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カラー・オブ・ハート

Pleasantville
1998年【米】 上映時間:124分
ドラマコメディファンタジー
[カラーオブハート]
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2024-01-13)【イニシャルK】さん
公開開始日(1999-05-22)


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監督ゲイリー・ロス
キャストトビー・マグワイア(男優)デイビッド
リース・ウィザースプーン(女優)ジェニファー
ウィリアム・H・メイシー(男優)ジョージ・パーカー
ジョアン・アレン(女優)ベティ・パーカー
ジェフ・ダニエルズ(男優)ビル・ジョンソン
J・T・ウォルシュ(男優)ビッグ・ボブ
マーリー・シェルトン(女優)マーガレット
マリッサ・リビシ(女優)キミー
ポール・ウォーカー(男優)スキップ・マーティン
ジェイソン・ベア(男優)マークの子分
マーク・ブルカス(男優)バスケットボールの英雄
草尾毅デイビッド(日本語吹き替え版)
松本梨香ジェニファー(日本語吹き替え版)
井上和彦ビル・ジョンソン(日本語吹き替え版)
一城みゆ希ベティ・パーカー(日本語吹き替え版)
掛川裕彦ジョージ・パーカー(日本語吹き替え版)
青野武テレビ修理工(日本語吹き替え版)
野島昭生ビッグ・ボブ(日本語吹き替え版)
桑島法子マーガレット(日本語吹き替え版)
星野充昭(日本語吹き替え版)
朴璐美(日本語吹き替え版)
吉田孝(声優)(日本語吹き替え版)
伊藤和晃(日本語吹き替え版)
脚本ゲイリー・ロス
音楽ランディ・ニューマン
作詞ジョン・レノン"Across the Universe"
ポール・マッカートニー"Across the Universe"
主題歌フィオナ・アップル"Across the Universe"
撮影ジョン・リンドレー
製作スティーヴン・ソダーバーグ
ゲイリー・ロス
ジョン・キリク
製作総指揮マイケル・デ・ルカ
美術ジャニーン・オッペウォール(プロダクション・デザイン)
衣装ジュディアナ・マコフスキー
編集ウィリアム・ゴールデンバーグ
字幕翻訳太田直子
その他J・T・ウォルシュ(Dedicated To)
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【クチコミ・感想】

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87.《ネタバレ》 98年という年には「トゥルーマン・ショー」「ダークシティ」そして本作と、偽りの現実を変えてゆくという作品が3つも制作されましたが、その中でも本作のアイデアや切り口は際立っていたと思います。脚本も映像も非常によく作りこまれており、特に似たようなテイストだった「トゥルーマン・ショー」と比較してもこちらの方が断然優秀な作品だと思います(ダークシティは個人的に好みの映画なので別格)。プレザントビルの奇妙な日常が描かれる前半には大いに笑い、その予定調和が崩されていく中盤にはホ~っと感心し、保守と革新の対立が描かれるシリアスな後半からは人生の教訓をいただくという、3つの味わいのできるなかなか貴重な映画です。前半から中盤にかけては本当に文句なし。トンチが効いていて本当に面白い。そこから一気にシリアスモードに突入する後半部分こそが監督の主張したかった部分だと思うのですが、ここにくると前半にあったような見事なトンチが失われ、かなり露骨な展開となっていきます。ジェニファーのもたらした性とデビッドのもたらした暴力によって街は変貌するものの、変化を望まない者による弾圧がはじまるという内容ですが、全体主義・焚書・赤狩りときて、色付いた革新層を"Colored(有色人)"と呼び、保守層が「区別が必要だ」と主張しはじめるという直球勝負ぶり。人類の野蛮な歴史、とりわけアメリカの現代史を徹底的にデフォルメした含蓄のある展開であり、能天気な前半部分との対比でより衝撃度が増している辺りもよく計算されています。ただしラストの裁判シーンはあまりにも主張が強く出すぎているように感じました。被告となるColoredにはロクに弁護士もつけられず、また傍聴席においてもColoredは二階にしか座れないというのはかつての黒人裁判そのもの。そこでデビッドは多様性を認めることの重要性とともに、差別への言及もはじめます。それは色への差別とともに、女性に自立されては困るという発想は身勝手じゃないかとフェミニズムもチラリ。ん~、こんな立派な演説をする必要があったのだろうか?もしこれを口にするのならプレザントビルの住民からの方がよかったのではないだろうか?そこが唯一引っかかった点です。着地点があまりに露骨で単純すぎやしなかったかと。とはいえ、見終わった後にはそういったことも問題に感じないほどよくできたおもしろい映画なんですけどね。 ザ・チャンバラさん [DVD(吹替)] 8点(2007-03-29 00:33:24)(良:3票)

