いがこの物語の通奏低音になっている。最後にやっと巡り合えた父が娘に語りかける言葉が、故郷で話していたイディッシュではなく、英語だったというところが、なんとも切ない。 yhleeさん [DVD(字幕)] 9点(2007-07-22 15:08:25)(良:2票)

3.《ネタバレ》 時代に抗うように、懸命に生きた人々の話です。
悲劇もあるし、滑稽さもある。

私は同時代を背景とした「子の前で芝居をする父親」の映画を思い出しましたが、本作の登場人物たちにはそういう健気さはありません。
エゴイストだったり変人だったり。
ステロタイプでない人物造形が私は好みですが、こういうこわれかけた人たちを好ましく思うかどうかが、この映画を好きになるかどうかの分かれ目かもしれません。

リーフェンシュタールの映像を知らない人はわからないだろうなあ、というシーンがありましたから、ほかに、私が知らないネタで、意味をよくつかみかねているシーンもあるのではないか、と思いました。

キャスティングがよかったです。
子役は、少女のひたむきさがよく出ていたし、主な4人の登場人物がそれぞれ適役でした。
意外だったのは、タトゥーロの伊達男ぶり。
やっぱ役者やのー。
リッチとブランシェットの対比もなかなか見ごたえありました。
2人の演技はほぼ完璧、といってもいい出来だったと思います。
それにひきかえ、(ほかの方もおっしゃっていますが)、ジョニー・デップの役のキャラクターづけはいまいちだったかも。
これは演技ではなく、脚本、演出の問題ですね。
もう少し人間性が具体的にわかるエピソードを入れてくれないと、涙が唐突に感じられてしまいます。
粗野なセックスシーンも、女性監督とは思えないほどの乱暴さ。
彼の不器用さの表現だったのかもしれないけど、ほかのエピソードと、いかにもミスマッチ。惜しいところです。

余韻を拒否するラストに最初はとまどいましたが、最近、予定調和的な終わり方の映画が多すぎ。
これでいいのだ、と思いました。
なぜ作者は余韻を拒否しているのか。
安っぽい感動作にしたくなかったのでしょう、きっと。

最大に納得いかないのはタイトルです。
いくら印象的に使われている音楽だといっても、その「原題」をもってくるなんて、私には単なる思い付きにしか思えません。
こういう映画が好きな「硬派」の人の心に届かないタイトルです。これは、いけません。 おばちゃんさん 9点(2003-11-26 14:47:29)(良:1票)

2.皆さんの意外と低い評価に愕然。娘を持つ私には娘役の2人の(少)女の愛らしさといじらしさ、それだけで感動です。ローラ役の女優も素晴らしい。父親の抑えた感情にジーンときました。セリフが少なくても表情で充分。ラストが素っ気無い、同感ですが、それが、”この話は大げさなドラマではなく、60年前に普通の市民に起こった、当時良くあったドキュメンタリ-を伝えたい”という女性監督の強い表現の意志を感じます。ただ面白いだけが映画の醍醐味では無いのでは。タイトルはクラシックファンならよく御存知の”真珠採り”の仏語原題の邦訳。映画の英語原題よりも素晴らしい。劇中歌の中では、スージーが歌うパーセルのアリアに胸が締め付けられました。映像も60年前にタイムスリップしたよう。近年では出色の映画です。 ハナレイさん 9点(2003-09-25 23:12:56)(良:2票)

1.小さな少女が父を探す物語に託された、あの暗く重い時代を語るスペクタルロマンです。全体に抑えたトーンの中に、時折きらめく色(例えば花火、ジプシーの焚火、ケイトの真紅のくちべに)に、女性監督ならではの繊細な感性が伺えます。多くを語り過ぎず、短い時間の中で、あえて少女の将来を決定しない余韻を持たせたラストも好きです(いつか彼女がチェイザーと再会出来ることを、勝手に想像)。またそういった分析を排除して、音楽を楽しみながら、環境映画の様に、ただ眺めるという見方も出来るでしょう。それなりにアラもあり、傑作とはいえないかもしれませんが、私はこの映画を手に取って良かったと思えました。 ともともさん 9点(2003-04-17 10:07:17)(良:1票)

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【点数情報】

Review人数 105人
平均点数 5.05点
000.00% line
121.90% line
287.62% line
31211.43% line
41716.19% line
52826.67% line
61615.24% line
7109.52% line
876.67% line
943.81% line
1010.95% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 5.33点 Review9人
2 ストーリー評価 4.37点 Review8人
3 鑑賞後の後味 4.50点 Review8人
4 音楽評価 7.75点 Review8人
5 感泣評価 3.50点 Review4人

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