86.「この映画はとても教訓的な映画で、考えさせられることも多いんだが…実に危険な意味を孕んでいると思うんだよな。この映画はちょっとした矛盾を抱えてしまっている。この映画の主張を簡単に言うと、「自分の殻に閉じこもらずどんどん新しいことをしろ!頑固になるな!柔軟な人間であれ!」ってことじゃん。んで、カラー人達はそういった主張を、頑固で分からず屋のモノクロ人に対して押し付けるのね。あれー、ちょっと待てよ。この構図はおかしくないか?だって「頑固になるな!」という主張を頑固に掲げているんだぜ?矛盾してるよなぁ?大体さぁ、なに勝手に人の家に土足で入り込んで部屋を荒らしまわった挙句に、言いたい放題やってるワケ?「郷に入らば郷に従え」が示すように、モノクロの世界にはモノクロのルールがあるんだよ。市長をはじめとするオジサン達はその世界を守ろうとしただけなのに、何であんな目に会わなけりゃいけないんだろう。彼らが可哀想過ぎる」 という意見ももっともだと思うし、俺みたいにこの映画が大好きな人間もいる。それでいいじゃないか。本当の「柔軟さ」っていうのは、自分の意見を持ちつつ、相手の意見も認めることだと思う。だからね、もうそんな小難しいことは考えずに、この映画をモノクロテレビで見たらどうなるかを想像して遊んでりゃいいんです。 コバ香具師さん 10点(2003-06-27 22:39:58)(笑:3票)

85.《ネタバレ》 アメリカ人も、米国製50’ホームドラマの白々しい明るさに失笑しちゃうんだね。絶対現実には無い台詞と、立ち位置のオカシさ。朝から食卓に山と盛られたパンケーキ(!)。“昔っぽさ”をイジり倒した前半のG・ロスのセンスはなかなか鋭い。たしかに、あの手のダイナーの主人はあの角度でカウンター拭いてるわー。
古いセンスを笑ってばかりではネタ切れになるところを、白黒画面に色をつけることで、人の心の変化、成長とに絡めてきた。おお、その発想は無かったなあ。自然、発生する混乱や差別。後半は人間社会の抱えてきた数多の問題がプレザントヴィルをかき乱す。全く平板で、変化の無い幸せを享受してきた男たちの狼狽ぶりは、ちょっと気の毒になるほど。開放されたのは女の方だったらしい。
リース扮する妹があちらの世界に留まったというのも、良い終わり方。笑えたし、いろいろ考えさせられたりの楽しい2時間でした。 tottokoさん [DVD(字幕)] 7点(2013-12-08 00:29:52)(良:2票)

84.初めて観たときは、何となく「サザエさん」の世界に入り込んでキャラクターや世界観を変えてしまうのと似てるように思えてしまって、自分としては疑問を感じるほうが強くて後味もあんまり良くなかった。サザエさんの中で不倫話とか性的や暴力シーンが出てきたらやっぱりショックだし(^^;でも、終盤の裁判のシーンで主人公が語る「人間には愚かさやいやらしさや暴力なども含めて様々な感情を誰もが持っています」のセリフがすごく響いた。そういう「負の感情」とされている気持ちを持つことも人間として当然のことで、ひとりひとりが心を持っているからこそなんだと思わせくれた。街の人々がみんな本当に50年代の人たちと思えるほど、世界観にマッチしてたな~。トビーの演技も、安心感を与えてくれてとても好印象で、何気ない笑顔が最高。彼はスパイダーマンに変身するよりも、自分の笑顔で人が救えると思う(^^劇中に出てきた化粧品のコンパクト、昔、自分の親もああいうゴテゴテしたの持っていて、なんか懐かしかった。それから、この映画のビデオやDVDのパッケージのデザインが綺麗で面白い。でも、あえて余計なツッコミだけど、雨も降らず火もなく暑さ寒さもなくて、問題起こす人がまったくいない世界のドラマって面白いのか!?サザエさんにだって泥棒は出てくるぞ(笑) kiku☆taroさん 9点(2004-10-02 00:57:07)(良:1票) (笑:1票)

83.画面を一つのお話の内容だけでなく、映像としての美しさも伝わってくる変わった映画でした。途中白黒を使って昔を邂逅したり、白黒の中に赤を交えて目立たせたり、というような映画は今までに結構ありましたが、ストーリーにもろに色が関係してるというのをここまで徹底してやったのは初の試みとも言えるのではないでしょうか(他にあったらごめんなさい)。いつもと違う感覚で映画を観ることが出来てなかなか面白い作品だと思います。ただ、一発ものだけにもっと脚本にかける時間を捻出するとか、今後こういう作品を作ると全部二番煎じになってしまうだけにもっとうまくまとめて欲しかったのは少し残念。 恥部@研さん 7点(2002-12-10 10:29:39)(良:2票)

82.《ネタバレ》  ストーリーがしっかり作りこまれているとは思いますが、やはりアイデア・映像先行のアート的な作品だと感じます。どちらかと言えば、視覚的な面白さを追求した作品ではないかと。
 ですので、ディテールにおいては甘さがあります。こういう作品こそ、ディテールにこだわり、矛盾点を無くし、作品に説得力が生まれればより高度な傑作に成りえたかもしれません。
 今作に関しては、ルールを事前に知ってから見たほうが楽しいかもしれないですね。『価値観が変化する』⇒『色がつく』という着想は実に面白いです。最初は色がつくきっかけがよくわからなかったんです。ルールがよくわからないまま物語が進行していくので、もやもやします。最初から知っていれば、映画を見たときの感想がまた違うものになるかもしれません。
 ちょっとだけクレーム。①リモコンを渡した電気屋さんは主人公に対してクレームなんぞつけずに、終始、第三者的視点でいて欲しいです。②どちらかと言えばファミリー向け作品の雰囲気がするのですが、それにしては下ネタ多くないですか?③お母さんに不倫してほしくない。しかもお父さんとお母さんの関係はラストで修復されたのかよくわからないままです。あの三角関係が適当にスルーされるのは不自然です。④価値観の変化により、妹のほうがプレザントヴィルに残り、兄のほうが現実世界に戻るというのは、流れ的には間違っていないと思います。ですがプレザントヴィルの世界がどこまで広がっているのか、はっきりとしないまま妹がその世界でバスに乗って大学に行こうとするのは、世界観が崩れます。プレザントヴィルはやはり架空世界のままのほうが、収まりが良いんじゃないでしょうか? たきたてさん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-12-22 04:09:00)(良:1票)

81.《ネタバレ》 現実の世界の住人がテレビや映画の世界に入り込んでしまって、毎日何の疑問も持たず決まった行動を繰り返すモノクロの世界に巻き起こす騒動。ウディ・アレンの「カイロの紫のバラ」などを思い出します。

異なる属性の視点をカラーとモノクロのパートに分ける手法も珍しくは無いですが、本作の素晴らしいところは、登場人物が己の感情を素直に表現したり、感受性が豊かになるにつれて、色の世界が広がっていくという、本来人の目に見えない心の内を色という形で極めて分かりやすく表現する事に成功しているところでしょう。

終盤の「有色人種お断り」の看板や裁判のシーンに現実世界の問題をシニカルすぎる感はあるけど上手くプレザントヴィルの世界に挿入しており、僕たちの住む現実世界にも色々な場所がありますが、自由の素晴らしさなども感じさせてくれる作品です。

トビー・マグワイアという人は喋り方も、表情も、フワフワとした独特の雰囲気があってファンタジーの世界がよく似合いますね。 とらやさん [DVD(字幕)] 8点(2011-12-18 11:47:37)(良:1票)

80.《ネタバレ》 「TV番組の世界に入り込んだ姉妹の冒険」と言うアイデアはともかくとして、ベタな展開の学園物コメディ・ファンタジーに落ち着かせない脚本のパワーが秀逸。プレザントヴィルの世界もけっこう凝った設定なので、前半のコメディラインも生き生きしてます。「カラード」と「モノクロ」に町の住民が二分してゆき、それがアメリカらしい人種問題のメタファーになっていくのには、眼からウロコで上手さに感心させられました。でもやっぱりこの作品の成功は、デジタルテクノロジーを駆使したパートカラー映像の美しさに負うところが大きいでしょう。 S&Sさん [ビデオ(字幕)] 9点(2010-10-03 23:31:57)(良:1票)

79. う~ん……。何か釈然としねぇなぁ。謂わんとすることは分かるんだが。
 確かに世の中は変わるものだし、それに連れて人も変わっていかなきゃならない。自分を表現するのも良い事だろう、やり方さえ間違わなければ。でもねぇ、このプレザントヴィルに起きた変化って、良いことなんだろうか? 貞操を捨ててでもしたいことをする、新しいことをするのが進歩なのか? それに暴動や焚書を以って対抗するのが自分や世界を守ることなのか? 急進派、保守派、どっちも間違ってるとしか思えない。
 って言うか、これってものすごくアメリカ的な考え方だよな。口先では環境保全を叫びながらも京都議定書は守らない。「だって車に乗りたいし、快適に暮らしたいし~。ムリ言ったら企業が政治にお金出してくれなくなっちゃうも~ん」と、世界を犠牲にしてでもやりたいことをやる。さらに気に入らない国にはすぐ爆撃。「世界で一番強くないとイヤなんだも~ん! 世界の警察なんだもん!」っつって、暴力で相手を押さえ込もうとする。つまりはアメリカ的エゴイズム。単なるわがまま。
 いや、本当に着眼は良いと思うんだ。旧態然としたモノクロームの街に、新しいカラーを持ち込むというお話は、ファンタジーとして面白いテーマだと思う。でも、もう少しやり方は考えて欲しかった。特にラストのベティの相手がショットで変わるのは……。自分の母親だったら殴ってるね。 TERRAさん [ビデオ(吹替)] 4点(2007-02-28 07:10:54)(良:1票)

78.《ネタバレ》 白黒画面の中にカラーが出現するというのは他の作品でも有るんですが、その手法をここまで徹底的利用した作品は初めてみた。なかなか美術的感覚で見ると美しいとは思ったんですが、中身はその手法ありきで物語自体に面白みを感じなかった。人の気持ちや考え方、行動が変わると色が付くと言ったって、だからなんなんだと言いたくなる。 みんてんさん [DVD(字幕)] 4点(2007-01-30 13:11:30)(良:1票)

77.《ネタバレ》 不思議な映画でしたね。ところどころ街が色づき始める部分はきれいでしたね。特に恋人池なんか。どうなったらカラーになるか詳しい説明がなかったから、はじめは分かりにくかったけど、自分の中に新たな価値観が入り込んだからなのかな。ホント、人それぞれですぐに受け入れられる人もいれば、拒み続ける者もいる。そのあたりの柔軟性というものは変化を求める思いの強さに比例してたんだね。年齢とかは関係ないね。またその変化の要因がその世界ではご法度みたいな行為に見られたんだろうけど、やっぱ初めにやる人がいなければ後には続かないもの。何をするにもパイオニアってのは非難されるもんなんだね。なかなかメッセージ性を含んだ深い作りになってると思います。現代に戻る時普通に母親が今までのことを知ってたかのように見送ってたのは何で?って思いましたけど。 ブッチ・ハーモンさん 6点(2004-02-06 13:42:03)(良:1票)

76.《ネタバレ》 赤狩り時代のアメリカや、ファシズム、カラー=有色人種といった、色々な象徴を内包しつつ、変化してゆく事、変化を受け入れてゆく事で世界が広がるという、ファンタジーっぽいけれど、実は深いテーマが刻まれてる映画です。私としては、この世界の純朴さの象徴であるカフェのオーナー、ジェフ・ダニエルズが印象に残りました。ただ、気になったのは、この世界、変化してゆくことで、プレザントヴィルの外側の世界ってどうなっていったんでしょ?という事。そこは具体的に描かれてませんでしたが。パラレルワールドとして現実と同じような世界が存在しています、って事なのかなぁ。 あにやん‍🌈さん [映画館(字幕)] 7点(2003-11-30 13:53:08)(良:1票)

75.環境の変化ほど人間にとってつらいものはない。なにせそれまで培ってきた処世術という武器を奪われてしまうのだから。そうして丸腰になった者は自分の弱さが露呈するのを恐れ、排他的になっていく。新しいものの否定こそが自己存続の鍵となるから。本作では、そのような人間の存在に関わるテーマをビジュアル的にもプロット的にも慎重に重厚を避け、軽やかにおしゃれに表現していて素晴らしい。 恭人さん 8点(2003-11-23 20:32:34)(良:1票)

74. 原題“Pleasantville”をこの邦題にしたのは、巧いのかもしれない.時代の流れとともに、以前はタブーになっていたことがずいぶん開かれ清濁併せ呑む価値観にゆっくりと変わってきているのだと、「価値観の多様化」などと一言で括ると簡単に通り過ぎてしまいがちなことを、この映画で真剣に実感してしまった.そして T. マグワイアは観る側に不思議に安定感を与える人で、この魅力がキャラを立たせていて、適役だったと思う. シャリファさん 8点(2003-10-13 01:07:16)(良:1票)

73.(ちょっとネタバレ) 「性の悦び」を知ると色が着くのかと思ったら(リース・ウィザースプーンのキャスティングもそう思わせるから巧い!)、実は本当の自分を知ったり、さらけ出したりすることで色が着くっていう展開は、後半にきていい意味で裏切られました(確かに最も自分をさらけ出せるのはその時ですが…)。ベタと言えばベタな表現方法だけど、デジタル処理されたモノクロとカラーの対比はすごく良くできているし美しい(最初はモノクロに着色の予定だったのがカラーのモノクロ転換で通したそうです)。しかしファンタジーとして完結させるのなら、私はウィザースプーンにはこちらに戻ってきてもらって努力して欲しかったと思います。総合評価で7点献上。 sayzinさん 7点(2001-10-28 17:13:23)(良:1票)

72.《ネタバレ》 “Pleasantville”『プレザントヴィル』ってドラマのタイトル。地名で『愉快な町』とかって意味で、実際アメリカに幾つか同名の町があるので、きっとよくある田舎町の名前。
現実から異世界に行く&小さな町が主人公の影響で変わっていく映画というと、もう結構出尽くした感があったけど、こんなのも創れるんだって、かなりショックを受けました。私はケーブルテレビで遅れて観たけど、この作品、公開当時はどれくらい話題だったんだろう?もっと認知度高くても良いような、そんな印象です。

BTTFのように過去に行く物語の亜種として、視覚的にはカラーからモノクロの世界に行くんだけど、過去のドラマの“中の”世界。というのは面白い着目点です。紙は燃えないし、本は真っ白だし、メインストリートの先はメインストリートの始点。“本当の赤”みたく、お互いにモノクロなのも理解してます。カラーになったベティをファンデーションで助けるなんて、この世界観だからこそのアイデア。
デイビッドはバッドを演じ、ジェニファーはメアリー・スーを演じます。パターンとして、二人が時間が止まってる世界を壊さないように役を演じて、あれこれトラブルが有りつつも、最後は自分たちもモノクロ世界も壊さずに、無事現実に帰ってくるのが定石…だと思ってたところ、どんどんカラーが入ってきて、取り返しの付かない展開になっていきます。それも最初はカラーになっていくのがスカッと爽快で、だけどどんどん歪みが生まれていくのも上手いです。最初から最後まで『この先どうなっていくんだろう?』の連続でした。

最後も綺麗でした。古き良き'50年代から、世界が広がる'60年代へ。銀色の都市間高速バスが時代の変化を感じさせます。その後は退廃の'70年代に向かうのが想像できるけど、ドラマの世界の彼らはそんなこと知りません。一人残ったジェニファーも、たぶん詳しくは知りません(※今まで勉強してなかったのと、あの世界に未来の本は無いから)。だけど彼らの世界は私たちの世界とは違うので、同じ道を辿るとは限りません。プレザントヴィルがデイビッドが暗記するほど観てきたドラマの通りにならなかったように、彼らが向かう世界は素晴らしい'70年代かもしれない。
そして現実に戻ったデイビッドも成長しているのも嬉しいおまけで、あんな世界を体験しただけに、そこに説得力もあります。消えたジェニファーをどう説明するのか。あっちの世界もこっちの世界も、先のことはわかりません。だけどとても希望に溢れた終わり方でした。

結構完璧な作品です。完璧過ぎてアラが少ないのが、かえって“創りもの感”を感じます。エンディングのジョージがビルに変わるとことか、こういうのリメイク作でやるなら解るけど、ちょっと捻り過ぎかも。
あのテレビ修理の爺さんが何度か出てくるのは蛇足だった気がします。「おめーがリンゴ食ったからだー!」って言われても、いまいちピンときません。最初すぐ現実に戻ろうとしたけど戻れなくて、最後アッサリ戻ってしまうのは、リモコンの問題でなく爺さんの気分次第?1~2週間経ったから?う~ん…
『この先どうなるかわからない』映画なんだから。爺さんは最初と最後(帰っていくところ)だけで、あとは自分たちの選択した結果にしてほしかったかな。
ゲイリー・ロスの初監督作品。そのため力が入りすぎて、作品愛が溢れてしまったんだと思うところ。かなり好きな映画です。 K&Kさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2023-12-02 09:50:10)

71.素敵な作品でした。同時期にサイダーハウスルールも主演しているトビーマグワイヤの繊細な演技は同様に素晴らしいものでした。モノクロにカラーが入っていくという設定やプロット自体とても優れているけど、テーマ性がまたいい。保守の安定と革新の自由の対比。見ていたら序盤中盤カラー派に心を寄せていたのに、次第にモノクロ派の心情もとても理解できるようになってきた。自分自体が歳食っているので、むしろモノクロ派に肩入れも。ビッチな妹が本を守り大学に進学したシーンも印象深い。秀作です。 タッチッチさん [DVD(字幕)] 8点(2019-09-26 19:42:57)

70.《ネタバレ》 『天国と地獄』と『シンドラーのリスト』の演出を一本の映画にした印象にも取れるが、
無機質から有機質に移り変わっていく作品の情感を丁寧に掬い取る。
作りものの世界であることを逆に利用して、モノクロとカラーを混在させた映像が美しい。
劇中劇のホームドラマには有色人種が一人も登場せず、"色"が付いた人間を差別するとかなかなか皮肉が効いている。
恐れていた予定調和から外れ、生まれ変わった町は新しい世界を広げていくが、同時に負の要素も持ち込まれるだろう。
それが現実の世界そのものだが、過酷だからこそ、ささやかなものですら美しいと感じられるのだ。 Cinecdockeさん [DVD(字幕)] 7点(2018-01-19 20:24:14)

69.ベタな内容・テーマだけど、心情と映像の結びつきを上手く描いていて良かった。 nojiさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-07-23 00:09:39)

68.《ネタバレ》 お母さんがカラーになるところは結構ブラックで、この先どんなドタバタ・コメディになるかと思ったが、最後はなかなかの感動的ストーリーで終わる。T・マグアイアはいい役者だなあ。R・ウィザースプーンもいいね! kaaazさん [DVD(字幕)] 8点(2012-05-13 01:39:46)

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【点数情報】

Review人数 87人
平均点数 7.24点
000.00% line
100.00% line
211.15% line
322.30% line
422.30% line
578.05% line
689.20% line
72326.44% line
83135.63% line
989.20% line
1055.75% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.50点 Review2人
2 ストーリー評価 7.00点 Review3人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review1人
4 音楽評価 7.00点 Review1人
5 感泣評価 Review0人

【アカデミー賞 情報】

1998年 71回
作曲賞(ドラマ)ランディ・ニューマン候補(ノミネート) 
美術賞ジャニーン・オッペウォール候補(ノミネート) 
衣装デザイン賞ジュディアナ・マコフスキー候補(ノミネート) 

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